純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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寅丸合流

村紗は元気よく声を上げます。「それじゃあ、出発進行!」

 

星蓮船は村紗の指示のもと、空を進み始めます。

 

ナズーリンは軽く指摘します。「村紗、魔界の前にご主人を忘れないようにね。」

 

村紗は慌て返します。「おっと。そうだった。忘れる前に寄らないと。」

 

彼女は進路を調整します。

 

その間、諏伯は興味を持って尋ねます。「そういえば何人仲間がいるんだ?」

 

ナズーリンは答えます。「ここにいるメンバーと後は、ご主人と魔界にいる聖だけだね。」

 

諏伯は少し安心したように言います。「そうですか、何かあったら起こして下さい。一日で色々あり疲れました。」

 

早苗も同調します。「朝からなんだかんだずっとUFO探ししていましたからね。」

 

村紗は優しく言います。「それなら下の倉庫で休んできな。財宝はもうないけど広い倉庫があるから。」

 

早苗も疲れた様子で、「それなら私も行きます。久しぶりに外を駆け回り疲れました、、。」と言い、諏伯と共に休息に向かいます。

 

村紗は空を見上げてしみじみと語ります。「たく。私らもずっと封印されてたから、久しぶりの日の光が懐かしいね。」

 

一輪は村紗を見ながら言います。「船長。どうせ後は自動操縦なんだから舵輪から手を放したら?」

 

船長は堅く拒否します。「嫌だ!こうしてないと私が船幽霊なのを忘れちゃうよ!」

 

一団は何事もなく、ナズーリンのご主人である寅丸星の元へと到着します。

 

寅丸は笑顔で迎えます。「いやー。迎えに来て貰いすみませんね。」

 

ナズーリンは気軽に答えます。「距離的には変わらないから大丈夫だよ、ご主人。」

 

一輪は確認します。「これで準備は整いましたね。」

 

村紗は意気込んで言います。「星蓮船にて魔界に行き、姉さんの救出だ!」

 

寅丸は感心した様子で言います。「それにしてもよく飛倉の破片がこんなに早く集まりましたね。UFOに化けてたのはともかく、一つは妖怪が持ち去っていましたが。」

 

一輪は微笑みながら答えます。「それは下で休んでる二人が手伝ってくれたの。」

 

寅丸は驚きます。「私達以外に手伝ってくれる人がいたんですか?」

 

ナズーリンは事情を説明します。「それがたまたま全員に関係がある人物で」

 

村紗は追い打ちをかけます。「船幽霊である私を海に沈めた人物で」

 

一輪も続けます。「私の雲山を生み出した人物で」

 

ナズーリンは、さらに説明します。「ご主人の宝塔の元を作りだした人物さ」

 

寅丸はさらに興味を持ちます。「ほう、妖怪退治して雲山を生み出し、宝塔の製作者ですか。どんな人物なのか見てみたいものですね。」

 

村紗は複雑な表情で言います。「そいつがこの星蓮船をも命蓮さんと共に製作したから憎むに憎めない。」

 

寅丸は懐かしそうに思い出し、「命蓮さんと共にですか?私も命蓮さんから友達と一緒に作ったと話していたのは覚えているのですが、何分若くして亡くなられたのであまり聞いていないんですよね。」

 

ナズーリンは思い出して言います。「確か諏伯と名乗っていたね。」

 

寅丸はその名前にショックを受け、錫杖を落とします。「ナズ!本当ですか!」

 

ナズーリンは不思議そうに答えます。「そうだけど、どうしてそんなに驚いているんだい?」

 

 寅丸は落ち着きを取り戻しつ、言います。「ずっと行方不明だった兄上様が、まさかこんな形で再会できるなんて...」

 

ナズーリン、一輪、村紗は一瞬ショックを受けたま茫然とします。「えっ!」

 

 寅丸は、諏伯と再会できた喜びと感動で、少し涙を流します。「兄が行方不明で、聖は魔界に封印。友も封印され、私にはもう何もないかと思っていましたが、こうして全てが帰ってくるなんて...」

 

ナズーリンは優しく励まします。「ほら、ご主人。泣くのは全部終わってからにしな。今は兄に会っておいで。」

 

寅丸は涙を拭きながら、ゆっくりと諏伯のいる階下へ向かいます。

 

一方、甲板では仲間たちが話をしています。

 

村紗は驚きを隠せません。「まさか、寅丸の兄が諏伯だったなんて。」

 

一輪は頷き、「いつも兄上様と言っていたけど、名前までは聞いてなかったし。世間は案外狭いのね。」

 

ナズーリンは少し気まずそうに、「あの男に説教したことを、ご主人にチクられないか心配だ。」と心配します。

 

 寅丸は優しく揺らして、寝ている諏伯を起こします。「起きてください、兄上。」

 

諏伯は徐々に目を開け、目の前の寅丸に焦点を合わせます。「寅丸?」

 

寅丸は明るい声で答えます。「はい!お久しゅうございます。」

 

諏伯は少し考えを巡らせ、「そうか、そうだよな。命蓮の所で世話になっていたのは聞いてたが、寅丸も無事に生きてたんだな。」

 

寅丸は嬉しそうに頷きます。「はい。私も妖怪ですからね。ずっと姿を見せない兄上がこうして無事でよかったです。」

 

その横で早苗も目を覚まし、少しぼんやりしながら声をかけます。「ふぁーあ。よく寝た。貴方は一輪さんが言ってたお仲間ですかね。」

 

寅丸は笑顔で応じます。「はい。えっとあなたはもしかして東風谷どのですか?」

 

早苗は少し驚きます。「よくご存知ですね?」

 

寅丸は微笑み、「育ての姉によく似ていたので」と説明します。

 

早苗は戸惑います「???」

 

寅丸は元気に言います。「さあ!久しぶりの再会はこれくらいにしておきましょう!これから魔界に突入ですよ!」

 

その後、諏伯たちは甲板に戻り、初めての魔界の光景を目にします。

 

諏伯は広がる眺めを見て感嘆します。「なんというか荒れ果ている土地ですね。」

 

ナズーリンは少し冷静にコメントします。「幻想郷とは全く違う場所だからね。僕も存在は知ってたが来るのは初めてだ。」

 

村紗は鋭い視線で遠くを見つめます。「ここに聖がいるのですか。」

 

彼らは、これからの冒険と使命感に心を引き締め、魔界へと進んでいく決意を新たにしました。星蓮船は進路を確保し、目的地へと向かって動き出します。

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