斬れない物は無い、故に全てを断ち斬る   作:皐月の王

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モンハンや職場が変わり遅れました!すみません!


真実を求めて

事が起こったのは冬獅郎の忠告を受けた次の日。柊晴は相変わらずろくに休めない中、動いていた。

 

(状況はややこしくなってきたな。侵入してきた旅禍の目的はルキアの救出とみて良いだろう。恋次を倒すレベルだ……隊長達がそう簡単に負けるとも思わないが、アレはまだ伸びる……そんな予感がある)

 

オレンジ髪の少年を思い返しながら歩みを進める。阿散井恋次を倒した少年。わざと見逃した以上今更捕まえに行くなんてことはする気は起きない。それどころかルキアを助けるということには一致しているため協力したいが、表立って動くことが叶わない立場のためどうしようも出来ないのだ。

 

「たく……どうしたらいいんだよ……」

 

頭と胃が痛くなり、極度の疲労感を感じている状況を抱えて歩みを進める。定例集会と言う集まりがあるために移動しているのである。

 

「見る度に状態が悪くなってるわよ?大丈夫なの?」

 

「状況が状況だから仕方ないとは言え、流石にのぅ」

 

松本と射場が柊晴の姿と様子を見て流石の言葉を漏らす。柊晴は笑顔でありながら怒りのオーラを出しながらに言う。

 

「そう思うのなら、仕事そっちに回しても良いですか?」

 

それを聞いた二人は苦笑いを浮かべるしか無かった。そんなやり取りを行っている時に

 

「いやあああああああああ!!!」

 

桃の悲痛な叫びが響き渡る。

 

「何だ!?」

 

「東大障壁の方じゃあ!!」

 

「雛森くんの……声だ……!」

 

「っ!桃!」

 

柊晴は誰よりも早くその場から駆け出し、現場に向かう。

 

「桃!一体何が……!」

 

桃が見上げる方向を見ると斬魄刀で串刺しにされ、花火のように血をぶちまけている藍染が見せしめのように磔にされていた。

 

「あ……藍染隊長!そんな、どうして……藍染隊長!!」

 

桃は涙を流しながらに藍染の名を叫ぶ。皆が緊迫した空気の中、柊晴は思考を巡らせる。

 

(一体誰だ?藍染隊長を殺したのは……。旅禍が犯人と考えるのが現状最もそれらしいが……恋次を倒したアイツが殺すとは思えねぇし、恋次とほぼ引き分けのアイツが一日で藍染隊長を殺せると思わねぇ。それより目的からしても殺すとも思わねぇ。となると死神側にいる可能性がある……けど、同じ隊長格でもこうも一方的で殺せるか?ダメだ、頭が回らねぇ)

 

柊晴が顔を顰めながらに桃の隣に歩み寄る。

 

「何や、朝っぱらから騒々しことやなァ」

 

気づいた時にはその場に市丸が来ていた。先刻冬獅郎からの忠告で名前が上がった隊の隊長。市丸ギン。

 

桃がギンを認識するのと同時に冬獅郎の言葉が頭に過ぎる。思わず切りかかりそうになる。しかし、隣に立つ柊晴が視界に入る。あの現世の実習の日より学んだ事を思い出し、自身を律する為にも思考する。

 

(本当に市丸隊長が?だとしたら態とすぎる……気がする。だって、市丸隊長の腰には斬魄刀がある……。暗殺して見つけて欲しいとなって態々見せしめにして自分に刃が向けられるリスクをとる?分からない……分からないよ!!!)

 

隊長を失った悲しみ、されど冷静さを忘れないように務める桃は五番隊副隊長としての責務を全うすべく、市丸に報告する。

 

「い、市丸隊長……!あ、藍染隊長が……!!何者かによって……!殺害されました……!!」

 

涙を流しながらに言う。市丸は藍染を見上げて

 

「そうみたいやね。藍染隊長、一人で行動してたんか?危ないのに不用心やねぇ。とりあえず、下ろしたらなあかんな。イズル、檜佐木副隊長、射場副隊長お願いしてもええか?十番隊長さん、総隊長への報告任せてもええですか?」

 

「「「分かりました」」」

 

「市丸……ああ、総隊長には俺がする」

 

それぞれが動く中、冬獅郎が市丸を睨みつける。

 

「雛森が向かってきてたら……何をするつもりだった?」

 

「はて、なんの事やら」

 

「忠告しておくぞ市丸。もしも雛森に血を流させてみろ……その時は俺がてめぇを殺す」

 

市丸は頬をつり上げ、人を喰った様な不敵な笑みを浮かべながらに答える。

 

「そら、怖いなぁ。そん時は柊晴くんに守ってもらおか」

 

「誰が守りますか……。俺も桃を傷つけられて平然となんてできねぇですから」

 

「冷たいなぁ。飲みに行った仲間やのに」

 

茶化すように言い、市丸はその場から去っていく。柊晴は桃の隣にしゃがみこみ背中をさする。

 

「桃、今は休め、隊長不在の中、副隊長のお前まで倒れたら五番隊はどうしたら良いか分からなくなる。後のことは冬獅郎と俺に任せろ」

 

「ああ、柊晴の言う通りだ。五番隊の業務は十番隊と十三番隊に任せたらいい。今は休め。松本、雛森を五番隊隊舎まで送ってくれ」

 

「分かりました隊長。ほら、行くわよ、雛森」

 

「うっ……シュウくん……シロちゃん……ごめんなさい。ありがとうございます……」

 

そう言うと桃は震えながら松本に連れられてその場から離れる。

 

「お前はどう思う柊晴」

 

「どうって……アレの犯人についてか?」

 

似たような身長の二人は藍染の死体を遠くに見ながら話す。

 

「俺は市丸が殺ったんじゃねぇかと考えている。警鐘がなった時アイツは『最後の警鐘くらいゆっくり聞いたらええのに、じきに聞かれへんようになるんやから』って言ってやがった……旅禍の侵入の件と言い、何か企んでいるのは間違いねぇ筈だ」

 

「何か企んでいると言うのは……同意するが、藍染を殺したのは市丸じゃないとは思っている。そもそもな……なんか、違和感あるんだよあの死体。なんの違和感だと言われたら分かんねぇけど……」

 

冬獅郎は眉を顰めながらも言葉を続ける。

 

「卯ノ花隊長に死因を診てもらうまでは何も言えねぇな。とりあえず、俺は総隊長に報告してくる。お前は、十番隊舎で待っててくれ。五番隊の引き継ぎするぞ」

 

「え?本気で俺も?」

 

「お前が言い出した事だろ。行っとけよ」

 

そう言うと冬獅郎は総隊長の所に行く。柊晴は肩を落としながら

 

「すんません!あと頼みます!」

 

十番隊舎へと向かった。しばらくしてから、その後持ち込まれた五番隊の仕事を行う。桃と松本は藍染の遺品の整理を五番隊舎で行うということであった。

 

「……」

 

「……」

 

同じ出身地の二人が行う光景になっていた。ただ違うのは副隊長代理と十番隊隊長であることだけである。

 

「なぁ、冬獅郎」

 

「一応俺は隊長だぞ……公の場では日番谷隊長って呼べよ?」

 

「分かってるよ……それでここなんだけどな」

 

確認を行い合いながらも仕事をこなす。

 

「そう言えば大丈夫なのか十三番隊は浮竹隊長は床に伏せ、志波副隊長も謹慎でお前が事実上動かしているんだろ?」

 

「二人の四席に任せてある。と言っても、大半は昨日に済ませているし、残してもいい事を伝えているから、問題はねぇだろ。これが終わればゆっくり休む……と言いたいが、そういう訳にも行かないからな」

 

沢山の引き継ぎの資料や仕事に目を通し苛立ち混じりに事に当たる。

 

そして数時間後作業は二人で行ったこともあり残りは少なくなってきていた。

 

「ふぅ……」

 

「柊晴、一度十三番隊隊舎に戻れ、今回の件、踏み込むつもりなら、後に作業を残さない方がいいし、俺は他の隊のやつを顎で使う事なんてしたくねぇからな」

 

「今更かよ。でも、浮竹隊長に許可くらいは取ってくる……たく、律儀だな」

 

「それが隊長として当たり前だろ」

 

柊晴は一度十三番隊隊舎に戻り、不在にしていた分の業務に取り組む。そんな時浮竹が復活したことを知り、浮竹と合流する。

 

「浮竹隊長!?もう大丈夫なんですか!?」

 

「心配かけたな、体調なら大分戻ったよ。俺と海燕不在の間ありがとうな」

 

「よ、良かったです!藍染隊長が」

 

「報告は受けているよ、旅禍についてもね」

 

「そうですか」

 

柊晴は報告を行い、浮竹はその話を真剣に聞く。

 

「君は旅禍が藍染を殺したとは考えていないんだね?」

 

「可能性は極めて低いと考えてます。退ける理由はあれど殺す理由は無いでしょうし、結果的に死ぬならまだしもですが、俺が知っている奴ならそんな事しないでしょうし」

 

「もしかしてオレンジ髪の子か?」

 

それを言われて驚き浮竹の顔を見る。朗らかに笑いながらに言う。

 

「ハッハッ!やっぱりそうか!さっきその子を見る機会があってね、海燕にそっくりで思わずびっくりしたよ。それに彼らは朽木を手段が悪くても救い出そうとしてくれた。俺個人としては信じたいと思うさ」

 

「浮竹隊長」

 

ふぅと息を吐く。そして浮竹を見据えて言う。

 

「俺に藍染隊長暗殺の件の調査をさせてください。この件で少なくとも十番隊隊長日番谷隊長が協力してくれる手筈です。それに、個人的な理由ですが幼馴染を泣かしたヤツが許せないし、こんな時に暗殺を仕掛けてきた奴が許せないので」

 

隈が酷くともその目の光の強さは揺るぎなく浮竹を見つめる。浮竹は頷き

 

「ああ、朽木の件は俺達に任せておけ!海燕の謹慎も今日で終わる予定だ!今まで苦労をかけてもう一つ苦労をかける事になるがこっちは気にしなくてもいい。頼んだぞ御厨!」

 

「はいっ!」

 

柊晴は十三番隊隊舎を出る。そして冬獅郎と再び合流する。

 

「許可はとってきたぞ」

 

「ああ、思いの外早かったな」

 

二人は座り、つかの間の休息を取る。そして今後に着いて話そうとした時、執務室の扉が勢い良く開かれる。

 

「隊長!御厨!ちょうどいい所にいるわね!コレ見て!!」

 

「ねぇ、これってどういう事なの!?」

 

松本と桃が急いで入ってきたのだ。二人は息を切らしながらに遺書を見せる。二人は訝しげな表情を浮かべながらそれを見る。

 

内容は

 

手紙を見ている時には自分が居ないこと、ルキアの処刑が早まり続けているのか調べたこと、そして目的が、ルキアを殺すのではなく双極を奪う事にあると。双極の力を使い瀞霊廷だけではなく尸魂界を破滅させようとする者がいる事、その人物が

 

「日番谷冬獅郎と御厨柊晴……。え?俺達?何で?」

 

「東大障壁の前に彼らを呼び出しておいたと書いてあるけど、俺達は呼ばれてねぇ。それに藍染の奴が尻拭いを部下にさせるとも思えねぇ!」

 

「誰かが藍染隊長の手紙に細工したと考える方が自然よね」

 

雛森は手紙を見ながらに言う。

 

「藍染隊長の字だけど……それ以上に私は二人を信じたい。二人がそんな事しないって……!!」

 

真っ直ぐな目で二人を見る。二人は同じタイミングで

 

「「当たり前だ」」

 

そう答えた。そしてその直後地獄蝶が来て報告する。

 

(隊長並びに副隊長各位に御報告申し上げます。殛囚・朽木ルキアの処刑の日程について最終変更がありました。最終的な刑の執行は現在より29時間後です)

 

「はぁ?」

 

「隊長……これは……!」

 

「え!?どういう事!?」

 

(これは最終決定です。以降の日程に変更はありません。以上……)

 

直後、柊晴の霊圧が荒れ狂うように膨れ上がる。その場に居る副隊長二人が思わず息を詰まらせる程の霊圧を放つ。

 

「ふざけんなよ……!!一体何が目的だ……!」

 

「この処刑が藍染の手紙の通り、双極の解放を狙ったものだとして……それが、尸魂界の滅亡を狙っているのならこのまま見過ごす訳には行かねぇ。この処刑を止めるぞ。松本は十番隊の指揮を任せる」

 

「はい!」

 

松本は返事をする。

 

「俺も行く、断られても行くけどな」

 

「わ、私も行く!この手紙の真実も知りたいし、五番隊副隊長として隊長が遺した最期の仕事を果たしたい」

 

桃の目を見て冬獅郎も柊晴も止めることが出来なかった。

 

「最低でもどっちかとは行動しろよ」

 

「はい!」

 

今ここに五番隊副隊長、十番隊隊長、十三番隊副隊長代理が処刑を阻止するために動き出した。




雛森が暴走(?)しなかったのは原作見たいに藍染に心酔していないからです。また、現世での実習の時に自身の感情優先で動いて皆を自分だけじゃなくて皆を危険に晒したと言う経験から対応として本人で考えたモノです
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