純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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魔界の住まう人

星蓮船に乗る一行は、魔界の風景を眺めながら順調に聖白蓮の元へと進んでいました。

 

途中、ナズーリンが何かを感じ取ります。「ん?何かの気配がする。」

 

寅丸が尋ねます。「聖ですか?」

 

ナズーリンは首を振り、「いや、人間の反応じゃないな。あっちだ、みんな。」と指差します。

 

ナズーリンが見つめる先には、緑のロングヘアーを持つ人物、魅魔が近づいてきます。

 

魅魔は興味深そうに言います。「魔界に侵入者、久しぶりだな。この船できたのか、興味深い。」

 

ナズーリンは少し警戒しつ尋ねます。「悪霊のようだけど、何か用かい?」

 

魅魔は軽く笑い、「おいおい、私が悪者か。侵入してきたのはそっちだろ。」と返します。

 

寅丸は素直に謝ります。「そうですよナズ。この人の言うとおりです。すいません、うちの者が。」

 

魅魔は優しく、「いやいいんだ、気にしないでくれ。私は魅魔、魔界に住まう者だ。」と自己紹介します。

 

続けて魅魔は懐を探り出し、自然な手つきで八卦炉を取り出します。あまりにも自然な動きで、船の誰もが瞬時には反応しませんでしたが、八卦炉を知っている諏伯は直ちに近づき、八卦炉を叩き落とします。

 

諏伯は毅然と言います。「何をするんですか。」

 

魅魔はおどけるように言います。「あれま、これが何かご存知だったのか。」

 

諏伯は冷静に指摘します。「攻撃されるようなことをしましたか?」

 

魅魔は少し挑発的に答えます。「魔界への侵入。それだけで十分だよ。簡単に別世界に来られちゃ、管理する側としてもやこしいからね。」

 

諏伯は決意を示し、「みんなは先に行け!ここは足止めする。聖を頼みます!」と言います。

 

村紗は不敵な笑みで、「負けるんじゃないのよ〜。」と声を掛けます。

 

諏伯は星蓮船から飛び降り、魅魔と対峙します。これからの戦いに備え、彼は自らの身を引き締め、一団のために時間を稼ぐ覚悟を胸に秘めています。

 

 魅魔は余裕たっぷりに微笑んで言います。「全員でかってきてくれても良かったんだよ?」

 

諏伯は冷静に答えます。「生憎こちらは用事があるので、時間をかける訳にはいきません。」

 

魅魔は興味深そうに応じます。「そう。なら始めようか。恋符マスタースパーク。」

 

強烈な光のビームであるマスタースパークが放たれ、諏伯は素早く回避行動を取りますが、ビームは追尾してきます。

 

魅魔は指摘します。「その弾は追尾するからね〜。」

 

諏伯は空中での不利を感じ、「空中だから地形を操れないのが辛いですね。」と呟くと、手にした宝塔に力を込めます。「宝塔『威光!』」

 

諏伯は宝塔に神力を宿し、マスタースパークと衝突させて相殺します。激しい光が散り、音が空気を震わせます。

 

魅魔は諏伯の力に感心した様子で言います。「相殺した?へぇ、見るにその力、神の親類の者か。」

 

諏伯は構えを崩さず、「さあ、次はどうする?」と挑発的に返します。

 

魅魔は戦闘の続きを楽しむように、「いいだろう、少し遊ぼうか。」と返し、二人の戦いはさらに激化していきます。彼らの激戦は続きますが、その間、星蓮船は聖白蓮の元へとひた走ります。

 

 魅魔は諏伯に向かって幻術を仕掛けます。「幻術『黒霧』。さあ、これで君の周囲は見えないだろう。」

 

濃い霧が諏伯の周囲に立ち込め、視界を奪います。魅魔はこの好機を逃さず、諏伯に近づいて武器を振りかざします。しかし、諏伯はその武器をしっかりと掴み取ります。

 

魅魔は驚いて言います。「まさか、見えてるのかい?君の周りは霧が立ち込めている景色を見せているはずだが。」

 

諏伯は冷静に答えます。「生憎、昔からそんな術は効かないので。」

 

諏伯は魅魔の武器をこちらに引き寄せ、彼女の服を掴みます。「触れたらこちらのもの...」

 

しかし、諏伯が技をかけようとした瞬間、魅魔が突然叫びます。

 

「止めて!お腹には子どもがいるの!」

 

諏伯はその言葉に動揺し、思わず手を放してしまいます。

 

その隙を見逃さず、魅魔は即座に諏伯を蹴り飛ばし、距離を取ります。「嘘だよ。優しいねぇ。」

 

 諏伯は困惑しながら言います。「この、嘘は卑怯ですよ。」

 

魅魔は軽く肩をすくめて、「私は悪霊だし相手もいないよ。子どもみたいなのはいたけど。」と返します。

 

彼女は真剣な表情を浮かべ、「さあ、ここいらで終わりにしよう。耐えてくれよ!魔法『ファイナルマスタースパーク』」と叫びます。

 

諏伯は一瞬、心の中で覚悟を決めます(これは1回死ぬかもしれないな)。彼が半ば諦めていたその時、不意に封獣ぬえの声が響きます。

 

「何諦めてるのよ!妖術『正体不明の的あてゲーム』!」

 

ぬえはデコイを生成し、魅魔の攻撃をそちらに引き寄せ、諏伯を危機から救います。

 

魅魔は驚きつ、「妖怪……お仲間なのかい?」と問います。

 

諏伯は驚いて、「いつからいたの?」と訊ねます。

 

ぬえは得意げに、「気になって正体を隠して星蓮船に潜り込んでいたのよ。なんか変な奴が来たらと思ったら、諦めちゃって、いくら復活するにしてももう少し頑張りなさい。」と答えます。

 

魅魔は少し不機嫌そうに、「変な奴とは失礼な妖怪だな。君の正体こそ変わってるじゃないか。姿が常に変わっているよ。」と応じます。

 

ぬえは笑って、「あなたにはそう見えているようね。この正体不明の大妖怪、封獣ぬえ様が来たからにはもうさっきのようにはいかないわよ!」と宣言し、トライデントをカッコよく魅魔に向けます。

 

魅魔は一瞬考えて、「そうだね、ならもう戦いは止めとこうか。」とあっさり引きます。

 

ぬえと諏伯は驚いて声を揃えて、「えっ?」と呟きます。

 

魅魔は肩をすくめて言います。「元々、魔界に侵入してきた者の実力を見たかっただけだよ。ヤバい奴が来たら魔界の均衡が崩れるしね。」

 

諏伯は納得しつ尋ねます。「もう行っても?」

 

魅魔は優しく微笑んで、「うん。いいよ。」と答えます。

 

一方、ぬえは少しがっかりしながら顔を抑えます。「私、カッコよく登場したのに何もしてない。」

 

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