距離感がぶっ壊れてる葦毛の怪物とその幼なじみ。 作:狸より狐派 ハル
ウマ娘、それは別世界に存在する名馬の名と魂を受け継ぐ少女たち。
彼女たちにはウマの耳があり、尾があり、超人的な脚がある。
時に数奇で、時に輝かしい運命を辿る神秘的な存在。
この世界に生きる彼女達の運命は、まだ誰にも分からない。
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岐阜県にある二階建ての一軒家。その一部屋にあるベッドの上にひとりウマ娘の少女が横向き寝ている。
壁にある時計は8:00あたりを指している。
少女は顔をしかめていく。
目が少し開く。布団からきれいな肌をした腕と肩を出して
少女にとってあまり見慣れない天井へと視線が向いているが、彼女の考えていることは本人もはっきりとしていない。
しばらくその状態が続く。
少女が放心していると部屋の扉が開かれる。
ひとりの少年が温かいココアの入りマグカップを手に入ってくる。
少女はそちらを見る。少年は彼女に近づく。
ベッドのそばまで来て足を止める。そして
お互い目を合わせたまま静かだ。
「・・・おはよう」
先にしゃべったのは少女の方だ。少年も同じように返す。
少女は出ていた腕で布団を掴み、胸に当てながら上体を起こす。
きれいな肌をしたもう片方の腕が、細い横腹が、あまり広くない背中が見える。よく見ると、首に赤い跡がいくつか見える。
少年がマグカップを差し出し、少女はそのもう片方の手で受け取る。
「ありがとう」
マグカップを口にする。中のココアは唇につけても熱く感じることはなく、そのまま口の中に液体が入ってくる。
そしてそのままコクリ、と
「・・・うん熱くないよ、とってもおいしい」
少年にココアの温度を聞かれ、そう返す少女。
「キミも飲むといい・・・いや、もう飲んだのかな」
そう少女が聞くが、少年は否定した。
「そうか。じゃあ、どうぞ」
マグカップを返す。少年が受け取り、彼もココアを飲む。少女が口を付けたところから。
少女は何も言わず、少年が飲むのを見つめている。一口飲むと少年は屈んだままマグカップを
そしてまた見つめ合うふたり。少女は微笑んでいる。
そんな彼女に、少年は顔を少し傾けて近づける。
唇と唇が触れ合った。
少年が目を
そのせいで布団がふにゃ、と折れる。彼女はやはりきれいな肌をしている。
少年も少女も頬に手を当て、もう片方の手は彼女の反対側の肩を優しくつかむ。
また少しして、少年は唇を離す。そしてふたりは目を開き、至近距離で見つめ合う。
少女は頬を赤く染めながら微笑む。
「・・・キミのココアの味がする」
少女がそう呟いた。少年はとくに何も言わず、また顔を近づける。
再び唇が重なり、ふたりは目を瞑った。
少しじっとして、首を少し左右に動かし、唇同士をこすらせる。
顔を離して、お互い顔を違う角度に傾けてまた唇を重ねる。またじっとして、少し離して目を開き、今度は舌を出し合う。
そして付け合った。互いが互いの舌の先端を舐め合う。ゆっくりと、ねっとりと、そしてそのまま開いた口同士を付け合せる。
少女の鼻息が少し荒くなる。舌はつながった口のなかで、おもに少女のが少年の舌を絡めたいかのように動いている。
少年の頬に触れていた手が、彼の背中に回される。そして抱く力を入れて、吸い始める。
空気と液体が音をたてる。少女の力が入っていく。少年はじっとしたまま。
音が鳴らなくなっていく。
「・・・・・・・・・・ぷはぁ」
少女が息を少し切らしながら唇を解放した。
「はぁ・・・はぁ・・・」
うっとりとした視線を合わせに行く少女。するとどこか申し訳ない顔になる。
「・・・すまない・・・苦しくしてしまった・・・」
強引にしてしまったことに負い目を感じる少女。少年が何も言わない。
そのかわりに自身の唇を、彼女の頬に当てた。
「・・・」
少女はじっとする。少年は頬に唇を少し当て続けると、今度は彼女の
「・・・ふふ、くすぐったい」
少女はまた可愛らしく微笑む。少年が唇を離し、またまた向き合った。
「・・・」
すると次は少女から顔を近づける。そして少年が自分にしてきたように、彼の頬に唇を付ける。
そして次は額へ、最後に離し向きなおした。
「・・・」
少女が体ごと近づける。少年の顔の隣に自身の顔を、彼の肩に乗せてハグをした。
素肌と素肌がべったりと重なる。
少年も彼女の細い体を抱きしめる。
温もりが移り合う。心臓の音が耳からでなく、体から聞こえる。
そのままじっと重なり合う。
「・・・幸せだな」
少女がそう呟いた。
「・・・ん?」
少年が体を倒し始める。少女の体が倒され、ベッドに寝かされる。
体を離される。少年はベッドに脚を掛け始める。
膝で位置を自身の位置を調整して、少女にまたがるように密着させて、四つん這いになった。
「・・・もしかして・・・」
少女が
「また・・・したくなったのか?」
少年は返事をしない。そのかわりまた唇をつけ合った。
「ん・・・」
今度は少年の方から吸う。しかし少女ほどではない。
吸い付くような音が小さく
「・・・しょうがないな」
少女は感覚を頼りに、傍にあるはずの小さな正方形の箱を取ろうとした。
実際に手に取り、中にあるものを指で取り出す。
中に入っていた、同じ形をした薄い袋を、少女は
「ん」
少年がまた顔を近づけ、その袋を口でとった。
少年は体を起こす。そして布団を、膝をベッドから離しながら
少女の体は本当にきれいな肌をしている。少年はつい彼女を眺める。
「・・・恥ずかしい」
そんなことを言っているが、少女はまんざらでもなかった。
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この光景を見ている者がいれば、ふたりはまさに付き合ってそれなりにたつ相思相愛の男女に見えるだろう。
・・・だが、どうか落ち着いて下記の文章を読んでほしい。
このふたり、
こんなことを何度かしているのだが・・・
なんと
付き合っていないのである。
なぜこんなことをしているのに、付き合っていないのかは・・・
機会を頂けるのなら。考えておきましょう。
それでは。またどこかで。
訳:感想クレメンス(BANガクブル)。