斬れない物は無い、故に全てを断ち斬る   作:皐月の王

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霊術院時代の同期と十三番隊の新入り

「入隊おめでとう!!」

 

「「「ありがとう(な)!」」」

 

尸魂界のとある居酒屋にてささやかな飲み会が行われていた。メンバーは柊晴、桃、阿散井、吉良の4名である。真央霊術院で同期として入学した時のメンバーでもある。桃達三名も無事に卒業することができ、護廷十三隊の五番隊に入隊し、初めて死神として集まってご飯を食べているのだ。

 

「俺達もようやっと死神になったぜ柊晴。お前に追いつくのもそうかからねぇからな!」

 

「はっ!それを楽しみに待つほど俺は気が長くないからな」

 

柊晴がコップに注がれている飲み物を飲みながらに阿散井に言う。そこに吉良と桃も対抗心を燃やしながらに言う

 

「それほど待たせるつもりは無いよ」

 

「そうだよ、あたし達だって霊術院で多くを学んできたんだから」

 

真央霊術院でしっかり学んできた三人と一足先に死神として働いてきた柊晴。桃とは冬獅郎の所に戻った際に会う事はあり、死神の仕事に着いて話すことがあったり、十一番隊の隊長に追いかけられたり、虚を倒したり、現世に行き魂葬したり、精神世界で斬截相手に鍛錬をしたり、海燕や都に鬼道を教えて貰ったりして過ごしてきている。

 

「でも、こうして4人揃って死神になれて良かったな……。いやぁ、感慨深いな。現世の実習からもう五年経つのか」

 

「そうだね。柊晴君があたし達を助けるために始めて始解して巨大虚を倒してくれたね」

 

「あの時は本当にダメかと思ったよ」

 

「ああ、学院の実習自体はあの後何回も行ったけど、あんな経験をしたのはあれきりだったな」

 

思い出しながらに懐かしむ四人。あの経験があるからこの四人の絆は確固たるものとなって、互いに信頼できる友とも言える。一人は先に進んで一緒に過ごした時間は短いが。

 

「でも、俺以外が全員五番隊って凄いな。藍染隊長の隊だろ?桃は憧れてた隊だし、あの時来てくれたのも五番隊だもんな」

 

「うん!あたし五番隊に入りたいと思ってたから叶って良かったよ!もちろん入ったから終わりじゃないけどね!」

 

「だな、始解もあるしな。いずれは副隊長とか目指すんだろ?それじゃあ始解は会得しないとな」

 

「もちろん!始解も会得して藍染隊長の役に立つよ!」

 

桃の張り切りに肩を竦めて柊晴は言う。

 

「さぁ、遠慮なく食べろよ明日からいよいよだろ?英気を養って頑張ろうぜ」

 

「「「おお!!」」」

 

四人の小さくも楽しい飲み会は過ぎていく。そして

 

「潰れるまで飲むかよ……桃」

 

「潰したのは君じゃないか……」

 

「いや、あれは雛森もかなり機嫌よく飲んでいたからな。あそこまで飲むとは思わなかったぜ。いや、初めてだから加減とか知らなかったのか?」

 

勢いよく飲んで潰れた桃を誰が送るかという話になっていた。潰した犯人は柊晴である。もちろん、桃もかなり調子よく飲んでいたのだ。

 

「柊晴、お前が送れよ」

 

「そうだね、場所は分かるんだよね?」

 

「あぁ、やっぱり俺か?」

 

「「当然」」

 

二人に言われた柊晴は桃を背負い。会計を済まして店を出る。

 

「今日は楽しかったな。また、誘うからその時は仕事の愚痴聞いてやるよ」

 

「そんなに弱音なんて吐かないよ」

 

「そうだぜ、鍛錬なら付き合って貰うけどな。それじゃあな!」

 

「しっかり送り届けるんだよ!」

 

二人に言われた柊晴はため息をつきながらに、落ちないように背負い直して歩き始める。背丈に差は殆どない二人。

 

「こうして背負う事になるとはなぁ。しかし、軽いな……。たく、まさか冬獅郎も真央霊術院に入るなんてな。知り合いが全員死神になるなんてな……」

 

歩きながらに一人でつぶやく。柊晴は背で酔っている桃を見ながら、少し困った様に笑い。

 

「頑張れよ桃。危ない時には守ってやるからな」

 

自分でも酔いが回ってるなぁと思いながらに起こさない程度に小走りで移動する。しかし、気づいていない。背の桃が耳まで赤くして顔を背に埋めている事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「副隊長の志波海燕だ!よろしく!」

 

「第四席の御厨柊晴だ。よろしく」

 

海燕と柊晴は新たな十三番隊の新入りに自己紹介を行うが帰ってきた返答は。

 

「………はあ……どうも」

 

となんとも言い難い返答であった。四席である柊晴に対しては別に構わないと柊晴は感じていたが、いくら何でも副隊長の海燕にまでその反応と言うはいかがなものだろうかと柊晴が思っていたが

 

「……はあ、どうも?」

 

海燕は新入りの頭を鷲掴みにして叱責する。

 

「何ンだその挨拶は!?」

 

「ひ……!?」

 

「副隊長と四席が名乗ってんだぞ!オメーも名乗って『よろしくお願いします!』だろうが!名は何だコラ!!」

 

面食らう新入りは戸惑いながらも名乗る。

 

「……く、朽木ルキア……です」

 

「ホウ……で?」

 

「よ……よろしくお願いします!!」

 

先を促されたルキアは大きな声で挨拶する。それを聞いた海燕は納得し頭から手を離し晴れ晴れとした表情で言う。

 

「よっし!オッケーだルキア!オメーを十三番隊に歓迎する!」

 

その後、笑顔で海燕は説明する。十三番隊の隊長である浮竹は体が弱く、十三番隊を仕切っているの海燕であることそして偶に間違えて隊長と呼んでもいいと冗談混じりに話す。ルキアは着いていけず戸惑いながらも

 

「……はあ、考えておきます」

 

「……真に受けるなよ?朽木。海燕副隊長も変な事吹き込まない」

 

「言うようになったじゃねぇか柊晴!」

 

「あっだだだ!!?ギブ!ギブです!!」

 

柊晴にヘッドロックをかけながら嬉しそうに笑う海燕。そんなそんなやり取りを見ながらルキアは置いていかれていた。入隊から数日後。

 

「なんと!御厨殿は私や恋次と同じ年に真央霊術院に入学したと……つまり!実習で始解したと言う噂の1回生の正体は!」

 

「間違いなく俺だろうな……。と言うか噂になってたのな、全然知らなかったわ」

 

二人は鍛錬の合間の休憩で話をしていた。鍛錬と言うのも、ルキアの始解会得のための鍛錬である。ルキアは柊晴の班に配属になる。真央霊術院では同期だったということもあり教育係として任命された。海燕もルキアを気にかけており、何かと鍛錬や話をしている。話自体はそこから続くことなくルキアは何か悩んでいる様な表情を浮かべていた。

 

「なーーーーに、辛気臭え顔してんだオメーは!」

 

「ひぃ……!」

 

「あ、お疲れ様です海燕副隊長」

 

ルキアが上から覗き込んでくる海燕に驚き、柊晴は慣れたように挨拶をする。

 

「おう、お疲れ柊晴。そして、オメーは毎回俺に会う度『ひい!』って言ってんな。軽く傷つくぜ……ほれ、オメーらの分だ飲め!」

 

海燕は鍛錬している二人に飲み物の差し入れに来たのであった。二人は礼を言い飲み物を飲んでいる。

 

「……オメーの事だ。何でヘコんでのかなんて訊いても答えやしねぇだろうが……忘れんな。オメーがこの隊に居る限り、俺は死んでもオメーの味方だ」

 

「右に同じく。幾らでも鍛錬とか付き合うからな」

 

二人がそういうとルキアの表情が少し晴れて何かを言おうとしたタイミングで

 

「くあーーーーこいーーー!!」

 

「臭っせーーーー!!!」

 

ルキアの後ろから二人の死神が飛び出す。額にタオルを巻いた死神と金髪ショートの女の死神である。しかし、様子がおかしかった。

 

「イヤーーーーッ!!かっこいい!!海燕様!!柊晴君!!ホレちゃいますねこりゃ!!」

 

「臭せー!!聞いたか!?『味方だ』『右に同じく』だってよ!!」

 

「清音!仙太郎!!」

 

「うっわ、酒臭せ!!テメーらまた勝手に酒飲んでやがったな!?」

 

仙太郎と清音の酔った勢いでルキアは励まされたり、そんな2人を引き摺って任務の準備をさせる海燕。そんなやり取りを見ているとルキアは思わず笑みを浮かばせていた。

 

「さて、休憩は終わりだぞ……朽木……いや、ルキア」

 

「御厨殿?」

 

「柊晴でいいよ。硬っ苦しいのは好きじゃないし、畏まられるとやり辛いし」

 

そう言い立ち上がりルキアから瞬歩で距離をとりあえずルキアの方を見て柊晴は斬魄刀を抜刀する。

 

「さぁ、時間はたっぷりあるが来いよルキア。俺が鍛えるんだ、恋次より強くなる位はなってもらう」

 

「私が恋次より?なれるのか?私が」

 

驚いた様子でルキアが聞き返す。柊晴は構えながらに言う。

 

「ああ、才能はあると思うぜ?けど、俺は厳しいからな?手とり足とりなんて柄じゃねぇし死ぬ気で食らいついて来いだからな。それに、なれるかじゃない……なるんだよ!!その覚悟くらいあるんだろ?」

 

そう言われたルキアは立ち上がり斬魄刀を構える。正面に立つのは自分と同じ時期に真央霊術院に入り一年で卒業した天才。その天才が自分を鍛えると言うのだ。しかも、互いの友人である恋次を超える位はと言ってのけていた。歳が近い気安い仲は恋次以来である。ルキアは柊晴に向き、

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

真剣な表情で鍛錬を再開する。この後ルキアがヘトヘトで満足に動けないほど鍛錬をして都に怒られる柊晴が目撃されたのは言うまでもない。そして鍛錬が続き月日が流れる。柊晴の班が虚を倒し、その後処理を行っている時、柊晴は感じ取る。

 

「都さんの班員の霊圧が消えてる……、都さんの霊圧も……向こうはヤバそうだな……!」

 

柊晴は感じた方角を睨みつけながら足を向けて言う。

 

「ルキア!後処理が出来たら先に戻って、四番隊の手配と海燕副隊長に知らせとけ!」

 

「どういう事だ柊晴?何があったのだ!?」

 

突然の指示で理解できない様子で聞き返すルキア。しかし、柊晴は時間が惜しいと言わんばかりに鬼気迫る表情で叫ぶ。

 

「都三席の霊圧がやばそうだってな!俺はこのまま救援に向かう!あとは頼んだ!!」

 

そう言い、柊晴は瞬歩を使い都の所に向かう。触手が多くある虚と怪我をしている都を直ぐに見つけ虚に対して

 

「破道の三十三、蒼火墜!」

 

蒼い炎をわざと分かりやすいように放ち、虚を引き下がらせる。

 

「柊晴……君……!」

 

「大丈夫ですか!?都さん!救援に来ました!」

 

柊晴は虚と対峙する。運命はまた変わる。




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