そういえば、前回で20話だったんですね……
海燕、ルキアの二人と戦うのは第9十刃アーロニーロである。状況で言えば海燕が参戦したことにより、優勢でことが進んでいた。
「チッ!小賢しいな!」
海燕の独特な槍術の攻めから距離を置けば、その隙を逃がさないとルキアの攻撃が差し込まれる。師弟関係の連携はアーロニーロを徐々にとは言え追いつめていく。しかし、簡単に攻め落とせないのは相手が十刃であるためである。
「ルキアや日番谷隊長の戦闘記録を柊晴に見せてもらって大体の目安はついていたつもりだったがよ……まだ帰刃を切らないところを見ると、そこまで追い詰められていねぇみたいだな」
「はい、奴らは帰刃というものでそれまでの傷を癒えます。まだ、油断はできません……」
「ああ、戦いは最後まで気を抜くなよ……!」
それと同時に再び海燕は攻めてたてる。捩花とともに巻き上げる波濤でアーロニーロを攻めてたてる。下から上への切り上げ、横凪、叩きつけ。アーロニーロの刃の外から放たれる攻撃はアーロニーロの好きなように戦わせない。そして下がれば
「はあああぁぁぁぁ!!!」
袖白雪で切りかかるルキアがいる。一対一の時はアーロニーロの方が優勢だったが、隙をつかれての攻撃ともなれば、ルキアの攻撃は命を脅かす脅威といなりうる。しかし、アーロニーロの二つある内の一つの顔がニヤリと表情を変える。それに気づいた海燕がルキアに叫ぶ。
「下がれルキア!!」
「ッ!」
ルキアも海燕の言葉と相手の言い知れぬ何かを感じ取り後ろに下がるが、一手遅かった。アーロニーロの手から触手が伸びてくる。それがルキアの腕に絡まる。ルキアは瞬時にその触手を切り落とし後ろに飛ぶが
「判断が早かったが、一手おそかった」
その言葉を聞いた時にはルキアの手の袖白雪が塵となり消えていた。
「なにっ!?私の斬魄刀が消えた!?」
「何をしやがった!」
海燕がアーロニーロを問いただす。アーロニーロは不思議そうに嗤いながら言う。
「何ヲシタッテ?見覚エ無イノ?妻ヲ乗ッ取ッタ虚ノ力ヲ」
その言葉を聞き、思い出す。柊晴が初めて卍解を使い、海燕の妻・都と融合した虚を切り離した事、その虚が斬魄刀を消す力を持っていたことを。
「お前らとも縁があるだろ、霊体融合能力を持つ虚、『メタスタシア』の力の一つ。だが、その虚を切った死神の斬魄刀の力か、融合能力だけは使えないが、一時的に斬魄刀を消す力はあるということだ」
「あの野郎と同じ力を持つ十刃か厄介だな……!」
「都さんを乗っ取った虚の能力だと!?」
その二人の言葉を聞き、アーロニーロは楽しそうに言う。
「誰ガ僕達ノ能力ガ『メタスタシア』ト同ジ能力ト言ッタ?」
その言葉に海燕、ルキアの両名に緊張が走る。現状でも斬魄刀を消す力があると判明したばかりなのに、それが本命の能力ではないと敵が言っているのだから無理はない。加えてルキアの斬魄刀が消されている状況は非常に良く無い。ルキアは鬼道も使えるが五番隊副隊長ほど鬼道に長けていると言うほどではない。得意寄りという程度である。
(どうすればいい!?斬魄刀を失っている私は明らかに足手まとい!私が弱いばかりに海燕副隊長に……!)
井上を助ける意思に揺らぎは一切無いが、現状自分を考えればどうしようもない状況で思考が後ろ向きにもなる。そんな時、
「ルキア、お前はお前ができることを考えろよ。俺は足手まといだなんて思わねぇぞ。現世での戦い、織姫ちゃんとの修行、それを見ているからな……それにアイツが十三番隊に居る時に色々教わっているんだろ?ま、あいつは教えるのはどちらかと言えば下手だけどな」
緊張感がある局面で海燕は笑ってそういった。ルキアはその言葉を聞き、自身の頬を叩き切り替える。
「はい!」
「良い返事だ!それじゃあ、行くぞ!」
海燕は言葉と同時にアーロニーロに捩花を振るい再び戦い始める。メタスタシアに妻が乗っ取られた日より、海燕は己を鍛えた。もう、大切な人や仲間を守れないことを起こさないために。
海燕の攻撃に鋭さが増し、アーロニーロも虚閃や響転を使い海燕と戦う。海燕が被弾することも徐々に増えてくる。それはメタスタシアの触手が斬魄刀を消す可能性を考慮して触手だけには触れないようにしているため、他をどうしても受けるしかない状況が度々出来ているからである。
だが、ルキアは思考を止めず、アーロニーロと接敵した時のことを思い出す。
(奴は私と出会ったとき、私の後ろを取っていた。現状と違うのは明るい外だったことだ。その場で能力を使えば、私の斬魄刀を消し、直ぐに仕留めることが出来たはずだ……ならば)
ルキアは動き出す。
「縛道の四!『這縄』!」
アーロニーロの両手を拘束し、さらに詠唱をする。
「血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ、雷鳴の馬車、糸車の間隙、光をもて此を六つに別つ、蒼火の壁に双蓮を刻む。大火の淵を遠天にて待つ」
「二重詠唱!」
海燕はルキアの成長に表情が綻ぶ。
「縛道の六十一『六杖光牢』」
「なにっ!?」
アーロニーロの動きを六つの光の帯が完全に拘束する。しかし、まだ終わらない。二重に唱えたのだもう一つの鬼道が放たれる。
「破道の七十三―――『双蓮蒼火墜』!!!」
六杖光牢で拘束したアーロニーロに放つ蒼蓮蒼火墜は後方の頭上の壁を貫く。
「何処ヲ狙ッテイル!セッカクノチャンスヲ!」
「いや、狙い通りだ十刃!」
破壊された壁から日の光が差し込み、アーロニーロを照らす。それと同時にメタスタシアの触手が溶けるように消える。
「触手が消えた……そうか陽の光か!」
海燕は理解したように言う。
「はい!奴は陽の光の下だと力を発揮できないと考えまして!」
「でかしたぞ!ルキア!」
今までにない絶好のチャンス。海燕は仕留めるつもりで技を放つ。捩花の穂先を上に向け水球を作り出し凄まじい水量を叩きつける。
「滝落とし!」
ルキアを巻き込まないように放たれたといえど凄まじい水量と威力がアーロニーロを襲う。
「流石です!海燕副隊長!」
「ルキア、ナイス分析だったぜ!」
海燕が拳を突き出すとルキアを拳を合わせる。その直後、地の底から呪わんばかりの声が聞こえる。それと同時にアーロニーロの霊圧が膨れあがる。
「喰い尽くせ『
轟音を響かせ、巨大な虚が姿を現す。そして、その頂上に無傷の上半身のアーロニーロが居た。
「海燕副隊長の攻撃を受けて無傷だと!?いや、刀剣解放というを使ったから傷が癒えたのか!」
「厄介な能力だな、だが的がデカくなったぞ!」
海燕がそういう時、アーロニーロは怒りを露わにして言う
「舐めるな死神!オレは無限に進化する破面だ!『喰虚』の能力は今まで喰らった虚と霊圧と能力を我が物とするもの!凡百の虚の刀剣解放と一緒だと思うな!」
「オマエラハ、今カラ三万三千六百五十!!!ココカラハ三万ヲ超エル虚トノ大群トノ戦イダ!!!」
海燕はそれを聞き一歩前に出る。
「そっちこそ……舐めるなよ?そっちに刀剣解放と言う奥の手があって、こっちには何も無いなんて思って無いだろうな?」
その言葉を告て、海燕は捩花を荒々しく回す。
「海燕副隊長、使うのですね」
「ああ、ここで出し惜しみをして俺達が殺られた笑い話にもならねぇ!連れ戻して生きて帰る!そうだろルキア!」
海燕の荒れ狂う霊圧がピタッと凪ぐ。穏やかな水面のように。そして――――
「卍解―――」
爆発するように膨れ上がり形をなす。荒れ狂う水は海燕に従うように海燕の傍で龍を形作り、
「
三又の槍は形状を変え、刃のところが纏まり一つの鋭い鉾へと姿を変え、柄は蒼く染まり、柄の先にはもう一つ鉾がついていた。
「ソンナ虚仮威シガアアア!!!」
アーロニーロが巨体と無数の触手を揺らし迫り来る。海燕斬魄刀の双槍を振るい落とし構える。
水の龍が姿を増やして八体の水の龍が海燕の周りでアーロニーロを見据える。飛び出しアーロニーロ目掛けて放つ。また、水龍もそれに続く。
「八岐之劫水!!」
水龍と共に巨躯になったアーロニーロを貫く。断末魔を上げさせることなく水龍もアーロニーロの巨躯を貫き、その姿を塵へと帰す。天井まで届いた水龍は霧散し雨のようになり、戦いの凄惨さを洗い流すようになる。
「ふぅ、何とかなったな!」
「流石です海燕副隊長!」
ルキアがそう言ったタイミングで消されていた袖白雪が手元に戻ってくる。
「お!袖白雪も戻ってきたな!よし、この調子でいくぞ!その前に一息入れるか」
海燕はそういいながら卍解を解除し、息を整えるのであった。
それぞれの戦いが進み、護廷十三隊から四番隊、六番隊、十一番隊、十二番隊の隊長が救援に来る。決戦が冬と分かった時点での総隊長が浦原に指示をだして黒腔の安定して開けるようにし、万全の状態で隊長格を虚圏へ通行を可能にすること。三ヶ月かかる筈の仕事を浦原はい一ヶ月で仕上げる。しかし、それよりも前に井上織姫が誘拐されてしまった。
四人の隊長も加わり十刃を数名倒すことが出来たが、それと同時に藍染からの天挺空羅より思惑が語られる。現世へ侵攻すること、井上は死神代行の黒崎、その仲間の石田、茶渡を虚圏に誘き寄せる餌とし、更には加勢した隊長四人を虚圏に幽閉する事が出来たと。
空座町を消し、王権を作り尸魂界を攻め落とす。藍染の目的が語られたが、浦原喜助が受けた指令は一つじゃない。
一つ目は隊長格を虚圏に送ること
二つ目は空座町にて護廷十三隊全隊長格を戦闘可能にすることだった。
尸魂界で精巧に作られと転界結柱にて本物と入れ替え戦闘しても問題ない状態になった空座町に誘き寄せ虚圏に行った隊長達以外の全ての隊長、副隊長が藍染を迎え撃つべく展開していた。
そこには、
五番隊の隊長羽織りを着た柊晴と副官章を身につけ側に立つ桃の姿もあった。
次回から空座町決戦に移ります! 感想、お気に入りよろしくお願いします。