美鈴を倒した諏伯は紅魔館の中へ進んでいく。扉を開けると、霊夢がちょうど紅魔館のメイドを倒した後だった。
「おっ、終わったか。」と諏伯が声をかける。
「もうちょっと早く来てくれたら楽できたんだけどね。」霊夢は少し不満げに答える。
「私より強いんだから助けなしでも大丈夫だろ。」と諏伯は冗談交じりに返した。
「アンタは埋められて体力使い果たしただけで、実力で勝ったわけじゃないわ。」霊夢はからかうように言う。
「まあ、行こうか。」と諏伯は話を切り上げ、二人は紅魔館の奥へと進んでいく。
紅魔館の最奥にて
「ここね、開けるわよ。」霊夢が扉を開けると、そこには意外にも魔理沙がいた。
「魔理沙?ここで何してるのよ。」と霊夢が問う。
「おう、霊夢。やっと来たのかよ。私の方が早かったみたいだな。横にいるのは確か諏伯だったか。お前も異変解決しに来たんだな。」と魔理沙は笑顔で答える。
「ああ、それはいいとして、紅魔館の主はどこに?」と諏伯が周囲を見回す。
「そこさ。」と魔理沙が指差す。
彼女が指を差した方向には、吸血鬼の姉妹が争っている様子が見えた。吸血鬼の姉妹は紅魔館の主であるレミリア・スカーレットと、その妹のフランドール・スカーレットである。どうやら何らかの理由で争いを始めたようだ。
魔理沙は誇らしげに言った。「姉妹に腹を割って話をさせてみたんだぜ。」
霊夢は少し皮肉っぽく返す。「泥棒が妹をそそのかしたってことね。」
「おい、霊夢。そんな言い方はないんだぜ。」魔理沙は肩をすくめた。
諏伯はふと呟く。「それにしても凄い戦いだな。あの2人、弾幕の威力が桁違いだ。」
「分かるのか?」と魔理沙は少し驚く。
「伊達に長生きしてるからな。」諏伯は軽く笑いながら答えた。
霊夢は2人の会話を中断し、「2人とも、話してるとこ悪いんだけど、あの吸血鬼姉妹2人はなんで抱き合ってるの?」と指摘する。
魔理沙は微笑みながら「無事仲直り出来たようだな。」と答える。
「それって2人とも来るやつ?」と諏伯は少し警戒する。
仲直りした吸血鬼姉妹はこちらを向き、挨拶をする。
「ありがとね、魔理沙!おかげでお姉様と仲直りできた!」とフランは嬉しそうに言った。魔理沙は手を挙げて応える。
「さて皆様、お待たせしましたね。私は紅魔館の主のレミリア・スカーレット。」レミリアは優雅に挨拶する。
「妹のフランドール・スカーレットです。」とフランも続ける。
「我ら姉妹の仲を取り持ってくれた人間達に、全力で戦わせてもらうわ。」レミリアは挑戦的な笑みを浮かべながら言う。
霊夢は魔理沙に声をかけた。「魔理沙、たまには役に立つと思ったら…」
「まあ、いいじゃないか。姉妹が無事仲直りできたんだぜ!」魔理沙は笑い飛ばす。
「まあいいわよ。二人まとめて倒しましょう。合わせなさいよ!」霊夢と魔理沙は息を合わせ、レミリアとフランに向かって突っ込んでいく。
レミリアとフランは強力な弾幕を展開する。「土弾!」諏伯は即座に土の弾を作り、二人の弾幕を迎撃しようとする。
レミリアはその様子を見て驚く。「あの人間、ただの土で弾幕を撃ち落とした?フラン!巫女と魔法使いを相手して。」
「分かった!お姉様!」とフランは返事し、霊夢と魔理沙に向かう。
一方、レミリアは自ら諏伯に向かって超スピードで飛びかる。
「神力操作!」諏伯はレミリアに対し、神力を使って体重の数倍の負荷をかける。
しかしレミリアは、負荷など物ともしない様子で距離を詰めてくる。
「嘘だろ、天狗に効いたのに…」驚く諏伯に対してレミリアは笑い声をあげる。「はっは!土を操る能力かと思ったら神力使いね!神を殺れる機会なんて早々ないわね!神槍スピア・ザ・グングニル!!」
レミリアの手に現れた槍が諏伯を狙い突進してくる。諏伯は杖に仕込んでいた刀を抜いて槍を弾こうとするが、レミリアは何度も素早く突きを繰り出してくる。
「神の血はどんな味がするんでしょうね。」レミリアの言葉に対し、諏伯は必死に応じる。「正確には神の子だ!」
何度か攻防が続いた後、レミリアが繰り出した一撃で諏伯の刀は弾き飛ばされた。
「やべっ…!」刀が弾き飛ばされ、諏伯は無防備となりレミリアの槍が迫る。
諏伯は槍に貫かれ、血を吐き出す。「加護が発動しない?」
レミリアは笑って続ける。「何か憑けているのかもしれないけど無駄よ。私の槍にはあなたを貫く運命を与えたもの。」
諏伯が血を吐く中、レミリアはその血を浴び、快感に酔いしれる。「これが神力使いの血…初めて飲んだけどハマるわね。」
腹を貫かれた諏伯だったが、幸いにも蓬莱の薬の効果で傷は閉じ、回復していく。
「へぇ、理由は知らないけど、傷が治るのね。」レミリアは驚きの表情を浮かべながら言った。
「土槍!」諏伯は土槍を作り、レミリアに振りかざすも、レミリアは軽やかに避ける。
「大丈夫、動きが鈍いわよ?」レミリアは余裕の笑みを見せていた。
「土槍への加護。回転、圧縮、追尾、純化…」諏伯は土槍に次々と加護を与えていく。
レミリアは最初は楽観的に構えていたが、槍の威力が次第に上がっていくのに気付く。「あの槍、あれ以上待つと不味そうね。」
レミリアは再度手にグングニルを顕現させ、諏伯に向かって投げる。諏伯もまた土槍を投げ返す。
グングニルと土槍は互いに衝突し、爆発を引き起こす。「そんな!グングニルと相打ちの威力!?」レミリアは少し驚いた様子で叫ぶ。
爆風が広がる中、諏伯はレミリアに突撃する。「吸血鬼相手に正面から来る気?いい度胸ね。」レミリアは攻撃を受けながらも余裕を見せる。
諏伯は何発か攻撃を受けつも、ついにレミリアの手を掴む。「レミリア・スカーレットに与え給う。加護"石化"」
レミリアは掴まれた手から石化が進み始める。「なっ!紅魔館の当主たるわた…」
その声と共に、レミリアは完全に石化してしまった。
姉の石化によって空にかっていた赤い霧は晴れ始める。周囲の仲間たちがその変化に気付く中、フランは戦いを放棄してレミリアの元へ急いで駆け寄った。
「お姉様!お姉様!せっかく仲直りしたのに!」フランは涙を流しながら叫ぶ。
「加護よ解除し給う。」諏伯は心を込めて加護を解除し、レミリアの石化を解いた。
レミリアは最初は何が起こったのか分からず混乱するが、フランが泣いている姿と、晴れ渡った空を見て、負けたことを理解する。「私達の負けね。」
レミリアの認識が戻った瞬間、フランはお姉様を抱きしめる。「お姉様が戻った!」泣きながら嬉しさを表す。
その温かい光景を見た諏伯と霊夢、魔理沙は少しほっとし、異変が終わった瞬間を感じていた。幻想郷に平和が戻ったことを祝福しながら、彼らの新たな絆も芽生えたかのようだった。
二人の吸血鬼を見ながら、諏伯たちはゆったりと話をしていた。
「一瞬殺したのかとヒヤヒヤしたんだぜ。」魔理沙はため息をつき、心配していた様子を明かす。
「出来るわけない。家族との別れが辛いのは痛いほど分かる。」諏伯は静かに言った。
「さーて、終わったことだし神社に帰ってゆっくりしましょうかね。」霊夢は安堵しながら提案する。
その時、どこからともなく声が聞こえてきた。「ちょっとお待ち下さい皆さん!新聞に載せる用の写真をですね、撮らせて下さい。」
射命丸文が現れた。「おい文屋。お前まさか最初から見てたのか?」魔理沙は驚き、彼女に問いかけた。
「勿論です!新聞記者として取材はしますよ。」射命丸はにこやかに答え、カメラを構えて準備を整える。
「じゃあ、せっかくだしみんなで写真を撮ろう。」霊夢が言うと、魔理沙もそれに乗っかり、笑顔を見せる。
射命丸「霊夢さんが応じた?異変でしょうか?」
「さあ、吸血鬼姉妹も一緒に入って!」諏伯が声をかけると、レミリアとフランも困惑しながらもその場に参加する。
皆が集まり、射命丸がシャッターを切る。ポーズを決めて笑顔になる一同を捉えた写真には、幻想郷の仲間たちとその日が存在したことがが刻まれた。