金田少年の生徒会日誌 作:珍明
午前授業は終わり、下校。
「金田、今日の演劇部はどうする? 大会までもう3週間しかないんだぜ、そろそろ……」
「神矢君、自分は生徒会があります」
教室を出ようとしたが、
「……台本は読んでおいてくれよ。お前は大司祭なんだから」
神矢は遠慮してくれたが、衝撃の配役を今知った。
職員室へ生徒会室の鍵を取りに行き、緒方先生を探す。勝手なやり方に抗議しようと思ったが、こんな時だけ姿はなかった。
学園祭実行委員のポスター制作見直し、屋台の設置場所も確保。それに伴い、パンフレット書き直しも完了。馴染みの印刷所へ発注依頼は週明け、どうにか決まった。
全員がグッタリすれば、執行部顧問は来年度の生徒会長及び、副会長の立候補について考えるようにトドメを刺した。
「もっかい、……七瀬さんが会長でいいのでは?」
「でも、美雪ちゃんは部活を優先するんじゃないかな。緒方先生と須貝先生、どっちの部長にさせようかって、話したもん」
「流石に……会長の兼任はねえ」
「部費の公平さに欠けるから、ダメっスね」
「千家君、立候補しちゃえば? 医大を受験する予定だし、内申書も良くなるわ」
「俺? 七瀬さんの後任だと、ブーイングを喰らいそうだな。彼女、人気あるしね」
「自分としては
言いたい事だけを告げ、
背中に驚いた視線を浴びたが、無視しておく。
『大草原の小さな家』へ到着し、まだアイドルタイムなのにコーヒーブレイクの客人が多い。
「「いらっしゃいませ~♪ 金田先輩、片倉さん来てますよ」」
「片倉さん、お待たせしました」
「……いや、俺も今……来たし」
お手伝いの佐木兄弟に出迎えられ、驚かずに
「……残間君、顔色悪いけど……ちゃんと疲れ……取れてる?」
「寝ていますよ、毎日8時間です」
強いて言うならば、
昨日は不動山署に呼ばれ、帰宅した後に家族会議を強行。
お互いに情報交換しようとしたが、北海道の函館異人館ホテルについて、詰問された。昼間に感謝状が青森県警より届き、2人を驚かせていた。
〝万代 鈴江に何があったんや?〟
金田祖父は深刻な態度にて、聞き入り。
佐木親子の存在を教えた瞬間、金田祖父は手で顔を覆う。その仕草が恐ろしく、
〝あなた、頭を冷やしなさい〟
金田祖母の静かな声に締め括られた。
今宵も家族会議の続きをせねば、そう考えるだけで億劫だ。
「それで残間君の衣装、これでいい? 俺がデザインしたから、センスはイケてると思うんだけど?」
「……スカートの丈、みっじかいです。自分は制服を着ます」
片倉と打ち合わせしながら、姉・さとみを想う。
次から次へと押し寄せる大人達の事情、彼女の心を蝕まないか心配だ。
「さとみちゃん、今日もマジックショーのお仕事が入ってるぜ。あの子は俺らが見とくから、そんな不安そうな顔しなさんな」
「……失礼しました。片倉さんや流森会長が居てくださるなら、はい……。姉は大丈夫だと思います」
悩みが顔に出ていたらしく、片倉は切なげに眉を寄せた。非礼を詫びたつもりが、彼は更に沈痛な面持ちになった。また言葉を間違えたらしく、申し訳なく思う。
閉店後の清掃を終え、裏口から退店。
「センパ~イ、お待ちしてマシタ。さあさ、兄さんの部屋へ行きまショ♪」
自転車へ跨った
「竜二君……お疲れ様です。先に帰られたのかと……え? 佐木君が独り暮らしするアパートに? 今からですか?」
「はい♪ 金田センパイが店へ来る前、お婆ちゃんから電話があったんです。ボク達にセンパイをよろしくって、お願いされました」
混乱しつつ、情報を整理整頓している間に金田祖母の気遣いを知らされる。彼女が他人を頼るなど、もっと驚いた。
金田祖父と顔を合わせづらい為、素直に感謝しよう。
「金田先輩、来ましたね。いや~先輩と寝泊まりできるなんて、感激っス♪」
「……海峰君、こんばんは」
「金田先輩、こちら……替えの下着とパジャマです。お持たせと一緒にお爺ちゃんが持って来てくれました」
生徒会室で別れたはずの海峰に出迎えられ、
友達の部屋へ泊まれる胸の高鳴りが勝り、肩の力が抜けた。
「流石に男4人だと狭いですねえ。兄さん、ビデオ邪魔だよ。今くらい、下げたら?」
「ここは僕の部屋だ。竜二が下げろ」
竜太の整理整頓により、4人の座る場所は確保されている。しかし、顔が近すぎてハンディカム2台の存在が普段よりも強調し、ブツからないように気を遣ってしまう。
「……アンタらもビデオが邪魔とか言うんだ……」
「てっきり、顔の一部だと思っていました」
「「眼鏡ならまだしも、ハンディカムは無理無理っ」」
海峰と一緒にギョッとすれば、意味不明な理由で諭された。可笑しくて、笑う。声を出すと煩くなる為、
「金田先輩、やっと笑ってくれましたネ」
「ここにはボクら、可愛い後輩しかいないんで。ドンドン、笑ってクダサイ♪」
「いや、可愛い後輩は俺だけッショ」
3人の後輩から温かい眼差しを受け、気付かされる。
「……自分、笑えていませんか?」
「そっスよ。……色々、立て続けに起こったんで、気持ちは分かりやす。正直……遠野先輩については、まだ割り切れてねえっス」
自分の頬に触れながら、海峰の言葉に胸が痛む。
初めて、彼の口から
けれど、何も知らない生徒はどうしているのだろう。
「中津川先生のした事はアレですけど……勇気と言うか、元気になった人もいますよ。うかうかしてると可愛い子が先生に取られるってね」
「……元気になるベクトルが違うッショ」
竜太曰く、
不謹慎だが、今年度に入って2度目の発覚。彼らの焦る気持ちも分からなくないが、不意に『小田切先生』を思い返す。触発され、
「センパイ、軽井沢へ行ってたと聞きました。僕も来月、父の仕事で行くんです。センパイもどうです? 新幹線も開通するし、新しくなった軽井沢駅も見られますよ」
「……行ってらっしゃい」
竜二がさっと話題を変え、
「そういや、先輩。聞いたかもしんないスけど、来月の大会はお手伝い出来ねえっス。囲碁部の合宿があるんで、開桜とバトって来ます♪」
「……ああ、前に教えてくれた伝統行事ですね。海峰君、全力を出し過ぎて、相手のプライドをへし折らないでくださいね」
「そいつはちと、難しいですわ~」
(海峰君がいないなら、今回は伴奏なしか……)
夕食をご馳走になり、金田祖父母へ電話連絡。近くの銭湯へ行き、全員で湯船に浸かった。
明日は日曜日と騒ぐ後輩を尻目に、
「え~! 金田先輩、もう寝るんスか? まだ10時前っスよ? 先輩の好みの女子とかな~んにも聞いてねえっス」
「「残念、先輩は夜10時に寝るんです」」
「おやすみなさい」
予想通り、海峰からのブーイング。佐木兄弟が得意に告げ、
意識が消えゆく最中、電話の音を耳にした。
午前6時の起床は変わらず、されど目覚めは快適。程良い涼しさと雀の囀りが心地良く、下敷きと化した後輩を見渡す。
竜太は枕、海峰は胴体、竜二は足元。
バランスの良い人肌布団は疲労回復に効果抜群。毎日、この状態で眠りたいが我慢だ。
そっと3人から離れ、深々と感謝した。
窓の外を見渡せば、白いジャケットを着た男が目に入る。後ろ姿だが、本当に白神だ。
後輩を起こさないように身支度を整え、そっと外へ出た。
「白神さん、おはようございます」
「……おはよう、金田君。会わせたい方がいます。一緒に来てください」
小声で挨拶もそこそこにし、白神は静かに歩く。早朝の散歩に出歩く人々とすれ違いながら、遊具のない公園へ到着した。
花壇には彼岸花が咲き並び、見事な赤は秋の始まりを教えてくれた。
他の季節物を探そうと見渡せば、木を囲うベンチに男が1人、座っていた。白髪混じりに額の傷は遠目から見ても、印象的だ。
相手もこちらへ気付き、縋るようにベンチから立ち上がった。
涼しく快晴だと言うのに、男の雰囲気は暗く沈んでいる。
「金田君、紹介します。甲田 征作さんです。私が以前、地方医師の取材をした際に知り合いました」
「初めまして、甲田です」
「……どうも」
白神に紹介され、
彼らが意味深に目配せし、
「甲田さんは悲恋湖の事件当時者です」
視覚が肉体と乖離され、現実味がない。頬に触れる風も他人事、きっと映画を観ている。ドキュメンタリー映画だ。
「金田君、甲田さんの話を聞いてください」
「……っ」
白神の鋭い声を聞き、
脳髄が状況を把握し、深呼吸。
「失礼致しました。自分、貴方を知りません。報道に甲田さんのお名前も無く、
「そうでしょうとも。……私も彼らを通さず、アナタへ会いに来ました。遠野君がアナタへ遺した言葉を……伝えに」
甲田医師が遠野先輩の名を紡ぎ、恐怖に慄く。反対に
瞼の裏に金田祖父が嘆く姿を思い浮かべ、
「甲田さんが話せる限り、全て……聞きます」
「金田君……」
自分の覚悟を示そうとしたが、声が震えすぎて尻込みしているに聞こえる。しかし、甲田医師には十二分に伝わってくれた。
順を追いながら、甲田医師は語る。
3年前の海難事故、犇めき合う救命ボート。海に落ちないよう、しがみついた甲田医師の手へ縋り付いた少女。1人対大勢を天秤にかけ、『カルネアデスの板』に則った。
(……あの写真に写っていた……遠野先輩の妹が、そうか?)
そこは定かではないが、
「遠野君は小泉さんを殺した……私を探し出し、仇を討とうとしました。他の方は私とイニシャルが一緒だった……それだけの理由で、巻き込まれただけなんです」
「巻き込まれた……だけ?」
懺悔する甲田医師の言葉が耳を貫き、隠れていた不安が消え去る。心のどこかで、小林画伯が遠野先輩から恨まれる程に罪深いと、知るのが怖かった。
その死は変えられないけれども、殺害された動機はハッキリした。
(小林さんは……悪くなかった。母さん、小林さんは何も悪い事してないよっ)
感極まった想いをこれ程、母・にいみへ伝えたいと思った事はない。小林画伯と過ごした何気ない日々が強制的に呼び起こされ、目元に涙が溢れる。咄嗟に隠そうと手で覆ったが、すぐに気付かれた。
「金田君!」
「甲田さん、続けてください……」
涙に驚いた甲田医師は話を止めてしまい、
「遠野君は……極度の錯乱状態にあり、アナタと七瀬さんを見間違えました」
〝金田君……大丈夫、コレが終わったら……一緒に学園祭、回ろう〟
遠野先輩の心は血に濡れた悲恋湖になく、11月の学園祭へ飛んでいた。
「気が早いですね……遠野先輩、らしくない……」
全てを聞き終え、
遠野先輩を想うのだから、笑ったっていい。もう涙は止まり、濡れていた頬は乾いた。
甲田医師が語った内容を反芻しながら、ひとつの確信が芽生える。
「礼は言いませんよ、甲田さん。アナタは言うべき相手を間違えています」
「金田君……礼など不要です。しかし、遠野君はアナタに……」
続けようとした甲田医師の口へ人差し指を立て、遮る。戸惑う糸目が見開かれ、
「遠野先輩のご両親がいます」
「……っ、……しかし……既に警察が……」
遠野先輩は養子、両親もただの養い親だ。
悲しみの湖へ沈もうとも――それが親の役目だ。
「警察は事件の概要を伝えるだけです。具体的に何があったのか、アナタにしか語れない。先ず、お2人に会ってあげて下さい」
「……私になど……会ってもらえるか……」
それに事件直後はショックもあり、話が十分に伝わっていないかもしれない。
だから、甲田医師に無い発想だったらしく、急にオドオドし出した。
弱気な態度を見て尚の事、彼らは会わせるべきと勘が働く。甲田医師はこのまま、どこかへ消え去るつもりだったのではないかと疑う程、儚い。
「会ってもらえないなら、会えるまで、会いに行けばよいのです。そして、出来る事なら……お2人を助けてあげてください」
「……っ」
動機が何であれ、遠野先輩は4人を殺した。未成年者故、報道規制はかかる。だが、世間へ知れ渡るのは時間の問題。彼の両親は『加害者の身内』として、誹りを受けるのだ。
自分が彼らを助けるには、厄介な事情を抱えすぎている。もしかしたら、
「……分かりました」
ひと呼吸おき、甲田医師は告げる。手術台へ立ち向かう執刀医の如く、確固たる意思を持っていた。
糸目に薄らと不安が見え隠れするが、彼は決して逃げないだろう。
「白神さん、甲田さんを送り届けてください」
「それは構いませんが、金田君は……」
白神を振り返り、甲田医師を託す。自宅まで付き添うか、遠野先輩の家を目指す選択もある。寧ろ、そうなればと期待した。
「自分には、可愛い後輩がいますので」
「そうでしたね。行きましょう、甲田さん」
「え……はい」
物陰へ隠れたハンディカムの存在を教える。白神はクスリッと笑いながら、すぐに納得して歩き出す。彼に促されるまま、甲田医師は会釈してくれた。
話す前と違い、勇ましくなった甲田医師の歩き方に迷いはない。それを見送りながら、
(遠野先輩が……
〝代わり〟とするには最適の相手との出会い。しかし、甲田医師が血に伏せる姿は想像出来ず、心も踊らない。彼は違うと思った。
一難去ってまた一難。
後輩との時間を堪能し、金田家へ帰宅した直前。廊下の電話が鳴り響き、途轍もなく嫌な予感がする。
これ幸いと自室へ行き、バイトの支度に取り掛かる。彼が電話に気を取られている間、さっさと出掛けようとしたが、無様に捕まった。
「七瀬さんからの電話やったで。『オペラ座館』でまた事件に遭うたと。幸いと言うたらアカンけど、
「……事件」
一瞬、寒気が走る。歌島に季節外れの吹雪が舞い込み、
しかし、金田祖父の間延びした口調から、犠牲者は本当に赤の他人と予想できた。
胸を撫で下ろし、亡くなった名の知らぬ方へ一瞬の黙祷を捧げた。
「七瀬さん達、無事なのですね」
「ああ、事情聴取も終わったらしいわ。親御さんも迎えに来てくれて、これから東京戻る言うてたで」
迎えに来た保護者と聞き、七瀬の両親のみと察す。
「ニュースになる前に、緒方先生と
「――僕は今、忙しいので――」
金田祖父にさて本題と言わんばかりの態度を示され、
どうせ、ここへ帰って来る――信頼に満ちた眼差しを背に受けた。
昼ピークの真っ只中、
「金田ぁ、話がある!!」
肩で息を切らし、頬に髪をベタ付かせた形相は鬼気迫っている。彼の表情はカツラに隠れた自分自身そのもの。初来店の友達へ恐怖したのは、初めてだ。
(!? 本名で呼ぶなあ!!)
「あれえ?
「有森……ぜえぜえ、金田は? ここでバイトしてるって……」
「ワリィ、見ての通りに忙しくてよ。まだ1時間以上はこの状態、明日にしてくんね?」
「じゃあ、待つわ……ぜえぜえ」
有森は決して、
「あら~♪ 可愛いお店じゃない、有森君。すみません、2人です」
「――いらっしゃいませ、順番にお呼びし致します――」
オマケの七瀬は店内に興味津々、
「小渕沢さん! ここに居て、平気なんですか? プロダクション、今……大変な時期なんじゃあ……」
「ええ、まあ。ですが、社長から役立たずの烙印を押され、とっとと出て行けと言われました」
「うわあぁ……あの社長らしいわ~」
順番の回った2人は相席となった
「お客様~、当店オススメのカレーライスはいがが~?」
「……店長……俺のツケで、注文ひとつ」
営業スマイルでイライラした店長はとっても、恐ろしい。有森も流石に申し訳ないと感じ、
「はじめちゃん、もっと落ち着いて食べなさいよ。みっともない」
「美雪の分も取り分けてんだろ、食べ方にケチ付けんなって」
一皿を分け合う高校生はどう見ても、イチャイチャカップル。独り者の店長は般若の笑顔になった。
ピークを過ぎ、
エプロンとカツラを脱ぎ、裏口へ回る。疲労も重なり、
「金田君、ひょっとして……今日はお休みだった? 急いで来たみたいに見えるけど……」
「お、お構いなく……七瀬さん」
七瀬から詫びるような視線を向け、
「
「金田、演劇部に入部しろよ」
「? ……はじめちゃん?」
ミートソースに気を取られ、
「辞めちまいたいって、お前の意思は尊重する。退部を取り消せとは言わない。だから、
笑顔のない
普段見せるお調子者、偶に見せる名探偵の顔、隠された義理人情に厚い一面。
どれとも違う。
これが彼の素顔か、そう思わせる。
そして、朝方に甲田医師が感じたであろう戸惑いを味わい、瞑想した。
――後戻りできないなら、もう一度始めよう。
とても単純で、当たり前な理屈。何故だろうか、今は素直に頷きたくなった。
否、もう頷いた。
きっと後輩達のように、
「しょうがありませんねえ、ハジメちゃんに乗せられて上げますよ」
「! ……へへ、金田は乗っても損ねえだろ」
「……っ」
ハッとした
即席で入部届を書き上げ、ペンと一緒に七瀬へ手渡した。
「明日からの新入部員です。七瀬さん、宜しくお願い致します」
「……ええ、こちらこそ?」
もっと喜んでくれてもいいのだが、七瀬は腑に落ちない表情で雑な入部届を眺めた。入部を拒んでいないが、彼女の複雑な心境は見て取れた。
「美雪、どうしたよ? 金田がまた入部するって言ってんじゃん♪」
「……っ、……はじめちゃんの分からず屋っ」
(帰ったら、台本を……読まないと……あ!)
「七瀬さん、『オペラ座館』の話ですが……皆さんに怪我はないと聞きました。日高さん、ご様子はいかがだったでしょうか?」
「……! ……織江ちゃんは大丈夫よ。もう大丈夫になったわ、ありがとう」
答えてもらえないのを覚悟し、日高の状態を問う。七瀬の表情が綻んだ為、本当に問題ないのだろう。
「金田……日高と連絡、取ってんのか?」
「いいえ、ただ……日高さんはもう一度『オペラ座館』へ行きました。素直に、尊敬します」
日高のした事を自分はきっと、許さない。
だが、この想いは伝えない。教えてやらない。一生の間に再会しようとも、桐生の死について語り合わない。きっと、お互いにそうする。
「……織江ちゃん、金田君はどうして来なかったの? って言ってたよ」
「行けませんよ。自分はっ」
「それよりさ、純矢も来てたぜ。間久部さんに弟子入りするとかなんとか……」
感傷に浸っていた七瀬と
愛する
「ハジメちゃん、なんで……自分を呼んでくれなかったのですか?」
「金田、てめえで断ったんだろ?」
恨みがましく、
「うっそ……金田君、間久部さんのファンなの? 来れば良かったのに、残念ね」
「……うう」
「美雪、余計な事……言うなって」
七瀬のひと言がグサッと刺さり、
野郎にもたれかかれ、彼は戸惑いながらも背中を撫でてくれたのだった。
佐伯「佐伯 涼子です。この子達……診察しなくて大丈夫なの? ちゃんと、かかりつけ医はいるのかしら? 刑事さん、ケアが足りないんじゃなくて? とても心配だわ。さて、次回は『殺意の四重奏を聴いてみたかった』!! 刑事さん、ケアってそういう意味ではなくてですね……」
間久部 青次
高名な画家、黒沢オーナーの友人。重度のアレルギー体質の為、人の接触を避ける孤独な人生に辟易していた。美歌の存在に心救われ、その感動を絵に認めた
能条のコトも、事情があって悪ぶっていると見抜いていた唯一の人物
劇場版にて事件後は『遊民蜂起』に入ったっぽい描写がある
作中にて、純矢の弟子入りを認める。歌島も売りに出される為、お引越し
片倉 猟介
高遠少年の事件簿ゲストキャラ。作中にて、『流森奇術会』所属のマジシャン
小渕沢 英成
この姿では……速水玲香誘拐殺人事件ゲストキャラ