阿求はにこやかに「さっ!お布団敷いておきますね。」と言います。
諏伯は少し戸惑いつつ、「同じ部屋ですか。」と突っ込みます。
阿求は悪戯っぽく、「いいじゃないですか、昔はよく同じ屋根の下で寝てたでしょ。」と懐かしむように言います。
諏伯は思わず反論します。「一応お前女として生まれているんだろ。」
阿求は軽く笑って、「転生する私にとって性別なんて立ち居振る舞いを決めるものでしかありません。それとも諏伯、女の私に心ときめいてます?」とからかいます。
諏伯は慌て答えます。「まさか、ゼンゼンだよ。」
阿求はクスッと笑い、「言葉に震えがありますね。それじゃあロウソクも消しますね。」と言いつつ、部屋のロウソクを消します。
暗がりの中、静かな時間が流れます。
阿求はしみじみと語ります。「ふっ、懐かしいですね。転生する度に人間関係が最初からなので、久しぶりの友人に会えて嬉しいです。」
諏伯はしんみりと答えます。「阿礼の時は嫌な別れ方だったもんな。」
阿求は思い出に浸るように、「ええ、諏伯が捕らえられた所でしたね。その後ぬえの助けで空に消えゆくのは私も見ていましたが。」と振り返ります。
諏伯は改めて感謝を述べます。「こちらとしても、京にて最初に家に上げてくれた事は感謝しているよ。」
すると、阿求は急に諏伯の布団に入り、彼に抱きつきます。
諏伯はびっくりして、「なっ、阿求止めろお前。」と声をあげます。
阿求は優しい声で、「ここは幻想郷。帝も陰湿な陰陽師もおりません。また新しい思い出を作っていきましょうね。」と微笑みます。
諏伯は少し戸惑いながら、「...そうですね。」と返事をします。
阿求は冗談っぽく尋ねます。「やっぱ照れてます?」
諏伯は素直に答えます。「照れてない。おやすみ、阿求。」
そして、阿求も心地よい声で「おやすみなさい、諏伯。」と言って、二人は静かに目を閉じたのでした。
次の日の朝、諏伯が目を覚ますと、阿求が自分の布団に戻って寝ている姿が見えました。
諏伯は微笑みながら「ここはちゃんとしてるんだな。」と言います。
阿求はゆっくり目を開け、「んっ。起きてましたが。」と答えます。
彼女を見ていると、諏伯は「ああ、言われた通り伊吹萃香と会ってくるからもう行くよ。またな。」と告げます。
阿求は頷いて「はい、また会いましょう。門番にはあなたを通すよう伝えておきます。」と応じました。
諏伯は阿求と別れ、稗田邸を出ます。彼はそのま守矢神社へと帰宅します。
入り口をくぐり、「昨日から色々あって疲れた。もう一度寝よう。」と呟きながら、寝床に向かいます。
しかし、彼が寝床に行くと、そこで諏訪子と神奈子がニコニコしながら待っていました。
諏伯は驚いて「やけにニコニコしてるね。」と尋ねます。
神奈子が無邪気に「朝帰りか!朝帰りなのか!」と盛り上がります。
諏訪子も加わり、「相手は誰だい?ちゃんとゴムはつけ、、ない方がいいのか。」とからかいます。
神奈子は続けて、「これで跡継ぎは問題ないな」と、楽しそうに言います。
諏伯は困惑しながら「2人とも、知り合いの家に泊まっていただけだよ。」と説明します。
神奈子はちょっと真剣な表情で「女?女なのか?」と確認します。
諏訪子も興味津々で「ねぇ、どんな子どんな子?」と迫ります。
諏伯は少し戸惑いながら「元男の古い知り合い。」と答えます。
その言葉に対して、二人は元男というワードに敏感に反応し、顔を引きつらせます。
神奈子は心配そうに「諏伯、悪い事は言わないがせめてヤるなら女とだな。」と助言します。
諏訪子も同様に、「洩矢家はもう断絶する運命、、、。」とため息を吐きます。
諏伯は声を荒げて「勘違いだって、元男と言ったけど今は転生して少女。それに、何もしてない。友達の家に泊まっただけ。もう寝かせて」と返します。
二人はしばらく沈黙し、諏伯の言葉を考え込むように聞き入ります。
神奈子は少し考えた様子で、「今は女ならセーフか?」と訊ねます。
諏伯は面倒くさそうに「今は女なんだからそれでいいだろ。」と答えます。
諏訪子は残念そうに続けます。「間違いを起こしてくれたら良かったんだけど、、。諏伯、眠たいならもういいよ。私達は部屋から出てるから。」
2人は少し期待外れの気持ちを抱きつ、部屋を出て行きました。
諏伯は静かな部屋の中で、やっと一息つき、心身共に休息を取ることができると感じました。彼は再び自分の布団に身を沈め、ゆっくりと目を閉じて眠りにつきました。
再び夢の世界へと旅立つ彼の心には、昨日の出来事や新たな友人との出会いが静かに広がっていくのでした。