進め!立体機動   作:puuti146

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第二話

 次の日の放課後……。

 何故放課後しか部活をやらないかというと、不明――というわけでもない。立体機動装置は仮想現実空間に入ると、自動的に装備されるためだからだ。

 そのため平日の朝は筋トレやミーティング等々、立体機動と全く関係の無い事をしている。

 

「昨日言ったとおり、立体機動装置について説明する。誰か見本用の装置を持ってきてくれ」

 

 仁先輩がそう言うと、一番近くに居た蓮太郎先輩が、見本用の立体機動装置を持ってきた。

 見た時、僕は思わず口走った。

 

「……。なんかでかくないですか?」

「まぁ、漫画とかで見るより大きいと感じるよね。私も入部した時はそう思ったよ」

 

 と、向日葵先輩が答えてくれた。

 仁先輩の視線が、蓮太郎先輩と莉那先輩へと向かう。

 

「さて、ここからは蓮太郎と莉那に教えて頂こう」

「ということで、私莉那が基本的な事を教えるよ。蓮太郎君は細かい所の説明や補足を担当するよ。じゃ、まずはこれ!」

 

 莉那先輩は装置を装着した時に、背中に来る機械を誇らしげに持ち上げる。

 二つの丸い円の形した突起がある。

 

「これは立体機動装置の本体で、ここにアンカー付きの鉄線が収納されているよ。推進力やバランスを取る為のガス噴射もここからするよ!」

「鉄線は120m程ある。目で距離を計算出来るようにしろ。出来るようになれば、巨人の高さをすぐに予測出来るようになる」

 

 次に、装着した時に、太ももの辺りにくるボックスを指す。

 銀色に輝き、薄く鋭い板がしまわれている。

 

「ここに予備の超硬質ブレードを収納できるよ! そしてこの上にある、カートリッジ式のガスボンベはこの装置の動力源。これが無いと私達は何も出来ないよ!」

「試合中では定期的にガスとブレードを補給しろ、新入り。補給は基本的に、補給所で行える。自力だがな」

 

 次に、腰の辺りにくる装置を指した。

 小さな穴があり、そこからアンカーが垂れ下がっている。

 

「ここからアンカーが射出されるよ! 特に説明することは無いかな?」

「俺も特にない。ひとつ言うなら、それがあるのは腰だ。そこをよく覚えておけ」

 

 最後に、莉那先輩は、剣の柄だけの物を指す。

 自転車のブレーキのようなものや、銃の引き金のような物が付いている。

 

「これは立体機動装置の操作する、いわばリモコンみたいなもの。操作方法は今度説明するね。内部構造とか詳しい事は全部ブラックボックスだよ!」

「そこが壊れたら、死んだ奴の装置を奪うしかない。それほど重要な物だ。大事に扱え」

「これで立体機動装置の説明は終わりだよ!」

 

 そう莉那先輩が言うと、蓮太郎先輩は何か忘れているぞと、莉那先輩に目で訴えている。

 

「あっ……、忘れていた!」

 

 莉那先輩の声が部室に響き渡る。

 そう言うと共に、出したのはベルトだった。

 

「これ、耐Gベルト! 詳しい事はわからない。けど重要だよ!」

「立体機動の動きはそのベルトが関連している。僅かな体重移動でも、ベルトは反応する。昨日の入部テストで、あれだけの事が出来たから大丈夫だろう、新入り」

 

 危ない危ないという顔をしながら、莉那先輩はベルトを置いた。

 置いた後、顔に輝きを持たせて、話し始める。

 

「改めて、立体機動装置の説明を終わりにするね」

「颯太君、明日の休日練習なんだが……。予定は開いているか?」

「はい、開いています。午前も午後も開いています」

 

 突如として、仁先輩が、僕のスケジュールを聞いてくる。

 開いていると僕は答えた。

 

「では、明日の休日練習、絶対来てくれ。立体機動装置の操作を教える」

「仁先輩、私と蓮太郎君だけで教えます! なので、休日練習休んでください!」

 

 その言葉に、向日葵先輩が不安げな顔を見せる。

 正直とても失礼だが、僕自身も不安だ。何故かはわからない。体がそう言っているとしか……。

 

「莉那ちゃん大丈夫? 新入りクンに怪我させないでよ?」

「安心してください! ビシバシと指導して、鍛え上げますから!」

 

 そう言うと共に、下校のチャイムが鳴り響く。

 

「おっと、もう終わりの時刻か……。皆、心臓を捧げよ!」

 

 僕は仁先輩の発した言葉に反射的にしてしまった。右手を握りこぶしにして、心臓の前に当てる。そう、敬礼だ。

 仁先輩は満足そうな顔をして、部活を終了する挨拶をした。

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