・ダリオが死ぬ数年前まで母親が生きていた。
・唇を奪わない程度にプライドが高い。臆病とも言う。
・性根はDIOのままなので承太郎にスタンドを砕かれて死亡。吸血鬼も精神だけはどうしようも無かった。
スタンド囚人。
ディアボロが予知にてパッショーネの地域の治安を
「さて」
大型のジープ車に乗る五人の男女達の内、運転手である十字架をデザインした服に胞子のような緑色の髪を生やした男が安全運転で同乗者達を見た。男─チョコラータとしては運転自体は押しつけたい事柄だが、
「幹部のポルポ様が
「ディアボロの力は…マジで『無敵』だからなぁぁ。ぐずぐずに腐った死体をみてぇぇも『納得』が浮かぶのはぁ。怖ェェェ。
チョコラータに相槌を打ったのはダイバースーツのような土色をしたスタンドを身に付けた男、セッコだ。ギラギラと不穏な光を翳す目元だけを露わにした彼は、チョコラータの真後ろで犬のような四つ足で座席に座り込んでいる。
「無論、無論だとも。我が暗殺風水は絶対。実際、ジョンガリの怨敵であるスピードワゴン財団に問題無く物資を『提供』してもらえただろう?肝心なのは『続ける』こと…決して、悪魔に傅くことでは…決して」
後部座席の中央に座る小柄な老人はチョコラータの質問に余裕無く爪を噛み締めた。涎すら出している形相に、隣でスピードワゴン財団のとある支部から
「ケンゾー。君の
「
「あーあー」
ディアボロの話題が出た途端に発狂したケンゾーに、セッコが呆れた声を出してジョンガリを非難した。ジョンガリも申し訳なさそうに謝るだけだ。狂乱するケンゾーをバカにするものは誰一人居ない。敗北感は全員が持つ共通点だった。
ケンゾーはかつて風水を基礎にしたカルト宗教のトップだった。信者全員を巻き込んでの集団自殺はお茶の間を沸かしたもの
『
そう看守に納得された時には、ケンゾーの手はその輩の命を奪っていた。自身の暗殺風水より完璧な上位互換を見せられる絶望はケンゾーが狂うには十分だった。
「フゥーッ!フゥゥゥッー!!」
歯軋りをし、鼻水と涙を垂れ流すケンゾーに、かつてのカリスマは見当たらない。数分かけてある程度落ち着けた彼は、吃逆をあげながら小さな声で話し始めた。
「…予知は時折欲により『リスク』を産み出す。あの
「おい、おいおいおい。私の『作品』をよりにもよって、『フランケン』だと?医学の何たるかを学ばない小説家が書き連ねた三流技術にィ。私の『作品』を比較するだとォ?」
「…ムゥ」
「顎も歯も無いイカの関節よりも脆い口を繋ぎ、整復し、傷跡すら無しになおかつ『美しく』。無事な上を変化させず、
「ヌ、ヌゥぅぅッ!」
『負ケダナ 諦メナ』
「
『聞ク意味ネェーッテ オレ中立』
西洋龍の頭部と羅針盤を融合した見た目のスタンドがケラケラと笑う。ケンゾーのスタンドである
「おっと」
前方に見えた検問を前にチョコラータは車を停めた。彼らの車に立ちはだかるのは、薬物に依存した涎と悪臭を垂らすスタンド使い達。反対派が率いる薬物スタンド使い達だった。
「「「げひひぇひふひ」」」
「DIO様の実験体に似ている。おそらく薬物により無理矢理スタンドを覚醒させた
「…汚らしい」
三十人はいるだろう悪漢を前に、彼らがこぼした感想はミドラーが発した侮蔑だけだった。その中で近接型であろう肥満体の男がゆらゆらと近寄るのを見て、チョコラータはわざとらしく指を鳴らした。
「ふむ、丁度いい」
「ここは ぱっしょね ナワバリだぜぃ
「私達の試運転になってもらうとしよう」
数分後、実験結果となった残骸を見て、
反対派チームのアジトは大混乱の極みであった。
「『目薬』共の成果は無いのかァ!!」
骨格が尖った長身長髪の男、マッシモ・ヴォルペが叫んだ。彼のスタンド能力で創り上げた『スタンド製造薬』と呼ぶべき
「落ち着きなさい、マッシモ。儀式は始まった。
深い皺の刻まれた老人はマッシモを諭した。老人、コカキは膝枕を強請る少女、アンジェリカに寄りかかられながらも地図に赤線を引いた。ちらりと横目で見た映像に映し出されているブチャラティの動きは数週間前の資料とは何もかもが異次元だ。亀を片手に爆発的な『スゴ味』で『目薬』を蹴散らす様に、コカキは体を震わせてしまった。
「三方面のうち、一方面の継承派は被害を抑える方針らしく、あのカビの元へ向かっている。事実上、私達はたったひとりでこちらの包囲を打ち破る化け物を迎え撃たねばならない」
「そいつはボスか?」
コカキは首を振った。マッシモのスタンド『マニック・デプレッション』は生命力を過剰に促進させるスタンドである。コカキが彼と協力することで産み出した簡易スタンド製造麻薬は数日後の死と引き換えにスタンド像を作り出させる。事実上のドーピングで戦闘力が数倍に跳ね上がった彼らは、反対派が売り出す商材のひとつだった。ディアボロには何の役にも立たないのはコカキ自身自覚していたが、ブチャラティの様相を見る限り、継承派にも使えないのは明らかだった。
「私もディアボロに拝見したのは数少ない。しかし、彼の方は義手義足などのバカな怪我はしないよ。君と同じく、アレは世界の支配者になりえる存在だ」
「逃げないの?」
「それもありだったんだけどねぇ」
コカキが部屋にある監視カメラのモニターを見た。数キロ先にある検問所にバイクが突っ込み、ありとあらゆる箇所が細切れになる。バイク自体の速度は四十キロもないのに、銀色のスタンドが繰り出す斬撃が新幹線に乗っているような錯覚をもたらしていた。鎧袖一触の有様に傷だらけの少年、ビットリオは顎が外れそうなほど口を大きく開けた。
「マリオのスターみてぇだ。『強ぇ』しかわからねぇ。オレよりぼろぼろなヤツ、久しぶりに見たぜ」
「雑魚同然とはいえ、大量のスタンド使いと私達が屯する『麻薬チーム』の本拠地に侵入する。余程の馬鹿か、或いは恐ろしいほどの強者か」
がじゃぁあん。
バイクごと突っ込んできた刺客に、コカキは前者であって欲しかったと帽子を深く被った。スタンド使いの業界において、彼ほど有名人はディアボロ以外にいないであろうビッグネーム。世界中に点在するDIOの部下に敵対し、勝利し続けた、生粋の戦上手。
「百二人。─百人斬りにはちとキリの悪い数字だ」
「信じらんねぇ…!」
胸にはロケットペンダント。髪型はハイトップフェード。バイクから降りた脚は、義足特有の金属が擦れた音がした。スピードワゴン財団製であるハイエンドな両脚と右腕はスタンドと同じく鈍い銀色が煌めいている。鈍重な鈍い身体である筈の彼に、マッシモ達は咄嗟に距離を取った。
「何とまあ…恐ろしい」
コカキが若い時に、ある歴戦のスタンド使いの噂を聞いたことがある。飛行機を墜落させることを収入源としていた彼は、老人になってすら光と見間違えるほどのスタンドを維持していたと。この目の前にいる男もそうだ。何百、もしかしたら千を超えた死闘を繰り広げた宝石が最期に残す光が、この男の背後に見えた。
「我が名はジャン・ピエール・ポルナレフ。我が友の魂の名誉の為に。あるいは涙の止まらぬ遺族達の慰めの為に」
「誇りを持って、敵を打ち果たそう」
継承派…ブチャラティ、ジョルノ、ミスタ、トリッシュ
反対派…コカキ、マッシモ、ビットリオ、アンジェリカ
囚人…チョコラータ、セッコ、ケンゾー、ミドラー、ジョンガリ
その他…ディアボロ、ポルナレフ
実際は更に居ますが登場キャラとしてはこれで全てです。