Blue Mirror Archive ~ぶるぅみらーあぁかいぶ~ 作:10級フィクサー
もうすぐ高校が始まるので投稿ペースが落ちます。すみません。
※今話も修正しました。ハスミ人格の肩書を戦術指揮官にしましたが、副委員長の方がどう考えても主なので変更しました。
初投稿です。
『シッテムの箱にようこそ、イサン先生。』
『生体認証及び認証書作成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します。』
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「イ、イサン先生...ですよね?」
”うむ。多少さまはうつろへど、安穏ぞ。”
「なら良いのですが...。」
あらゆる点が不明なシッテムの箱。ならばそういうこともあるのだろう、とリンは自分を納得させたみたいだ。人格...鏡技術がこの世界にもあるってことに驚きはしたけど、鏡技術は―都市でもかなり特殊だけど―ただの技術だ。特別な力がないと扱えないものってわけじゃなくて、手順を踏めば誰でも行使することができる。鏡技術の開発者であるイサンも同じ考えのようで、特に気にしてはないようだ。
普通は自分の開発した技術が他の世界で使われていたりしたら驚くと思うんだけど...イサンは鏡技術を誰にでも考え付く技術だと考えているからだろうね。そんなわけないんだけど...イサンは自分と世界のことに対して
”いまだパォスワァドを入力しただけなり、とく進めぬかし。”
「はい、わかりました。」
そのままシッテムの箱を操作すると...今度はイサンが白目を剥き、棒立ちになった。リンは何とか叫び声をあげるのを耐えた。
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(イサン視点)
”...ところどころ崩壊せる教室に...居眠りせる少女?”
(最前までシャーレなりきべけれど...。ふぅむ、シッテムの箱ぞゆかしき。)
「むにゃむにゃ...Zzz...。」
”...
「カステラには...バナナミルクよりイチゴミルクのほうが...むにゃ...。」
”むむ、聞き捨てならず。カステイラに合ふ飲み物は紅茶に定まれり。”
私の言葉を聞いた少女は飛び起きて、
「何を言ってるんですか!イチゴミルクに決まって...って、あれ?もしかして...先生?」
”うむ。”
「や、やっぱり!この空間に入ってこれるのは先生しか...ってもうこんな時間!?」
「え、ええっと...まずは自己紹介からですね!」
息を整えると、少女はしゃべりだす。
「私はアロナ!シッテムの箱に常駐しているシステム管理者でもあり、メインOSでもあり、先生を支える秘書でもあります!」
”私はイサンという。自己紹介は
「はい!よろしくお願いします!これから先生をサポート...あれ...。」
”ふむ。声帯の整へが要なりや?私は元研究職なれば、多少の心得こそあれ。多少は手伝ふべしとぞ思ふ。”
「!ありがとうございます!」
そこから生体認証などの手続きを行い、数分程、私はアロナ嬢と他愛のない話をした。ふとアロナが何かを思い出したようで、隅から分厚い本を持ってきた。黒い表紙に、赤いバラの意匠が刻まれている。
”これは?”
「先生の為のアイテムです!えっと...PDA文書、という物らしいです!」
「ええっと...先生と生徒の人格と”疑似E.G.O”...人格?えご...?の抽出、強化、会話などを行えるみたいですね!」
”ふむ。反対の手に持てる紙は?”
「カンペです!」
”カァンぺィ。”
「...実は、私もこのアイテムについてはよくわかっていないんです。私がここで先生を待っていたときに、気が付いたら置いてあって...。」
”まあ、役に立たばよからず?”
「...そうですね!あ、せっかくですし、抽出をやってみませんか?見てみたいです!」
”うむ。”
私は本を開き、目次を頼りにページをめくる。抽出のページにたどり着くと、そこには大きく
『通常抽出(青輝石:120)』と記されていた。
「えっと...このページを思いっきり破ればいいみたいです!」
”...ふん!”
破ったページは私の手をすり抜け、中へと舞い上がる。突如燃え上がったと思えば、その炎はまるで鏡のように光を反射し、美しい色を映す。
「わぁ、すごいですね!」
”ほぉ...。”
燃え尽きたページは重力に従い高度を落とし、その残骸は開かれた本の上に乗る。
瞬間、空白だったはずのページに文字が浮かび上がり...それは、精巧な写し絵となった。
...正義実現委員会、イサン。
...心は冷徹に、頭は冷静に。参る。
00 イサン
”うぅむ、ハスミ嬢の人格なりや?”
「おっきい翼ですね~!」
”...。”
その後、アロナ嬢に連邦生徒会長の居場所などを聞いてみたが、彼女も知らないようだった。サンクトゥムタワーの制御権については、問題なく連邦生徒会に譲渡できた。
私はアロナ嬢に一言礼を言い、意識を現実に戻した。
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(ダンテ視点)
「...サンクトゥムタワーの制御権の確保を確認しました。お疲れ様です、イサン先生。連邦生徒会を代表してお礼を。」
”先生にて理のことぞ。”
リンは笑みを浮かべると、
「ついてきてください。連邦捜査部『シャーレ』をご紹介します。」
イサンがリンについていくと、一方がガラス張りになった巨大な部屋にたどり着く。
シャーレ部室だ。
”...麗し。私は昔建築
「...連邦生徒会長の選んだ方だから、とは言いましたが...かなりの経歴をお持ちのようですね。」
”それにつかば...また。”
「はい。...シャーレには権限はありますが、目標はありません。つまり、先生の自由になんでもして良い、ということです。...よければ、連邦生徒会に寄せられる苦じょ...要請について、書類にまとめて机に置いておいたので、気が向いたらお読みください。」
”...山のごとし。”
「...それでは、失礼します。」
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イサンは積みあがった書類については見ないふりをしたようで、シャーレから外に出る。
そこには、シャーレを不良からを守っていた生徒4人が集まっている。どうやらイサンを待っていたようだ。
「お疲れさまでした、イサン先生。先生の活躍、SNSで広まってるみたいですよ?」
”エィスエヌイェス...?”
「...知らないんですか?」
「...仙人...。あ、いえ、なんでもないです。」
”...あなや。”
イサンは生徒を見送った後、どこからともなく一冊の本を取り出した。先ほど、シャーレの中で――シッテムの箱を持ちながら白目を剥いていた――イサンはPDA文書と言っていた。私の持っているPDA端末とはまた別のものらしく、ファウストも知らないようだった。イサンが言うにはシッテムの箱から出てきたものみたいだけど。
”うぅむ...。”
イサンはPDA文書に『エィスエヌイェス』とメモをし、
”解除。”
と言って人格の使用を終え、本を閉じた。
服装は普段のものに戻り...その目にも、普段と同じような暗さが広がっていった。
イサンはキヴォトスにやってきてから、普段より明るい調子で会話していたし...顧問人格を着ると、さらにそれが顕著になったけど。
それでも結局のところ、彼は人生というものを半ば諦めているから。
先生として生徒と接するときは...またあの人格を着ることになるだろうね。
だけど、彼の管理人としては...それは、気に入らない。
そうやって殻を被って接さなければ...彼が先生ではいられないということが。
私は、彼が本当の意味で先生になれることを願った。
ハスミに引っ張られてイサン君はデカいです。
ただ、大元がイサンなので、その性格はハスミと異なります。
次回はハスミ人格の人格ストーリーです。
以上!