純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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頭の行方

妹紅はナズーリンを伴って戻ってきました。

 

妹紅は少し疲れた様子で言います。「連れてきたよ。」

 

ナズーリンは軽くため息をつきながら応えます。「僕も暇じゃないんだけど、君には聖の件で世話になったからね。」

 

赤蛮奇は期待を込めた声で尋ねます。「それで、私の頭を見つけられるのか?」

 

ナズーリンは赤蛮奇をじっと見ながら言います。「君が無くし物をした人かい?だいたいの場所なら分かるよ。」

 

赤蛮奇は焦る気持ちを抑えきれずに言いました。「すぐに探してくれ!」

 

ナズーリンは静かに頷き、言います。「分かったよ。君が無くしたものを頭の中でイメージするんだ」

 

赤蛮奇はゆっくりと目を閉じ、自分の頭を思い浮かべます。

 

ナズーリンは横に立ち、優しく励ますように言います。「そう、そのま続けて。君の妖力と同じものを探そう。」

 

数分後、ナズーリンは目を開け、赤蛮奇に合図を送ります。「もういいよ。」

 

赤蛮奇は緊張しながら目を開け、聞きました。「どうだった?」

 

ナズーリンは少し首をかしげて、「分かるには分かるが、何故あんな所にあるんだろう」とつぶやきます。

 

諏伯は心配そうに問いかけました。「何処か不味い場所なんですか?」

 

ナズーリンは眉をひそめて言いました。「ウチの下だね。」

 

諏伯は驚いた声で言いました。「命蓮寺の下?」

 

ナズーリンは頷きます。「そう。しかも封印の中だ。何故地下にあるのか……」

 

赤蛮奇は不安そうに顔を曇らせ、「生き埋め?生き埋めなのか!?」と声を上げます。

 

ナズーリンは冷静に「そんな感じはない。とりあえず取り出すなら、封印を開ける必要があるね」と説明します。

 

諏伯は慎重に「封印こじ開けていい?」と聞きます。

 

ナズーリンは腕を組みながら考え、「君ならいけるだろうけど、ヤバいものがあるから命蓮寺を建てたのにそれを一匹の妖怪のために開けるのかい?」と反問します。

 

赤蛮奇は決意の目をして言いました。「私の頭がそこにあるんだ!行かせてくれ。」

 

彼女は頭を下げ、続いて影狼も頭を下げる。

 

ナズーリンは困ったように頭を掻きながら、了解しました。「ったく。分かったよ。聖に相談してからになるよ。」

 

 ナズーリンが聖白蓮に相談しに行来ました。赤蛮奇と影狼は、聖の判断を待つ間、静かに意を決しました。

 

 ナズーリンが去って時間が経過した頃、妹紅の家の扉を叩く音がします。

 

諏伯は首をかしげながら言います。「ナズーリンが帰ってくるには早い気がするけど、妹紅、誰か来る予定あった?」

 

妹紅は少し考えてから答えました。「いや、ないよ。」

 

全員が誰だろうと思いながら扉を見つめていると、訪ねてきた人物が声を上げます。

 

「私だよ、私。諏訪子。諏伯、いるんでしょ。開けて。」

 

妹紅は少し驚いた声で応えます。「諏訪子さん?よく辿り着いたね。」

 

妹紅は扉を開けると、諏訪子は奥をじっくりと覗き込み、諏伯、影狼、そして赤蛮奇を見つけます。

 

諏訪子は満足げにうなずき、「やっぱりいるじゃん。霊夢が『妖怪達と諏伯を引き渡せ!』って怒鳴り込んで来たんだからね。」と言いました。

 

影狼は苦笑いしながら言います。「あら~。里で騒ぎを起こしたからやっぱり怒ってるのね。」

 

諏訪子は首を傾げています。「今は神奈子が対応しているから、私は事の経緯を聞きに来たってわけ。」

 

諏伯は少し困った顔で、「実はかくかくしかじかで、、、」と事情の説明を始めました。

 

諏訪子は静かに聞いてから言います。「諏伯は以前世話になった妖怪を助けるために巫女を攻撃したと、、、。そして妖怪達は自身の身体の一部がなくなったから探していたと、、、。分かった。」

 

彼女は続けて言います。「私は神奈子に伝えるために帰るけど、無茶しないようにね。」

 

そう言うと、諏訪子は特に意見を述べずに帰っていきました。

 

赤蛮奇は興味深げに諏伯に尋ねます。「あの小さい子は誰だったんだ?」

 

諏伯は笑いながら答えます。「守矢神社の神で、私の母親です。」

 

これに驚いた赤蛮奇と影狼。影狼は首をかしげてさらに訊きます。「年齢は?」

 

諏伯は少し考えて、「私よりは上とだけ言っておくよ」と答えました。

 

影狼は感心しながらため息をつきます。「はぁ、そんな事もあるのねぇ。」

 

 その時、ナズーリンが帰宅し、堂々とした口調で言いました。「大丈夫、聖からも了解が出た。封印を放置していた原因もあるから手伝うとのことだ。」

 

赤蛮奇は一瞬で反応し、「よし、すぐ行こう!」と意気込むが、ナズーリンはやんわりと制しました。「君は身体が一部ないんだから、実力不足じゃないのかい?友達の狼もね。」

 

赤蛮奇は少し不服そうに返答します。「実力不足でも、私の身体が……。」

 

ナズーリンはその言葉を遮り、「大したことない封印ならよかったけど、ヤバい雰囲気がするから、やっぱり無理だね。封印を開ける条件がある。君ら2人は連れていけない。」と厳しい表情で言葉を続けます。

 

諏伯は安心させるように言いました。「大丈夫、2人とも。以前助けてもらった恩を返すよ。」

 

妹紅は少し困惑しながら言います。「私は、いる?」

 

ナズーリンは考え込みながら、「君の実力は大丈夫だろうけど、ここに霊夢が来る可能性もあるから、家にいた方がいいよ。」と答えます。

 

妹紅はナズーリンの言葉に反発し、「ネズミには聞いてねえよ!」と少し怒ったように言いました。

 

諏伯は妹紅の方を見て、「2人を守ってあげて」と頼みます。

 

妹紅は微笑みながら頷きました。「任せて。」

 

ナズーリンは冷静に「、、、今回はいいけど、口の利き方には気をつけなよ。さあ、諏伯、行こうか。」と締めくくり、ナズーリンと諏伯は封印の場所へ向かう準備を整えました。

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