Blue Mirror Archive ~ぶるぅみらーあぁかいぶ~   作:10級フィクサー

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初投稿です。




1章 願うことすらできない/アビドス対策委員会編
夜の鯨は眠らない/烏の翼は星に焦がれた


 

「―鯨の子は、生まれたりより数週間の間は脂肪の量足らず、かしこく浮くべからぬついであり。それにはいかで鯨の子や泳げる、わかるや?」

「...スリップストリーム、だよね~?...母親に助けてもらいながら泳ぐんでしょ。」

「うむ。正解。豆知識なれど、鯨の母親は子供を守ることもあり、子供の興じすぎしには叱ることとてあり。」

「...それで...それがどうしたの?さっさと始めない?」

「授業は静かに聞くこと。...鯨は海に暮らせるされど、哺乳類なり。ぐっすりと眠らば窒息しぬれば、もとやうに深く眠ることはあらず。されど、一日の三割近くのほど寝ふれるなり。(意識)を保ちつつぞ。」

「...。」

「ひとへに君のごとし。ホシノ。」

「説得してるつもり~?」

「説得は我が役目ならず。私はただ、これが果ての授業になるやもしれねば...みづから飽きなり(自己満足)やな。」

「まったく~。おじさん―いや、”私”は...そんなくだらないことに構ってる暇、ないんだけど。」

「...憂鬱は水のごとければ、重く冷たきものなれば、鯨のごとき君深く沈みこみぬることも、またむべならむ。」

「なれど、とこしへに沈めることも、鯨なる君にはえず。おのづから水面に、日に会釈しつつ、深く息を吸はずは。なれば、私...先生のいとなみは――」

 

「君をこの翼の元へ、日の後ろまで引きいだすことなり。"

 

「...へぇ。じゃあ...やってみなよ。やれるものなら。

”どうせできるわけないのに。”

「うむ。胸を借るる気にいこふ。なれど、

”予言の通りにはさせず。”

 

 E.G.O浸蝕 虚無 

 E.G.O覚醒 黄昏 

 

―傲慢な音色が響く。あの鐘が、また。針が進む。残された時間は―

 

”私の物語はどこにもなく、未知である。”

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「―――ッ!」

 

私はベッドから飛び起きた。...よくあることさ。

予知夢。私を度々悩ませるこの能力が、私に見せてきた光景。

砂煙に覆われた砂漠。星一つ見えない白夜。星のみが輝く昏い夜。何もかも塗りつぶす虚無。

相対する何者か。

――そして、私の観測を知覚しているような、あの”声”。

キヴォトスの存続を揺るがすような、得体の知れない何かが蠢きだしているような感覚がする。

 

「...アビドス自治区、かな?それに...”先生”。」

 

会いに行かなければ。

...おそらく止められぬ流れであることは分かっている。

けれども、動かなければいけない気がした。

背筋を伝う汗が、私に呼びかけているからだ。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

「クソッ!チキンの次は豚肉かよ!」

「ヒース、よけた方がいいんじゃない?」

「グゥ...ッ!」

「はぁ...うるさい奴が居なくなりましたね。これでもう少しまともに戦えるんじゃないですか?」

「ブ・タ。」

「ぶつくさ喚いてる暇があるなら俺の盾になれ、ですか...?って、なんで僕の後ろに―ぎゃっ!」

「管理人様、迅速な指示を!」

<ああもう、うちの囚人たちは――全員よく聞け!>

 

一方そのころ、私たちは変わらずねじれの討伐に精を出していた。

けれど、嵐の前の静けさとでも言うべきだろうか。

近いうちに何か大きなことが起こりそうな、そんな気配がしていた。

 

 




自己肯定感MAXイサン。
短いですが、続きは来週の月曜日に。
以・上。
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