コードギアス LostColors -LastR2-   作:久遠寺バター

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天子とオデュッセウスの婚姻の儀が決まり。
中華連邦がブリタニアと兄弟国になる事になった。
中華連邦としては悪い話ではなかったのだが、そうなっては面白くない者たちがいる…
李星刻とゼロである。
二人の思惑の中で天子様の運命はどうなるのか…


TURN6 契りが為に…

 

朱禁城での婚姻祝いの席が設けられた。

各国にブリタニアと中華連邦の繋がりの強さを誇示するかのように盛大に行われている。

ユフィの話では神楽那様に天子様が招待状を出したと言っていたから恐らくゼロは来るはずだ。そして仕込みをし敵戦力の把握をするつもりだろう…

 

しかし、オデュッセウス…天子様と結婚だなんて、いくら政治的にと言っても犯罪臭が消せないな。

 

「来ていたのか、ライアー。」

 

ワインを飲んでいるところに枢木スザクが話掛けて来た。

 

「ここでは君が来訪者のはずだが?」

 

「そうだったね。君は中華連邦の側の人間だった。」

 

ライの面影からどうしてもクラスメイトであり黒の騎士団側であるという固定概念が抜けきれずにいるようだ。

 

「ああ、もっと言うなら天子様に忠誠を誓う騎士でもある。だから、天子様に害するものは敵味方関係なく駆逐する。」

 

そう、俺は天子様と星刻の推薦と擁護によって今まで情報を隠してこられたのだ。その恩を俺はまだ返せていない…

だから、今回のクーデターを足掛かりに全てのウジ虫どもを消してやるつもりだ。

 

「そうか…だが、今回の婚約で僕と君は友軍になる。これから共に戦える事を願う。」

 

スザクはそう言って手を差し出した。

恐らく彼の言う共に戦うと言うのは黒の騎士団のことだろう。

スザク、君のあの愚かにも信じていた正しいやり方で世界を変えるという信念は消えてしまったようだね。

 

スザクの言うやり方では日本という国名は取り戻せても結局スザクという人間が生きている間だけの限定でありブリタニアから許されてそう呼べるだけだ。

 

結論は変わらない。

 

黒の騎士団の場合は武力による勝利。ブリタニアを蹴散らし日本を奪還する事だ。

しかし日本として独立はできるだろうが立場が逆転しブリタニア人を迫害する日本人が現実と化する。

 

 

日本人が求めているのは平和な日常を過ごし日本人として生きれる環境である。そこに中華連邦の人間が居ようとブリタニア人が居ようと関係無いのだ。

だからユフィの理想は一番、日本人の心をつかむ事が出来たのだろう…

しかし、そうなっては面白く無い者たちがいた。

それが今僕が追っている奴らだ…

大勢の人間を操り情報の無い機体に乗っている謎の集団。

 

それを意識しつつ今は作戦を実行していくしかない。

 

「皇神楽那様到着。」

 

その言霊と同時に神楽那様、ゼロ、カレンの三人が姿を現した。

 

「これはこれは…」

 

ゼロやはり来たか…

まさか、カレンも来るなんてな。

目的は見えないが護衛なのだろう。

直ぐに大宦官が兵で囲ませる。

だが、そこへシュナイゼル第二皇子が声を上げた。

 

「やめませんか。諍いは本日は祝いの席でしょう?皇さん、明日の婚姻の儀ではゼロの同伴を御遠慮いただけませんか?」

 

神楽那様は了解しスザクに話しかけ始めた。

 

「枢木さん、覚えておいでですか?従姉妹の私を?」

 

「当たり前だろ。」

 

「京都六家かの生き残りは私達だけになりましたね。」

 

「霧原さんたちはテロの支援者だった。死罪は仕方なかった。」

 

「お忘れかしら?昔ゼロ様が貴方を救った事を。その恩人も死罪になさるおつもり?」

 

「それとこれとは。」

 

丁度いい、俺も星刻達の動きを知っておかなければならないからな。

必ずゼロは星刻と同じ手を使ってくる。ならば星刻に足りない一手を僕が打つ事にしよう。

僕は星刻の番号に電話をした。

 

「こちらはライアー。星刻、答えは出たかい?」

 

「ライ、なんの事だ?」

 

「君は今、迷っている。計画を早めるかどうかを…」

 

おそらく会議をしているところだったのだろう小さいが複数の人間の声が聞こえる。

 

「やはり気づいていたか。ライの言う答えとはなんだ?」

 

「平和の為の同盟か

天子様の願いかだよ。」

 

星刻の言葉が止まった。

おそらく考えているのだろう。

彼の中で天子様は特別な御方だからな。

 

「それに大宦官はブリタニアと密約を交わし爵位を貰ったらしい。本人からそう聞いたよ。」

 

「ライはどちらの味方なのだ。」

 

「星刻か大宦官かゼロかってことかな?」

 

「ああ…」

 

星刻はここ数日の行動に違和感を覚えているのだろう。

それもそのはずである。

ここ数日の大宦官からの密命は星刻ではなく僕の方へ回ってきているのだ。

お陰で僕の行動に何の不信感を持っていないからとても動きやすかった。

 

「簡単な質問だね。私は天子様に忠誠を誓っている。それだけは信じて欲しい。この先君とは行動が一致しなくとも天子様の為の行動だと。」

 

「信じているぞ。」

 

「ああ。」

 

それを最後に電話は切れた。

星刻、君の技量に期待するよ…

 

会場に戻るとゼロとシュナイゼルがチェスで戦っていた。

カレン、神楽那、スザクにラウンズ。

とても緊張感がある戦いだ。

何かをかけているのか?

見入っていると僕の後ろからドレス姿のニーナが現れた。

ニーナはゼロを見た瞬間にナイフを持って叫び出した。

 

「ゼロ!ユーフェミア様の仇!!」

 

「辞めるんだニーナ!!」

 

スザクが手を掴み抑えようとする。

 

「どうして邪魔をするのよ!?スザクはユーフェミア様の騎士だったんでしょ!!」

 

「貴方はやっぱりイレブンなのよ!」

 

図星を突かれたせいか手を離してしまう。

 

スザク、変な所で脆いな…

ゼロとカレンに向かって突撃した。

しかしそれ以上に狂ったイレブン差別者である彼女がユフィの仇を語るのが許せなかった。

 

パンッ!!

 

僕はカレンとニーナの間に入り、ニーナの手からナイフを奪い平手打ちをした。

 

「天子様の前で如何なる事情があろうと血を流させるわけにはいかない!」

 

「何するのよ!邪魔しないで!!私はユーフェミア様の仇を!!」

 

 

「その口で彼女名を口にするな!!」

 

「貴方はブリタニア人でしょ?何でゼロを庇うのよ!」

 

何でこんな事を口走っているのかわからないが、おそらく自分の境遇と彼女の境遇を重ねているのかと知れない。だがそれ以上に博愛主義だったユフィの事をイレブン差別者のニーナが仇を語るのが許せなかった。

 

「貴様のような人間差別者が差別を無くそうとしていたユーフェミアの名を語ること自体おこがましい。彼女が死んだのは貴様と同じ人間差別者の所為だと知れ!」

 

「何よ!知った気になって!!ユーフェミア様は私の女神様だったのよ!!」

 

「その曇った目でしか、人を見れない女がユーフェミアの名を語るなと言っている。」

 

「貴方こそユーフェミア様のなんなのよ!」

 

「私は彼女の行動に理由を与えてしまった男だ…」

 

ニーナは地に伏せ泣き出した。

確かに彼女の言う通りゼロが特区日本に参加しなければ僕とユフィは狙われる事はなかったかもしれない。

しかし、特区日本への参加は日本人の願いに近いものだった。

それを無視しては日本の救世主としての立場は無くなっていただろう。

 

僕は天子様の前へ行き非礼を詫び下がった。

後から聞いたのだがゼロは婚姻の儀への参加は拒否されたらしい。

まぁ、彼なら来るだろうけど政治的に言っておかなければならい内容なのだろう。

だがその行動は読んでいるがあえて泳がせておく。

 

 

 

 

翌日。

 

婚姻の儀の真っ最中に星刻は動いた。

 

「天の声!地の叫び!人の心!!」

 

星刻は手勢と共に抜刀した。

 

「何をもってこの婚姻を中華連邦の意思とするか!!」

 

「血迷うたか星刻!!」

 

「黙れ!全ての人民を代表し我はこの婚姻に異議を唱える。」

 

僕は既にこの時ゼロ達の行動を調べていた。

というより聞いていたに過ぎないんだけどね。

星刻はゼロに貸しを作っていた事で完全に安心していた様だから。

 

「星刻!星刻ー!!」

 

天子様が小指を立ててまっすぐ手を挙げている。

やはり、天子様は覚えていたんだな。彼との契りを…

 

「我が心に迷いは無い!!」

 

さて、僕も出るかな。

婚姻の儀は既にゼロのターンになるならばそれ以降の行動で中華連邦の国民に中華連邦の星刻と天子様と僕の存在を大々的に知ってもらおう。

そうすれば国民の票がゼロではなく天子様に集まる。

 

出撃準備中に戦闘は始まった。

少し出遅れたが朱禁城を守る絵としては上出来だ。

 

「しかし、これなら!」

 

「撃てるかな?この位置取りで。」

 

「我が城を盾にするのはやめていただこう。」

 

僕は藤堂さんとスザクの間割って入った。

 

「ライアー、君がなぜ!!」

 

「簡単だよ枢木卿。私が中華連邦の騎士である以上二人とも敵だ。」

 

僕は両腕のMVSを展開し抗戦の構えを見せた。

 

「貴殿が報告にあったライアーか」

 

「その通りだ。藤堂…だが今回はもう一人敵が必要でね。」

 

僕は、スザクに一撃、藤堂に一撃を入れ急降下する。

そして紅蓮可翔式の前へ降りた。

 

「元気そうで何よりだ、紅月カレン。」

 

「今回は敵なのね」

 

「ご名答、天子様を返してもらうよ。」

 

国民へのアピールの為、あえてオープンチャンネルで会話する。

よりこちらが正義の味方に見える様に。

 

「その機体で紅蓮と戦えるの?」

 

「相手を見た目で判断する時点で君の負けだ。」

 

「だったら証明してみなさいよ!!」

 

紅蓮が輻射波動機構を構えて突撃してくる。

やはり、彼女らしいフェイントなしの真っ向勝負だ。

紅蓮の性能があってこそ扱える攻撃法で、僕の機体では出し得ない芸当である。

 

「君の攻撃はわかりやすく回避しやすい。」

 

「なら、これでどう?」

 

カレンが右腕の輻射波動機構を起動する。ラクシャータが開発した新しい輻射波動攻撃、輻射波動砲弾か…

 

ならこちらも輻射波動の新しい形を見せよう。

 

「くらえ!!輻射波動砲弾!!」

 

「その攻撃は私には届かない。」

 

カレンの放った輻射波動砲弾は、ライの駆る機体の方から発せられた障壁によって相殺された。

 

「まさか!!輻射障壁!?」

 

ライとカレンの戦いを見ていた千葉やゼロも驚愕する。

 

「何故、奴が中佐と同じ障壁を!!」

 

「馬鹿な、斬月は今回が初陣のはずだ!それを何故奴が!?」

 

それもそうだろう、何せラクシャータとロイド達の研究員がこちら側にもいるのだからな。

 

「少し付き合ってもらうよ。紅月カレン!!」

 

「ちぃ!」

 

恐らくこの作戦に決定的にかけているもの…それは時間。

黒の騎士団はこの土地に来て間もない。そんな人間達がここで戦うには準備期間が無さすぎる。

ここで紅蓮のエナジーを削っておけば後が楽になる。

最悪この機体は手放してもいい…

既にあの機体が完成したらしいからな…

 

「フロートユニットぐらいで!!」

 

スザクはフロートユニットを破壊され追跡が出来なくなり、それを確認すると斬月と紅蓮は撤退を開始した。

 

これでいい中華連邦の機体とブリタニアの機体が黒の騎士団と戦って中華連邦の機体だけが無傷で撃退したという絵を撮ることができた。

民衆はこういう絵を見て安易にも中華連邦の機体の方が強いと錯覚するものだ。

ゼロの思い通りにはさせない。

中華連邦の中心は君ではなく天子様なのだから…

 

「よくやった、ライアー。」

 

大宦官の一人、チョウアンから手厚く迎えられる。

 

「いえ、取り逃がしてしまいましたので功績にはなりえません。」

 

「何を言うか、其方の機体は無傷で黒の騎士団のエースを撃退したではないか。」

 

凡人にはそう映るように戦っていたのだ。そう見てもらわなければ困るが、何ともつまらない展開だ。

 

「では、 機体を見てきます。」

 

俺は地下格納庫を見に向かった。

そこにあったのは懐かしい愛機、ブルーカラーリングの月下の改良型だった。

 

「ライ!」

 

ユフィが駆け寄ってきた。

ここならユフィが見つかることはない何故ならここの人間には全員ギアスにかかってもらっているからだ。

 

「ただいまユフィ。機体はどう?」

 

「それが、なんでもここにある資材では、このレベルが限界らしいです。」

 

そう言ってユフィが渡してきた設計図を見て驚愕した。

ゲフィオンディスターバ

ホーミングミサイル

輻射波動

ブレイズルミナス

MVSハーケン

予備《天愕覇王荷電粒子重砲》

なんというか恐ろしい武装が増えている。

このスペックでまだ上があるのかと思うほどの出来である。

 

「これは、また凄いものを作ってしまったね…」

 

「なんでもエナジーを沢山消費するから大型にしてエナジーフィラーの量を増やしたそうです。」

 

「なるほどね。それでも機動力を落とさないためにフロートユニット以外に予備フロートも搭載されているんだね。」

 

これならいける…

一機で敵勢力を制圧出来そうだ。

 

「ライ、リーファを守ってあげてください。」

 

「当然だろ?その為にこの機体を作ったんだから」

 

機体を確認した後、ブリタニアの方へ連絡し一旦ブリタニアの母艦の方へと向かい、途中にミンファに連絡を取った。

 

「ミンファ、大宦官の周りを私の私兵と変えておいた。合図と共に大宦官を射殺してくれないか?」

 

「わかっております。長年の恨み今こそって事ですよね!」

 

「ああ、合図したらだからな?」

 

「了解です!」

 

通信を終了するとブリタニアの母艦が見えてきた。

あらかじめアポを取っているのですんなり入る事ができた。

さて、まずは仕込むかな。

格納庫の管理者にギアスをかけ、更に数人にギアスを仕込んだ。

 

「君は中華連邦の…」

 

「ライアー・ヴァルフェイトでございます。シュナイゼル殿下。」

 

何と廊下でシュナイゼルと遭遇した。まぁ、ブリタニアの母艦なのだから当たり前か…

 

「ああ、君が蒼き騎士のライアー君か…話は聞いてるよ、中華連邦の騎士が何のようだい?」

 

「はい、折り入ってご相談がありまして…」

 

「相談?内容によるね。」

 

「それではーーーー」

 

僕はシュナイゼルにある約束をさせブリタニアの母艦を後にした。

戻った頃には第一陣は敗走し、第二陣として星刻が神虎に乗って指揮をとりつつ追撃していた。

大宦官は恐らく既に手を打っているに違いない。

天子様と反乱分子を一掃し国をブリタニアに売る最悪の一手を…

 

神虎を出した時点で黒の騎士団にそれを凌ぐ力はない。

頼みの紅蓮も補給が無ければ時間の問題だからな…

大宦官のいる母艦上にサザーランドを乗せ事態を静観する事にした。

星刻と紅蓮が激しくぶつかっている。紅蓮は斑鳩に戻ってすぐに出撃してきた、恐らく補給は出来ていないだろう。そのエナジー残量で神虎に勝てるかな?

 

輻射波動を連発した為か決着は思いの外早くついた。

 

星刻は紅蓮を捕縛しオープンチャンネルで黒の騎士団へ取り引きをはじめる。

やはりエナジー切れになったか…熱くなるとそこらへんの計算が足りないのはカレンの欠点でもある。

 

「この様なまね、したくないが私には目的がある。天子様だ天子様を…ゲホッ!」

 

オープンチャンネルだから聞こえてしまう星刻の咳。

彼には長時間のナイトメア戦は無理なのだ…

だからこそ僕はここで星刻の援護をする。

 

「放て!敵を撃ち落とすのだ。」

 

大宦官の司令部からも砲撃の合図が出る。

星刻の収容を援護しかつ、黒の騎士団の進軍を阻止する為である。

紅蓮の収容が完了すると黒の騎士団の斑鳩が反転し好戦の意を見せる。

中央に藤堂。右翼左翼に朝比奈、千葉の二名。

卜部、仙波は後から突撃部隊の増援として向かわせるのだろう。

今、黒の騎士団のエースは居ないがそれを補いきれるかな?

 

「星刻、ミンファに出撃し君の傘下に入るように言っておいた。君の力になるはずだ。」

 

「心強い、ライ。君はどうするんだ?」

 

「私は大宦官を見張らせてもらうよ尻尾を掴む為に」

 

「承知した。」

 

星刻は出撃した。

さて、大宦官に任せられたカレンの拘束をしに行くかな。

並みの人間ではカレンに勝てないからね。

 

ハッチを開けるとすごい顔のカレンがこちらを睨んでいる。

意外なことに抵抗をする気配が無い。

 

「てっきり君は抵抗するのかと思っていたけど」

 

「何。」

 

「まぁ、おとなしく拘束されてくれるならそれに越した事は無いんだけどね。」

 

「好きにしなさいよ。」

 

「大宦官の連中は君を外交のカードにするだろう。ブリタニアに引き渡す代わりに援護を頼むとか。」

 

恐らく大宦官性格から間違いは無いだろう。

紅月カレン…黒の騎士団のエースはとても使えるカードになるからな。

 

「……」

 

「この戦いはゼロが負ける。」

 

「っ!!!!」

 

「黒の騎士団はこちらの事情知らず、土地の利が無い。ここではそれが勝敗に直結する。」

 

「黒の騎士団は…ゼロは負け無い。」

 

「見ていろ。自分の戦術では負け無いと言う傲慢な所が彼の敗因だ。」

 

「貴方、ゼロを知っているの?」

 

「それを君に話すメリットは無い。」

 

「やっぱり記憶を植えつけられて…」

 

そうか、カレンは皇帝のギアスの事も知っていたのか…

ならそのまま信じていてくれ、私が皇帝に操られているという事を。

 

しばらくしてミンファから連絡が入った。どうやら動きがあったらしい。

「ライアー様。黒の騎士団を水攻めにて、90パーセントを行動不能にしました。残すは斑鳩のみです。」

 

「了解した。ミンファ、恐らく斑鳩は、撤退の前にハドロン砲か、牽制攻撃をしてくるはずだ気をつけろ。」

 

ミンファの通信を切った後にスクリーンに今現在の黒の騎士団の状況を映した。

 

「見てごらん、ゼロの指揮した結果だよ。」

 

「ゼロ!みんな!!」

 

カレンは心配そうに聞こえるはずもない声をかける。

 

「だが、こちらも一枚岩では無いのでな…馬鹿な大宦官がブリタニアに応援を要請したらしい。星刻と反乱軍、天子様を亡き者とする為にだろう…」

 

「そこまで知っていて何で抵抗し無いのよ!」

 

「私も大宦官を騙しているからね。私が合図をすれば大宦官は射殺される手筈になっている。」

 

僕がそう言うとカレンは疑問をふっかけてきた。

 

「大宦官を射殺して国民の支持は得られるのかしら?」

 

「それはゼロが行動を起こしてくれたおかげで条件はクリアされた。ディートハルトはいい仕事をしてくれそうだよ。」

 

ディートハルトの名前がでるとカレンの顔色が変わった。

 

「…こっちの手は読んでるってわけね。」

 

ライの知っていることは利用して都合のいいところだけ記憶を書き換えるなんて…ブリタニアはどこまで卑怯ですね…

ライの記憶を弄んで…

苦しめて…傷つけて…

 

「まぁ、楽しみにしているところ悪いが、君を移送しなければなら無いんでね。」

 

「勝手にしなさいよ。」

 

拘束をしたままカレンをブリタニアの空母アヴァロンへ連れて行く

シュナイゼルへの契約の為に。

 

驚く事にカレンは抵抗を全くせずただ黙って従っていた。

アヴァロンの格納庫について迎えを待っている間もカレンはムスッとしていた。

 

「そんな怖い顔するな、スザクにも会えるぞ?」

 

「…会いたくないわよ」

 

カレンは吐き捨てるかのようにそう言って再びそっぽを向いてしまう。

まぁ、誤解もあってスザクはルルーシュを皇帝に差し出した張本人だからな…そりゃ会いたいわけないか…

 

そんな事を話しているとドアが開きすごい冷めた目をしたスザクが歩いてきた。

 

「ライアー、捕虜を護送してくれてありがとう。それで君がこちらに来ると言うのは本気かい?」

 

「ああ、名目上、星刻と天子様を救い大宦官を虐殺の後、ゼロの戦略を逆手に取り、天子様と星刻をピックアップする事で黒の騎士団の属国では無く、あくまで天子様が中心の中華連邦であると民衆に知らしめる。ブリタニアに敵対する勢力に成ってしまうが、変に制圧して後からテロが起こるよりましだろう。」

 

僕がそう言うとスザクは、怖い顔をして対論を示してきた。

 

「しかし、敵が増えるという事は多くの人が犠牲になるという事だ。戦争をする前提の策を僕は認め無い」

 

「ならば何故君は軍人になった?何故、名誉ブリタニア人になった?何故、日本からゼロを奪った?何故、ナイトオブラウンズに入れた?」

 

「それは、日本を取り戻すーーー」

 

「いや、違うぞ枢木卿。ナイトオブワンになったらエリアを一つの貰えると言う言葉は限定的だ君が死ねば無効でブリタニアから許されて日本と名乗れる。属国と変わりわない。それに君は、ナイトオブワンにはなれ無い」

 

「それでも諦めるわけにはいかない」

 

「犠牲を知ってなお、曲げる事はないか…いや、曲げられないのかな。」

 

「それはーーー」

 

あまりスザクの傷を抉っても楽しい事はないのでここら辺で時間潰しはやめにして本題に移ろう。

 

「話しを戻すと私はシュナイゼル殿下の配下になるって事で間違いないか?」

 

「いや、僕と同じ特派所属か友軍扱いだろう。殿下の配下に入るのはラウンズだけだ。」

 

「なら、ラウンズを全て倒したら配下に入れるかな?」

 

「冗談にしては笑えないな。」

 

会話している最中だったが、後ろからジノとアーニャが降りてきた。

 

「スザク、出撃らしいぞ。」

 

「敵…倒す…命令。」

 

「わかった自分も出る。」

 

ジノとアーニャが出撃した後、先に出ていると言葉を残しスザクも出撃した。

その直後ミンファから入電が入った。

 

「ライアー様!星刻様が大宦官に攻撃されています。」

 

「始まったか…星刻と大宦官の会話を中華連邦全土に流せ。やり方は教えた通りだ。」

 

「はい!」

 

これでいい…さて、僕も出撃して大宦官に終止符を打つかな。

ライは新しい愛馬に乗り出撃する。

この1年間の恩義の為…

 

 

「もうやめて!おかしいわこんなの!!きゃあ!!」

 

斑鳩の甲板に天子様が飛び出した。

それを確認するやいなや、すぐさま天子様の盾になりに行く星刻。

 

「ここは私が防ぎます!ですから天子様はお逃げください。」

 

「でも、あなたが居なければ星刻!私にはあなたが…」

 

「勿体無き御言葉…されど!!」

 

私は、天子様を護れないのか…

天子様に外の世界をお見せすると誓ったのに…

 

「星刻!そんなものか!君の想いは!!」

 

「なっ!!なんだあの機体は!!」

 

大宦官はオープンチャンネルで驚愕の声を上げる。

 

「大宦官よ貴様らは天子様を差し置いて国を操り!民を顧みず!今、天子様を入れ替えようととさえしているゴミだ!」

 

「ライアーよ!そちは我らを裏切るのか!!」

 

「裏切る?違うな我は中華連邦の天子様の騎士…大宦官の犬ではない!!」

 

「ええぃ!一機増えたとて変わりはない反乱軍を殺すのだ!!」

 

無駄な事を…

ガンルゥの一斉射撃はライアーの機体のルミナスに防がれた。

 

「まさか!あれは!!」

 

「ブレイズルミナス!?」

 

「何で彼があの技術を!?」

 

ラウンズ三人も声も驚きを隠せないようだ。

なんせブリタニアの技術と日本やインドの技術の集合体のような機体はだからな…

 

「大宦官よ民の声を聞け!!」

 

「中華連邦全土で同時多発的に暴動が起きています!」

 

「何!?」

 

大宦官のスクリーンに各地の情報が一気に入ってくる。

 

「大宦官。貴様らの負けだ…蒼天の元で断罪されろ」

 

僕はオープンチャンネルを切り、黒の騎士団のチャンネルへ繋ぐ。

 

「ゼロ、あとは君に任せるよ。」

 

「ありがとう。ここまで舞台を用意してくれたことに感謝する。」

 

ライアー…こちらの策を完全に読んだ上で踏み台にしあくまで中華連邦に天子の信仰を呼び覚ましたか…

だが…ここからでも黒の騎士団の支持者を増やすことはできる。

大分変更はあったが中華連邦と協定を結ぶ事に変わりは無い。

 

ゼロが司令室から退出したのを確認するとライは機体をアヴァロンへと向かわせた。




お久しぶりです。
読んでくださって誠にありがとうございます。
だんだんライカレではなくライユフィになりつつある雰囲気がありますがここから挽回いたします!
次回はifも投稿しようと考えておりますのでどうぞよろしくお願いします。
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