純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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地獄の閻魔と死神の休日

激闘から時間が経った幻想郷では、多くの花が咲き誇り、自然が美しく彩られていました。

 

その中を歩く小野塚小町と四季映姫。小町が冗談めかして問いかけます。「四季様、いいんですかね。仕事放り出して」

 

映姫は少し笑みを浮かべて、「あなたから働きの申し出があるとは感心ですね、小町。今からでも仕事に戻りますか?」と応じます。

 

小町は軽く手を振り、「いえ、止めときます。閻魔の四季様でも逃げ出す仕事量、私にも無理ですよ。」と返します。

 

映姫は少しだけ光景を楽しむように、「私から仕事を投げ出すなんてほぼないですが、今日だけ休暇を取らせていただきましょう。」と言います。

 

小町はそのまの勢いで提案します。「どうせならこのままずっとサボらないですか?」

 

映姫は声を少し強めて、「小町!私たちが仕事を休むと、次の仕事が増えるんですよ。」とたしなめます。

 

小町はその返答に微笑んで、「サボる人間の言葉とは思えないですね。分かってますよ、今日だけリフレッシュしましょう。」と同意します。

 

しばらく歩いていると、霊夢が通りかります。

 

霊夢は少し驚いて、「ゲッ!地獄の閻魔に死神じゃない。何しに来たのよ。」と声をかけます。

 

小町は冗談交じりに、「そんなの決まってるじゃないですか、サボり、、、」と言いかけますが、映姫に口を押さえられます。

 

映姫は真面目な顔で注意します。「黙りなさい小町。博麗の巫女、あなたは巫女でありながらその活動、巫女としていかがなものでしょうか?神社は寂れ、信仰を集めようともしない、、、ウダウダウダ。」

 

映姫は説教を始める間に、霊夢はそっと立ち去ります。

 

小町はそれに気づき、「四季様、霊夢の奴どっか行きましたよ?」と教えます。

 

映姫は溜息をつきながら、「ダメですね、誰かに出会うとつい説教を始めてしまう。これではリフレッシュにならない。」と反省します。

 

小町は映姫への気遣いと共に、「それならあの子のとこに行けばいいじゃないですか。」と提案します。

 

映姫らはその言葉を受けて、心からの休息を求め、新たな目的地へ向かいます。

 

 映姫は人里で伊吹萃香を見つけ、声をかけます。「そこの鬼。」

 

萃香は驚いた様子で振り返り、「私かい?ゲッ!閻魔。」と反応します。

 

映姫は少し意外そうにしながらも、「やましいことがありそうな反応ですがそれは置いておきます。守矢神社の洩矢諏伯の居場所についてご存じですか?」と尋ねます。

 

萃香は諏伯のいる場所を思い出し、「許せ諏伯。アイツなら今守矢神社に居るはずだ。この道をまっすぐだぞ。」と教えます。

 

映姫は簡潔にお礼を述べ、「礼を言います。」と言って萃香の元を去ります。

 

萃香はしばらく考え込み、「不味いな、せめて先回りして忠告してやるか」と、諏伯に何か知らせることがあるようです。

 

そうして萃香は急ぎ足で、守矢神社へと向かいます。

 

 守矢神社で掃き掃除をしている洩矢諏伯の元に、急いで駆けてくる萃香の姿があります。

 

諏伯が彼女に気付いて声をかけます。「萃香じゃないか」

 

萃香は少し息を切らしながら、「諏伯、説明は後だ。閻魔が来るぞ。」と告げます。

 

諏伯は驚きと同時に好奇心を隠さず、「閻魔ってあの四季映姫?」と尋ねます。

 

萃香は早く逃げるよう促し、「知ってるのなら早く逃げろ。今あいつらがこちらに来ているぞ。捕まったら説教攻めに合う。」と言います。

 

しかし諏伯は余裕の表情を見せ、「あー、でもそれならもうムダみたいだぞ。」と、指をさして萃香の後ろにいる人物を示します。

 

そこにはすでに四季映姫と小野塚小町の姿が。

 

萃香は驚いて、「速くないか?」と問いかけます。

 

小町は軽く手を振り、「私の能力で距離をイジったんだよ。」と説明します。

 

映姫は感謝を述べつ、「案内ご苦労です。伊吹萃香。もう行ってもらっていいですよ、それとも私とお話したいですか?」と続けます。

 

萃香は内心ほっとしながら、「それなら私はこれで、、、」とその場を去ります。

 

諏伯は少し笑みを浮かべながら、「お久しぶりです。映姫様、小町さん。」と挨拶します。

 

映姫は柔らかな笑顔を見せ、「しっかり思い出したようですね。」と喜びます。

 

小町も冗談めかして、「感謝しろよ、ボウズ。四季様が記憶を取り戻してくれたんだから。」と付け加えます。

 

映姫は静かに制しながら、「小町、余計な事は言わなくて結構。」と言いますが、その顔にはどこか温かさがあります。

 

諏伯は感謝の意を込めて、「ありがとうございます。映姫様。」と頭を下げます。

 

映姫は説明をしつ、「記憶は本来引き継げないものですが、あなたは裁きの間にて長いこと待たせすぎました。その恩返しみたいなものですよ。」と語ります。

 

諏伯はそれを聞いて少し驚きながらも、「それで、今日は何をされに?もしかしてお迎えの時間ですか?」と質問します。

 

小町は笑い、「まあ、死神の私がいるけどそういう訳じゃなくてな。」と安心させます。

 

映姫は正直に言いつつ、「今日はですね、その匿ってほしいというか」と続けます。

 

小町も続けて、「ぶっちゃけて言うと仕事に追われすぎて疲れたから休ませてほしいんだ。地獄だと監視の目があるからな。」と冗談交じりに説明します。

 

諏伯は快く受け入れ、「断る理由はありません。どうぞ。」と言って、映姫と小町を守矢神社の中へと案内します。

 

中に入ると、そこには諏訪子の姿がありました。

 

 守矢神社内で、諏訪子が興奮した様子で尋ねます。「諏伯、お客さん?」

 

諏伯は頷きながら、「うん。こちらは閻魔の四季映姫様と小野塚小町さん。地獄でお、、、」と説明を始めますが、その言葉が終わる前に諏訪子は両者に向かって弾幕を放ち、その威力で守矢神社の一部が崩れてしまいます。

 

諏訪子は叫びます。「息子を地獄に連れに来たか!閻魔と死神め!」

 

弾幕が落ち着く煙の中から、映姫と小町は無傷で現れます。

 

映姫は冷静に言います。「閻魔相手にいい度胸ですね。いくら神でも度がすぎますよ?」

 

その言葉の間に、今度は煙の中から八坂神奈子が小町に攻撃を仕掛けます。「刺突!御柱!」と叫びながら、御柱で小町を殴ろうとしますが、小町はその攻撃を防ぎます。

 

小町は驚いて、「いくら何でも戦闘狂すぎやしないかい?」とツッコミを入れます。

 

神奈子は真剣な表情で、「息子同然の諏伯を簡単にやるわけないだろ!もう失うのはあり得ない!」と叫びます。

 

その直後、神奈子の後ろから早苗も姿を現します。「そうですよ!我ら守矢神社、血の繋がりはなくとも繋がりは血より濃いです。」と、仲間を守る姿勢を見せます。

 

その頃、瓦礫の下から諏伯が顔を出し、「イテ、、、咄嗟すぎて判断が遅れた」と呟きます。

 

諏訪子は焦る様子で、「諏伯、逃げなさい、時間は稼いであげる!」と助言します。

 

しかし、諏伯は一生懸命に言います。「全員勘違いだよ!2人はただ遊びに来ただけ!」

 

その言葉に、諏訪子、神奈子、早苗は驚きます。「えっ?」

 

数分後、守矢神社は修復され、居間に映姫と小町が通されます。

 

神奈子は笑いながら、「アハハハ。なんだそう云うことか。そらなら言ってくれれば、、」と安堵します。

 

諏訪子も少し引き気味に、「ねえ?」と補足します。

 

映姫は軽く眉をひそめ、「説明する間もなく攻撃を仕掛けてきたのはそちらですが。」と指摘します。

 

早苗も笑顔で、「それはあのアレですよねえ?」と反応します。

 

諏伯は頭を下げ、「本当にすいません、映姫様、小町さん」と謝ります。

 

小町は大らかに、「まーまー。説明せずいきなり来た私達も悪いんだしいいじゃないですか。ねぇ?四季様。」と取り持ちます。

 

映姫は小町に向かって厳しくも優しさを含ませて、「あなたが勝手に決めないで下さい、小町。しかし、今回は家族愛に免じて許しましょう。」と言います。

 

神奈子は驚いた様子で、「しかし、珍しい事もあるもんだねぇ。地獄の閻魔が転生者を訪れるなんて。」と感慨を述べます。

 

小町は続けて、「彼は私の上司と小町の次くらいに付き合いが長いので休ませに貰いに来たんです。」と説明します。

 

早苗は興味津々で、「地獄は今そんなに忙しいんですか?」と尋ねます。

 

小町は深いため息をつき、「一ヶ月寝ずに働いてます、、はい。」と答えます。

 

諏訪子は驚きの声をあげ、「あちゃー。それは大変。」と言います。

 

諏伯は優しく、「お布団用意します?」と訊ねると、映姫と小町は一斉に「お願いします!」と返します。

 

諏伯が2人の布団を用意すると、彼女たちはすぐに眠り始めます。

 

諏訪子は心配になりながら、「それで諏伯。あの人達とは?」と訊ねます。

 

諏伯は思い出しながら答えます。「まだ諏伯として生まれる前で伯封として死んだ後、地獄の裁きの間にて転生せずにずっと純狐さんを待っていた僕を世話してくれていたんですよ。」

 

諏訪子は考え込み、「高級茶菓子でも用意しておくかね。」と言い、立ち上がろうとしたその瞬間、時間が止まります。周囲を見ると、神奈子、早苗、映姫たちも固まっていました。

 

諏伯は驚き、「一体何が?」と不思議に思います。

 

その時、目の前に不思議なTシャツを着た赤毛のミニスカ女子、ヘカーティア・ラピスラズリが現れます。

 

ヘカーティアは軽い調子で「ハロー。伯封くん、いや諏伯くんと呼んだ方がいいのかな?」と問いかけます。

 

諏伯は困惑しながら、「これはあなたが?」と尋ねます。

 

ヘカーティアはにこやかに答えます。「えそうよ。私はヘカーティア・ラピスラズリ。そこで寝てる2人の上司よ。後、貴方のお母さんの知り合いかしらね。」

 

諏伯は驚いて、「前世と今世と母も知ってるとは本物ですね。」と感心します。

 

ヘカーティアは笑い、「別に貴方をどうこうしようとしているわけじゃないから勘違いしないでね。今回はお礼よ。そこの2人、ずっと働き詰めだったから。」と告げます。

 

諏伯は戸惑いながら、「戦闘になってしまって、、、」と言います。

 

ヘカーティアは気にせず、「その2人も気にしてないわよ。寧ろ平穏な日常を喜んでいるわよ。」と笑います。

 

諏伯は再び尋ねます。「お礼を言いに来ただけですか?」

 

ヘカーティアは、「うーん、それとついでに教えてあげようかなと思って。この前貴方の母、純狐と月に攻めに行ったんだけど。」と続けます。

 

諏伯は軽い調子で「それはまあ日常のようなものなので」と返します。

 

ヘカーティアは続けます。「嫦娥の奴が純狐の力を見て、貴方が伯封だった事に気付いたみたいよん!」

 

諏伯は驚き、「あー。バレましたか。」とつぶやきます。

 

ヘカーティアは笑い、「貴方一回アイツを吹っ飛ばしてるし。アイツも貴方にどうこうする訳ではないと思うけど、警戒だけしておいてという話。それじゃーね。」と言って消えていきます。

 

その瞬間、世界は再び動き出します。

 

諏訪子が不安そうに尋ねます。「今、何かいた?」

 

諏伯は軽く笑い、「気のせいじゃない?」と答えます。

 

諏訪子は「それじゃあ、ちょっと人里に買い物に行ってくるよ。」と言って、立ち上がります。

 

諏伯は「いってらっしゃい。」と送り出します。

 

諏訪子は振り返り、「諏伯、嘘をつくとき、右肩を上げる癖を気をつけるんだよ」と言い残します。彼女の言葉に、諏伯は少し微笑みますが、内心ではドキリとします。母には隠し事は通じなかったようです。

 

その後、静かな守矢神社に戻った諏伯は、目の前で寝ている映姫と小町を見つめます。彼らがぐっすりと眠っている姿を見ると、普段の厳しい仕事から解放されている様子が伝わってきます。彼はふと、二人のために何かするべきだと考え始めました。

 

「そうだ、少しお茶でも淹れようかな」と独り言をつぶやき、キッチンへ向かいます。

 

静かにお茶を用意しながら、先ほどのヘカーティアの言葉を思い返します。「嫦娥が純狐の力を見て、自分の正体を知った…」彼は気が気ではありませんでした。母がどう反応するか、そして彼自身がどのようにその事実を受け入れるべきか、心の中で葛藤します。

 

お茶を淹れ終わり、しばらくの間、自 分の思考にふけるうちに、ふと音がしました。寝ていた映姫が目を覚まし、「お茶の香りがするわね」と優しい声で言いました。

 

「はい、少しお待ちください」と諏伯は微笑み、テーブルにお茶を運ぶと映姫と小町の分も準備します。

 

小町も目を覚まし、「あれ?もう眠ってたの?」と驚いた様子で尋ねます。

 

「しばらく休んでいたようです。だけど、何かあったらすぐに言ってくださいね」と諏伯は心配そうに告げます。

 

映姫はその優しさに微笑み、「ありがとう、諏伯。私たちも休めて本当に良かった」と感謝します。

 

小町も、「たまにはこういう日も必要だよね。仕事ばかりじゃ疲れちゃうし」と続けます。

 

その時、守矢神社の外からは賑やかな声が聞こえてきます。何事かと考えていると、暁の光が差し込んできて、穏やかな朝が始まりました。

 

「せっかくだから、みんなでちょっと外に出てみる?」と諏伯が提案すると、二人は快く頷きました。

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