純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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2度目の正体不明の大妖怪

1週間後、京の空が暗くなると再び封獣ぬえが現れた。

 

諏伯は意気込んで向かい、再度ぬえと対峙した。

 

「策は何か思いついた?」と諏伯は尋ねる。

 

「勿論よ!いつも陰陽師や市民らは私の正体不明の能力で驚いていたわ!それがアンタに効かなかったから驚いて撤退したけど…」ぬえはトライデントを持ち上げ、勢いよく突っ込んだ。

 

「大妖怪の私なら正面から殴ればいいのよ!!」ぬえは力強く攻撃を繰り出す。諏伯は木の棒でその攻撃を払い続けるが、ぬえは「貰った!」と言いながら引き際に諏伯の服を引っかける。

 

「体勢が…」諏伯は服を引っ張られ、転んでしまった。するとぬえはその隙を突き、諏伯のお腹にトライデントを刺す。

 

「どーよ!!正面不明の大妖怪!またも陰陽師を倒したわ!!」ぬえは勝ち誇った声を上げた。

 

だが、その時、諏伯はコロリと起き上がる。「そんな早業、羨ましい。」と諏伯は微笑む。

 

「なんで普通に起き上がるのよ!!」ぬえは驚きを隠せない。

 

「加護で守られているようなので。」と諏伯は淡々と答えた。

 

「はあっ?加護だからノーダメとかだめでしょ!勝てないじゃん!ちょっと手出しなさい。」ぬえは興奮しながら諏伯の手を掴み、何かを唱え始めた。

 

「主を守りし加護よ。封獣ぬえの名において命ず、守護を解除したまえ。駄目か。」と彼女は叫ぶ。

 

「これならどう?加え給え加え給え、我が加護を新たに加護を加え給え。」と、ぬえはさらに力強く唱えたが、周囲に何の変化も起きなかった。

 

「…何よこれ!」ぬえは頭を抱え、顔をしかめた。「あー!もう何よこの加護!解除出来ないじゃないの!」と苛立ちを隠さなかった。

 

 ぬえはしばらく考え込んだ後、ふと閃いたように言った。「攻撃は効かないけど、触れない訳では無い…!喰らえ!トライデントアロー!!」

 

ぬえは自身のトライデントを思いっきり投げつけ、諏伯はその勢いで遠くの地面に叩きつけられた。

 

「痛っ!トライデントのダメージはないけど、吹っ飛ばされた勢いで頭がぐわんぐわんして気持ち悪いな。」と諏伯は苦笑いしながら立ち上がる。

 

ぬえも地面に降りて、諏伯の様子を確認した。「ちっ!少しフラフラしているだけなのね。」と不満気に呟いた。

 

「神力、土壁!」と諏伯は決意を込めて言い、土を操ってぬえを閉じ込めた。

 

「なっ、閉じ込められた。」驚いた声を上げるぬえ。

 

「土よ、埋めてしまえ!」諏伯は力を込め、土の中にぬえの体を埋める。顔だけが出ている状態にする。

 

「出しなさいよ!」ぬえは苛立ちを隠せず叫んだ。

 

「もう都の人を驚かしませんか?」と、諏伯は落ち着いて問いかけた。

 

「まあ、都の外の通行人位にトドメておくわ。」ぬえは考えを巡らせるように答えた。

 

「まあ、ギリいいでしょう。」諏伯は納得しながら返事をした。

 

そんな会話を交わしていると、ぬえは土から飛び出し、「正体不明の大妖怪を舐めないことね!これくらいすぐ出られるんだから!」と自信満々に告げた。

 

そのま飛び去りながら、ぬえは「次はもっと本気で来るから、覚悟しておくのね!」と叫んで、京の空へと消えていった。

 

諏伯はその様子を見送りながら、「次はどんな手を使ってくるのか…楽しみでもあり、警戒も必要だな」と思いを馳せた。

 

 諏伯は阿礼の家に帰宅すると、阿礼が待っているように尋ねてきた。「どうだったか?」

 

「撃退はしました。都にはもう来なさそうです。」と諏伯は安堵の表情を浮かべて答えた。

 

すると阿礼は顔を輝かせながら、「やりましたね!封獣ぬえ撃退おめでとうございます!役人に功績をお伝えしますので、もう数日だけご滞在下さい!」と喜びを爆発させた。

 

諏伯はその笑顔に触発され、頭を下げて「ありがとうございます。お世話になります。」と素直に応じた。

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