フリーナの親友 作:フリーナカワイイヤッター!
「……ナ……フリーナ〜?起きてる〜?」
ドアの外から聞こえた声にフリーナは慌てて目を覚ます。
そして慌ただしく自らの服装を整えると、勢いよくドアを開いて自らをドアの外から呼んでいた親友を胸を張って出迎える。
「やぁ親愛なるレーテ!今日はこんな早朝から何の用事かな?」
「フリーナの調子が気になったの。……最近はどう?悩みがあるなら聞くよ?」
「僕に悩みだって?そんな物あると思う?強いて言うなら、朝早くから僕の元を訪ねるお節介な友人くらいなものさ!」
「……じゃあ私の作ったお菓子はいらない?」
「わー!?嘘、嘘だよ!」
「ふふふ、じゃあ中で食べよっか」
フリーナの元を訪れたのは、紺色のロングヘアと、同じ色の細い瞳が特徴の背の高い女性だった。
彼女はいつも通りのフリーナの見栄をたった一言で粉砕すると彼女の部屋に入ると、手に持っていた包みから箱を取り出した。
中身はもちろん彼女自作のクッキーやマカロン等お菓子の数々。
一週間に二〜三度行われるこのお茶会は、お互いが代わり番に菓子を用意して行われ、二人の間では百年以上続いて来た習慣だった。
今回はちょうどレーテが菓子を用意する番であり、フリーナは待ちに待った彼女の手作り菓子を口に放り込むと舌鼓を打つ。
「君の腕は相変わらず、いつ食べても美味しく感じるよ!また腕を上げたかい?」
「何も変わってないよ。でも、美味しいならよかった」
年頃の少女のような表情を見せるフリーナをレーテは優しい表情で見守っている。
「……そういえばそろそろなんじゃない?」
「……?なにが?」
「例の旅人だよ。明日か明後日くらいにはフォンテーヌに到着してもおかしくないでしょ」
「そういえばそうだね。……友達に、なれると思う?」
「きっとなれるよ。フリーナは魅力的だし、面白いから」
フリーナの淹れた紅茶を飲みながら、レーテはフリーナの肩に手を置いてそう言った。
フリーナの八の字になっていた眉が少しだけその角度を緩める。
「そういえば、旅人を歓迎するための口上を考えるとか言ってなかった?練習するなら聞くよ」
そう言われるとフリーナは勢いよく立ち上がり……
「富める者も貧しき者も、グロシを持つ者も………噛んだ」
「──ふ、ふふふ……!」
「ちょっと、本気で笑いそうになってるだろ!」
「そんなことないよ……ふふふ」
「ツボに入って涙が出て来てるじゃないか!!」
「ご、ごめんって──ははは!」
そうしてフリーナの練習は夜まで続き……
次の日
「それでは、リネ君にリネット君。君たちの次のパフォーマンスを楽しみにしているよ。皆の衆も、また会う日まで」
旅人の前に現れたフリーナはあわや対決一歩手前、もしくは『歌劇場』での裁判一歩手前といったところでリネによって止められ、そのまま去って行った。
フリーナが去った少しあと、旅人の背後からため息が聞こえた。
「……はぁ、こうなっちゃったかぁ。旅人にパイモン、彼女は悪いヤツじゃないんだよ、ただ期待を裏切れない性格なだけだから……これに懲りずに、また彼女と遊んであげてね」
「うわっ!?誰だよ!なんで知らない間に後ろにいるんだよ!?」
「私はレーテ。しがない一般市民で、フリーナの親友だよ。よろしく」
レーテはそう言うと、楽しげに笑った。
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数日後の夜、つい先ほど到着した船の上にて
「……意外だな、あなたから歓迎を受けるとは思っていなかった」
「こちらこそ心外だよ。最後に会ったのは君が私の胸ほどの身長もないくらい昔だったけど……それでもやっぱり君はこのフォンテーヌの民だ。帰ってくるなら歓迎しなくちゃね」
船が港に着くと、それを待っていたように一人の人影が船へと乗ってくる。
彼女は船上に召使の姿を見かけると、まるで友人のような気軽さで話しかける。
「まるでこの国の代表のような物言いだな。君は私たちを歓迎して良い立場ではないのでは?」
「代表じゃないし、立場的には歓迎すべきじゃないね。でも、君はここに来た目的は二つ、その内の片方はフォンテーヌにとっても必要なことだ。そっちに手を貸そうと思って」
「そうか、ならばよろしく頼むよ。