金田少年の生徒会日誌 作:珍明
この話数で事件の途中だし、夏休み編も終わってない事が衝撃
誤字報告により、修正しました。ありがとうございます
旧式の良さは木をふんだんに使った品のある内装だ。
レストランのテーブルも高級感あるうねりを持つ木材、白いクロスへバイキング形式に並べられた朝食の数々、出来立てで香ばしい。
「え~、本日は実に船旅日和です。乗客の皆様に就きましても、朝からお元気そうで何よりと存じます」
――いけしゃあしゃあとよく言うぜ
乗客からの白けた視線を物ともせず、
ホンの1時間前、部下の
「加納さんが大騒ぎしたんですよ、船長」
「そうだ、そうだ。俺らよりビビってじゃん」
「今も部屋から、出てこねえんだろっ」
鷹守船長のご挨拶が終わり、
「皆様、ご心配入りません。加納の勘違いですので」
すかさず、落ち着き払った
乗客の納得できない空気が更に重くなる。
「ねえねえ、岡持君。水崎さんに聞いた方が早いかな? あの人、結構親切そうだし……」
「そうだな、どこにいるんだ?」
「水崎は現在、操舵室におります。お客様は立ち入り禁止ですので、ご遠慮ください」
「さあ、折角の料理が冷めてしまいます。どうぞ、お食事になさって! 心配せずとも、幽霊の作ったもんじゃありません。フハハハハハ」
「あの船長……ま~だ酔っぱらってんのか?」
「昨日のパーティーで相当、飲んでたもんなあ」
レストランを去りながら、鷹守船長は豪快に笑う。嫌味ったらしい笑い方に大沢と吉田は呆れ、怒る気力もない様子だ。
「あの……若王子さん、昨夜は……どちらに? 甲板の時……おいでにならなかったみたいですが」
「私ですか? 無線室に待機しておりました。甲板の騒動については船員より、報告を受けております。その件に関しまして、私も船長と同じ意見です。一部のお客様が騒がれたようですが、どうか、お気になさらず」
(……ん?)
その視線から、昨晩の『幽霊船長』出現は彼らの仕業と誤解している。乗組員達の報連相に食い違いがあるようだ。理由は知らない。
若王子らがレストランを離れると、重苦しい空気がふっと和らいだ。
乗客達はどこか肩の力を抜き、互いに視線を交わしながら、照れ臭そうに自然と会話を交わし始める。解放された心が旅先ならではの温かさを求めていた。
「お姉さん、大丈夫? 大沢さんに聞いたよ、『幽霊船長』を見ちゃったんでしょ。カワイソウに……」
「あたしら、そん時……疲れて寝ちゃってて……。怖かったら、あたしの部屋に来てもいいよ。勿論、アッケの部屋でもいいし」
「ありがとう……。昨日は雪峯さんが居てくれたから、大丈夫よ」
美里と飯島に心配され、時原は弱々しくも笑顔を見せた。昨夜の出来事は忘れられていない。でも、少しずつ、自分達の力で乗り越えようとしていた。
(((良いなあ、美女2人の空間……)))
一部男性陣の羨む心の声が、聞こえた気がする。
「金田センパイ、また元気なくなっちゃってます。そんなに怖い写真だったんですか? 没収した雪峯さんにせがんでも、見せてくれないんです」
「……見なくてよいのです」
ハンディカムを回し続け、竜二は深くため息。
何も知らない態度に、救われる。
件の写真は
その後にやってきた岡持、時原、
「どうせ、白神さんには見せるんだろうな~。時原さんが襲われた時もかな~り、親しげに見えましたし」
(……後で白神さんに事情、聞かれそう)
ブ~垂れた竜二の声を聞きながら、白神の煩い視線から目を背ける。代わりに雪峯刑事を盗み見た。彼女は周囲と適度に会話し、朝食もしっかり召し上がっている。
船の上で何か起これば、雪峯刑事の出番。どれだけ体力を消耗するか分からない。
少し安心だ。
「雪峯……さん、この後は予定通りか?」
「はい、私は時原さんに付いてますから……中村さんも聞き込……出来る限り、噂の出処など調べて頂ければ……」
(……そんな偶然ある?)
「金田センパイ……パンが噛めてませんよ」
ビックリし過ぎて、
スッとテーブルナプキンが差し出された。相手は
「お客さん。コレ、どうぞ」
「……ありがとうございます」
人懐っこい笑みを振り撒き、
にいみと何があったか、聞かずにいる。
「金田センパイ、どうしたんですか? 香取さんを見つめちゃって……
生憎、名探偵の孫はいない。けれど、
「佐木君、昨日のパーティー……香取さんとは何か、話しましたか?」
「はい、新選組の話で盛り上がりました♪ 彼女、芹沢派なんですよ。ボクは近藤派です」
ナンデダヨ。
どんな打ち解け方をすれば、新選組で盛り上がれるのだ。
「話と言えば……大槻さんに詳しい話を聞き直してみたんです。金田センパイの言う通りでしたっ。しかも、どうやら……若王子さんが引き入れたみたいです」
「!?
「大槻さんはあくまでも、噂だって言ってます。船員はみ~んな、知ってる噂」
「……っ」
唐突に周囲を見渡し、竜二は耳打ちしてくる。主語を言わなくても、加納三等航海士の情報と分かる。衝撃的過ぎる内容を聞いた瞬間、
2人の関係を考えれば、絶対に在り得ない。万一、話に聞く持病に情けをかけたとしても、鷹守船長の反対があるはずだ。なければ、本当に倫理観を疑う。
(小林さんを……
悲惨な海難事故の記事を思い返し、当事者である彼らへの嫌悪が湧き起った。
「スト~ップ、佐木。金田、ま~た顔色が悪くなってんぞ。これ以上、俺達の調査を手伝わなくていいぜ。お前は元々、旅行に来てるだけだろ」
「岡持君……」
「金田センパイは以前にも、兄さんと事件を解決したんです。その時だって、金田センパイは今回みたいに旅行先で居合わせて……今度はボクと解決する番なんですよ」
竜二は駄々を捏ねる言い方で抗議したが、
自覚のない感情が浮き彫りとなり、今も脳髄の奥に巣を張っている。
「……へえ、それは初耳。……金田はミス研じゃないんだろ?
「いえ……その時は白峰先輩……竜太君がいた為、執行部として我が校の生徒を守らねばと……思いました」
純粋に驚いた岡持は深く感心し、素朴な質問を投げかける。自分の言葉を聞き、
生徒会執行部部員としての使命感。校外だろうと、胸に抱えた想いを今は感じない。今、何の為に竜二の話に耳を傾けていたのか、自問自答に陥る。
「だったら、今回は執行部を休めよ。幸い、雪峯さんがいるんだ。今迄みたいに『幽霊船長』を語った犯人が居たとしても、対処してくれるさ」
「そんな~っ」
ミス研はこれまで『放課後の魔術師』、『首狩り武者』を名乗る犯人と関わった。
だから、岡崎は『幽霊船長』を怪奇現象ではなく、既に人の仕業と感じているに違いない。竜二は原因が何であれ、
〝気付いて……どうしても放置出来なかった〟
また、
昨日の怪奇文書、朝の写真を知り、
自分も彼の様に逃げず、過去に向き合う時が来た。
今なら、独りじゃない。
その確信が胸を照らす。心臓を包んでいた氷が音を立てて崩れ落ちる。温もりに勇気を重ね、
もう、迷わない。
「岡持君、ありがとうございます。これは執行部の活動ではありません。自分の為に調べようと思います。と言うワケで、竜二君を貸してください」
「金田センパイ♪ はい、ボク……張り切っちゃいます♪」
「……! ……よく分かんねえけど、今のお前……桜樹先輩みたいだな。水を得た魚って感じ♪」
声は震えていない。寧ろ、腕を揮おう。竜二は大喜びし、岡持はクスリッと笑ってくれた。
例えに疑問だが、光栄に思う事とする。
そうと決まれば、
「香取さん、少しお時間よろしいでしょうか?」
「!? ……あの、あたし……お片付けもあるし、お昼の用意もしないといけないんです」
「では、待ちます。何ならお手伝いします。どうしても、貴女とお話がしたいのです」
「……っ」
案の定、断りを入れてくる。だが、
凡そ3分の沈黙、香取は嘆息を吐く。
「……9時から売店にいるわ。そこに来て……」
「はい、ありがとうございます」
香取の声、諦めにも似た響きがあった。早口に告げた彼女は振り返ることなく、業務へ戻っていく。強引だっただろうに受け入れてくれた。
竜二の気遣う視線に
約束の時間まで30分、
〈え~と、一等航海士の若王子さん。二等航海士の水崎さん……あれ? 三等航海士の人はどこに? さっきまでいたのに……〉
〈加納さんは操舵室です。この時間が当番になっております。進行方向に問題がなければ、10分少々でしたら、目を離しても大丈夫なんですよ〉
鷹杉と
〈昔はなあ~このレストラン……いくら赤字……雑用係やコックを入れても12人……〉
禿げた
〈新見さんって……新選組ですか? あの芹沢派と言われた……〉
〈そ……そうっ、佐木君。歴史に詳しいのね~♪ 高校生だっけ?〉
〈ボクは中学生です。新選組なんて初歩中の初歩ですよ〉
〈中学生なんだ~見えな~い♪〉
成程、香取が
新選組の話題を出した事から、別人だと気付き、香取は無理やり盛り上げたのだ。
〈……私、時原と……言います〉
〈これはどうも……〉
時原はここでも躊躇いがちな態度で、若王子一等航海士へ声をかけている。物凄く勇気を振り絞っている様子に見受けられるが、肝心の相手は素っ気ない。
「お2人とも、オリエンタル号に乗っていたんでしょう? 今見ると、時原さんは若王子さんを覚えていて、用があるんだと思います」
「その時原さんが……この後、『幽霊船長』に遭遇ですか。しかし、船長……飲み過ぎではありませんか?」
2人で映像を確認しながら、鷹守船長の飲酒っぷりに呆れる。彼は浴びる程に飲み、水崎二等航海士と船員に肩を借りて引っ込んだ。
続いて、『幽霊船長』騒動時の映像。時刻は深夜の0時を過ぎた頃だ。
竜二は鷹守船長と同じタイミングで甲板に到着し、話を撮影してくれた。雪峯刑事、白神、岡持、鷹杉、大沢とドンドン乗客が集まる。灯火はあるものの、濃い服の人は暗闇の中では見えにくい。
〈船長、お客様が突き飛ばされたんです!〉
〈何を馬鹿な……時原様は酔っておいでなのだっ〉
香取が必死に状況を訴え、鷹守船長は不機嫌極まりない。慌てて起きたらしく、帽子の向きや白い船員服もボタンの掛け違いが酷い。
〈ち、違います〉
〈そうですよ、船長。この船にはやはり、先代の船長の幽霊がいるんです!〉
時原は目を伏せ、唇を震わせている。何故か、赤井だけはテンション高く喜んでいた。
〈これって……事件ですよね? け、警察を……〉
〈はっ! 幽霊がやったと? 時原様が勝手に足を滑らせて、落ちかけただけですよ。『幽霊船長』からのお手紙は、皆様には刺激が強すぎたようで〉
〈雪峯さん……〉
〈残念だけど……この暗がりと場所……それに相手が幽霊じゃあ……〉
怯えた鷹杉の声は鷹守船長のせせら笑いに消され、岡持は雪峯刑事に耳打ちする。
〈船長はどうぞ、おやすみなさいを。私達が勝手に調べます。ねえ、赤井さん〉
〈白神さん、その通りです! 今から撮れば、何か写るかもしれません♪〉
〈これ以上、面倒事を起こすな! お客様はさっさと寝ろ!!〉
冷静沈着な白神と童心に返った赤井の温度差。取材根性を許さんと言わんばかり、鷹守船長は怒鳴った。そこから乗客同士の愚痴り大会が開幕し、朝までは待機の流れとなった。
「……飯島さんと美里さんは就寝中で騒動に気付かず、吉田さんと中村さんはどちらに?」
「吉田さんは幽霊が怖くて、部屋から出られなかったそうです。中村さんは客室の階に不審者が来ないか、見張ってくれていました」
竜二が映像外の補足を述べた時、ノックの音。開ければ、白神がまた咥え煙草で立つ。
「白神さん、昨晩はありがとうございました。朝の写真ですが……
「え!?」
「やはり、そうですか。まだ写真を見ていませんが、前情報は助かります」
驚いた竜二と違い、白神は納得したように頷く。
「雪峯さんにはまだ、伝えないでください。母がこの船にいるか……自分にはわかりかねます。ですから、香取さんと話をしてきます。その間、白神さんには赤井さんの相手をお願いします」
「あの……センパイ」
「彼には鷹杉さんと岡持君が一緒にいます。船員の皆さんへ幽霊について、取材している頃でしょう。香取さんといるところを見られても、違和感はないはずです」
話の見えない竜二を置き去りにし、
「金田センパイ! ボクにも分かるように、説明してください」
「すみません、竜二君へ簡単に説明しますと……」
「ええ~!? センパイのお母さんが、香取さんの知り合いで、行方不明で、『幽霊船長』かもしれない!? た、大変じゃないですか……。雪峯さんに相談した方が……」
「駄目です。……確実に母が関与していると判断材料が揃うまで、雪峯さんには言えません」
不貞腐れた竜二へ詳細を省くが、要点を話す。それだけでも、彼はビックリ仰天と漫画みたいに床のカーペットへ転がった。
「それに……相談する内容も纏まっていません」
「……と言いますと?」
「加納は……母に会っています。あの狼狽の仕方から、只事でないのは明らかです。ここにいる自分が息子と知られたら、何をされるか分かりません」
「それは加納さんが……お母さんの失踪に関わっちゃってるか、……あるいは……」
口にしながら、何も確認できていない状況を改めて知る。
ハッと気付いた竜二は発言を控えた。
約束通りに売店へ来たが、香取は業務を優先する。レジの釣銭準備や陳列棚へ品出しを始め出した。
「お待たせしました~♪ お客さん、何をお求めですか?」
「にいみの話です。香取さんはいつ頃から、お知り合いなのですか?」
(……センパイ、お母さんを呼び捨てて……)
営業スマイルの香取へ単刀直入に問う。何故か、竜二にギョッとされる。
「……やっぱり、にいみさんはアナタに何も言ってないのね。……じゃあ、あたしも言わない……な~んて。駄目よね……分かってる」
「はい、教えてください」
ホッとしたような残念そうな笑みを見せ、香取は周囲を見渡す。手招きして売店のお土産品コーナーへ案内し、接客を装った。
「にいみさんとの出会いは3年前の11月よ。あの日の事は……いつでも思い出せるわ。でも、その話じゃないわよね。……最後に話をしたのは去年の2月27日」
香取は目を伏せ、言葉を絞り出す。その声に懐かしさと痛みが滲んでいた。
「『しくじった……。貴様はアタシの帰りを待て』ってそれだけ言って、電話は切られたの」
「2月27日……?」
「……そう、高校の卒業式前日。忘れられるわけ、ないわ」
唐突にして、重い言葉が胸に沈む。
その日付は奇しくも、
にいみは目の前にいる香取にだけ告げ、消えた。家族には告げず、己の意思で――。
予想はしていた。
それでも思いの外、ショックだった。
何を聞いても、動じないと思っていた。
「香取さんは白神さんを知っていましたね。にいみは何の為に、紹介したのでしょうか?」
「あたしを信頼させる為……かな。ルポライターと繋がりがあるから、色々と調べられるって……。これ、その時に貰った名刺っ」
香取は白神の名刺を取り出し、
黄ばんだ紙の裏面に書き込まれた数字、その羅列は懐かしい電話番号だ。
「掛けたのですか? この番号に……」
「ちょっと前にね、留守番電話に繋がって……誰も出なかったわ」
思わず、問う。番号はまだ使われていた。
「加納は今朝の騒動について、何と言っていますか?」
「残念だけど……あの人、寝ちゃったらしいわ。電池が切れたみたいにね。そんな感じの持病だって、大槻さんが言ってた」
「にいみから、加納の名前は聞いた事ありますか?」
「……」
スラスラと動いた口は突然の黙秘。肯定と取ろう。
「香取さんは……加納の噂をご存知ですか?」
「ええ、知らない人はいないわ」
「……誰も、何とも思わないのですか? 加納がいる状況を」
「若王子さんには、考えがあるのよ」
つい熱を込めた質問だったが、香取は目を逸らさずに答える。本心の様でいて、本音を語っていない。そんな切なさを感じた。
「……失礼を致しました。ひとつ、お願いがあります。時原さんには加納の事を……伝わらない様にしてください」
「時原さん、それはいいけど……なんで?」
「彼女は……オリエンタル号の生存者です」
「!?」
ずっとすまし顔だった香取は初めて、動揺を露わにした。
「加納が何者か知れば、時原さんもきっと……何らかのショックを受けるでしょう」
「ちょ……ちょっと待って」
青褪めた香取は目を見開き、口元に手を当てる。完全に怯えていた。
「か……加納さんはそれを知ってるの? もし……そうなら、時原さんを襲った『幽霊船長』は……」
「あの~……センパイ」
そこに竜二の声が挟まれ、2人きりでなかったと気付かされた。彼の気配を消すのが巧く、話に夢中で忘れていた。
「加納さんの話なんかより、香取さんが……にいみさんに何を調べてもらったとか……教えてくれませんか……?」
「いえ、そちらは時間がある時で良いのです」
「えぇ、そうなの?」
恐る恐る口を挿みながら、竜二は香取の顔色を窺う。彼女が自ら語らないなら、こちらから聞くのは時期尚早。
先ずは加納だ。
「香取さんの言う通り……昨晩の『幽霊船長』は加納である可能性があります。念の為、彼の勤務時間を教えて頂けますか?」
「夜中の12時だから、自由に動けるわ。加納さんは午後10時までだもの」
「うわ~益々、怪しい~……ってセンパイ。手紙は……にいみさんの筆跡、加納さんは写真を見て、逃げ出したんですよ。無理ありません?」
状況を把握しようとすれば、竜二から純粋な疑問。
「勿論、
「ああ……そっか。センパイ、本当に『幽霊船長』と名乗っている人に目星を付けてるんですね」
「……」
「ナンデ、黙るんですか!?」
まだ言いたくない点に触れられ、
「新見って聞こえたけど、新選組の話か?」
振り返れば、大沢が商品のガムを手に立つ。全然、気付かなかった。
「良いねえ、こっちは平和でさ。甲板に行ってみろよ、あの赤井さんがま~た船長とやりやってるぜ」
「……そうですか」
ケタケタ笑う大沢に、
「……行ってみます。香取さん、色々とありがとうございました」
「は~い、またどうぞ~」
「センパイ。待ってくださいよ~」
香取はいつもの営業スマイルで見送り、竜二も慌てて追って来る。
彼女の笑顔、何事もなかったかのようだった。秘められた感情を隠す素振り、絶え間ない努力を感じてしまう。痛い程に――。
そんな少女を置き去りにした大人。その息子として、恥ずかしく思った。
千堂「千堂 恭子です。閲覧ありがとうございます。誰?って思った人はドラマ版見てね~♪ さて、次回は『幽霊客船を流刑船と呼ぶならば・中編』!! 船内放送がかかった……え、八丈島に変更?」
大沢 貴志
フリーター。女子高生をナンパしやすいように、大学生と見栄を張った。ドラマ版では損な役回り