ガンプライブ!with 新ガンダムビルド…ビビッドアーミー 作:星龜
この『悠久の地』とやらに来て…
ガンプラバトルやる気になったり…
日本に帰りたくなったり…
またガンプラバトルをやる気になったら…
結局、日本に帰る決断を下したりと…
決断力ユルユルぢゃねぇかって言われそうだけどよ…
何も知らずに、罪に問われない程度の悪事に加担しちまうのと…
罪に問われない程度の悪事とわかっていて、罪に問われない程度の悪事に加担するのとだったら…
そりゃ、罪に問われない程度の悪事に加担するわけにはいかねぇだろ★
◇
午前11時―。
攻城戦とやらが始まる…。
俺達が日本に帰るためには
攻城戦を戦い抜く
か
これから先、3回撃墜されなければならない。
で、前者は、まったくやる気無ぇから無視するとして…
問題は後者だ…。
そっちの方法で日本に帰ろうと思うんだが、これはこれで、また厄介なんだ…。
つまり
わざと負けにいく
ってわけだからな…。
しかも
カイ先輩やアベルの野郎達に感づかれないように
しなきゃならない。
ヘンな例えだが
ドラマや映画の死体役
みたいなもんだ。
死体役って、けっこう難しいっていうけど、実際、撮影時に少しでも動こうものなら、それでNGだからな。
ましてや、放送時に少しでも動いたところを視聴者に見られようものなら、もう、その役者に死体役はやらせられないからな。
だが、俺達がやろうとしていることは、ある意味、死体役よりも難しいことだろう。
まわりの人達に気づかれないように、わざと負けにいくなんて、簡単にできることじゃない。
ガンプラバトルに限らず、例えば野球の試合でも、自分達のチームよりも強いチームに負けるんじゃなくて
自分達よりも弱いチームにわざと負ける
なんて、意外とできっこない。
人間、勝負事となると、やはり、勝ちたいという心理が働くからだ。
こういう
勝負事で、わざと負けれる人間って、人間じゃねぇ
って、誰かが言ってたような…?
だが、日本に帰るためにも…
俺達は、わざと負けに行かなきゃならねぇ…。
◇
俺はコクピットルーム内のシートに座り、GPベースをセットして、システムを起動させる。
〈システム起動を確認。
ごきげんよう、マスター。〉
と言うアイリ。
「アイリ…
大事な話がある―。」
と、俺は日本に帰るために、わざと負けに行かなきゃならねぇことをアイリに話した。
〈なるほど…。〉
と、俺の話を聞いてアイリが返事をするまで、それなりの時間がかかった。
そりゃそうだ。
負けるのは俺だけじゃねぇ。
アイリも負けるんだ…。
それも、わざと…。
人間の俺ですら、わざと負けることに抵抗があるってぇのに、電子精霊ともなれば、わざと負けることに、理解すらできねぇだろう…。
俺の話を聞いて、アイリが返事をするまで時間がかかったのは、それが理由だ…。
〈人間の、そういうところがイマイチ理解できないんですが…
しかし、私達電子精霊が理解できない行動をするための明確な理由や目的があるというのなら、私はそのための最善を尽くします。〉
と言うアイリ。
電子精霊に、こんなこと言わせるなんて…
俺は電子精霊がマスター失格だな…★
「悪いな…
相棒…。」
と謝る俺に
〈やめてください。
マスターらしくない。〉
と言うアイリ。
「なんかよ…
特攻隊員の気分だよ…。」
と俺が言うと
〈特攻隊とは、まったく違います。
マスターは負けにいくのであって、死にに行くのではありません。
そして…
マスターと私…
いや
私達の目的は死にに行くのではなく、日本に帰ること
です。〉
と言うアイリ。
「そうだな…。
じゃ、行くか…!!」
と俺が言うと
〈了解。
発進、いつでもどうぞ。〉
と答えるアイリ。
「鳴神 青空ッ!!
ディランザークッ!!
行くぞ、ゴルゥラァァァ…ッ☆」
と、俺はディランザークを発進させた―。
◇
その後ろに
その後ろに
俺のディランザーク
が位置する、トライアングル編隊で空を飛んで進行する。
「…でアイリ…。
具体的に、どうサポートしてくれるんだ?」
と訊く俺に
〈何をですか?〉
と言うアイリ。
「何言ってんだよ?
さっきの話だよ。
俺達が、わざと負けるために、どういうサポートをしてくれるんだよ?」
と、あらためて訊く俺に
〈は?
そんなこと、するわけない
でしょ?〉
と言うアイリ。
「あぁ!?
何言ってんだよ!?
さっき、最善を尽くすって言ったじゃねぇか!?」
と抗議する俺に
〈それは
日本に帰るための
です。
マスターが、わざと負ける?
知りませんよ、そんなの。
誰が負けるために最善を尽くすんですか?
ま、強いて言うなら
私が何もしないことが、負けるための最善の策
でしょうね。〉
と、無慈悲に言い放つアイリ…。
「な…何もしないって…?」
と訊く俺に
〈これより
私は眠りにつきます。
つまり
私のサポート無しで、ディランザークのコントロールを全てマスターが行う
ことになります。
私のサポート無しで、マスターは必死にディランザークを操り、多数の敵の集中砲火をあびて、1人寂しく散っていくのです。
それでは、おやすみなさい。〉
と言うアイリ…。
その直後…
「ぅおぅッ!?」
急にディランザークの姿勢が崩れた…!?
「ち…
ちくしょう…ッ!!」
と、俺は必死になって態勢を直そうとするが、上手くいかねぇ…ッ!!
そして…
ついに…
「う…
おおおおお…ッ!!」
と、ついにディランザークは回転しながら墜落していった…。
《青空くんっ!?〉
と、穂乃果の声が聞こえたが、今はそれどころじゃねぇ…ッ!!
「ぐはぁッ!!」
ついに、俺のディランザークは地上に落着してしまった…。
「クッソ…
立てよ…ッ!!」
と操縦桿を動かして、どうにかディランザークを立たせる。
《青空くん、どうしたの?〉
と訊いてくる穂乃果。
「いや…
アイリのサポート切ったら、落っこちちまって…★」
と答える俺。
《ナルカミ!!
大丈夫か!?〉
と、アベルの野郎からの通信も入る。
(・・・・・・★)
見れば、全員が地上に降りてきていた。
どうやら、俺のディランザークが急に墜落したから、みんな、心配して降りてきたようだ…。
やっべ…★
俺…
みんなに迷惑かけちゃってる…?
《ソラ君…
大丈夫?〉
と訊いてくるカイ先輩。
「すみません…。
コントロールをミスりました…。」
と言う俺。
しかし…
《コントロールをミスって…
電子精霊のサポート切っていたら、まともにコントロールなんてできないだろ?〉
と、アベルの野郎に言われてしまった…!!
やっべ…
アベルの野郎にバレてる…!!
〈究極にして完璧な電子精霊である私としたことが…
ぬかりました…。〉
と言うアイリ。
「どういうことだ?」
と訊く俺に
〈アベルさんの電子精霊のカナが
味方機のステータスチェック
を行ったのでしょう。〉
と言うアイリ。
どうやら、それで俺のディランザークが、アイリのサポートをうけていないというのがバレてしまったようだ…。