ここまで来るのが初めて嬉しくて感動してます!
不定期ですがよろしくお願いします!!
柊晴が始解しあの場に現れた巨大虚を全て倒したその後、五番隊の隊長、藍染と副隊長の市丸が現場に到着する。
「報告にあった巨大虚は何処にも見当たりませんね、藍染隊長」
市丸が辺りを見渡しながらに言う。藍染もそれに頷き返答する。
「そうだね、来るのが少し遅れたみたいだね。報告によれば1回生の子が始解をして巨大虚を全部倒したみたいだ」
藍染は淡々と話す。市丸は少し面白そうに
「へぇ、1回生で始解ですか。そりゃまた凄い逸材ですね?」
「ああ、将来有望だよ……。おや、あそこにいるのは」
「ああ、例の始解して巨大虚を倒した子ですね」
それを聞いた藍染は少し考えてから
「ふむ、そうだね……。少し、話をしようか」
藍染の口元が少し釣り上がる。そして柊晴に声をかける。その時には柔和な笑みを浮かべていた。柊晴はその人物が隊長羽織を来ている事に驚き背筋を伸ばして立つ。他の面々も驚いて立つ。
「君が始解して巨大虚を倒した1回生だね?」
「まぁ、はい」
「凄いじゃないか、1回生でありながら始解に辿りつくなんてよく頑張ったね。しかも、誰の犠牲も出さずに立派に戦ったね。後ろの君達も話は聞いているよ。よく頑張ったね」
「あ、ありがとうございます!」
「「ありがとうございます!!」」
桃は嬉しそうにして三人とも頭を下げていた。藍染は最後に。
「護廷十三隊に入隊したら是非とも、私の隊に来て欲しいくらいだ。君ほどの実力があれば席官入は確実だろうね。鍛錬を頑張るんだよ」
「藍染隊長、そろそろ戻りますよ」
「時間か、分かった。それじゃあね」
藍染はそう言うと先に門を潜り尸魂界に戻る。その後、市丸が柊晴にコソッと声をかける。
「えらい人に目をつけられたなぁ、君」
「どういうことなんですか?」
市丸に聞き返すと市丸は笑いながらに答える。
「藍染隊長、ああ見えて厳しい人やから、大変やでという事や」
「え?そうなんですか?」
苦いものをかみ潰したかの表情を浮かべる柊晴を見て笑い。
「ま、五番隊に来たら分かるから、楽しみに待っとるで」
そう言い残し去っていく。柊晴は肩をすくませながらにその背を見送った。
その後は尸魂界に戻り、自室の待機となった。
何もすることがないので、斬魄刀と話していた。具象化した斬魄刀、斬截と。
「意図してない初実戦で始解したけど、それでお前ってこっちに来れんの?具現化?して出てくるまで早くないか?」
「具象化だ。それに誰が始解を会得するまで夢とは言えど約千回お前を斬り殺したと思っているんだ?それに言っただろう、お前が始解しないと次に進めないんだ。ようやっと使って……本当に……」
柊晴は思わず文句の一つも言いたくなり立ち上がろうとするが、事実なのといたたまれない思いで座ったまま話をする。何年も勝てずに気づいた自分の屍は千を超えるのではと思考するとよく生きているなと感じてしまう。夢だからこそと言うのでカタはつくがよく発狂しなかったと自分で褒めたいと考える。
「それで、次って何だよ。まだ、始解もろくに使ってねぇのに」
「それは自業自得だ。それと、お前は始解を十全に使いこなす事が出来るはずだ」
斬截からそう言われる。柊晴は眉を顰めて聞き返す。
「どういう事だ?」
「分からないのか?使い方は何度も見ているだろう。私と戦うことで何度もその力を夢とは言えどその身で体験しただろう。それに霊圧の斬撃も初の始解で使えていた。始解で出来ることは全て教えた。後はお前次第だ」
自身の斬魄刀にここまで言われるのかと思いながらも納得出来る所もある。数年かけて、ある種丁寧にボコボコにされてきた柊晴。現役副隊長である海燕に師事したこともあるが数年鍛え上げられたこともあり、この1ヶ月で飛躍的に伸びる事にもなった。初の始解でも問題なく戦えたのはこの事があった為であろう。
「そうか、後は俺の発想次第か……それはそれとして、何で具現化して出てきているんだと言う話なんだが」
斬截は少し呆れたような表情を浮かべて立ち上がり柊晴を見下ろす。
「言っただろう、次に進めるためだ。始解で使える力はほんの一端だ」
「っ!?」
それを聞いた柊晴は驚く。あれほどの威力を誇っておき、受けることすら許さないのが、ほんの一端とは思いもしなかった。
「それを使えるようになるにはどうしたらいい?」
「簡単だ、こっちで私を認めさせることだ。もちろん、お前は始解、私はその上の段階で戦う。もちろん、お前の準備が出来次第だ」
柊晴はそれを聞き立ち上がり今にでもと言いそうになった。だが、
「……いや、今はやめとく。こっちもゴタゴタしそうだしな」
そう言い柊晴は座る。それを聞いた斬截は頷く。
「そうか、準備が出来たら何時でも呼びかけてくれて構わない。だが、私をそう簡単に屈服させられると思わない事だ」
そう言うと斬截は周りの風景に溶けて消えていく。柊晴は息を漏らし考える。次の段階の条件は斬截を屈服させること、そのためには始解状態で次の段階の斬截に勝つ事が挙げられた。一端の力で力の全てに勝てと言う。しかも夢の世界、精神世界ではなくてである。それを意味することは
「一つの失敗が命取りか……」
息を吐き、肩をすくませる。それと同時に
「御厨柊晴、話がある」
担任に呼び出される。柊晴は担任に着いていき、話を聞く。
「飛び級……ですか?」
「ああ、君は優秀な成績を収めているだけではなく、実習で斬魄刀を始解させ、現れた巨大虚を全て倒していると聞いている。そんなの並の死神とて難しい話だ。そんな逸材を1年生でいさせておく訳には行かない。だから、飛び級試験を受けろ」
柊晴は考える。桃は勿論、阿散井や吉良と言う新たな友人ができたばかりで離れ離れになるのは寂しいものがあると。だが、それと同時に友達を作りに来た訳では無い事も理解している。守りたい人がいる。その為には力が必要である。
「分かりました、その飛び級試験受けます」
「そうか、日時は後日伝える。下がっていいぞ」
「失礼します」
柊晴は一礼してその場を後にする。しばらく歩き一組の教室に立ち寄る。2ヶ月程しかこの場所で学んでいないが、いきなり飛び級の話が出るとは考えても見なかった。海燕が飛び級で卒業したという話は聞いていたがそれでも2年だった。1年で飛び級とは柊晴は聞いたことがなかった。
教室を寂しげに見ていると
「御厨」
「御厨くん」
「柊晴くん!」
三人から声がかけられる。その声の方を見ると阿散井、吉良、桃の三人が居た。柊晴は驚きながら
「どうしたんだよ?三人とも」
「いや、実習の時の礼をまだ言えてなかったと思ってよ。三人で探してたんだ」
「礼?」
阿散井の言葉に柊晴が首を傾げると吉良が言う。
「あの時、御厨くんが斬魄刀を始解させて巨大虚を全部倒してくれたから僕達はこうして尸魂界に戻ってくることが出来たんだ。助けてくれてありがとう!」
吉良は頭を下げる。柊晴は慌てて言う。
「頭をあげてくれ吉良!最初に行ったのは俺だから、逆に危険に晒したんだ。だから、頭をあげてくれ!」
「それでも、助けてくれたのは君だ。だから、ありがとう」
吉良はそう言うと頭をあげる。桃は一歩前に踏み出し、
「ごめんなさい!私が助けに行きたいと言ったから……!皆を柊晴くんを危険に……!」
涙を零しながらに言う桃に柊晴は頭を掻きながら、桃の額にデコピンをする。
「痛った!?何するのよ!?」
「ばーか、あの時は俺が止めなかったろ?だからお前は悪くないし、寧ろあの時助けに行かなかったら檜佐木さん危なかったろ?助けたんだから良いんだよ」
柊晴はそう言い桃の頭を撫でる。あまり身長の変わらない柊晴に撫でられるのは珍しかったのと恥ずかしかったので桃は黙り込む。そして柊晴は飛び級について話し始める。
「先に会えて良かったわ。俺さ先生から飛び級の試験受けないかと言われてな受けることにしたんだ」
「飛び級だと!?」
「凄いじゃないか御厨くん!」
「ああ、ありがとな。で、飛び級するという事は、試験に合格すればお前達と一緒に学ぶことも無くなってしまうという事になる」
その言葉を聞いて三人は驚いた様な寂しくなるような表情を浮かべる。だが、柊晴はなんてない風に続ける。
「だけど、正直に言うと長生きのたった数年合わなくなるだけだしな。それに、行く所は決まってるんだ生涯最後という訳でもないだろ?」
そう言われた三人は笑い
「そうだな!先に卒業するだけで護廷十三隊に入れば嫌でも顔を合わせることになるだろうよ」
「仕事終わりに食べに行くことも出来るだろうしね。仕事での相談をしたり」
「そうだよね……!うん!必ず追いつくから!」
それぞれがやる気を出している中、柊晴は思い出したように言う。
「ああ、先で待ってるからな。あぁでも、飛び級試験に落ちたら普通に一緒だからな」
「「「そこは受かれよ(りなよ)!!!」」」
三人に総ツッコミを受ける柊晴がそこにはいた。
そして、その夏が終わる頃、無事に飛び級試験を受かり、秋から6回生となる。しかし、柊晴のやることは変わらない。授業を受けてひたすら斬鬼走拳を鍛え、歴史を学ぶ。そんな日々の中には
「今日もするぞ斬截。今日こそ屈服させてもらうぜ」
「その意気だ、出なければ認めさせることは出来ないぞ」
斬截を屈服させるべく、戦いの日々も日常の一幕として過ぎていく。
そして、真央霊術院を一年で卒業し配属される部隊が決まる。その部隊は……。
隊花が馬酔木である、犠牲・危険・清純な愛を意味する部隊。
隊長、藍染惣右介率いる五番隊ではなく、
隊花が待雪草であり、希望を意味する部隊。
隊長、浮竹十四郎率いる
十三番隊だった。
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