純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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妹紅の元へと

数日が経過した頃、新聞のチラシに永遠亭が主催する「真の肝試し大会」の案内が届いた。

 

「なになに、真の肝試し大会の案内?」と諏伯が驚いて声を上げる。

 

早苗も興味を惹かれた様子で、「肝試し大会じゃなくて真の肝試し大会ですか?」と問いかける。

 

「続きを読もう。この紙を受け取ったあなたは真の肝試し大会に参加する実力があります。迷いの竹林奥に住まう不老不死の肝を食べたら貴方も不老不死に、尚この招待状は紅魔館、白玉楼などにも送られています。」と諏伯が読み進める。

 

「不老不死?諏伯さんのことじゃないですよね。」と早苗が少し不安そうに尋ねる。

 

「妹紅だ。」と諏伯が説明する。

 

「妹紅、、さん?」と早苗は聞き慣れない名前に首を傾げる。

 

「早苗は知らないだろうけど、かつて守矢神社で育った妹みたいな存在だよ。迷いの竹林にいるとは聞いてたけど。」と諏伯が懐かしそうに話す。

 

「どうするつもりですか?」と早苗が続けて聞く。

 

「とりあえず妹紅に会ってから輝夜を一回しばいてくる。」と諏伯は決心を固めたように言い放つ。

 

諏伯はその言葉を残して、守矢神社を飛び出し、迷いの竹林へと急いだ。道中、竹林の静けさと共に自分の中に湧き上がる感情を整理しながら、昔の思い出や妹紅との再会を思い描いていた。

 

 竹林に入り、永遠亭や妹紅の家を探していた諏伯は、しばらく歩いても目的地を見つけられず、帰り道も分からなくなってしまいました。景色の変わらない迷いの竹林でひたすら歩き続けた結果、彼はついに倒れてしまいました。

 

その様子を見ていた影狼が「くんくんくん。人の匂いだ。あの人間、目的もなく歩いていたと思うと、ついに倒れてしまったのか。」と呟きながら近づき、倒れた諏伯を拾って自宅へと連れ帰りました。

 

薪がパチパチと燃える音で目を覚ました諏伯は、辺りを見回し「家じゃない洞窟?」と呟きました。

 

「目が覚めた? あなた倒れていたのよ?」と影狼が声をかけました。

 

「どうも。ありがとうございます。その耳は狼?」と諏伯は不思議そうに尋ねます。

 

「そうね、でも勘違いしないでよ。別に食べようとした訳じゃないから。」と影狼は少し前置きする。

 

「嫌ですね。恩人にそんな事思う訳ないじゃないですか。」と諏伯は安心させるように答えました。

 

「それなら良かったわ。私は今泉影狼。迷いの竹林に住んでいるの。ここは、家というより拠点みたいなものね。こんなとこで倒れるまで何探していたの?」と影狼が続けて尋ねます。

 

「妹を。」と諏伯が答えました。

 

「妹?迷子?」と影狼は首を傾げます。

 

「いや、住んでるらしいので」と諏伯は説明しました。

 

「迷いの竹林に住んでる人間か、、、」と影狼が考え込むように言います。

 

「名前は藤原妹紅と言うんですけど」と諏伯が名前を告げると、

 

「あー、あのよく竹林を燃やす人か」と影狼が思い出したように言います。

 

「そんな怖いことしてるの?」と諏伯は驚きました。

 

「友達とケンカしている時によく燃やしてるのよ。こっちとしては住処が燃やされないかヒヤヒヤしてるんだけどね。」と影狼は苦笑いします。

 

「すいません、、妹が。」と諏伯は申し訳なさそうに言いました。

 

「いや、あなたは何もしてないからいいのよ。」と影狼は優しく返します。

 

「ところで妹紅の所に案内して貰う事は出来ないですかね?」と諏伯が頼みました。

 

「困っている人を助けるのはいいけど、私あの子苦手だから近くまででいい?」と影狼は提案しました。

 

「大丈夫です。」と諏伯は了承し、影狼に連れられて妹紅の家へと向かいます。

 

道中、影狼は「それじゃあ、着いてきて。案内するわよ。」と声をかけ、迷いの竹林を再び歩き出します。

 

そして、「それじゃこの道真っ直ぐ行けば着くわよ。」と説明し、道筋を教えました。

 

「ありがと、影狼。」と感謝の言葉を伝える諏伯。

 

「どういたしまして、私も迷いの竹林にいるから暇な時は来てね。友達を紹介するわ。」と言い残し、影狼は去っていきました。

 

再び一人になった諏伯は、影狼の教えてくれた道を進みながら、妹紅との再会に備えて心を整理します。竹林の中、彼の足取りは今度こそ確かなものになっていました。

 

 諏伯は妹紅の住む家の近くまでやってくると、茂みの中からそっと様子を伺いました。

 

「妹紅、いるだろうか。」とつぶやきながらしばらく覗いていると、突然扉が開き、妹紅が「誰だ!」と外に出てきました。

 

驚いた諏伯はとっさに「ワッわおーん。」と犬の鳴き声を真似ました。

 

妹紅は一瞬気を緩めて、「なんだ犬ころか。」と言って背を向けましたが、急に振り返り、「ワンワンワンワンうるせえンだよこの犬ころが!」と叫びながら、諏伯の方に向かって火を放ち始めました。

 

その光景に少し離れたところで別れていた影狼は、妹紅の騒ぎ声を聞きつけ、「やってるわね。だから苦手なのよ。」と呟き、首を振りました。

 

 炎に炙り出された茂みから、諏伯は一気に飛び出しました。

 

「妹紅、待て待て私だよ。」と声を上げます。

 

妹紅は一瞬驚いた顔をして、「、、、、、兄さん?」と呟きました。

 

「久しぶり。」と諏伯は微笑みながら答えます。

 

妹紅は言葉を詰まらせ、「ばっ、、ばっ、、、」と戸惑っている様子です。

 

「ば?」と諏伯が尋ねると、妹紅は感情を抑えられずに叫びます。「馬鹿兄貴!ずっと1人にしやがって!!馬鹿!」そして、泣き出してしまいました。

 

その言葉を聞いた諏伯は、妹紅の気持ちを理解し、心が痛むのを感じました。「ごめん、妹紅…」と彼は少しドキドキしながら彼女に寄り添います。「本当にごめん、色々とあって思うように会えなかったんだ。主に月人のせいで」

 

妹紅は涙を拭いながら、「私だって待ってたのに…」、その言葉は複雑な感情を抱えていました。

 

「でも今、こうして会えたんだから良かっただろ?」と諏伯が優しく言うと、妹紅は少し顔を上げて、ニヤリと微笑む。「そう…だね。」

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