今回はかなりギャグ意識強め。
書いてて楽しかったぜー
「お兄ちゃん、入るよ〜」
明楽ユウキがカルデアにやってきてから初めての朝。
藤丸リツカは、起床時間になったためユウキの部屋に訪れていた。
ドアが開き、その目に飛び込んできたのは………。
──zzZ………zzZ……。
「…………マスター、この方は一体……??」
「清姫がお兄ちゃんのベッドで寝転がってお兄ちゃんが寝袋で寝てるーー!!?」
まさかの光景に、ツッコミせざるおえなかった。
おはようございます、寝起きの明楽ユウキです。
今現在、割と寝起きではあるのですが、中央管理室でダ・ヴィンチ氏に怒られてます。なんでや……??
「……君、聞いているのかい?」
──………zzZ
こいつ、最初の数行で寝やがった……!?
「なっ……寝ている、だと……!?」
「お兄ちゃん朝弱いから……」
「ここ数日の疲れもあるみたいだし……なんでか清姫がベッド使ってたから、寝袋で寝たみたいだし……。」
「うぅ……マスターのお傍にいると思うと、安心してしまい……恥ずかしいです……///」
「………まぁ、朝が弱いのは仕方ないとしてもだ。話の途中で寝てしまうのはどうなんだい?」
ダ・ヴィンチの鋭い指摘にマスター2人は堂々と答えた。
「「私(俺)達、所長の話の時にうたた寝したよ?」」
「そういえばそうだった……!!私としたことが…聞く相手を間違えるとは………!!」
ダ・ヴィンチ、痛恨のミスである。
人とは、既にやらかしたことを問われても、時効ならある程度は誤魔化したり、あるいは堂々とスルーさせることが出来るのだ。
既にやらかした2人はこの話題に関しては無敵である。(諸説あり)
「リツカ先輩、明楽ユウキさんはその……どんな体勢でも寝れるのですか?」
「行けるね。お兄ちゃんなら。」
「お兄ちゃんって、疲れてると廊下で寝るし階段でも寝る。疲れてなくても寝れる。」
「けど、反射神経はやばいんだよね〜」
「何がどうやばいんですか?」
「んふふ、それはね〜?」
そうリッカが言おうとすると、痺れを切らしたダ・ヴィンチがデコピンで起こそうとユウキのおデコに指を構えた。
「ふん。」
怒りの籠ったデコピンは、ユウキに放たれた。しかし、ユウキは顔を後ろに逸らしてデコピンを回避する。
「うん?上手くいかない……もう一度!」
しかし躱される。
「もういっちょ!」
しかし躱される!
「もういっちょう!」
しかし躱される!!
「うおおおおおお!!!当たれーーー!!!」
しかし、ダ・ヴィンチのデコピンはユウキのおデコに当たることなく10分くらい過ぎた。
「………いやはや…まじか。全くあたらないぞぅ!?」
「ね?お兄ちゃんは凄いでしょ?」
「もはやオート回避なんだよね。昔よりキレも数倍上がってる……あの森ほんとにヤバいところだったんだね……」
「そんなことは今はいいんだよ2人とも!彼を起こしてくれ!話が進まないじゃないか!」
「「あはい。」」
その後、ちゃんと起こされてしこたま怒られたユウキであった。
怒られたユウキは、遅めの朝ごはんを食べに藤丸兄妹と共に食堂に来ていた。
席は割と空いているようだ。
メニューを見つつ、ユウキは愚痴をこぼす。
──なんであんなに怒られないと行けねぇんだ?話の途中で寝ちゃった事についてはわかるけど……あの着物の子と一緒の部屋にいたのは別に良くねぇか?いや倫理観的にダメか。ダメそう。
「仕方ないよお兄ちゃん。あの子、ああ見えてもお兄ちゃんより強いし。」
──え?………あ〜……リッカが俺ん家に連れてきた奴らと同じかぁ……見分け方わかんねぇ。
「あはは……まぁ基本はここの制服と違う人達がそうだよ。変装してる人も居るかもだけど。」
──へ〜………あ、エミヤ。おはようございます。注文いいか?
「うむ、おはよう。……ふむ、遅めの朝食ならば、日替わり定食はどうだろうか?他には、和食や洋食などもある。」
「私は日替わりー!」
「俺は和食。お兄ちゃんは?」
──……和食って塩焼きある?
「和食だと、鯖の塩焼きだな。」
──なら和食でお願いします。
「では、日替わり1の和食2だな。では、少し席で待っていたまえ。料理ができ次第呼び出しベルで呼び出そう。」
「はーい!」
「うん。」
──おk。
エミヤに促されて渡された呼び出しベル(定食店のアレ)を持って席に着いた。
(俺としては、あまり藤丸達と一緒じゃない方がいいかも知れねぇんだけどなぁ……あの紫の眼鏡っ娘がこっちをよく見てるし。)
──おめぇら、あの眼鏡っ娘は知り合い?
「ん?……あ、マシュー!!」
リッカは、マシュを見つけた瞬間早歩きでマシュに近づいて捕獲した。
マシュと呼ばれた眼鏡っ娘は大人しく捕まっていた。
──……あの子は?
「マシュ・キリエライト。俺たちの自慢の後輩だよ!……職場的な意味では俺たちが後輩なんだけどね……」
──ふーん。
アレだな?藤丸兄妹特有の"人たらし"がクリティカルヒットしたんだな?まぁいつもの事だ。
「連れて来たよー!」
「せ、先輩…!私も加わっていいのですか…!?」
「大丈夫だよ、ね?お兄ちゃんズ?」
──うん、それはいいけど……。というかお兄ちゃんズってなんだよ。
「そうだよ。俺もお兄ちゃんの弟なんだからな!?」
──違うよ??血すら繋がってない近所の兄ちゃんだよ???
「「幼い頃から風呂も食卓も添い寝もしたのに?」」
──お、そうだな。お前らが大体"巻き込んできた"と言う事を除けばそうだな。
「なにぉー?これでも私は、お兄ちゃんのホクロの位置と数ぐらい覚えるんだからね!」
──何処のツンデレだよツンもデレもねぇよ。というか、そんな気持ち悪いツンデレがあってたまるか!!
「そうだよリッカ。お兄ちゃんのホクロより、お兄ちゃんの貴重な幼少期の写真をどれだけ持ってるかで勝負する方がいいよ。」
──バカなの??自慢の後輩の前でそんなバカなことする子だったっけ!?俺はそんな育てかたしてないからな!?
「「うるさいよお兄ちゃん!!ちょっと黙ってて!」」
──黙ってられるかバカヤロウ!!自慢の後輩が固まってるじゃねえか反省しろ!!ごめんね、ちょっと待っててね。あの二人にお灸を据えるから。オラァ!!席に座れバカどもぉ!!
その後、騒ぎを聞き付けたエミヤがユウキと共に藤丸兄妹に雷を落としたのは言うまでもない。
2人の頭にはタンコブが3個ぐらい重なって出来ていた。
「「ごめんなさ〜い……」」
「全く……食堂で騒ぐんじゃない。マスターの兄よ、今回は話題が話題なので不問とするが、君も気をつけたまえ。」
──ああ、悪かったな。………というか、前からこんなこと起こしてた?
「はい。たまに……特異点でお兄さんの事を貶されたらブチ切れて自分から殴りかかろうとしたこともあります……。」
「それに、この話題に関しては何度もぶつかり合ってはやれ『私の方がお兄ちゃんを好いている』だの、『お兄ちゃんと仲がいいのは私だの』言い合っているな。」
──本当に申し訳ありませんでした。コイツらにはキツく言っときますので。
めっちゃ深々と頭を下げた。………これは、関係者全員に菓子折りとか持ってくるべきだった……流石に俺が居ない時にはしないと思ったのが仇になった……!!
──………今度、詫びも兼ねて色々手伝わせて頂きます。
「い、いや。大丈夫だとも。たしかに色々あったが……もう慣れたものでな。」
「そうです!ああ見えてもちゃんと指示をしながら喧嘩してましたから!」
──余計にダメでは???
もうダメだ………お終いだァ………。あのバカ兄妹の頭は終わってやがる……喧嘩しながら敵を叩き伏せるな。
──マジで、今後は控えるようにしておくよう叩き込む。
「(あの二人終わったな。)」
「(ファイトです、マスター!)」
ほか職員たちは藤丸兄妹に内心で合掌した。
「(すまん。こればっかりは庇えないわ。)」
「(今回は無理。)」
「(近所のしたってる兄ちゃんに怒られるの、効くといいなぁ……。)」
「(あの感じ、何回かやってそうだな。)」
「(頼む、余計な心配を減らしてくれぇ…!!)」
「「「「「「(藤丸兄妹の奇行に、さよならを!!)」」」」」」
その怨念を感じ取ったのか、ユウキは据わった目で藤丸兄妹を見下ろし、呟いた。
──………なんだろう、とりあえず今までの倍はやっといた方がいいな。うん。
「「ヒィ!!」」
それは、藤丸兄妹にとっての死刑宣告に他ならない。
突然だが、ユウキの勘はまぁまぁやばい。サーヴァントの直感スキルに例えるならB++(素)ぐらいある。
しかも、森に居たせいで殺気やらに触れまくったユウキの直感は、〖悪意〗や〖悪感情〗に対する直感には補正が入る。A++ぐらい跳ね上がる。
その結果、某ニュータイプ的な直感を手に入れたユウキは、この瞬間スタッフ達の〖悪感情〗………もとい、〖藤丸兄妹への苦労〗を感じ取ったのだ!!
その結果、藤丸兄妹へのおしおきはすんごい厳しくなるのだった!!
──という訳で、エミヤさん。この2人にしばらく〖病院食〗レベルの物を提供してあげてください。………でないと、ここ1年間で苦労したスタッフさん達が報われないので。
「…………あ〜、その。せめて味ぐらいは譲歩しても?」
──………まぁ、それくらいなら。
「わかった。ではそうしよう。」
「「エミヤ!?」」
「済まないマスター。今回ばかりは何度言ってもやめなかったふたりが悪い。」
「「そ、そんなァ……」」
「マシュ!マシュは私たちを見捨てないよね!?」
「お願いマシュ!!今回は本当にシャレにならないんだ!!」
「え、えぇと……」
マシュはユウキの顔を見る。ユウキの目は黒く染まり、その奥には怒りの炎が見えた。
マシュは、首を横に振りエミヤの後ろに隠れるように移動した。
「「」」ガーーン!!!
──………さて、エミヤさん。ここらで暴れてもいい所ってあります?
「なら、シミュレーションルームに行くといい。料理が出来次第持っていこう。」
──ありがとうございます。………行くぞ2人とも。飯前の運動だ。
「「ハイ……」」
シミュレーションルームにて、そこに居たサーヴァントたちはこう語った。
「ありゃやり過ぎだと思ったぜ?………理由を聞いたら止めるに止められなかったけどな。」
「ああ、少し驚いだが、料理を持ってきたエミヤに事情を聞き、納得した。今回はマスター達の落ち度だと。」
「概ねカルナと同じです。………本人たちが色々語り明かしていた人物によって処させるのは、もはや自業自得としか言いようがないので……そうでなければ、止めていましたが。」
「うむ。あ奴らがあそこまでコテンパンにされているのを見て少し興味が湧いての?参加したのだがかなり腕の立つ戦士であった。マスターばかり狙っているので理由を聞いたら、流石に引かざるをえんかったがの。」
「……………■■」
「ヘラクレス的にも、今回は止めに入る気は無いとの事です。かくいう私も、止めに入ろうとは思いませんね。マスター達が兄と"喧嘩"しているだけでしたので。兄弟妹喧嘩はしておくに限りますから。」
…………どうやら、余程壮絶な喧嘩だったらしい。
「いいじゃん色々と教えておけばお兄ちゃんがここに来ても問題ないんだし!!」
「そうだよ!!!お兄ちゃんとまた一緒に色々できるならそれでいいもん!!」
──限度ってもんがあんだろうがバカ野郎ども!!!そもそもホクロの数とか寝返り何回やってるとかいらん情報流すなボケェ!!
「「ほげぇ!!」」
…………………………これは打たれても文句言えないわ。南無三。
「お兄ちゃんのバカ!!もう添い寝してあげないから!!」
「お兄ちゃんのアホ!!!もうお風呂一緒に入らないからな!!!」
──いいぜぇ!!!俺もてめぇらがある事ないこと言うのやめねぇと一緒に飯食わねぇし関わろうともしねぇからな!!!
「「すみませんでしたァァァァァァァ!!!!!!!」」
なお、ユウキのこの一言で全てに決着が着いたようだ。
この日以降、藤丸兄妹がユウキについて色々言いふらす事はなくなった。代わりに、ユウキには何倍も甘えるようになったが………。
──エミヤさん、悪ぃけどコイツらシバいてもいいか???
「落ち着きたまえ。まだそこまではしなくてもいい。…セイ……アルトリア。2人を引き剥がすのを手伝ってくれないか?」
「ええ。……マスター!いい加減彼から離れてあげなさい!困っているでしょう!!」
「「ヤダー!!カルデアに居るうちに一生分ぐらい甘えるんだぁあーーー!!」」
ユウキ残しにしがみつく藤丸兄妹。かなりの力で引っ付いているせいか、ユウキがかなり苦しそうな顔をしている。
──っ!!えぇい!!そりやぁ!!!
ブォン!!と振り抜かれた手刀が二人の頭にベシッ!!と当たる。
「「あいたぁ!?」」
二人は痛みでユウキ残しを絞めていた腕が離れてしまい、エミヤとアルトリアによって引き剥がされる。
「く、くそう──」
「やーらーれーたー」
「ええぃ!いい加減にせんか!!今日のおやつはなしだからな!!」
「「ええ!?」」
「………まだしばらく、この状態は続きそうですね」
──腰が……痛い……。早く兄離れしてくれよォ……。
実害を受け続けるユウキは、そう思い呟くのだった。
※喧嘩途中にちゃんとご飯は食べました☆
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