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幼い頃から抱いていた『転生番人』になるという夢を叶えるため、ルブランは『ルーピング転生学園』への入学テストを受けに訪れた。
入学テストを受ける場所は学園ではなく、街の中だ。
テストの内容には他者を見極める術を見せる、といった物があり、街の中に何人かいる『ルーピング転生学園』の講師を見極め、その講師と名刺交換を行う事をメインとする。
(緊張するな……ここが『転生番人』になるためのテスト会場だな)
講師たちがそこかしこにいるであろうテスト会場には、ルブランと同じように入学テストを受けに来ている者がいるらしく、辺りの空気はピリピリしている。
鋭い空気を通り抜け、ルブランの瞳は講師を探り始める。
(用心しないと講師の他にもがくえんの在校生や卒業生までもトラップでいるらしいから、気配だけでは間違い……失格になる)
入学テストにおいて気を付けないといけない事は、講師と同じ気配を纏う人たちが講師の数を越えるほど居るという事だ。
気配を辿るだけではトラップの在校生、卒業生に名刺を渡し、相手からは失格の通知書を渡される……そんな絶望的な結果に終わってしまう。
(見事見極めて、名刺を交換した講師が自分の担当になるから、そこら辺も当たり外れがあるんだよな)
ルブランの不安はそこにある。
講師であれば良いわけでなく、自分と相性が合う講師でなければ合格出来て授業を受けていても気持ちが続かず自主退学するはめになるわけだ。
学園での鍛練が続くかどうかは、最大の課題である。
「『ルーピング転生学園』の講師ですね?
ワタクシ入学テストを受けに来ましたケイリともうします」
入学テストを受ける少女が、講師と思われる男性を呼び止めた。ルブランの意識が二人の方へ向けられた。
(あの人講師だろうか……あの子は合格するんだろうか)
少女が名刺を差し出している男性の表情には笑顔が見えている。
男性は服の胸ポケットから何かを引き抜こうとしている。
名刺か?
少女の前に差し出されたのは……。
「残念、俺は卒業生だよ。
はいこれ、失格の通知書……また来年受けに来てね」
男性の表情が笑顔から同情に近い表情に変わり、少女に失格の通知書を手渡した。
自信が有ったのにあっさり失格してしまった少女は、死んだような目で空間を見ている。
「今回失格だったけど、君の見極める目には良い感じの才能があるよ。
来年まだ情熱があったなら、また入学テストを受けにおいでね」
単に失格を下して終わりではなく、後に必ず言葉を添えるのがこの『ルーピング転生学園』での入学テストの人気なところ。
死んだような目をしていた少女の目に力が宿り、かのじょの未来が報われる物であれば良いとルブランは心から思えた。
(僕も自信を持って名刺を渡そう!
己の見極める目を信じて、躊躇しないで声をかけるんだ)
力強く地面を踏みしめ、ルブランは歩く。
講師の力かと思われる人物の気配を辿り、その先にいる相手をイメージする。
(この人だ!)
歩いていく先に、強い気配を放つ女性がルブランの目を止めた。
かなり気になるこの女性……目立たないが強さが見えない部分に息づいているのが伝わる。
ルブランは講師と見た女性の前へ立ち、名刺交換の態勢に入った。
「『ルーピング転生学園』の講師ですね。
ワタクシ、ルブランともうします」
凛とした表情で名刺を出すルブランを、講師のような気配を放つ女性は真っ直ぐ彼を見る。
「はい、私『ルーピング転生学園』の講師を勤めているハピネスと云うね。
ルブラン、貴方には見極める才能があるね」ルブランの勘は見事に当たった。
女性、ハピネスの手から、名刺が渡された。
「しかもその才能……学園に入学するまでもなく、講師を担える程に強力なモノ」
「え?」
ハピネスの言葉ルブランを驚かせる
「貴方さえ良ければ『ルーピング転生学園』の講師として学園に来ないかな?
通常通り、入学して生徒として学園に来るのも歓迎するが」
「講師として?
いや……それは……僕は、やっぱり生徒から始めますとも!」
ルブランはきっぱり断言する。
「順序に添って『転生』を学んでいき、見極める力を極めていくつもりです!」
「気に入った。
私の授業を受けた先に、貴方がどんな成長を見せてくれるか楽しみだ」
「楽しみにしていて下さいませ!
これから宜しくお願いします」
ルブランとハピネスは互いを信頼した状態で名刺交換を行い、これからの学びに対してワクワクした気持ちでいた。