金田少年の生徒会日誌 作:珍明
寝坊して遅刻ギリギリ、3馬鹿……3人トリオと特番の内容に大盛り上がり、宿題を忘れてノモツァンに怒られ、
勿論、怒った美雪にも「弁当泥棒」と怒鳴り散らされる。大人げないと言い返したら、更に彼女のご機嫌を損ねた。
昼休み中、通学鞄とポケットを探る。なけなしの小銭はホームベーカリー・オオカワへ行けば、一番安いパンは買える金額だ。絶対、昼飯としても足りないが渋々と靴箱へ向かう。
「ハジメちゃん、お昼を一緒にしませんか? お弁当、貴方の分もあります」
「ワ~イ、食べる~♪
その途中、
「美雪、それ俺の弁当!」
「あたしのお弁当を食べた分、これでチャラね!
「祖母です。七瀬さんのお口にも、合うと思いますよ」
取り返そうともがいたが、美雪も負けじと弁当包みを死守する。2人のみみっちい攻防に巻き込まれても、
結局、はじめの昼飯は惜しくも、美雪に奪われる。涙ながらに屋上よりも高い、塔屋へ登った。
「はい、ハジメちゃん。貴方専用デザート、おにぎりです」
「
同伴した
「ハジメちゃん、食べましたね?」
「……え、何? なんかの罠?」
「実は折り入って、お願いがあります」
自分でも分かる程、恐怖に震えた声は上擦ってしまう。
構わず、
「地区大会が終わったら、自分の話を聞いて下さい」
「……どゆ事? 今すぐOKだぜ?」
はじめは頼まれれば、いつだって話を聞く。昼だろうが、夜だろうが、深夜だろうが、寝ていようが、何だったら、授業中であろうと。
「端的に言えば、横浜の話になります」
脳髄の奥に言葉が届いた瞬間、遂に来たと思う。思いながら、その言葉を待ち望んでいた自分に気付いた。
この淡い想いに名を付けるならば、光栄と言うのだろう。
「北海道の話もします。函館へ行く前、死骨ヶ原湿原ホテルにも行きました」
「え!?」
「沖縄の話もあります。波照間島へ行った時、高遠さんに会いました」
「は!?」
はじめが感じ入る隙も無く、
と言うか、知らない情報もあった。はじめは聞きたくない名に思わず、顔を顰めた。
「甲田さんと、お話しました。その話もしたいです」
彼は真実を知った。それでも、話す相手に自分を選んだ。だから、しっかりと返事をしよう。
「分かった、待ってるぜ。
「はい、待っててください。ハジメちゃん」
はじめが真摯に答えれば、緊張の解れた
「一応、聞いとくけど……なんで、地区大会の後?」
「部活に専念したのです」
即答された。
あまりにも、意外な理由。呆気に取られて、おにぎりを落としかける。しかし、前例を思い出す。軽井沢の『邪宗館』だ。
「今、ハジメちゃんに聞いて頂くと、稽古に集中出来ません。来年の夏が、かかっています」
「話してスッキリ~とかには、ならない?」
「なりません。自分はどうにも聞かせるんじゃなかった……と、思考が行き着いてしまうのです。それにどれだけお話が長くなるか、見当もつきません」
「あ~そっか、
真剣に答えながら、
話さないでいる状態こそ、稽古に支障を出さない。演劇部に入部しろと勧めた身としては、その意思を尊重したい。改めて、待とうと思う。
「ハジメちゃん、明智さんには内緒ですよ。剣持さんにも」
「……オッサン達に、言わねえつもりなの?」
「心配させているのは重々、承知しています。でも、明智さんは待ってくれません。洗い浚い話すまで、解放してくれないでしょう」
「あり得る……」
はじめはつい先日、とある逃亡犯と出くわしてしまった。
〝金田一君、お友達は大切にしてくださいね。
わざわざプリペイド携帯で接触し、その姿を晒された時は怒り心頭。奴は人気アイドル誘拐殺人の真の首謀者だった。口振りから、
あっと言う間にいなくなり、エリート警視へ即通報。緊迫した事情聴取の次いでに、何故か長野のバルト城へ誘われた。
何の事だと思いきや、美雪が行きたがったミステリーナイト。演劇部の地区大会と日程が被る為、諦めたヤツだ。
申し込み日はとっくに過ぎているが、明智警視は事前に、人の分を勝手に申し込んでいた。しかも、彼と話した後を見計らったかのように、招待状も届く。
主催者『Mr.レッドラム』、恐るべし。
再びの長野はご勘弁。ボイコットしてやろうかと思ったが、仕方ない。嫌味な明智警視を打ち負かし、推理合戦に勝利してやろう。
以上の事を考えながら、おにぎりを食い終わった。
「ゴッソサン♪ そう言や、
「祖父が30代の頃なら……とだけ、言っておきます」
TVの話題を振れば、
はじめの心情などお構いなし、学校行事は続く。
最も重要にして高校最大のイベント、修学旅行。参加承諾書の提出である。
「真冬に沖縄、最高じゃね?」
「夏にバイトした甲斐、あったぜ」
「女子は水着、忘れんなよ♪」
いつもの3人を中心に男子は女子の水着を勝手に想像し、盛り上がる。はじめも勿論、その1人だ。
「キンダニ、こっち見んな」
「へえ、来る気なんだ。金田一君」
「冴子ちゃん、太田さん……お小遣いはどれくらい、持ってく?」
厳しい目付きの
しかし、この修学旅行。はじめの調査によれば、意外と不参加者が多い。
「有森、行かねえの?」
「俺さ、クラスメイトと反り合わねえんだわ。お互いに気を遣ってまで、行く必要ないもんな」
「千家も行かないワケ?」
「まだ検討中、俺としては残って勉強に励みたい……かな」
医療の知識に乏しくても、違和感を覚える。一緒に行けぬ寂しさはあるものの、千家の思うままに過ごして欲しいと願う。
「相田……も留守番組?」
「うん、あたし……転校して来たばっかだしさ。仲良しグループに入れてもらうって言うのも、違うし。沖縄って結構、
転校生にして、ミス研の新入部員・
「ええ? 陣馬のクラス、半分以上も行かない。そんなのアリ!? 修学旅行だぞ!」
「運動部の連中はしょっちゅう、遠征とかで合宿してっからな。E組の白石も行かねんだとよ。なあ、岡崎」
「俺達は行くけど……学科が違うから、バラバラだな。そっちは沖縄かあ、良いなあ。こっちは長野のスキー場だぜ」
「金田一♪ 誰が行くか~なんて、気にするのは赤点を取れなくなってからにしたまえっ」
「! 朝基、それは……ゴミ箱に捨てたはずの俺の小テスト! 返せよ!!」
クラスメイト・
腹立つからかい方をされて、朝基を追い回す。ノモツァンに捕まり、理不尽な説教を受けた。週末の再テストは流石に点数を上げ、彼のご機嫌を取らねばならない。
――にも関わらず、はじめは今、横浜ブランカホテルに立つ。
神奈川県警の
最初、はじめは勉学を言い訳に断ろうとした。だが、彼女はある不確定情報を伝え、是が非でも、この事件を早期解決させなければならなくなったのだ。
「わあ……床も天井もピカピカ、素敵……」
「この生け花、面白いデスネ」
「それは夢月流の生け花よ、オーナーがファンなの」
高級感溢れるフロントに入った瞬間、美雪と不動中学生・
「美雪はともかく……なんで、2号まで来んだよ。遊びじゃねんだぞ」
「金田一センパイの活躍が見られるなんて、死骨ヶ原以来じゃないデスカ♪」
佐木2号にハンディカムを向けられ、嫌な事件を思い返す。彼のビデオは証拠検分に助かったが、必要以上にレンズを向けないで欲しい。
麗しき茅警部はそれを微笑ましく見守った後、すっと刑事の目付きになる。傍から見れば、気付かない程の僅かな変化だ。
「被害者はアナタもよく知る人よ」
そう告げられ、案内された26階に金髪碧眼の少年が待ち受けていた。一目見た瞬間、記憶にある人物リストがピックアップされ、ひとつの名が即座に浮かんだ。
「ええ!? クリス!?」
「うっそ、クリス君!?」
「げえ、金田一!? 嫌な予感してたけど……やっぱり、アンタかよ」
クリス・アインシュタイン。
悲報島で起こった殺人事件を生き延びた当事者、去年の夏以来の再会だ。たった1年だけで背は伸び、幼かった顔立ちはちょっとだけ、大人びて見えた。
腕には包帯が巻かれている。不安そうにイラつく様子から、彼が被害者だろう。
「センパイ、外国人の方ともお知り合いなんですネ」
「彼はクリス君と言って、茅警部と同じ事件に居たの」
佐木2号と美雪が話し出し、はじめは茅警部にそっと誘導される。廊下の奥、非常階段……犯行現場へ連れて来られた。まだ鑑識の調査中である為、扉から見下ろすだけだ。
クリスの血痕がコンクリートの階段へ向かい、落ちていた。
犯行時間は深夜2時、容疑者は双子の
ここで面倒な事実、クリスが襲われた2615号室は元々、桐沢家元の泊まっていた部屋だった。
それを部屋へ招かれていたクリスがうっかり眠り込んでしまい、桐沢家元は婚約者・
「どちらがやったにせよ……親である私の責任、どうかご容赦を……」
「容赦と言われても……」
「クリスのご両親は犯人が名乗り出てない限り、示談交渉に応じないそうよ。すぐに日本へ来られるから、それまでに……ね」
桐沢家元は土下座する勢いだったが、茅警部が手振りで止めさせた。妙に歯切れの悪い言い方から、彼女は別の問題も危惧している。
「クリス君、怪我は大丈夫なの? 辛そうに見えるけど、病院へ行かなくて……」
「痛いに決まってるだろ。でも、じっとなんてしていられないよ。僕が自分で犯人を捕まえるんだ」
美雪の怪我する気持ちを無下に扱い、クリスは益々、イライラを募らせた。
「じゃないと、ニイミがホテルに戻ってくれないっ」
「!?
うっかり聞き逃しそうに成程、クリスはか細い声で呟く。はじめは彼が情報源だと分かり、茅警部を意識した。
「ニイミ?」
「僕のナニーだ。……言っとくが襲われた時は彼女、ホテルに居なかったんだ。警察が嫌いだからね、彼女。こんな状況をどっかから見て、電話だけ寄こした薄情な人さ」
佐木2号の質問にクリスは深いため息、物凄く慣れた対応。警察が絡むと姿を消すのが、日常茶飯事に聞こえる。
「ニイミが……ナニー? ニックネームか?」
「違うわよ、はじめちゃん。アメリカではシッターさんを「Nanny」って呼ぶの」
美雪に説明され、はじめは怪訝する。
クリスを守る立場なのに、あんまりな態度だ。
はじめがモヤモヤしていれば、またも茅警部に壁際へ誘導される。指先や目線で警官を動かし、美雪達と離れさせられた。
普段の状態なら、ご褒美を期待して胸が高鳴る。しかし、この緊張感は別だ。
「金田一君……詳細は端折るけど、
「……!?」
日本国内に居なかった。
聞いただけでもショックだが、先ずは確認だ。
「それ、
「……お母様本人か
他人にパスポートを使用された可能性。空港警察から逃げても尚、報道されていない。
心底、ホッとした。
(……
タイミングが良いのか、悪いのか、はじめには判断できない。ただ、強烈な虚しさに歯を食いしばった。
容疑者に事情聴取した時。現場を見直した時。美しい夜景を眺めながら、ディナーを堪能した時。犯人を突き止めた時さえ、異様な苛立ちが脳髄へ纏わり付いた。
この事件の動機は伝わらぬ家族の想いがすれ違い、爆発した結果だった。
「すまんかった……」
「うう……」
桐沢家元は沈痛な面持ちで、犯人である娘へ詫びた。彼らはもう、大丈夫だ。
キチンと説明せず、勝手な都合で振り回す大人。振り回された子供は堪ったもんではない。愛情を傾けていようが伝わらなければ、いつか、不満は凶刃へ変わってしまう。
はじめはそれらを間近で、見てきた。
にいみにどんな事情があろうと、己の家族をほったらかした事実に腹が立つ。
「パパ、ママ。人が見てるだろ、恥ずかしいよ~」
クリスの両親が泣きながら、我が子の無事を喜ぶ姿に胸を撫で下ろす。
茅警部の意味深な視線に我へ返り、はじめはクリスを肩へちょいちょいと突く。
「クリス、事件は終わったんだし……家庭教師の人と連絡取れないか?」
「さあ……こっちの様子は見ているはずだし、警察がいなくなれば……何、ママ? そう、ニイミがまた消えちゃったの。ドロンってヤツ」
はじめは急かさぬ様、慌てぬ様に問う。クリスはやれやれと肩を竦め、己の母へ事情を簡単に説明した。息子の一大事に何もせず、どこかへ消えたナニー。アインシュタイン夫妻は陽気に「全く、ニイミったら~♪」とアメリカンスタイルで笑った。
寛大過ぎる。
「クリス君。お話を聞いてると、そのシッターさんは日本人っぽいけど。どこで知り合ったの?」
「ニューヨークだよ。ニイミは……」
「アインシュタイン様、お電話が入っております」
美雪のさり気ない質問をした瞬間、ホテルフロントスタッフからひと言。はじめと茅警部は緊張を面に出さず、目配せする。クリスは目に見えて、上機嫌となった。
「クリス君、フロントで話してくれる?」
「一応……言っておくと、電話は代われないよ。警察がまだいるなんて知られたら、ニイミは切っちゃうからね」
茅警部に指示され、クリスは渋々と受話器を受け取る。はじめは限界ギリギリまで近付き、聴覚を働かせた。
「hello、ニイミ? 事件は無事、解決したよ。パパとママも着いた……え? 警察と鬼ゴッコしてる? 根性あるお巡りが……こんな時間まで、ずっと自転車で追い回してくる? ニイミ、今どこ?」
〈……東京〉
軽い挨拶から始まったが、クリスは端正な顔を徐々に曇らせていく。はじめにも居場所が聞こえ、驚いた拍子に肩が痙攣した。
「そのまま、警察に保護してもらうように言って頂戴」
「ニイミ! 僕が行くまで、警察の人と一緒にいて!」
〈クリス、合流はしない。貴様は家族と帰れ……ガチャン〉
茅警部が言うより先、クリスは受話器へ叫んだ。しかし、無情にも電話は一方的に切られた。
ツーツーツー音が虚しく、フロントへ響く。
受話器を見つめ、クリスは突然の別れにショックを隠さなかった。プライドの高い彼がそれ程、信用した相手故にちょっと可哀想に思う。
そして、にいみ本人の人となりを知らないが、親子だなあと変に感心してしまった。彼の逃げ癖は、母親譲りかもしれない。
「根性のあるお巡りって、何だ?」
「……両津 勘吉とか?」
「センパイ、それは漫画です」
瞬きしないクリスに問われても、はじめに思い当たるのはその人のみ。佐木2号のツッコミが無ければ、気まずかった。否、やっぱり気まずい空気が流れた。
「クリス君、アメリカの住所を教えてよ。シッターさんに会ったら、あたしの方から連絡するわ」
「……美雪さん……」
美雪の提案を聞き、クリスは初めて心の底から感謝している様に見えた。はじめには思い付かない発想、こういう時に気の利く彼女がいてくれて、良かった。
アインシュタイン夫婦が英語でヒソヒソ話し、妙な感じだ。ナニーとの別れを惜しんでいるように見えない。そもそも、クリスは何をしに日本へ来たのだろうか?
「クリス君、生活安全課の兵頭警部が来られるの。そのシッターさんの話、聞かせてくれる?」
「病院、行ってからでいい? 刺された箇所がどんどん痛くなってきた……」
「早く言えよ!?」
さり気なく、茅警部が頼むとクリスの包帯に血が滲む。彼の母親とパトカーへ乗せられ、最寄りの病院へ搬送されて行った
残ったクリスの父親と桐沢家元が話し合い、警察に被害届を出さず、双方和解が成立した。
東京駅行の電車に乗り込み、座席シートへ腰かけた瞬間に疲れがドッと来た。高校生だけで帰らせられないと茅警部も付き添い、微かな香水の香りに癒される。
「金田一君、今回は本当にありがとう」
「いやあ、結局……本命は分からず……ですし」
にいみを自転車で追い回す強者など、全く見当が付かない。とりあえず、
「はじめちゃん、はい単語カード。事件は無事に解決したけど、まだこっちの問題が残ってるわ。こういう時間に勉強してよね。じゃないと日曜日の運動会、観に行けないわよ」
「え♪ 金田一センパイ、七瀬センパイ、ボクの運動会。観に来てくれるんですか?」
「……初耳ですけどお? 2号……不動中だっけか」
美雪に単語カードを渡され、勝手な予定を聞かされる。時期的に言えば、地域小・中学校の運動会開催は当然だろう。しかし、はじめが行っても意味は無い。
現に、小学生の従妹から「ドンクサイ奴は来るな」と念押しされた。彼女は今学期に不動小へ転校して来たばかり、はじめは従兄として是非ともからかい……応援したかったが、諦めた。
「そうよ、はじめちゃん……真壁先輩に誘われなかった? 弟の守君が応援団長を任されたから、見に行こうって。佐木君、知ってるわよね?」
「はい、知ってます。生憎、赤白に分れちゃいましたけど、真壁センパイの弟とは思えない程、誠実な人ですよ」
「あっそ……」
はじめ達の母校・不動中等学校に発音が似た不動中学校。初耳の人は大体、間違える。
佐木兄弟と同級生など、はじめは興味ない。車窓の向こう側を眺め、よく知る東京の景色へ変わった。
柄にもなく、緊張に神経が張り詰めた。
(
顔見知りの道警はもう知っているのだろうか、気になる。佐木1号こと、
青森県警から依頼され、断った案件。報道を確認した時、事件の規模に驚かされた。『小田切先生』と同じ戸籍乗っ取りもあったと知り、かつて味わった無力感が蘇った。
「金田一君、もう良いのよ。アナタのお陰で、クリス君は犯人から余計な恨みを買わずに済んだわ」
「……そっか、クリスの奴。自分で犯人を捕まえるって……。茅さん、俺にアイツを止めてもらいたかったんですね」
茅警部に優しく肩を撫でられ、蠱惑的な唇が耳元で囁く。本来なら、美女を間近に見られて有頂天になる展開だ。
手負いでナーバスになった被害者を守る。それもまた、茅警部の目的。
そういう事なら、はじめはまた協力を惜しまない。
「ところで、茅さん。その箱、何が入っているんデスカ?」
「……ウフフ、この子……喜んでるみたい」
佐木2号が珍しく、恐る恐る問う。それを喜ぶように、木箱が音を立てた。
茅警部は愛おしげに木箱へ耳を当て、お得意な謎に満ちた笑み。不気味さと美しさがバランス良く、他人を魅了してしまう。彼女にはまた会いたいと願えば、美雪に頬っぺたをつねられた。酷い。
他の乗客にも注目される中、東京駅へ到着。
タクシー乗り場にて、茅警部と名残惜しくも別れる。彼女は警視庁へ行き、明智警視と話すそうだ。
「タクシー代も経費で落ちるんですねえ、金田一センパイ」
「……ワリィ、家着くまで寝かせてくれ……」
「はじめちゃん……お疲れ様」
タクシーの心地良いエンジン音に揺さぶられ、はじめは佐木2号へ頼む。眠気に耐え切れず、美雪の肩を枕にしたが、怒られなかった。
平日の夜、様々な音が車内へ舞い込む。それも眠りへ誘うBGM。
「待てや、こらあ!! 交番勤務なめんな!!」
叫び声と共に、自転車が爆速で走り抜ける。はじめ以外の人間が窓の外へ顔を出し、何事かと騒いだ。
「はじめちゃん、あれじゃない? 自転車で追いかける警官って、はじめちゃん!」
「あ~……行っちゃっいました……リアル両津……」
肝心の追われている人間は見えず、執拗な追跡も虚しく終わったと後で聞いた。
冬堂「冬堂 あけみです。あの……私、名前だけで出番なかったっぽいんですが……。ええと、アインシュタイン家の方々にはそのまま……ホテル暮らしを満喫されました。さて、次回は『2分の1の証明-小林 竜太郎』!! 警察の方って大変なんですね」
茅 杏子
麗しの刑事様、アニメ版では未登場(何故だ)
桐沢 紅子、緑子
一卵性双生児、性格は本当に違う
夢月流家元・桐沢 香四郎
双子の継父として紹介されるが、本当は実父だった(なんで隠してた?)作中にて生存する
クリス・アインシュタイン
秘宝島殺人事件ゲストキャラ。作中にて、桐沢の代わりに襲われ、負傷(ごめん)。にいみをナニーとして慕っている
岡崎 浩司郎
墓場島殺人事件ゲストキャラ
朝基、冴子
事件に関わらない準レギュラー、日常の象徴
太田 千明
学園七不思議殺人事件ドラマ版ゲストキャラだが、準レギュラーでもある