葦名の白兎、ミレニアムに忍ぶ。   作:ラストおはぎ症候群

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第五話:拭えぬ、返り血

 

 

 

 

 

 

 口の奥から胸の芯にかけて、棘だらけの虫が暴れ狂っているような痛み。

 

 それに苛まれるあまり呼吸すらもままならず、ただひたすらに続く息苦しさ。

 

 そして何より、自分という存在そのものが削り取られているような、形のない力のようなものが奪われたような、そんな寒気にも似た喪失感。

 

 どれもこれも耐え難くて、必死に立ちあがろうとしても、直ぐにくずおれてしまうほど。

 

 そんな最中、聞こえてくる話し声。誰も彼もが、悲痛な声。

 

 ぼやけた視界の奥に見える、あの人の顔。愛想のない仏頂面に、感情が現れにくい鉄仮面に、どこか泣きそうな色があって。

 

 それが嫌で、悲しんで欲しくなくて、だから必死に声をかけて────

 

 

 

 

 

「──────けほっ」

 

 

 

 

 

 喉の奥に空気の塊をひっかけるようにしてから、勢いをつけ鋭く息を吐く。

 口に入った粉塵を軽い咳き込みであらかた吐き出しながら、意識を追憶から引き戻した。

 

「はあ……」

 

 ………喉の痛みや咳すら感傷の引き金になるのは、いよいよもってなんとかした方がいいかもしれない。

 喉の痛みを覚えた途端、脳裏に過った苦く苦しい記憶に、そしてそんなことでも過去に意識を取られる自分に、不味い薬を噛み潰した時のように顔を顰める。

 いい加減くどい、と自分の心に文句の一つでも垂れたくなる。

 

「まあ、それで治まるほど簡単ならここまで悩むこともないんですが」

「コユキちゃん?」

「いえ、なんでも。……怪我とかしてないですか、ノア先輩」

 

 こくり、と小さく頷いて答えたのはノア先輩。さらりと長く綺麗に保たれている白い髪や、同じく白いミレニアムの制服には軽く煤が被っている。私の装いも似たり寄ったりで、軽く灰が降りかかり、揃いの制服が同じようにまだらに煤けていた。

 

 私たちが今いるのは、セミナーの執務室ではなく、もっと言えばミレニアムの中ですらない。

 連邦生徒会(内府)の管理が行き届かぬ暗部。『学園』から零れ落ちた逸れ者の受け皿、あるいは社会からの爪弾きが寄せ集まった掃き溜め。そんなキヴォトスの闇市──ブラックマーケットの、年季の入ったビルの中だった。

 

『────おい、居たか?』

『いや。だがまだこのビルの中に居るはずだ。探せ!』

 

 耳を澄ますと、部屋の外から慌ただしく誰かを探す声が聞こえる。声音には怒りと焦りが滲み少し聞くだけでわかるくらいには荒々しい。迂闊に出ていけば即座に撃たれる。深く考えなくてもその光景がありありと想像できたがために、倉庫らしきこの部屋にて、二人して息を潜めて身を隠していたのだった。

 

 

 何故こんなことになっているのか。事の起こりは数時間前に遡る。

 

 

 ブラックマーケットの闇市に流れてしまった、ミレニアム製改造兵器の回収。それが今回、私たちに……と言うよりは、最初は私に言い渡された任務だった。

 最新鋭の機器や技術を扱うこの学校のあれやこれやを狙う輩は相変わらず多いらしく、今回もまたその手の類のようで。隠密と潜入に長け、おまけにパスワードの類は意味を為さない。そんな理由もあって、白羽の矢が立ったのが私だった。

 

『────あら、お使いですか?でしたら、私もご一緒しても?』

『ノア?』

 

 そんな私に、何故か同行すると言い出したのがノア先輩だった。

 記憶力も相まって、理系の癖してやたらと弁の立つ先輩。その達者な口の使い道は大抵、『前』の私のような問題児を笑っていない目でにこやかに問い詰める時。

 ただそれとは別に、ちょっとした悪戯をする時に、そして今回のようにちょっとした我儘を通す時にも使い出すことがある。

 今日もまた、自分なら目標物について詳しく"覚えて"いるからとか、その方が照合もしやすいだろうとか、そんな"納得しやすい"理由を並び立ててユウカ先輩を言いくるめていた。

 

『……先輩』

『コユキちゃんはどうですか?たまには、私と一緒にお仕事というのも』

 

 そう問われて、私は少し悩んだ。

 簡単な部類の任務とはいえ、多かれ少なかれ危険は伴う。私ひとりか、それこそC&Cでも呼ぶべきではないのか。私だけでなくユウカ先輩にもそう言われたけれど、ノア先輩は穏やかに、されど頑なに曲げなかった。

 私が葦名に迷い込むよりも前、私がこの人を言い負かせたことはない。あるいは今なら、説き伏せられるのかもしれないけれど。

 

『……まあ、いいですよ』

 

 でも結局、この珍しい先輩の我儘を、私は受け入れることにした。理由を強いて言葉にするなら、にこやかに笑っていたノア先輩のこちらを見る瞳の中に、どこか気遣わしげな気配を感じたから、と言うのが正しいだろうか。

 もう幾度となく依頼をこなしたせいか、近頃は最早セミナーお抱えのエージェントか何かとして扱われつつある私だけれど、ノア先輩の中ではまだ不安が燻っているのだろう。

 

 ────今回のこれも。私のことを案じてのこと。

 

 無意識か、それとも意図的にそう見せているのか、相変わらずノア先輩の内心は読み取りづらい。けれどこちらも、曲がりなりにも忍びとして数年は生きた身。顔の色からその胸の内を探るのも、裏の意図をある程度は透かすのも、すっかり覚えてしまって久しい。

 そんな風に心を砕かれて、無碍にできるほどの理由なんて、私の中にはひとつもなかった。

 

 そんな流れで始まった、以前なら考えられない組み合わせで任務に向かい。

 滞りなく目標物を回収したはいいものの、あれよあれよという間に追われる身となり。

 気付けば見飽きたヘルメットの少女らだけでなく、それなりに重武装をした機械兵までこちらを襲うようになり────

 

「────カイザーまで絡んでたのは少し予想外でしたね」

「ヘルメット団あたりの日銭稼ぎと読んでいましたが……アカネさんが以前似たような案件を処理してからは収まっていたのに」

 

 こうして、埃っぽい部屋に身を寄せ合うようにして隠れていたのだった。

 

(…………さて、どうしたものか)

 

 目を瞑り、『忍びの耳』に専心する。慌ただしく行き交う足音の数、苛立ったような声の種類。聞こえてくる響きをひとつひとつ、頭の中で探り分ける。

 

「……九、十、十一……ぐらい、か」

 

 感じ取れる気配からしても、この建物内の敵は概ね十人前後。まとめて相手取ることも出来なくはないし、ノア先輩だって全く戦えないわけではないのだから、強引に突破戦を仕掛けることも可能ではある。

 ただ、先輩も別段武闘派というわけでもない訳で。危険や怪我も、出来得る限り減らせるならば、それに越したことはないだろう。

 

「────まあ、やっぱり私の十八番でいくとしますか」

 

 頭の中で選択肢を幾つか見繕い、結果思い至ったのは、かつての『白兎(しろうさぎ)』が幾度となく繰り返し、そして今の白兎(しらさぎ)もまた形を変えてして来たこと。

 いきなり立ち上がった私を見て首を傾げたノア先輩に、肩をすくめて小さく言う。

 

 

「兎は追われるものと、相場が決まっているでしょう?」

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

 

 ……なんて、少し勿体ぶった言い方をしたけれど、やることは至って単純明快。

 

「いたぞ!こっちだ!」

「クソッ、こいつちょこまかと……!!」

 

 私が囮として敵の注意を引き、先輩がその隙を見て逃げる。これだけ。

 

「よっ、ほっ。はい、っと」

 

 こちらに向かってばら撒くように放たれる銃弾。銃口の角度と向きから大雑把に射線を読み、ある時は足捌きを頼りに身体を左右へ振ることで避け。

 

「ふっ……!」

 

 またある時は『脱兎』の脚を活かし、床や壁だけでなく、身体を逆向け、()()()()()()()()ことで、跳ね回る。

 

 

 忍びの体術、『脱兎』。その真骨頂は、跳躍。

 

 

 鍛えに鍛えた忍びの脚で繰り出すそれは、瞬きの間に三度(みたび)跳ねる。

 

 

 ダンダンダンッ!と、ともすれば銃声に聞き違える程に鋭い音。音を殺し潜むべき忍びとしてはあるまじきけたたましさと共に、壁を蹴り、即座に天井に足を付け、また床へ壁へと跳び付いては蹴っていく。少し踏み締めすぎたのか、蹴った後に盛大なひび割れを残しながら。

 

「スーパーボールか貴様!?」

「失礼な。兎ですよ」

 

 巨大な資材や機械を運ぶことの多いミレニアムの廊下とは違い、かなり手狭な廃墟の通路。壁だろうと床だろうと天井だろうと足場に出来る私からすれば好都合。ひと呼吸する間に六度、七度。銃口が向く前に八度、九度。幾度となく、上下左右の足場を蹴り続ける。

 

「撃て!とにかく撃ちまくれ!」

 

 三次元機動で好き勝手に跳ね回る私を捉え切れないのか、狙うのを諦めて数撃ちゃ当たるとばかりに乱射して来る。当然、そんな撃ち方をされれば、どう避けても一つや二つは身体を射抜く。

 そんな避けきれないもの、避けた先で当たりかねないものは、雪丸(そそぎまる)での『弾き』にて、澄んだ音を響かせながら防いでいく。

 

「ジェダイ気取りが、このっ……!」

「みんなしてそれ言うんですよねぇ」

 

 別段、全て避けて弾く必要もなし。手足や服の端、肩口に当たってくる一つや二つでは擦り傷にもならないし、()()が崩される程の痛手にもならない。有効打になり得るもののみを、淡々と捌いていく。

 一向に倒れる気配の無い私に苛立ちを募らせたのか、敵方がさらに人を集めて来る。────私の、狙い通りに。

 

(…………葦名でも、散々やりましたね)

 

 ふと、そんなことを思い出す。

 逃げる"兎"に釣られた敵を、"狼"がさらに追い詰める。"狼"に気を取られた敵を、不意に牙を剥いた"兎"が狩る。そんな一対、そんな連携を、手探りで作り上げて戦っていたあの頃。

 寡黙な壮年の男と騒がしい妙齢の少女、そんな対照的なくらいに違いすぎる二人では、初めから上手く合わせられる筈もなく、当然のように思うようにいかなかった。

 それでも、合わない呼吸を少しずつ合わせて、揃わない足並みを少しずつ揃えて。ある時は師を追い、ある時は賊の類を追い、またある時は猿やら猪やら、そんな獣を戯れのように追った時もあった。

 

 

 そうしたことを重ねるうちに、相棒と呼べるものに成っていった。

 

 

 それが、白兎。(獲物の名)を冠しながら、(狩るもの)の隣に在ったもの。

 

 

 …………敵の背後に、あの頼もしい無愛想な顔が見えることは、もうないけれど。

 

 

「………………っ!」

「な、ぁっ!?」

 

 懲りずに湧き上がってくる感傷を、床を強く踏みつけ駆け出すことで振り払う。

 集まった敵の数から、建物内の敵はもうあらかた釣り終えたと判断。ならば守りと避けに徹する意味も薄い────そんな思考を終える頃にはもう、敵の集団へと肉薄していた。

 先頭にいた兵士の銃身に向けて、右からの逆袈裟にて斬り上げ一閃。

 

「こ、のぉっ……!」

 

 堪らず蹈鞴(たたら)を踏む敵の横から、別の敵が助太刀に入ろうとする。零距離では誤射や跳弾が怖いのか、接射ではなく銃床での殴打を選んだらしい。

 ある程度は合理的な判断。しかし、見て分かるくらいには露骨に近接武器を携えた相手に、それも先程まで銃弾を弾き倒していた敵に対し、それはあまりに悪手が過ぎるというもの。

 

「──────っ」

 

 上から降って来る殴打に対し、刃の(しのぎ)を置くように構える。慣れ親しんだ動作に、今更気合いなど入れる必要もなし。身体に染み付きった動きは最早本能、ないし反射とすら言えるほど昇華して、ほとんど無意識に手足が動いた。

 

 狙うは、敵の得物が刀身に触れる、その刹那。

 

 使うは、己の手首と肘と肩、それら全ての発条(ばね)

 

 攻撃を刀が受けるその一瞬、ほんの微かに沈み込ませた身体の発条を、一瞬よりもなお短く解き放つ。

 込める力は強すぎず、さりとて弱すぎることもなく。硬く受け止めるのではなく、無理に押し返すでもなく。敵の打撃、その力の流れをある程度は殺さず残し、その上で己に当たらぬように。

 

 

 弾く。

 

 

「うおっっ!?」

 

 

 ────優れた忍びの防御は、同時に攻撃を兼ね備える。

 

 

 澄んだ金属音。いっそ小気味良さすら感じる衝突の声と、鮮やかな火花と共に、敵の銃が大きく吹き飛ぶように弾かれる。音と火花は攻撃の真芯を捉え正確に弾くことが叶った証。それは、こちらへの痛打を無に帰すに留まらず────敵の体勢を、大きく強く揺らがせる。

 

 

 『弾き』。

 

 

 こと銃火器まみれのキヴォトスにおいては鉛弾を防ぐばかりのそれだが、飛び道具への対処だけが本領ではない。

 敵の殴打、刺突、そして斬撃。それらを完璧に弾ききった時、同時にその勢いを利用して生まれる強い反動と衝撃を、相手の身体の芯へと叩き込む。

 言うなればそれは、傷ならぬ痛撃。敵の得物から敵の腕へ、そして敵の腕から身体の内へと即座に伝わる。人や獣、時として機械すらも持っている、己の身体を支える力──すなわち『体幹』を、大きく削り取る。それが可能な白兵戦こそ、忍びの戦い、刀での斬り合いの本分だった。

 

「ぐ、ぉっ……!」

 

 流れるように斬り返しを一閃。

 そこまで鍛えられていないのか、鍛えられていないのは体幹なのか鋼なのか。とにかくその一撃で、敵はその体勢を完全に崩した。

 

 ────忍びの前で大きな隙を晒すことは、即ち既に死んでいることに等しい。

 

 熟達の忍びは、そうした相手の隙を見逃さないが故に。殺せる、そう断じた相手の死に様が、ありありと想い描けるが故に。

 

「────────っ」

 

 これは、機械ではなく生身の人間の話だが。人の身体は刺し貫かれた後、そこに血に染まった刺し傷を、赤黒い穴として残す。

 そして、数えきれないほど刺し殺し、己が殺めた骸にあるそれを幾度と無く目にするうちに、()()()()()それを幻視するようになる。

 

 

 つまり、今私の目に映っている、この相手の体に重なるように現れた鮮血色の丸は。

 

 

 殺せる、という証だ。

 

 

「が、ひゅっ……!?」

 

 敵の喉元へと、雪丸の切先が勢いよく突き込まれる。

 

 

 『忍殺』。

 

 

 忍びが戦う術、その基本。

 

 敵が殺せる有様ならば、当然の如くこれを殺めよ。

 

 その理に基き、無防備に身体を晒している敵の急所を、的確に刺し貫くための技術の粋。忍びの目と忍びの腕、それらが合わさって初めて形を為す殺しの業。

 晄輪持ち(私たち)と同じように、機械兵らもただの銃弾や斬撃では大して傷にもならない。隙だらけの身体に、忍びの目で見出した身体の脆い箇所を狙い、鍛え上げた膂力で突き込んで、ようやく刃先が浅く刺さる程度。

 けれど、体幹が崩され切った今。このままもう一度、刺さった刀を強く押し込めば、堅牢な機械の身体は容易く刺し貫き得るだろう。

 

「や、やめっ……!」

 

 どうやら、目の前の敵は今更察したらしい。()()()()()()()()()()、ということに。

 

 

 そう。別に、学校の中のいざこざのように仲裁だけに留めたり、問題児のように()()()()にしなくてもいいのだから。

 

 

 

 このまま、

 

 

 

 首を完全に刺し貫いて、

 

 

 

 殺し────

 

 

 

 

 

『────コユキちゃん』

 

 

 

 

 

「……………………………っ!」

 

 不意に耳元に聞こえた声に動きを止める。少し考えてから浅く刺さったままの刀を引き抜き────代わりに身体を捻り、足刀蹴りを捩じ込んだ。

 

「ぐふぁっ!?」

 

 運動靴ではなく鋼を仕込んだ草鞋を履いた足での蹴りは、敵の身体と合わせて派手な金属音を立てる。ある程度密集していた兵隊は、蹴り飛ばされた最前の味方に巻き込まれるように団子になって倒れ込んだ。

 

「っ、このっ…………うわっ!?」

 

 ────忍具、爆竹。

 

 難を逃れた兵に対しては炸薬を投げ付け、炸裂する前に、頭を踏み台にしてやるように足裏を思い切り叩き付け、翻るように後ろへ跳躍。

 爆薬が破裂する音に背を向け、敵の目から逃れるために廊下の曲がり角に身を隠しつつ、耳に入れていた通信機に手を添えた。

 

『コユキちゃん、聞こえますか?』

「…………ノア先輩」

『…………もしかして、邪魔しちゃいましたか?』

「いえ。……むしろ、良いタイミングでした」

 

 本当に。図ったような瞬間にかけてきてくれたものだ。

 声が聞こえていなければ。私は────。

 

「…………っ、それ、より。そっちで、何かありましたか?」

『あ、ええと……ビルの出入り口までは見つからずに来れました。ただ、カイザーの部隊が待ち伏せしていて……』

 

 少し心配するような先輩に、努めて冷静に声を抑えて聞き返す。返答を聞きつつ近くの部屋に入り、ちょうど出入り口があるのと同じ面だったらしい窓から覗いてみれば、言った通りの光景が見えた。私たちが奪い返した品が余程惜しいのか、応援でも呼びつけたようで。

 

「…………数はおおよそ十五。さっきの連中も直ぐに復帰する。放っておけば最悪挟み撃ち。こちらも大して消耗はないが多勢に無勢、ただしこちらには気付いていない、何より直接狙える高さ」

『……コユキちゃん?』

 

 此方と彼方の状況を整理し。手持ちの手札と使える技、斯様な局面で有効な技術。それを頭の中で組み立てていく。

 思考の速さもまた、忍びに求められる能力の一つ。手早く指針を定めるや否や口を開く。

 

「わかりました。私がこのまま()()()()ので、隙を見て離脱してください」

『えっ……?そんな、強引な……!』

「大丈夫です」

 

 敵がひらけた場所に集まり、こちらに気づいておらず、なおかつ頭上から狙える状況ならば。室内では使えなかった技がひとつ使える。

 言うだけ言って通信を切り、全開防止のストッパーを壊して窓を大きく開ける。そして、敵の集まりのその中央辺りにいるひとりに狙いを定め。

 

 ひと息に、飛び降りた。

 

「────────っ!」

 

 五階の窓からの自由落下、概ね十五メートルの高さは地面につくまで二秒もない。風切音と共に飛び降りて来る襲撃者に、敵は反応どころか察知すら出来ていない。

 

 故に、完全な無防備。

 故に、殺せる。

 

 視界いっぱいに地面が迫って来る。その最中であっても、見慣れた赤黒い円ははっきりと視えた。

 

 

 ────『落下忍殺』。

 

 

「がっっ…………!?」

 

 機械兵の首の付け根、背中との境目にあたる部分の装甲に、落ちる勢いを乗せて刀を突き立てる。とは言えやはりキヴォトスの住人、大して深くは刺さらない。……そうわかっていたからこそ、躊躇なく刃の切先を向けた訳だけれど。

 

「な、なんだっ!?一体どこから……っ!?」

 

 落下の勢いは殺しきっていない。残った慣性をそのままに、刺した敵を横倒すように地面へと足を付け────

 

「はっ、あぁっ……!」

 

 地につけた足を軸とし、あらんかぎりの力を以て。刀を、その先に刺さった敵の身体ごと、大きく円を描くように、水平に一閃させた。

 

 

 ────『落下忍殺・薙ぎ払い』。

 

 

『ぐはぁぁっ!?!?』

 

 長さのある、或いは重さのある敵の身体を、棍棒あるいは薙刀のように振るう。重さと遠心力により生まれる力は、敵方の大部分を綺麗に吹き飛ばした。

 敵に刺した刀を無造作に引き抜きながら、建物の玄関口を見る。驚いたように目を見開くノア先輩が立ち尽くしていた。

 

「……ぼんやり見てると見つかります。早く離脱を」

『あっ……は、はいっ!』

 

 通信機に手を当て、ごく短くそう告げる。視界の端で白色が小さく動くのを尻目に、直ぐ様敵に向き直る。

 

「…………斬撃は可能な限り手加減、ないし打撃のつもりで攻撃、刺突は浅く、忍殺は不可、蹴りを多用し昏倒を優先」

「何をブツブツ言ってやが、あ゙っ!?!?」

 

 気を付けていなければ直ぐに忘れ去ってしまうキヴォトス(この世界)の常識とそれに沿った注意事項。呟きと共に反芻して強く脳裏に残しつつ、起き上がってきた敵へ一気に距離を詰めて一閃。

 

「ぐふぁっ……!」

 

 そして膝をついた敵を踏み台にするように、肩に足裏を叩きつけるように思い切り踏みつけ、跳ぶ。

 『脱兎』を最大限発揮した跳躍は並の高さではない。それこそ、落下の勢いをもう一度付けるに足る程に、高く。

 

「────ふっ」

 

 落下忍殺の"型"は大きく分けて二つ。相手の首に腕をかけそれを軸として回ることで即座に相手の裏へ回り、そのまま刺し貫く型。そしてもうひとつ、敵の首に足を掛け、落下の勢いを利用して"投げる"型。

 足首から脹脛あたりを使い、敵の首を挟み込むように捉え、即座に地に手をつけ、脚を垂直に持ち上げる。

 感覚としては、敵を巻き込んでの側転に近い。そうなれば当然、敵の身体は宙に浮く。

 本来であればこのまま地に叩きつけ、倒れた相手に刀を刺す技だが────

 

「はぁっ!」

「うぐぉぉっっ!?!?」

 

 下ではなく、横へ。先ほどの薙ぎ払いで倒せなかった敵に向けて足を振り抜く。投げ出された兵士が叫び声を上げながら、数人を巻き込んで壁に激突した。

 

「あとは……」

 

 残りは──三人。ここまで減らせば逃げることも簡単だが、後ろから撃たれるのも面倒。

 ならば倒してしまうか、と思った矢先、不意に聞こえた声に眉を寄せた。

 

「おい!もう一人がいたぞ!!こっちだ!!」

「そいつに構うな!!ブツさえ回収すればいい!」

「…………!」

 

 向こうとしては私に聞こえないように言ったつもりなのだろう。されど、忍びの耳は聞き逃さなかった。

 ノア先輩が逃げた先へ目を向けると、五十メートルほど先に、白い影を追いかけようとする敵が数人。そして、かなり体躯のある自動人形が一体。確か名前は……『ゴリアテ』。

 

「余所見を────!」

「邪魔です」

「ぐぬぅっ……!?」

 

 そこまで把握したところでもはやここで戦う意味もなし、襲ってこようとした敵に斬撃を当てて怯ませ、思い切り踏み付けて後ろに跳躍する。

 敵方は是が非でもミレニアムの武器が欲しい様子。虎の子の大型機まで使う念の入れようを見て、ふとそんなことを思った。

 物々しい駆動音を聞いてゴリアテの起動に気付いたのか、少し先を走るノア先輩がこちらを向いて目を見開いていた。

 

「先輩。そのまま走っててください」

『コユキちゃん、いくら何でもゴリアテ相手に一人は……!』

「別にやれないこともないですけど。今は撤退優先で、足止めに使うだけにするので」

『足止めに使()()、ですか?』

「はい。……すいません、斬り(切り)ます」

 

 説明し切る前に敵の元に辿り着いた。駆け抜けざまに歩兵に斬撃を浴びせつつ、こちらを感知していないらしい大型兵器に跳び乗る。

 草履の中の鋼が装甲を叩いた途端に、ガンッ、と強く音が立った。カイザー自慢の兵器なだけあり、音の響きからして歩兵とは硬さが違う。刀で斬り付けたところで大した傷にもならないだろう。

 

「なら、()()です」

 

 

 ────忍具、忍び斧。

 

 

 取り出したのは、重く無骨な黒鉄の斧。複雑な絡繰りと不可思議な力で動く紅蓮傘とは対照的に、この忍具の扱いは至って単純(シンプル)

 

 叩きつけ、壊す。

 ただ、それのみ。

 

「ふっ……!」

 

 その重さを最大に乗せ叩きつける。鋼と鋼がぶつかる音、そして繋げられた部品が壊れ弾ける音、それらが綯い交ぜにされた破砕音が耳を劈いた。

 曲がりなりにも刃を備えた刃物でもある忍具は、敵機の装甲を容易く叩き割り、その内側を露出させる。

 

 これにて、準備は整った。

 

 機械は機械でも、生きている機械兵とは異なり人工知能制御の人型兵器。それなら、躊躇も手加減も不要。それを確かめてから、敵機の内側、その電子回路に指を突き立てた。

 

「………………!」

 

 その途端に脳裏に走る、頭の中の歯車が、くるりくるりと滑らかに回るような感覚。

 単純な計算式なら暗算すら要らずに答えが出るのと同じ。強く意識するまでもなく、努めて思考を回すことすら必要とせず、頭の中で自然と浮かび上がる文字列。

 パスワード、セーフティ、セキュリティ、ロックシステム、そういった類を全て開き、丸裸にするための命令式(コード)を導き出す。他の誰にもできないらしい、私だけが持つ力。

 とは言え、書き込むべき式がわかったところで、それ単体だけでは意味を持たない。最低でも相手へ干渉する為の端末、そして相手の中へと入力する為のキーボードか何かが必要になる。考えるまでも無い自明の理。

 

 その常識を、忍びの秘術が取り払う。

 

「────────────っ」

 

 "それ"を言葉にすることはとても難しい。どうにか言い表すとするならば、まるで、頭の中に手を突っ込んで、その脳の表面に筆で落書きをするような。己の意思で相手の意思を塗り潰し、強引に上書いてしまうような。己の思念を、相手の内へ無理矢理に刻み入れるような感覚と言えばいいのか。

 

 

 

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 瞬きする間もなく"それ"は終わり、大きな鉄の塊の自動人形は、淡い青紫色の光を妖しく放ち出す。

 これは、ミレニアムで仕事をこなす内に試して見つけた発見。私の特技の応用であり、葦名で身に付けた(わざ)との合わせ技。

 

 

 

 

 

 ────『忍殺忍術・傀儡の術』。

 

 

 私が機体の上から跳び降りると同時、ゴリアテはゆっくりと踵を返し、その砲門を────こちらに追い縋るカイザーの兵の方へと向けた。

 

「っ!?何でこっちに……!?」

「おい、誰が動かしてる!?」

「わかりません!こっちからの命令も受け付けな────」

 

 火がついたように騒ぎ出す兵たちの声は、一切に火を吹いたゴリアテの砲台の音にかき消された。

 私が戦っていた時とは打って変わり、爆音と轟音、爆風と爆炎が撒き散らされ始めた戦場。ため息をひとつ吐きつつ目線を外して前を見やると、ノア先輩が呆然とこちらを見て、というより暴れ出したゴリアテを見上げていた。

 …………走ってて、って言ったのに。

 

「…………もう。えいっ」

「えっ、こ、コユキちゃん?」

「ちょっと我慢して下さい。舌噛みますよ」

「きゃっ────!?」

 

 私の『脱兎』なら、誰かを抱え上げながらでも速度を落とさずに走り続けられる。

 いつか主にそうしたように、ノア先輩を横抱きにしたまま、足早にその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

 

 ブラックマーケットから離れ、ミレニアムの領内に程近い場所まで走ったあたりで足を止めた。

 

「はあ、とんだ『おつかい』になりましたね」

「………………っ」

「……ノア先輩?降ろしますよ?」

「え、あ、はいっ!大丈夫ですっ!」

「…………変なの」

 

 何故かやたらと狼狽えながら、ついでに普段とは少し様相の違う敬語と声量で話す先輩に首を傾げる。いつも余裕に満ちた微笑みを絶やさない先輩にしては珍しい慌てよう。

 

「…………これがギャップ効果、というものなんですね……」

「え?」

「ん、んんっ!な、なんでもない、です」

 

 降ろしたら降ろしたで、手を団扇がわりにしてぱたぱたと顔を扇ぎつつもにょもにょと呟いていた。流石に囁き声でのひとりごとは離れてしまっては忍びの耳でも拾えない。聞き返しても咳払いと一緒に誤魔化されてしまった。

 

「何はともあれ、無事に終わりましたね。……無理を言って付いて来たのに、庇われてばかりでしたね」

「そんな、ことは……」

 

 少し眉を下げて、申し訳なさそうに言う先輩。

 

「ごめんなさい、コユキちゃん。……それと、ありがとう」

「え?」

「…………白状しちゃいますね。今日付いてきたのは、どうしても知りたい……いえ、確かめたいことがあったからなんです」

「それは……まあ、そんな気はしてましたけど……」

「ふふ、やっぱりそれも見抜かれちゃってましたね」

 

 小さく笑いながら、そっと両肩に手を置かれる。…………暖かい。服越しなのに、不思議とそう思った。

 

「でも、その甲斐はありました。……コユキちゃんの()()()()()()()()()が、ちゃんと見えたから」

「………………え?」

 

 変わってないところ。……そんなもの、あるんだろうか。

 性格も、雰囲気も、思考も、日常の中の癖も、強さも、戦い方も何から何まで根こそぎ変わってしまったのが、今の黒崎コユキなのに。

 

「うん、やっぱり、同じ────」

 

 なのに。先輩はそこで一度言葉を切って、続ける。

 

 

 

「コユキちゃんの優しいところは、ちっとも変わってなんかなかった」

 

 

 

 ────数秒、その言葉の意味を図りかねた。未知の言語を聞いた時のような、そんな感覚すらした。それくらい、先輩が言ったことの意味が、わからなかった。

 

「…………………なにを、いって」

「ふふっ、私の記憶力のことはよく知ってるでしょう?……だから、わかるんです。同じなんだ、って」

 

 いつも穏やかに笑っている、ノア先輩。前はそんな笑顔を見ては、表の言葉と裏の本音が違っていそうだとか、独特の圧があるだとか、そんな風にしか思えなかった。

 けれど今は、忍びの目のせいか、胸の内の感情が読めてしまう。心の底から嬉しそうに笑っているのだと、今なら解る。

 それくらいには変わってしまった私を、先輩は変わらないと、ただ嬉しそうに言う。

 

「今日だって、私に怪我をさせないようにって、ずっと考えていてくれたでしょう?」

「いや、そんなの……ただそっちの方が戦い易かったって、だけで……」

「だとしても、です。変わらないものもあるんだなって、安心しました」

 

 そんな言葉と一緒に、ぽす、と抱き寄せられる。

 

「コユキちゃんは、ずっと前から。気まぐれだけど、誰かを思える子でもあったから」

 

 柔らかくて、暖かい。声音も腕の力も優しくて、穏やかな親情に満ちている。そんな温もりに包まれながら、そんなことを言われて。

 

「…………………………っ」

 

 

 悟られないように、押し黙って。心の中で、小さく思う。

 

 

 私に、こんな風に抱きしめられる資格はない。

 

 

 拒む資格すらないからと自分に言い訳をして、こうやって振り解こうともせず、されるがままであることなど、とても許されない程に。それをわかっていながら尚も動けない、卑怯者に。

 

(────だって、そうでしょう?)

 

 先ほど私が何をしようとしたか、脳裏に何が過ったのか。明かさないままの過去。少しだけ見ない振りをして、気に留めぬように目を逸らしていた事実。それを知らせる覚悟がない、そんな体たらくなのだから。

 

 

 

 

 ──────ねえ、ノア先輩。

 

 

 

 

 自分が今抱きしめているその身体が、返り血にまみれていると知ったら。

 

 

 

 

 あなたはそれでも、優しい言葉で抱き締めますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

 

「おかえりなさい。二人とも、怪我はしてない?」

 

 セミナーの執務室に戻ると、ユウカ先輩が出迎えてくれた。まず怪我の心配をしてくれた後は、報告もそこそこに私たちを労ってくれた。

 

「お疲れ様。今回も助かったわ、コユキ。……もうすっかりエージェントが板について来たわね」

「…………まあ、パスワード解析以外の事務作業では役立たずなので。今の私には、こっちの方が」

「もう、そんな言い方しないの。役員としてもちゃんと働いてくれてるし、助かってるんだからね?これはお世辞とかじゃないから、事実として受け取ること!」

「…………はい」

 

 今でこそ多少マシになったとは言え、こちらで目覚めたばかりの頃はパソコンの打ち方も電子機器の扱いもかなり錆びついたものになっていた。

 その代わりのように申し出たお抱えの忍びの真似事だけど、ユウカ先輩にとっては違ったらしい。

 

「でも、こっちでも大助かりなのも本当。電子戦にも強いからセキュリティなんかの突破も簡単だし、何より────C&Cより、ずっとスマート!!!」

「なんか切実に叫び出しましたよ」

「ユウカちゃん、メイド部の皆さんの諸経費には頭悩ませてましたからね」

 

 上から順に、いきなり声のトーンが上がるユウカ先輩に小声で話す私とノア先輩。

 

「校舎の破壊も最小限!修繕費用も弾薬経費もぜーんぶものすごいマイナス!相対的にセミナーの予算はものすごいプラス!」

 

 …………この人、普段は理知的なのに、時折語彙がやたらと幼くなるのは何故なんだろうか。いやまあ、普段が大人寄りなだけであって、高校生としてはむしろこれくらいの方が年相応なのかもしれないけれど。いやこの言い回しはむしろ中学生くらいまで遡っているのでは……?

 

 などと詮無いことを考えている私をよそに、ツインテールを揺らしながらすこぶる上機嫌なユウカ先輩。

 

「コユキにばかり負担はかけられないけど、浮いた経費でセミナー保安部の装備も充実させられたし!これでもうあの金食い虫の領収書とはサヨナラよー!」

「そんなに頭痛の種だったんですね……」

「まあ確かに、セミナーにかかる追加消費の中でも二番目くらいに来てましたからね」

 

 柿みたいに優しい甘さのある先輩ではあるけれど、それはそれとして厳しいところは厳しいし、他人に辛辣な時もしばしばある。ここまで言うあたりよほど腹に据えかねたらしい。ちなみに一番がなんなのかは聞かないでおく。どうせどこかの『白兎(しろうさぎ)』の負債だろうから。

 …………賃金とセミナーへの働きで返すつもりでは、ある。真っ当なやり方で返せるかどうかは……あんまり自信はないけれど。

 

「でも先輩、そんなこと言ってると、なんだか後が怖そうですよ?」

 

 不意に頭を過ったのは、なんとなく感じた嫌な予感。

 

「いいのよ、お世話にはなってる先輩たちだけど、何度言っても校舎も物品も経費も派手にぶっ壊すんだもの。ちょっとは歯痒い思いして貰ってもバチは当たらないわ」

 

 そんな風にユウカ先輩は軽い調子で行っていたけれど。

 

 己に迫る危機を察知する忍びの(さが)なのか、悪い予感ほど良く当たるようで────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ことが起こったのは、その数日後。

 

 

 

 

 

「────おいチビ、ちょっとツラ貸せ」

 

 

 

 

 とてつもなく気まずそうな顔をしたユウカ先輩に呼ばれて訪れた執務室で、私を出迎えたのは見覚えしかない柄の悪い小柄なメイド服。

 

「……………うわぁ」

 

 間違いなく面倒事なんだろう、と。ほとんど確信に近いものを感じながら、なんとも言えない声が口から漏れた。

 

 

 

 

 

 

 





フロムゲーはやったことあるけどSEKIROやったことないという方向けに説明致します。

まずSEKIRO原作の狼さんの基本性能が『スタミナ無限で致命攻撃が即死攻撃なナイトレインの執行者』みたいな感じです。

そして拙作の白兎はというと、概ね狼さん+『足場か足がかりがあればクイックブーストみたいなジャンプやステップができる』みたいなものとお考えください。

つまりはスタミナが尽きないのをいいことにクイブでどひゅどひゅしながら近づいて敵の攻撃を延々弾き倒した後ダウンした瞬間に即死をぶち込む執行者をイメージしてくれれば概ね白兎の基礎スペックです。
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