進め!立体機動   作:puuti146

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長くなったため、前編と後編に分けて投稿します。


第三話 前編

 そして、次の日。

 休日で、運動部等が練習している校庭を遠回りしながら、部室へと向かった。

 部室前には、蓮太郎先輩と莉那先輩が立っていた。

 

「……莉那、颯太が来たぞ」

「やっと来た! さて、今日はスタジアムへ行くよ! 勿論、徒歩でね!」

 

 学校に集合し、少し歩いて数分後、僕達はスタジアムと呼ばれる施設に到着した。

 

「ここについては中に入ってから説明するよ~。さぁ入った入った!」

 

 僕は莉那先輩に背中を押されてスタジアムの中へと入る。

 朝方だからだろうか、スタジアムのロビーには人がそこまでいない。

 

「受付済ませてくるから、ちょっと待っててね~」

「新入り、お前はまだ立体機動用の免許を作成していない、だから今日はゲスト扱いだ」

 

 蓮太郎先輩の言う事を解釈すると、ゲームIDを作っていないから、課金等が出来ないゲストユーザーという意味なのだろうか?

 そんな事を考えていると、リモコンの様なものを手に握りしめて、莉那先輩が戻ってきた。

 

「いつもスタジアム借りる度に思うんだけどさ、カラオケっぽくない?」

 

 僕と蓮太郎先輩、どちらも共感の頷きをした。

 莉那先輩の先導で、近未来的な扉の前へと先導された。

 『第八番仮想現実空間転送装置』と書かれた、プレートが扉の上に貼り付けてある。

 

「ここが、仮想現実空間の入り口だよ。転送する人の細胞の一つ一つを、空間内へ転送するよ」

 

 三人が中に入る。

 空気の音と共に、転送装置の扉が重圧感のある締まり方をする。装置内が暗闇へと包まれる。

 コンピュータが起動する時の様な音がなり、その音がした瞬間、目が眩む程の光が現れた!

 目の眩みが収まり、目をゆっくりと開けると、そこには中世代の街が広がっていた。

 ここが仮想現実空間か……と見惚れていると、突如として僕の身体全体に重さがかかる!

 僕は何事かと思い、自分を見ると、あの兵団の格好していてかつ、立体機動装置を身に付けていた……。

 

「ここが、仮想現実空間内だよ! 立体機動装置も装着されたことだし、早速説明を始めるよ! とりあえず、装備している状態で、そこらを走ってみて!」

 

 僕は足を上げ、地面を強く踏み込み、辺りを走ってみる。

 とにかく重い。ダンベルを肩に吊り下げて、走ってる感覚がする。

 重いというのが顔に現れたのか、蓮太郎先輩が一言呟いた。

 

「……、重いと感じたか? それが普通の重さと感じられる様にトレーニングしないとな」

「じゃ、次は操作装置について説明するよ! 胸のホルスターに入っている、操作装置を取り出して!」

 

 ジャケットをめくり、僕はホルスターに入っている操作装置を取り出し、二つのトリガーに指を掛けた。

 

「上のトリガーを押し込むと、ガスが射出装置に供給されて、アンカーが射出されるよ」

 

 試しにという感じで、右手に握っている操作装置のトリガーを、ゆっくりと押し込む。カチリと軽い音が仮想現実空間に響き渡る。

 その軽い音と同時に、破裂したような音がし、右腰にある射出装置から、アンカーが目にも留まらぬ速さで飛んでいく。

 しかし、右アンカーは推進力を少しずつ無くしていき、右アンカーは息絶えてしまった。

 

「うまいうまい! 次は巻取りをするよ。上のトリガーをもう一回押してみて!」

 

 もう一回、上のトリガーを押すと、鉄線が擦れて、キリリと唸りを上げながら巻き取られていく!

 この巻取りに触れたら、皮膚がどうなることやら……。と、考えているうちに巻取りが終わっていた。

 

「次はそのレバーについて説明するよ! レバーって言っても、お肉のほうじゃないよ。あそこの家の壁に左アンカーを突き刺して。左だよ」

 

 左手の操作装置のトリガーを押して、左アンカーを近くの壁に突き刺す!

 ガゴンと音がなる。コンクリートブロックをかち割ったような轟音が響き渡る。

 

「その状態で、ブレーキレバーを引かない状態で、後ろに下がってみて!」

 

 そのまま一歩ずつ、ゆっくりと下がってみる。鉄線が射出装置から、絶えなく出てくる。

 

「昨日も言ったが、鉄線は120m程ある。覚えておけよ」

「今度はトリガーを押して、押した瞬間にレバーを引いて!」

 

 上のトリガーを押した。巻取りが始まった瞬間にレバーを引く。あれだけ速かった巻取りが、一瞬にして停止した。

 

「今度は、レバーを引きながら体重を、腰を中心にして、左側に思いっきり後ろに引いて!」

 

 レバーを引きながら、僕は体重を腰に移した。

 そのまま、左にグッと引くと、左アンカーがガキン! と言いながら、刺さっていた場所の真下に落ちた。

 トリガーを押し、左アンカーの巻取りを行った。

 

「最後に、ガスの噴射だよ! 下のトリガーを押し続けてみて。片方だけでいいからね」

 

 僕は、下のトリガーを押し込こむ。

 プシューと炭酸の抜けるような音が鳴る。

 

「片方だけ押すと、弱く噴射されるよ。両方押すと、一気にガス欠になるぐらいの勢いで噴射されるから気をつけてね! スピードを出したい時は沢山噴かして、微調整したいときは、弱く噴射するといいよ!」

 

 今度は、後ろを見ながら、ガスを噴射してみる。

 普通には見えないガスの流れが見える。

 ガスは白く、綿飴のような感じだ。

 

「この空間ではね、見えないものとかが全て可視化されるの。装置のガスとか、巨人の叩きつけた時の空気の流れとか。おならは可視化されないから安心してね」

「一通り説明は終わったな……。次は、戦闘について教えるぞ」

 

 そう言うと、蓮太郎先輩は、操作装置にブレードを装着した。

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