金田少年の生徒会日誌 作:珍明
かつて、
各々の思惑が別々に働き、禍々しい
将来有望とは言え、明智警視は当時まだ高校生。人死を目の当たりにして、真相へ立ち向かう様子は冷静過ぎる。
偶然に居合わせた
(……殺意の不協和音)
ドイツオペラの傑作に見立て、『魔弾』が如く演奏に悪魔を宿らせる。それも、犯人は演奏者を律するはずの指揮者。出来過ぎた展開は思った以上に、
話が進む度に、その場に居たかったと悔やむ。そんな自分に驚いていた。
「残った3人はあれ程、固執していたアメリカ留学を全員、辞退しました。音楽家の道も捨て、別の仕事に就き、今に至るワケです」
「仲間の帰りを……待つ為に」
回想終了と言わんばかりに明智警視は腕を組み、
ハジメは沈黙を以て、敬意を見せていた。
「……今日は、その人が帰ってくる日……なのですね」
「そういう事、だな……」
「明智さん、木戸教授とはご挨拶しましたが……椎名教授はどう……なったのですか?」
「……さあ? 事件の後に、大学から姿を消してしまったそうですよ。木戸教授も話題に出しませんし、きっと健やかにお過ごしでしょう」
明智警視が興味なさげに答えた瞬間、観客席のライトが落とされる。
開幕だ。
ステージへ上がる楽団員に拍手喝采。ビオラの城はコンサートマスターとして一歩、前へ出る。外で会った時よりも、興奮を帯びた様子だ。
「皆さん、こんにちは。コンサートマスターの城です。ご来場いただき、ありがとうございます。本日、ご紹介するのは私達の学友である名指揮者……石山 征爾君です。盛大なる拍手を!」
城の紹介に合わせ、
虫も殺さぬ顔をして、悪魔の囁きに耳を貸してしまった。
罪への後悔と償いを終え、彼は指揮台に立つ。その背は感激に打ち震えたのは一瞬、タクトは演奏の為に振るわれた。
――曲目、ウェーバー歌劇『魔弾の射手』
プロではない。たったそれだけの素晴らしき
尊敬に値する。
何気なく、隣に居る明智警視を見やる。
背もたれへ身を預け、満足そうにウットリしている。彼が心から、楽しんでいる姿はとても貴重。
「本当だな……全然、違う」
ハジメもちゃんと最後まで聴き、皆と一緒に楽団員へ感動の拍手を送る。もう彼にとっても、「たかが、素人コンサート」ではなくなったらしい。彼にも良い影響だった。
「ここでもう1人、ゲストを紹介します。明智 健吾君です!」
「!?」
城の声は高らかに響き渡り、明智警視もビックリ仰天。彼にもサプライズな演出に
観客席では既に歓迎の拍手が湧き起こり、どう考えても引くに引けない状況だ。
「明智君、一緒に弾こうよ」
「キミも演奏してくれ」
「ちゃんとキミの分もヴァイオリンも用意してあるんだ!」
「し、しかし……」
ハープの
「イ~ジャン、アンタらは仲間なんだしよ! ほら、遠慮せず」
「……そうですね、久しぶりに弾いてみますか……」
ハジメに愛嬌良く後押しされ、明智警視は満更でもない表情を見せる。それが、彼の精一杯の照れ隠しなのだろう。
ヴァイオリンは即興であるにも関わらず、素晴らしい旋律が耳を打つ。さながら、何時間も練習に励んだと変わらぬ。
明智警視もまた音楽家の道を諦めたと言われれば、納得の腕前だ。
(心に響く調和音って、コレかあ……)
メロディーが細胞ひとつひとつに届く。
10年前、城が石山と約束した演奏は叶った。事情を知らぬ者も虜にし、待ち続けた
明智警視のいなくなった空席から、人の気配を感じる。かつての同級生が座わり、一緒に聴いている気がした。そうであれば、良い。
――されど不協和音が二度と聴けぬ今を、残念に思う。
名残惜しくも演奏は終わり、観客席も明るく照らされる。明智警視は彼らと共にステージの裏へ消えて行った。どうやら、そのまま楽屋へ向かうつもりだ。
「ハジメちゃん、七瀬さん。帰りましょう」
「おん? 良いのか、明智サンを待たなくて」
「馬鹿ね、はじめちゃん。明智さんはこれから、昔話に花を咲かせるのよ。あたし達がいたら、刑事のままじゃない。今日くらいは「明智君」に戻ってもらいましょう」
ハジメが意外そうに聞き返したが、流石は七瀬だ。
「ウフフ♪ 金田君と音楽鑑賞できるなんて、はじめちゃんのお陰ね。こうなるなら、勘違いも悪くないわ」
「いやあ~……明智さんの性格なら、金田を誘う口実にしただけじゃねえの?」
嬉しそうな2人の発言を聞き、
「ハジメちゃん、どうして……明智さんへ地区大会の話をされたのですか? 何か事件の調書を取っていたのでしょう?」
「あ~……何だったかな、忘れちまった」
尋ねた拍子にハジメは普段のお調子者へ変わり、はぐらかされた。外へ向かう人の波に飲まれ、一瞬だけ彼と逸れた。
「はじめちゃん、明智さんにお願いしてたの。金田君は地区大会に専念させたいから、出来るだけ聞かないで欲しいってね」
「……あの不審者の件、ですか?」
七瀬はそっと耳打ちし、ハジメの本音を代わりに囁く。驚きながら、
明智警視は必要ならば、相手が誰であろうと事情聴取する。それはどの警察も同じだ。
だから、不必要のままでいられる様に他の人へ聞き込んだ。
今日と言う大切な日を控え、落ち着かない心境だったかもしれない。それなのに、一介の高校生を思いやってくれた。
感服のあまりに心臓が跳ね、満ち足りた感覚に口元が緩む。
「美雪~、金田~、こっちこっち~! 優歌さんもいたぞお」
「七瀬さんも一緒だったのね」
「優歌さんに夏岡さん! 会えて、嬉しい~♪」
正面入口を通るしかないが、これだけの大人数。ハジメの声量が無ければ、見逃していた。
「こんにちは、七瀬さんに
「夏岡さん、大丈夫っスか? お邪魔虫に見つかった~みたいな面して……逃げんな、金田」
「ハジメちゃん、逃げていません。すぐに服を掴まないでください」
反対に
一先ず、公共駐車場へ向かうしかない。
ハジメ達は夏岡の車に乗せてもらい、不動山市へ送ってもらえる。電車賃が浮いたと感謝する高校生2人へ共感する中、
「御堂さん、祖母は基本的に家で過ごします。例え留守だとして、祖父が居ます。いつでも、遊びに来てください。大叔父さんも一緒に……」
「! そうね、また椿を連れて行くわ」
金田祖母は妙に御堂嬢を避けるが、訪問を無下にはしない。警察に呼ばれる日が何度も続き、表情には出さずとも、気は滅入っている。
純粋に、会いたがってくれるだけの少女との会話も必要だ。
「え♪ 金田君……もしかして、優歌さんと?」
「いえ……」
「違います」
頬を赤らめた七瀬に何やら勘違いされ、イラッとする。
思わず、高校生陣は怯んだ。
「あたしも今度、遊びに行くね。『魔弾の射手』、金田君のピアノで聴かせてよ」
「どうしましょうねえ……」
「俺に任せろ、美雪! クラシックな楽器のひとつやふたつ……」
「ほお、では……僕が指導しましょう。遠慮は要りませんよ、
七瀬は社交辞令どころか、今からでも来る気満々の気配。
流石のお調子者も汗だくになり、小声で「遠慮します……」と断った。
愉快な時間を終え、
早くピアノに触れたかったが、玄関は来客を伝える。靴のサイズやデザインから、若い女性……少女、同級生を連想した。
「金田君、お帰り♪」
「……秋絵さん、いらっしゃいませ……」
該当者を出す前に居間から、
「今日はどうされましたか? 生徒会に何か、問題でも……」
「阿呆、
「あなた、煩い。
要件を聞こうとしただけなのに、金田祖父母が煩い。
卓袱台に並べられた食事は金田祖母の手料理、今日の昼当番は金田祖父だった気がする。記憶違いだと思い込んだ。
腹の音が本当に小さく鳴り、さっと秋絵の隣へ座らされた。年寄りは何故、こんな時だけ力が強いのだろうか、つくづく疑問だ。
仏壇の前に供えられた一輪挿し、純白よりも白くて、艶やか。その隣に蝉の置物がひとつ、添えられている。
異なる分野の芸術家が齎した素晴らしき構図。
今日は、そういう日らしい。
「時雨さんが……焼いて下さったのですね」
「うん、時雨も今までで一番、良い出来だって……フフフ」
「ところで常盤さんの蝉が何故、ここに?」
「蝉は瑠璃子ちゃんからよ。金田君に持ってて欲しいって……あたし、「って」ばっかり言ってる」
秋絵と談笑している間に、そっと自分の分も食事が並べられる。早すぎる為、金田祖母は
「秋絵さん、荒木君の新刊を読みましたか? ベストセラーになられたそうです」
「わあ、素敵ね。金田君、タイトル教えて。買いに行くから」
「お貸ししますよ、自分は読み終えましたので」
「本当? あ~……やっぱり、買うわ。ありがとう」
卓袱台を囲んだ食事はお互いの距離が近くて、秋絵の声がとても近い。学校にいる時よりも、彼女との会話は弾んでいる。始終、金田祖父の視線が縁談爺みたいに垂れ下がり、煩かった。
「朝木さん、お時間ありましたら……
「え?」
「はい、聞きます。金田君のピアノ、先月のコンクール以来です」
食器を片付けようとすれば、金田祖母の勝手な提案。
「ほれ、
「……秋絵さん、こちらです」
目を爛々に輝かせた金田祖父が鬱陶しい程に笑顔を見せ、
「わあ……! すご~い、音楽室みたい……。いつも、こんな環境で練習してるのね」
「自分も気に入っています」
アップライトピアノとオルガンが並んだ部屋の防音構造を目にし、秋絵は何時ぞやの七瀬と同じ反応。
本当に気分が良くて、指が鍵盤を弾きたくてウズウズする。
「秋絵さん、自分……今は『魔弾の射手』を弾きたいのです。聴いて頂けますか?」
「!? ええ、勿論」
秋絵の快諾を得て、
石山が振るうタクトに従い、指を動かす。鍵盤に触れる度、心地良く音が弾けた。
序曲を弾き終えただけで、満足感。曲へ込めた熱量が、頬に汗を流させた。
「凄い……何だろう、コンクールの『悪魔組曲』とも違う。素の金田君を見た気がする……」
「ありがとうございます。素敵な感想です」
手を合わせ、秋絵はほおっと感嘆を漏らす。拍手が出来ぬ程、彼女を感動させられた。そんな手応えを感じ、
秋絵のリクエスト曲を弾いたりしたが、『魔弾の射手』程の感覚は得られなかった。コンサートの興奮が齎しただけでは、上手くなったとは言えない。
もっとピアノの腕を上達させねば、そう思った。
程なくして、秋絵は玄関に立つ。夕飯の買い出しがあるそうだ。
「また、いらっしゃ~い。いつでも歓迎しまっせ~♪」
「
金田祖父のテンションが妙に高い。昼間から酒を飲んでいるかと思ったが、金田祖母は許さないだろう。純粋に秋絵と話せて、嬉しかったのだと思い直した。
「そんな、あたしは大丈夫です。道、覚えました」
「秋絵さん、送りますよ。もう少しだけ、話しましょう」
遠慮する秋絵と共に、滑らかな坂道を下る。
「面白いご夫婦ね、堅実なお婆ちゃんと自由奔放なお爺ちゃん。あんな風に歳を取っていけたら、素敵だろうなあ」
「秋絵さんなら、成れますよ。ウチの祖父母よりも、皆に愛されるお婆ちゃんに」
「……フフフ、今日の金田君……凄く饒舌……。あたしを褒めても、何も出ないよ♪」
「そうですか? 自分、いつも喋りっぱなしですよ」
何気ない雑談を交わしながら、頬に涼しい風が当たる。少しヒンヤリした感触が肌寒く、同級生の名にも入った秋だ。
最寄り駅のアスファルトがひび割れた隙間から、小さな向日葵が必死に花咲かせる。これを見れば、まだ残暑な気もしてくる。
「秋絵さん、本当にありがとうございます。焼き物もそうですが、アナタに会えて……祖父母も喜んでくれました」
「ううん、ちっとも。あたし、金田君の家に来たかったの。何か理由が無いと失礼かなって、焼き物を口実にしたんだ。美雪ちゃんと
「ハジメちゃんのお皿……宅配便で送れたのですが……」
「そう、送れたの!」
挨拶と感謝を述べ、ハジメの作った大皿が話題に上がる。今日の彼女みたいに、
改札口まで見送り、手を振った秋絵と別れた。彼女とは、無事に明日も会える。
「良かった……元気になってくれて」
秋絵は安堵の息を吐き、呟く。到着した電車の停車音により掻き消され、
家に帰った後、朗らかな金田祖父の面白がる声はとても煩い。
「なあ、
「は?」
「トボけんなや~、お前が姉以外の名を呼ぶらあて、よ~っぽど好いとるんやろ?」
「……いえ、朝木さんの家にいたら……紛らわしいので、名前で……」
完全に勘違いした金田祖父から、肩をバンバン叩かれる。話も聞いてくれず、地味に痛い。どうやら、ロマンスを期待させてしまったらしい。
「あなた、お風呂の前に温まります?」
「それ、火傷しますや~ん……」
無表情の金田祖母が沸騰したばかりのヤカンを指差し、金田祖父の肌が粟立っていた。
「ちょっと早いですが、お風呂……洗います」
「そう?
浴槽を泡立たせながら、冷静に考えが纏まっていく。
〝自分の気持ちに気付いて、それを誰かに話すと良い〟
〝どうか、私達教師に相談して頂戴。1人で解決しようとするよりはマシなはずだから……〟
城との会話から触発され、
自分の感情はもう、知った。
聞いてもらうべき相手、聞いてもらいたい相手。
それはただ1人しか、いない。
○●……――明智 健吾は仲間と過ごし、心は少年時代に戻っていた。
木戸教授が予約してくれた音楽スタジオへ赴き、誰かのリクエスト曲を躊躇わずに演奏し続ける。
練習していないにも関わらず、見事に調和された旋律。石山 征爾のタクトが個々の技術を纏め、魅力を最大限に引き出しているからだ。
「石山君、『悪魔組曲』……いける?」
「……ああ、これかあ……やってみるよ。吉野さん」
吉野 音美に手書きの楽譜を見せられ、石山は悩んだ末へ挑戦する。7月に公開されたばかりの名曲故、誰もが難儀した。
「流石だな、明智。こんな難しい曲も、こなしてしまうとは……」
「皆さんがいたからですよ。……私1人では、恥晒しもいいとこです」
赤堤 響介達に称賛の眼差しを受けたが、明智は本音を打ち明ける。自分は偶々、この曲を間近に聴いた為、リズムに乗れただけだ。たったそれだけで、ヴァイオリンを持つ手が攣りそうだった。
以前、『悪魔組曲』を弾きこなしたヴァイオリニストの素晴らしさ、改めて実感した。
「明智君と一緒だった子、ピアノで演奏したのよね。是非、音芸大に入って欲しいわ」
「音野さんも彼をご存知なんですね」
「そりゃあ、御堂 修一郎の遺作だ。演劇コンクールで使うなんて、よく使用許可が下りたもんだよ。
フフッと音野は微笑み、明智の連れを思い返す。高校演劇コンクールに感心した赤堤から、さらりと語られた事実。うっかりと聞き逃しそうになった。
「皆さん、北海道の死骨ヶ原へ……行ったんですか?」
「僕は生憎、行ってない……」
「都合が付くメンバーだけで、行って来たぜ。あの坊や、学ラン着てて……雰囲気もあってさ。最初観た時、タイムトラベラーかと思ったよ」
あくまでも、明智は興味本位であるように問いかける。決して、事情聴取ではない。
石山は頭を振るい、
「次、バッハの『運命』でいこう!」
城の号令で演奏に集中する羽目になり、明智は一先ず、頭の片隅に情報を追いやった。
別れの時間まで音楽を堪能し、解散。誰もが社会人、明日は日常へ帰るのだ。
「木戸教授、お元気で」
「ああ、またね」
城 晋一郎達と木戸教授がタクシーに乗るのを見届け、次の再会を約束した。言葉を交わすよりも、音楽を聴かせ合うばかりだったが、明智は満足した心地だ。
そして、スタスタと歩きながら、刑事の思考へ切り替える。スーツの内ポケットにある携帯電話へ手を伸ばそうとした。
「明智、少し時間……良いかな?」
「城さん。はい、勿論です」
城に呼び止められ、迷わずに足を止める。連れて行かれた先はカラオケボックス、他の仲間はいない為、歌を目的にしていない。どうやら、内密の話があるらしい。
「金田君の話なんだが、気を付けてやって欲しい」
「……城さん、順番に確認します。金田君とは死骨ヶ原湿原ホテルで会った……そうですね。そこで何を見たんですか?」
いつも、城は丁寧に説明してくれる。明智は頭の回転が速い方だと自負しているが、端折り過ぎだ。
「すまない、明智。お前が金田君と知り合いで、安心したんだよ。もう分かってるだろ? 彼は……いずれ、
猛省した城は深呼吸し、深刻に言葉を選んで、告げる。
一瞬、時が止まった。
他のボックスから聞こえる耳障りな歌さえ、遮断されたような錯覚に襲われた。
驚きよりも納得であり、それに城が気付いた点も意外ではなかった。寧ろ、彼だからこそ、高校生の抱えた吹雪を見抜いたのだろう。
「そうは、させません。決して」
明智は心から、宣言した。刑事ではなく、たった1人の人間として、誓った。やっと城の緊張は解けた様に見え、こちらも安心した。
「ありがとう……明智。と言うのも、彼はソレに気付いてなかったんだ。だから、私は教えた。そうしないと何かの拍子に、悪魔が囁く。……正直、余計だったかもしれないと思っていたよ」
「まさか、金田君は城さんと向き合っていました。彼は……気まずいと感じた相手からは、逃げようとします。内面を見抜き、教えてくれたアナタに対し、敬意を持っている。私にはそう、見えました」
城は頭を下げ、詫びた。彼の指摘がキッカケになり、新たな惨劇を生む。そんな不安を抱いていたのだろう。明智は寧ろ、惨劇までの引き延ばしになったと思う。
今日の様子から、そう断言できる。
「しかし、高校生が1人で北海道をウロウロしていて、誰も疑問に思わなかったんですか? 東京の人間と分かった時点で、ちゃんと通報なり、然るべき機関へ相談をしてください」
「うん? 金田君は1人じゃなかったよ。保護者と一緒だった……「ウリュウ先生」って呼んでたから、学校の先生か、何かだと思うな」
一応、刑事として注意しておけば、またもやとんでもない事実が発覚する。
「まあ、サボりだったのは明白だよ。金田君、「サヤマ」って偽名を使ってたんだ。「ウリュウ先生」からも、そう呼ばれていたね」
サボりどころか、彼は家出騒動を起こしていたのだ。何だか、城はわざと言っている気がしてきた。
「……分かりました。貴重な情報をありがとうございます」
「……明智、金田君は高校生だ。ちょっと……手加減してやれ」
明智はあらゆる感情を笑顔に込め、城へ感謝を告げる。彼は何故か、この会話を悔やんでいた。きっと気のせいだろう。
城と別れた後、速攻で顔見知りの道警へ連絡。死骨ヶ原湿原ホテルへパシらせ……急行してもらい、支配人に聞き込み捜査させたのは言うまでもない。
――それにより、警察は
剣持「剣持だ。アニメ版では俺も行ってたのになあ……行きたかったぜ、チクショウ。愚痴はここまでにして、残間さんから教えてもらった狭山 恭次の身元を確認しねえと。都内の大学で法学部……おっとその前に……さて、次回は『2分の1の証明-はじめ』!! どうした、正野。……空港警察から伝達?」
石山 征爾
被害者の元恋人、悪魔の囁きに耳を傾けた
吉野 音美
石山が悪魔に囁かれる原因となった『棘付きの薔薇』を送った
赤堤 響介
被害者を転ばせる目的で、椅子に切れ目を入れた。足を捻挫させるに至った
谷村
交通事故により右腕を骨折し、事件当日は不参加。10年後の「現在」も一緒に活動していると思う