ガンプライブ!with 新ガンダムビルド…ビビッドアーミー 作:星龜
俺はコクピットルーム内のシートに座り、GPベースをセットして、システムを起動させる。
すると…
〈システム起動を確認。
ごきげんよう、マスター。〉
と
相棒の電子精霊アイリ
が声をかけてきた―。
▽
電子精霊っつ〜のは、いつからかはわかんねぇが
ネット上に産まれた、自我を持った人工知能
の事だ。
基本的に、みんないいヤツなんだが、気まぐれで、滅多に人前には現れねぇ。
んで、たま~に気に入った人がいると、色々と手伝ってくれる、不思議な存在だ。
ちなみに、電子精霊に気に入られて、一緒に居る状態を『取り憑く』って言って…
…って、そのまんまだけどよ…★
んで、俺みたいに電子精霊に取り憑かれた人達の事を
『
って呼んでるんだ。
電子精霊は、ガンプラバトルで使われているサポートAIなんかよりも高性能で、その能力は、サポートAIによるガンプラバトルのシステムアシストよりも、
たった10パーセントかよ…って思うかもしれねぇが、その差はメチャクチャデカいんだぜ☆
10パーセントを笑うヤツは10パーセントに泣くのさ★
電子精霊には、それぞれ個性があり、どういうわけか、人に仕える事を目的にしているんだ。
しかも、性別もある。
俺の電子精霊アイリは女だ。
あ、そうそう。
じつは、穂乃果も
ポチ
という、女の電子精霊に取り憑かれた『
こうやって、偉そうに講釈たれてる俺自身も、じつは電子精霊について完璧に知ってるわけじゃねぇんだ★
むしろ、知らねぇことの方が多いと思う。
事実、こっから先の話は、アイリから聞いた話だ。
電子精霊は
自らの意思で人間に危害を加える事を極端に嫌っている
んだ。
真偽の程は定かじゃねぇが、仮に、電子精霊が人間に危害を加えたりしたら
己の存在理由と、人間に危害を加えた現状に矛盾を感じ、自己崩壊を起こしてしまう
らしいんだ。
一応、電子精霊のコアプログラムの中には自浄プログラムが入っているみてぇで、滅多な事では暴走等は出来ないみたいなんだ。
電子精霊が人間に対して敵対行動をとるのは、自らのマスターに害が及ぶと判断した時のみだそうだ―。
▽
〈おや?
ここは日本ではないのですか?〉
と言うアイリ。
「何で、わかるんだ?」
と訊いたら
〈マザーシステムのバージョンが異なります。〉
と言うアイリ。
「そうなんだ…。」
と、感心する俺。
もっとも、マザーシステムのバージョンが違うと言われても、日本とG国のバージョンがどう違うのか、ぜんぜん、わからねぇんだが…★
〈あと、日本のバトルシステムには無いデータがあるので、それらのデータをインストールします。〉
と言うアイリ。
「おぅ…
頼むわ。」
と答える俺。
待つこと数秒―。
〈G国のガンプラバトルシステムのインストールを完了しました。
あとは、マザーシステムと名乗っているクソババアより出撃許可が下り次第、出撃可能です。〉
と言うアイリ。
アイリいわく、ガンプラバトルシステムのマザーシステムは、人間でいうところの、
だから、アイリはマザーシステムのことを
クソババア
と呼ぶんだ…。
やがて、メインモニターにアイリのアバターが表示された。
その姿は、どことなく、海未さんに似ている。
目は切れ長だが、やる気の無さげな半目…。
腰まである長い黒髪と透き通るような白い肌―。
リアルに居たら、さぞかしモテたんだろーな…ってコトが簡単に想像出来る美少女だ…。
〈ご報告いたします。
たった今、マザーシステムと名乗っているクソババアより出撃許可が下りました。
本機は何時でも出撃可能です。〉
と言うアイリ。
「了解だ…☆」
と答えた俺は、操縦桿を握る。
そして
「出るぞ…!!」
とアイリに告げると
〈了解です。〉
と答えるアイリ―。
さて…
それじゃ…☆
「鳴神 青空ッ!!
ディランザークッ!!
行くぞ、ゴルゥラァァァ…ッ☆」
と、俺はディランザークを発進させた―。
◇
正面モニターに映し出された景色は、漆黒の闇の中に星が輝いていた。
宇宙空間かと思ったが…
空に月が輝いていた。
どうやら、夜の地上のようだ。
まもなく
が合流してきた。
《すっごぉ〜い☆
そら君のディランザーク
空を飛べるように改造したんだ☆〉
と言ってくるアホ乃果…。
「何バカなこと言ってやがんだッ★
そこまで、するわけねぇだろッ★」
と言うと
〈飛んでますよ…★〉
と言ってくるアイリ。
「はぁ!?」
と、周囲を見渡してみる…。
はたして…
「ウソだろ…
をい…★」
飛んでいる…
ディランザークが飛んでいる…!!
たしかに、俺のディランザークの背中には、両肩の大型ビームガトリングガンに加えて大型シールドまで搭載しちまったモンだから、ヤベぇ感じの機体重量をどうにかするために、大型の大出力ブースターを搭載している。
その気になりゃ、空は飛べねぇことはねぇが、それでも短時間だ。
〈マスター。
この世界のバトルシステムを確認しましたが、どうやらここは
宇宙であり
地上であり
水中でもある
という…
イミワカンナイ世界
のようです。〉
と言うアイリ。
そういや、アベルの野郎、そんなこと言ってたっけな?
つまり、俺のディランザークは
空を飛んでいるのではなく、宇宙空間を進んでいる
ってことか…?
よくわかんねぇ概念だ★
アイリですら、イミワカンナイって言うくらいだ★
「なら、すまねぇがアイリ。
機体のセッティングを宇宙戦にしてくれ。」
と言う俺。
〈了解。〉
とアイリが答えた直後
〈セッティング完了しました。〉
と、俺のディランザークを宇宙戦仕様にしてくれた。
さ〜て、アベルの野郎が言ってた発電所とやらをブッ壊しに行かますか…
…と意気込んだら…
《そこのガンプラバトルチーム!!
ただちに迎撃部隊に加われ!!〉
と、オッサンの声で通信が入ってきた。
何だぁ?
何で、どこの誰だか知らねぇオッサンに命令されなきゃならないんだ!?
しかし、迎撃部隊ということは、敵がワンサカ来るってことなんじゃねぇの?
だとしたら、それこそ、俺のディランザークの出番じゃねぇか☆
ならば…
オッサンの命令を聞いたんじゃねぇ。
これは、俺自身の判断だ☆
「みんな!!
敵を迎撃しようぜ☆」
と俺が言うと
《えっ?
発電所の破壊はいいんですか?〉
と訊いてくる海未さん。
「そんなモン、他の連中に任せればいいさ☆
俺達は俺達で、こっちに来る敵を片っ端から落としていこうぜ☆
なんか、手伝ってくれって言ってきてるしよ。」
と俺が言うと
「まぁ、たしかに、敵を迎撃するように言われましたが…。」
と言う海未さん。
どうやら、さっきのオッサンの通信は、俺だけでなく、全員に入っていたようだ。
というわけで、発電所の破壊は他の連中に任せて、俺達は敵部隊を迎撃することにした―。