最近、スカサハさんの修行がシャレにならなくなってきたと思う明楽ユウキです。
いやー………死ぬぜ?
仕事してたら拉致られて、シミュレーションルームで無茶すぎる修行を付けられる。
時に四方八方から丸太と槍が飛んでくる。
時に剣や矢が飛んでくる。
時に落とし穴が作動し、炎が広がり、雷が降り注ぐ。
…………死ぬぜ??本当に死ぬぜ?
──……………死ぬかと思った(n回目)
「坊主……お前、よく生きてるよな……(ドン引き)」
──人事かよ………お前の師匠だろうがよぉ……。
「そりゃそうだが……お前の師匠でもあるだろうが。」
──………なんだろう、なんで俺はこうなっているだろうか……?
「目をつけられたのが悪い。清く諦めな。(遠い目)」
──ちくせう。
本当に酷い。
何が酷いって仕事してるのに連行されることだよ………助けて。
というか!!そもそも仕事中に俺の首根っこを掴んでシミュレーションルームに連行しないで頂きたい!!俺は日々の仕事があるんだ!!他の職員の人達にどれほど頭を下げていると思っているんだあの人!!いや、なんとも思ってなさそう。だってあの人だもん。なんかもう俺の中で名前すら言いたくないぜ。アレだよ、名前を言ってはいけない人的なのになってるよ。
──ふぅ……仕事してくる。またなクー・フーリン。
「おう。行ってこい!」
とりあえず、残ってる仕事終わらせないと……
はぁぁぁぁ………ダ・ヴィンチちゃんにいじられないといいなぁ……(n敗)
後日……
「行くぞ」
──ヒィン……
ドウシテ……ドウシテ……
「まーたスカサハさんに連行されてるな。」
「仕事の大半を終わらせてから連行されてるんだけどな。」
「まぁ……毎日毎日付き合わされてたら、ああもなるよな……ご飯食べてる時の顔凄かったぞ?」
「見た見た。……………ほぼ、生気なかった。」
「同情するぜ……。」
「これ、普通に藤丸たちは許してるのか?流石に、あいつが可哀想すぎる。」
「とはいえ、何も出来ないのがなぁ……。」
「ルーン魔術が無法すぎる。」
「というか、クー・フーリン達が止められないのが痛いよなぁ……あいつ、死なないよな?主にストレスの方で。」
「あ〜………藤丸達に頼んで子供系サーヴァントをぶつけてもらうか?」
「癒しがないとアイツほんとにやばそう。」
等と、スタッフ達はユウキの事を心配しているようだ。まぁ、そら毎度毎度疲れ果てた顔でご飯食べてるんだからそうなる。
そして、それは藤丸兄妹も同じであった。
「─────ねぇ、お兄ちゃん。流石に止めに入った方がいいよね…?」
「─────そうだね。最近は、レオニダスさんも付き添って兄さんを鍛えてるみたいだし。」
「……え、お兄ちゃん、ユウキお兄ちゃんの事を兄さんなんて呼んでたっけ?」
「………そうだね、まぁ、アレだよ。こっちの方が男同士だし良いかなって。」
「………ま、そうだね。……よーし!ありがたいけどそろそろお兄ちゃんを助けるよ!」
「ああ、でないと兄さんの心身疲労がもうヤバいだろうからね!」
こうして、ユウキの心労をある程度軽減すべく、スタッフ達と藤丸兄妹は動き始めることとなった……。
──ウベェ………疲れたンゴ………。
「………溶けてるね、ユウキくん。」
──あ"、ダ・ヴィンチちゃんだ〜………今の俺は疲れてるンゴ。今はほっといて欲しいンゴね〜………。
ユウキは、自室で完全に溶けていた。
日々唐突に開催される"スカサハブートキャンプ"(主に戦闘訓練)によるシゴキに加え、そこに"レオニダスブートキャンプ"(主にスパルタ筋トレ)が加わっているせいで、ユウキの肉体と精神はもうボロボロだった。
主に心労という意味でのストレスで。
「これは重症だね。よぉーし!こういう時の癒しってものさ!まずは〜」
そう言って、持っていた袋に手を突っ込むダ・ヴィンチちゃん。しかし、その時だった。
「
その言葉と共に、ユウキの意識は一瞬で夢の世界に行くのだった………。
ダ・ヴィンチちゃんは、すぐさまドアの方を振り向いた。そこには、王子様のような服を着たオベロンがそこに居た。
「───オベロン!?一体何をして」
「落ち着いて、麗しき技術部門の責任者さん。彼には、少しばかりの睡眠が必要だと思ったんだ。」
オベロンはダ・ヴィンチちゃんを落ち着かせるように言葉を紡ぐ。彼は、ユウキに危害を加えるつもりはないという態度を取っていた。
「…それは、確かにその通りだけど………いきなり宝具を展開するなんて、彼に何かあれば…!」
「そこは心配しなくていい。宝具と言っても彼に影響が少なくなるように調整したものさ。………それに、こうでもしないと彼は壊れてしまう。」
「………彼が、壊れる?」
「ああ。彼はああ見えても、色々な人にかなり気を配って日々を生活している。日々のちょっとした行動にすら気をつけてね。」
そう、ユウキにとって今のカルデアは前のカルデアよりも多くのサーヴァント、多くの人達に出会う場所である。
唐突に現れた自分を、受け入れて貰えるように日々努力していた。しかし、決してそれが他人を信頼していないからという理由ではない。
ユウキは、自身の境遇を理解している。己の立場を客観的に見ることが出来る。
故に、彼はこう考えたのだ。
──(俺は、今のところ、唐突に現れた藤丸兄妹の兄を名乗る、ただの不審者でしかないのでは?)
と。
客観的に見たら本当にその通りである。前のカルデアの時に出会っているサーヴァントも数が少ない。
故に、始末される場合、彼は呆気なく始末されることを恐れたのだ。
故に、出来ることを全力で取り組むしかないと日々奮闘していたのだ。
ある種、ただの自己防衛というやつでもあるだろう。
「─────なるほどね。それは……確かにキツイね。」
「いつ始末されるか分からないんだ。まともな睡眠が取れているとは思えない。………前に、寝ている彼にサーヴァントが接近してきたと聞いたけれど、きっとそれも関係しているだろうね。」
「……アレかぁ………メンタルケアする方がいいよね?間違いなく。」
「うーん……それより、顔見知りのサーヴァントと暇な方のマスターと一緒に行動してゆっくりしてもらう方がいいと思うよ?」
「そうだね。それと…」
「うん。とりあえず……」
「「彼に対する"ブートキャンプ禁止令"を敷かないとダメだね。」」
こうして、ぐっすりすやすや寝ているユウキの隣で、ユウキの心のうちがほんの少しばかり暴かれたのだった。
その後……
ユウキはオベロンの宝具から目を覚ました。本当にただただ眠らせる為だけの宝具発動だったようだ。
しかし、ユウキの頭は混乱していた。目の前には一緒に添い寝していた藤丸リッカが居たからだ。
──………なぁ、リッカ。俺はなんでお前と添い寝しているんだ???
「えへへ〜。たまにはこう言うのもいいかな〜って思って!」
──そうか……おやすみ( -ω- )zZ
「うん、おやすみ……。」
ユウキは起きたての頭で考えるのをやめて、リッカを抱き枕にして再び寝た。
リッカは抵抗すること無く、一緒に寝た。ついでに、自分の胸にユウキの頭を抱き寄せた。自分の心臓の音が聴こえるように。
────この日、これ以降2人が目を覚ますことはなかった。その部屋は、とても穏やかに眠りについていたのだった。
普通に考えて、お兄ちゃんが気を使わないわけないんだよなぁ……自分の弟妹的な子達が世話になっている場所なんだし。
なお、心労で倒れかけていた模様。
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