斬れない物は無い、故に全てを断ち斬る   作:皐月の王

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えー、モンハンが出て夢中になってました申し訳ないです!


侵入者

「で……俺が寝ている間に事は何も進んでいないと」

 

「……う、うん。それより、もう少し寝てなくてもいいの?」

 

「いや、こういう場に来てて寝てられるほど俺は図太く無いからな」

 

柊晴は桃に現状の確認を行う。30分の睡眠と言うなの気絶で時間は経ったが、状況は動いていないのである。柊晴は肩を竦ませながらもう少し眠りたい気持ちを奥に押し込めていた。

 

(ただ待つのも何だかなぁ……。いや、そういうモノだとは分かってるが。ここ数日忙しすぎたから落ち着かねぇ)

 

外の風景を見ながらに内心そう愚痴を吐く。今の柊晴にとってはただの待機は思いの外、苦痛に感じることとなっていた。

 

(仕事でも持って来りゃよかったか?いや、寝ようと思ってた時に叩き起されたんだ……萎えて仕事どころじゃねぇな。たく……つまらねぇ事での呼び出しならいい迷惑だぞ)

 

溜息を漏らしながら、懺罪宮四深牢の方角を睨みつけていた。その間も時間だけが過ぎていく。雑談をする者や考察する者、己の気持ちを封殺する者。様々な思いを秘めて待機する面々の耳にけたたましい音が耳に入る。

 

『緊急警報!!緊急警報!!瀞霊廷内に侵入者有り!!各隊守護配置について下さい!!』

 

打ち鳴らされるは警報の鐘。その報告を聞き皆が慌て出す。

 

「な……何だ!?」

 

「侵入者!?」

 

「見たいだな……。とりあえず、待機より優先度は高いだろ、俺は先に行くぜ。隊長も副隊長も今は満足に動けねぇだろうしな!俺が指示を出すしかねぇんだわ!」

 

そういうと柊晴は飛び出す。

 

「あっ!柊晴くん!」

 

桃が呼びかけるが、その時には既に屋根伝いで移動を開始していたため声は届く事は無かった。

 

 

(この件で呼ばれたとするならば……侵入者が俺の貴重な睡眠時間を奪ったことになるって事だよな……!いい度胸じゃねぇか!!さぞ大層な目的があるんだろうな!)

 

柊晴は十三番隊の持ち場に行き指示を飛ばす。

 

「通常業務をしながらでもいい、瀞霊廷に侵入者が来たのは聞いたよな?持ち場の範囲で見つけたら、捕縛。十三番隊の牢屋に入れるようにな!深追いだけはするなよ!ぶっちゃけ、他の隊に任せてやりたい事はあるがそれじゃあ護廷十三隊の本末転倒もいい所だからな!」

 

「「「「はいっ!!!」」」」

 

自身より身長の低い柊晴の言葉を聞き十三番隊が動き始める。柊晴は息を吐き夜の空を見上げる。

 

「はぁ……ったく、休んでる暇なんてねぇじゃねぇか」

 

吐いた言葉は誰の耳にも届く無く慌ただしく動く音に掻き消されて行く。指示を飛ばしたあとは待機室に戻り、そして、再び副隊長達が集まる。

 

 

「十一番隊第三席である斑目一角様……同じく第五席の綾瀬川弓親様……。以上二名の上位席官が重症のため戦線を離脱。各隊の詳細な被害状況については現在調査中です……ただ、十一番隊も壊滅状態であると報告が入ってます」

 

動揺の雰囲気が場を支配する。柊晴はそれを聴きながら

 

(一角さん達がやられるなんてな……しかも十一番隊がほぼ壊滅なんて並じゃねぇな)

 

思考する。目的は未だ不明だが、実力は確かな物だと分かる。

 

「現在確認されている旅禍は3名……うち2名は我が四番隊の隊員1名を人質にとり中央へ移動中との情報もあります……」

 

(中央に目的がある?ただ、死神に喧嘩を売りに来たのは明白だな。人質を取ってまで目指しているには理由がある……何が目的だ?赦す気はねぇけど)

 

そして十一番隊だけではなく、七番隊の四席の慈楼坊も応答が無いと言う。上位席官が次々と戦闘不能だったり音信不通となっている。

 

「ふわ……な、何だか大変なことになって来ちゃったね、柊晴くん、阿散井くん」

 

「んあ?悪いな考え事してた……ん?」

 

柊晴が隣に立っていた筈の阿散井に目を向ける。しかし、後ろの戸が開いており阿散井の姿が見当たらなかった。

 

「阿散井……くん?」

 

「……居ないな。とりあえず、六番隊に行ってみるか?気になるんだろ?」

 

「うん!」

 

そして、二人が六番隊の副官室前に行くと副官章が置いてあった。装着令が出ている副官章を置いて何処かに行くことは余程の事だと考えられる。阿散井の捜索に吉良を捕まえて話を行う。

 

「とりあえず、各隊長にバレないようにな。まぁ、藍染隊長と市丸隊長なら見逃してくれそうな気もするが事が事だからな」

 

「バレないことに越したことはないからね。僕の方でも探してみるよ」

 

「うん、お願い」

 

そして同期である三人はそれぞれ阿散井を探すために動き出す。

 

「たく、こんな時に何がしてぇんだよあの野郎……!旅禍に心当たりでもあるってのか?まぁ、アイツなら余っ程じゃない限りは負けるとは思わねぇけど」

 

屋根から屋根を伝い駆け抜け阿散井を探す柊晴。途中何度か眠気に襲われながらも頭を振り霊圧を探り探す。

 

そして、阿散井の霊圧を感じ取り走り出す。柊晴が辿り着いた時、

 

オレンジ髪の死神の胸ぐらを掴んで叫んでいる阿散井がいた。

 

「黒崎……恥を承知でてめぇに頼む……!!ルキアを……ルキアを助けてくれ!!」

 

そう叫んでいた。オレンジ髪の死神が小さくその叫びに応じていた。その答えを聞き阿散井が倒れ、オレンジ髪の死神も倒れる。

 

「阿散井……お前……」

 

阿散井の本音の部分を聞き、それを託した相手は今は倒れている。恥を忍んでまで託した阿散井の気持ちを考えると捕まえる事は柊晴には出来なかった。

 

「あぁ……クッソ!世話かけさせやがって!」

 

去るまで息を潜め、去る後同時に降り立つ。

 

「おい、生きているか阿散井……いや、くたばるはずはねぇよな。とりあえず、運ぶぞ」

 

そのタイミングで吉良達もくる。

 

「吉良!阿散井がやられた、とりあえず移動させるぞ!」

 

「阿散井くんが!?わ、分かった!」

 

他の隊員とも協力を行い阿散井を運ぶ。そして悲惨な阿散井の姿を見て桃は絶句する。

 

「そんな……!」

 

「俺が来た時にはこの状態だった……っ!相手は相当な手練みたいだな」

 

「僕が早く来ていたら!」

 

「言っても事は裏返らねぇよ……。それを言うなら俺もそうなんだからな……」

 

阿散井を切り伏せた相手を見逃した柊晴。それを黙っている事に罪悪感を覚えながらも阿散井の意思を自身のエゴを通すために黙る。

 

「ともかく……四番隊に連絡するよ。上級救助班を出してもらおう」

 

「その必要は無い。牢に入れておけ」

 

六番隊、隊長の朽木白哉がそういう。桃が食い下がろうとするが柊晴が止める。

 

互いに何も言わず真っ直ぐに視線を交わす。柊晴のやつれている状態を見ながら苦言を呈すように言う。

 

「その様な状態で務まるのか十三番隊が、自己管理もままならないとは」

 

「ありがたいお言葉ありがとうございます、ですが朽木隊長には関係無いのでお気にならさず」

 

柊晴は睨むように言い、白哉は少し眉を顰める。長く感じる少しの静寂の後、白哉は三人に背を向けてその場から立ち去る。

 

桃と吉良の二人は息を吐き

 

「隊長に向かってなんて言う態度を取っているんだ!?」

 

「ホントだよ!」

 

「全く、面白いなぁ柊晴君。別の隊の隊長さん真っ向から言うの君くらいやで」

 

気づいたら市丸が壁に持たれかけていた。

 

「……市丸隊長」

 

「何時もやったら気づいとるのに、余程疲れているんやね?」

 

そう言われた柊晴は頭を掻きながらに答える。

 

「まぁ、疲れてはいますね」

 

「君も阿散井君と同じように休んだらいいと思うで?四番隊に話そか?」

 

「結構です」

 

「そっか、ならボクは阿散井君の件四番隊に声を掛けておくから、ついておいでイズル」

 

吉良を手招きして市丸は四番隊に向かって行く。

 

「よろしくお願いします!」

 

桃が頭を下げて礼を言う。

 

「こりゃ、ハデにやられやがったな阿散井のヤロー」

 

「わあっ!?」

 

突然現れた冬獅郎に桃は驚く。柊晴は溜息を吐きながらに言う。

 

「急に出てくるなよ冬獅郎」

 

「一応オレは隊長だぞ柊晴。いーのかよ?」

 

「死神に興味無かった奴がよく言うぜ……」

 

二人はふっと笑うが

 

「どうして隊長さん達は音も立てずに近くにいるのよ!!だいたい日番谷くんがどうして……どうしてこんなところに居るの?」

 

テンションが迷子の桃が突如現れたことに驚き怒りながら冬獅郎に質問をする。

 

「忠告に来たんだよ……三番隊に気をつけな」

 

「どういう意味だ?それ」

 

幼馴染三人の間に緊張感が漂う。そして自体は動く

 

副隊長を含む上位席官の廷内での斬魄刀の常時帯刀及び戦時全面解放の許可が降りる。瀞霊廷内は混乱を極めていた。




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