純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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頭の帰還

ナズーリンと諏伯は命蓮寺に到着し、ナズーリンが言います。「今回は僕は行かないけど、聖とご主人が一緒に行くみたいだよ。」

 

諏伯は少し驚いて、「ナズーリン来ないの?」と尋ねます。

 

ナズーリンは苦笑しながら答えました。「僕は寺の管理と、一輪や村紗が馬鹿やらないかの監視があるからね。ほら、そこにいるよ。」と指を指します。

 

彼が指さした方には、聖白蓮と寅丸星が待機していました。

 

諏伯は軽く頭を下げながら、「すいません、こちらの都合で封印を開ける事になって」と伝えます。

 

白蓮は穏やかに微笑んで、「話を聞いた時には驚きましたけど、いつかは対処しないといけない問題でしたので大丈夫ですよ。」と応えました。

 

寅丸も元気に続けます。「そうですよ、兄上!もし何かあってもこの3人なら大抵の事ならなんとかなります!」

 

諏伯は安心し、「無許可で封印を解く訳にもいかないので助かります。」と感謝の意を示しました。

 

ナズーリンは少し心配そうに、「さて、封印の真上までは案内しよう。妖怪の頭は変わらず中にいるみたいだ。」と言います。

 

諏伯たちは指示に従い、封印の真上に到達します。

 

ナズーリンはここで立ち止まり、「僕はここまでだけど、後は頑張ってね。」と励ましの言葉を残します。

 

寅丸は笑顔で約束しました。「ナズ、夕飯までには帰れるようにします。」

 

ナズーリンも笑顔で応じます。「分かったよ。遅れても冷飯しかないからね。」

 

そして、諏伯は少し緊張しながらも決意を固めて、「もう行こうか、"地形操作"」と言うと、地面が割れ、下へと続く道が現れました。

 

白蓮はその道を見ながら少し不安げに言いました。「家の下には何が封印されているのか……。」

 

一同は地面の裂けた道を通り、未知の封印と向き合うために下へと降りていきました。

 

 白蓮、寅丸、諏伯はしばらく道を下ったところで、堅牢な壁に行き当たりました。

 

諏伯は壁に手を触れて、「壁…。妖力などは感じませんが、触った感じ結構硬いですね。」と観察しました。

 

寅丸は尋ねます。「壊せそうですか?」

 

諏伯は考え込むように、「宝塔を使うとこの先ごと壊しそうだから…私には無理ですね。」と答えました。

 

寅丸は諏伯から錫杖を受け取り、壁に手をかけます。「私がやってみます。ちょっと錫杖を持ってて下さい。」

 

力を込める寅丸は、「ふんぬ!」と壁を握るように力を入れましたが、欠ける程度に留まりました。

 

寅丸はため息をついて言いました。「ダメです…これでは、いちいちやってたらきりが無いですね。」

 

しかし、白蓮は少し嬉しそうに、「でも力を入れれば壊せそうですね♪」とコメントしました。

 

白蓮は拳を固め、力を込めます。

 

諏伯は少し心配そうに質問します。「そこからだと壁から離れてないですか?」

 

白蓮は自信に満ちた笑みで答えました。「いえ、ここで大丈夫です。」

 

次の瞬間、白蓮は高速で移動し、一撃で壁を粉砕しました。

 

諏伯は感心して、「威力は鬼ほどではないけど、スピードは吸血鬼並ですね…」と述懐します。

 

白蓮は微笑みながら、「鍛えてますから。」と謙虚に答えました。

 

壁を壊した一同は、再び歩みを進めます。

 

 壁を越えて先を進んだ一行は、しばらくしたところで赤蛮奇の頭を持っている邪仙、霍青娥に出会いました。

 

諏伯はその様子を見て驚きます。「赤蛮奇の頭だ。」

 

寅丸は頭の状態を観察し、「顔が青くなってる。気を失っているようですね。」と言いました。

 

霍青娥はにっこりと微笑んで、「あら、無事に来られたようですね。」と言います。

 

白蓮は丁寧に尋ねます。「失礼ですが、どちら様で?」

 

霍青娥は軽やかに答えました。「これは紹介が遅れました。私の名前は霍青娥と申します。」

 

諏伯は訝しげに、「どうして赤蛮奇の頭を?」と尋ねます。

 

霍青娥は楽しそうに答えました。「これですか?可愛いでしょ?目を覚ましていた時は怯えて泣いてたんですけど、今は疲れたみたいで。」

 

諏伯はさらに質問を重ねます。「どうして他人の頭を持っているんですか?」

 

霍青娥は肩をすくめて、「私ってこう見えて華奢な体しているでしょう?能力で封印の中に入ることはできても、解くことはできないんです。」と説明しました。

 

続けて、「それであなた達に封印を解いてもらえたらなと思いましてね。」と意図を明かしました。

 

白蓮は疑問を感じて、「封印…あの壁のことですか。一体何が封印されているんですか?」と問います。

 

霍青娥は微笑んで、「それは見てからのお楽しみってやつですね。封印は解かれたので、この首はお返ししますよ。」と言いながら、赤蛮奇の首をゆっくりと投げ返しました。

 

寅丸が慌てキャッチし、「何を!」と声を上げようとしたところ、霍青娥の姿は既に消えていました。

 

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