純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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旅立ちと初戦闘

神奈子との修行の日々を終えた諏伯は、気付けば18歳になっていた。彼はこれまでの厳しい修行の成果と、さまざまな経験を胸に、今や自信を持っていた。

 

「こんなものかな。」神奈子が何気なく言った。

 

「何がですか?」諏伯は疑問を抱きながら尋ねた。

 

「修行だよ。武神と土着神と2年も修行をしたんだ。もう旅に出ても問題ないだろう。」神奈子は笑顔で答えた。

 

「ありがとうございました。」諏伯は感謝の意を述べた。

 

「礼はいいよ。私も子どもの成長を見れてよかったさ。さあ、今日のご馳走だ。」神奈子は言いながら、役割を果たすように食卓の準備を整えた。

 

### 旅の前夜の宴

 

修行を終えた諏伯は、旅の前日に神奈子、諏訪子、そして東風谷の巫女と共に、食卓を囲んでいた。盛り付けられた料理は色とりどりで、彼らしい気配りが感じられた。

 

「いや~。淋しくなるねぇ。」諏訪子が言った。

 

「そこら辺の妖怪位にはもう負けないよ。」神奈子が逆に励ました。

 

「ありがとう。旅に出してもらって。」諏伯は皆に感謝を示し、目を輝かせていた。

 

「可愛い子には旅をさせよ。と言いますからね。弟が出ていくようで悲しいです。」東風谷の巫女は少し笑みを浮かべながらも、若干の寂しさを口にした。

 

「いつでも帰ってきていいんだぞ。」神奈子は温かく言った。

 

「そうだよ。諏伯、旅をするといっても一生お別れという訳じゃないんだ。ここは家なんだから帰っておいで。帰らないと呪うからね。」諏訪子は冗談混じりに言い、場を和ませた。

 

 出発の日、晴れ渡る青空の下、諏伯は神社の前で家族と友人たちに見送られていた。彼はこれからの旅に胸を躍らせていた。

 

「はい、これ旅の道具。なんも分かんないだろうから、必要な者をまとめたよ。」諏訪子が手にした荷物を差し出しながら微笑む。

 

「ありがとう、母さん。」諏伯は感謝の気持ちを込めて笑顔で受け取った。

 

「忘れ物ないか?服の予備の予備の予備の予備とか、忘れてないか?」神奈子が心配そうに問いかける。

 

「そんなに要らないよ、神奈子。」諏訪子が苦笑しつも、心配する神奈子を和ませた。

 

「悪い人に騙されないようにね〜。」東風谷の巫女が優しくアドバイスする。その言葉には、彼女の思いやりが感じられた。

 

### 旅立ちの瞬間

 

みんなが手を振る中、諏伯は深呼吸して前に進み出た。心の中の期待と不安が交錯する中で、自分の目指す道をしっかりと見据えた。

 

「行ってきます!」諏伯は力強く声を上げ、出発の意志を示した。彼の声は自信に満ちており、新しい冒険への決意が込められていた。

 

「元気でね、また帰っておいで!」諏訪子の声が後ろから響く。

 

「気を付けて、いつでも帰ってきていいから。」神奈子は温かい目で見守り、見送った。

 

「頑張ってね!」東風谷の巫女も微笑みながら声援を送る。

 

### 新たな一歩

 

諏伯は振り返り、みんなに手を振った。彼は自分の道を歩き出し、新たな冒険の入り口にはたどり着いた。その瞬間、彼は一歩一歩、確かな足取りで未来へと進んでいった。

 

彼の心の中には、母や神奈子、そして東風谷の巫女の温かい言葉が響き、いつでも帰れるという安心感があった。新しい旅路の始まりに、希望と勇気を胸に抱きながら、彼は振り返らず、未来へと進んでいった。

 

 諏伯は、旅の目的地である「京」に向かい、山々の道をあるき始めていた。「さて、最初は人のいる京に向かうか。」彼には、まだ見ぬ世界を探索し、新たな発見をするという希望に満ちた気持ちがあった。

 

数日間、山々を歩いていると、突然声がかかった。

 

「そこのもの、ここから先は我々の縄張りだ。他の道を行け。」鴉天狗の低い声が響く。彼は高い木の上から姿を現し、警戒心を強めていた。

 

「他の道なんてないけど。」諏伯は冷静に返答した。

 

「そんなもの知ったことか。我を倒したら通してもいいぞ。」鴉天狗は自信たっぷりに言った。

 

「ならそうさせてもらおうか」諏伯は荷物を置き戦闘態勢を取る。

 

 鴉天狗は真っ直ぐに木の棒を持って突っ込んできた。その姿は鋭く、まるで矢のようだ。諏伯は瞬時に神力を使い、土を操って土壁を作り出した。

 

「何?土で壁を?まあいい。」鴉天狗が言い放つ。

 

その言葉を受け、鴉天狗は土壁を足場にして、周りの木々へと飛び移り、諏伯を翻弄してきた。

 

「スピードはあるが、」諏伯は冷静に分析しながら、木々を飛び移る鴉天狗に対して土壁を次々と追加していく。

 

「同じ事だ。また足場にしてやる。」鴉天狗はそのま土壁を踏み込んで来たが、その瞬間、諏伯は壁に一部穴を開けた。

 

「何?不味い、この勢いだと向きを変えられん。」鴉天狗は戸惑っていると、もう一瞬の隙をついて、壁の向こうで弾幕を展開した諏伯に突っ込んでしまった。鴉天狗は一網打尽に攻撃を受け、思わずよろけた。

 

「これで通して貰えるかな?」諏伯は勝ち誇るように言った。

 

鴉天狗は地面に横たわった状態から手を握りしめて起き上がり、「いや~お強いですね。私、鴉天狗の射命丸文と申します。通るのはいいのですが、そのまま通られると上司に怒られてしまうので、、、隠し道を通って貰ってもいいですかね?」と頼んだ。

 

「通れるなら何でもいいですが。」諏伯は納得した。

 

「いや~話が早くて助かります!サッサ、こちらをお通り下さい。足下お気をつけて。」射命丸文は嬉しそうに道を指し示した。

 

諏伯は射命丸文が案内するまに慎重に山道を進んだ。

 

「まさか、人間にあんなのがいるとは。これからは人間の記事を書きましょうかね。」射命丸文は楽しそうに諏伯の背中を見つめた。

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