キヴォトス異世界転移物シリーズドイツ軍編 作:ゲヘナ第1突撃隊
「パンツァー.フォアヴェルツ!」《panzer.vorwärts》
戦車は唸り声のような声を上げながら前進を開始した。
「銃声が近づいて来ましたね。」
部隊長がそんなことを、つぶやいた。
「ああそうだな」
私達は、道なき道を進み木々をよけながら交戦予想地点に到達した。
「そろそろ交戦開始するはずだ、全員降車」
さっきまで車体に乗っていた擲弾兵達が、戦車の脇に展開して一緒に、前進開始した。
「見えたぞ」
前方を索敵していた斥候がドイツ軍の戦車を視認した。
どうも我が部隊は敵の側面に、付く形にいるらしい。
「私達は、稜線を出て敵の装甲部隊を攻撃するぞ!」
我が方の擲弾兵が配置に付き射撃を開始した。
”バララララッ!”
擲弾兵のMG42が火を噴く
「敵襲!あら手です!」
敵は私達が来たことで、指揮系統が混乱していた。
私達の戦車は、即座に敵戦車を攻撃した。
「左側2時の方向敵軽戦車、対戦車弾40装填」
「…装填完了!」
砲弾を装填された88《アハト・アハト》は、敵を照準器に収めた。
「フォイヤ!」
私の合図で発射された砲弾は、きれいな弾道を描いて敵戦車側面に命中した。
「敵戦車命中!!
搭乗員逃亡!」
「よし次は、3時方向の…クルセーダー戦車!?」
私は、ペリスコープから敵戦車を凝視したが、どう見てもクルセーダーマーク1型だった。
「次弾、対戦車弾40装填!」
「装填よし」
ハインツが次弾をスムーズに装填する。
「フォイヤ!」
徹甲弾は駆動機構を破壊し、敵戦車を擱座させた。
『敵戦車から搭乗員が脱出しようとしている、一人残らず逃すな!!。』
通信機からそんな声が聞こえた時には、敵は戦車を失った衝撃で敗走していて我々勝利は確実だった。
増援を求めていた部隊の隊員が追撃を行っていなかったため、残党狩りを終了し、その部隊と合流した。
「援護ありがとうございました!!」
「えっ?あっ、よかった…」
私達はとてつもなく動揺した。
駆け寄ってきたドイツ軍のような恰好をした彼女たちは天使のような輪が頭の上に浮かんでいた。
私は、静かにハインツを呼んで、
「お,おい、あいつらの頭に浮かんでいるものが見えるか?”
「え?何がですka……み,見えますよ…」
ハインツも動揺した。
ここで共闘した天使の輪のようなものをつけた部隊と、ひとまず合流することにした。
「ここの部隊隊長は誰だ?」
私は、擲弾兵の小隊長を連れて謎の部隊に向かった、
「こっちです!私が部隊長です!」
声を聞いた部隊長が手を振って知らせた
「援護ありがとうございました。
どこの部隊ですか、風紀?それとも万魔殿?」
「いいやどちらでもない、私たちはドイツ軍の戦車隊だ」
そちらさんの隊長も困惑していた
「そ、そんなことよりそちらに重傷者はいないか?」
私がそんなことを聞くと、彼女は首を横に振る。
「相手方には戦車がいたのに、死者どころか重傷者すらいないのか…
これは、たまげたな~」
「いやいやそんなことは…
ひとまずゲヘナの駐屯地まで行きますか?」
「ゲヘナ?ま,まあ、このままここに残ってもジリ貧だからな~」
私はその申し出を承諾した。
そこに行けば何かわかるかもしれない、と思ったのもあるが…
私達が援護した部隊は、ゲヘナの生徒?で構成された特別招集された部隊で、無所属の生徒と万魔殿の兵士で構成されていた。
「おい、ハインツあれを見てみろ。」
「何ですか?あっあれは!」
私たちの目線の先には、ドイツ軍で正式採用されているホルテ乗用車やトラックなど、ドイツ軍で使用されているものが大半を占めていた。
「これは…どういうことだかさっぱり……
ゲヘナって言ってたしやっぱりここ地獄かなんか何じゃないすか?」
「そうだったらいいな…
てか俺たちが行くのはヴァルハラだろ」
私は、そう返した
部隊は再統合されゲヘナの部隊と一緒に、ゲヘナ学園内の車両基地へ向かうことになった。
町の外観は、私達の時代のものでなく近代的で見たこともないものばかりで、私達の戦車に乗っている擲弾兵達も目を丸くしていた。
「凄いなぁこ」
「おい!あそこを飛んでいるのはツェッペリン飛行船では?」
私は、心の中で
「『一学園がこれほどまでの軍隊や町を持っているとは…もしかしてヤバいところにきてしまったのでは』」と思っていた。
しばらくすると、見覚えのあるドイツ軍の様な戦車基地に着いた。
するとハインツが
「こういう建物だけドイツ軍の建物に似ているな…」
「確かに…」
私達は、車庫の一部を使わせてもらってひと段落することができた。
「これから私達はどうなるのでしょうか…」
「やっぱり状況把握するしかないか」
私はノエルにそう答える。
私たち以外にもこの世界に来てしまった者たちがいるのか、確かめたいことが沢山ある。
部屋で一休みしていると万魔殿の高官みたいな人が入ってきた。
「先ずはゲヘナ生徒会(万魔殿)とか言う場所にこの事を報告に行くので、それに私たちもついて来てほしいっと?」
「はい、そうです。」
うーん、そこに行けば何かわかるかも…っと思っていた私は
「分かりました」と言い残して私は車庫に戻った。
「なんて言ってました?」
車庫の前でヨーゼフが私の事を待っていた。
「どうもゲヘナの中で一番偉い「マコト」とか言う奴に会いに行くらしい」
「そいつがここの「総統閣下」的存在ってわけか」
そういいながらヨーゼフは葉巻を取り出そうとする。
「おい!煙草はよさないか」
ヨーゼフは周りを見渡しながら
「おっと、失礼」と言いながら葉巻を戻した。
「まったく、若い学生?がいるというのに…」
と言うと彼は
「すまんすまん、喫煙家はつらいよ…」と言いながら車庫に戻って行った。
そして私も車庫に戻ろうとするとさっき助けた非正規の部隊の部隊長が感謝を伝えに来た。
「先ほどはありがとうございました。」
「いえいえとんでもない私達は同胞を助けようとしただけですから…」
彼女はそう言うとお辞儀をして去っていった。
私が車庫に戻ると寝床付いているハインツが
「随分と長話だったんじゃないですか?」
「そうか?」
私はそういいながら戦車の上に寝そべった
「ベットで寝なくていいんですか?」
彼は私にそう言ったらしいがその時にはもう寝ていたらしい。
次の日
私達は万魔殿の委員会長に会いにいくために準備を始めた。
「俺たちにこれを着ろというんだな」
万魔殿の軍服?のような物を持って私達の親兵に質問した。
「はいそうですね、風紀にばれたらめんどくさいんでね」
私は心の中で
「めんどくさい?SSみたいなものってことか?」
そんなことを思いながら制服に着替えようとした。
「あれ入らない」
分かってはいたがやはり制服が小さい服なのか、私のサイズに合わない。
「やっぱり入らない他の服はないのか」
「いやぁ、これより大きいサイズはないかと…」
そんなことをしている私を横目にノエルは準備を着々と進めていた。
「ノエルは良いな~小柄っていうか女だし」
「そ…そんなことないですよ
私は胸が飛行場ですし…」
「え!俺はそこまで言ってない!!」
その後ろで親兵が飲もうとしていたコーヒーを噴き出していた。
「じゃあ準備できましたね?」
私達を含む各部隊の5〜6人と万魔殿の人たちと、ここからキューベルで15分くらいで着く生徒会本部まで移動を開始した。
「わー、緊張するな~」
「車長、そんなこと言わないで下さい!私は、操縦室で一人でいたいのに…”
ノエルが隣でうずくまりながら言い返した。
「そんなぁ~、もったいないよ、見たことがないものが山ほどある」
私は外を眺めながら腕に付いてる腕章をいじった。
「そろそろ見えてきますよ」
運転手がそういうと、万魔殿の本部が見えてきた
「でかい建物だな」
「なんて言ったってここには万魔殿の中枢、作戦指揮や学園の管理などを行う機関がそろっていますからね」
運転手が建物の説明を事細かく説明してくれた。
「到着しました、ではこちらに」
私達は彼女らに連れられて万魔殿の本部に入る。
そこには、学生や万魔殿の士官の様な人だけではなく、今朝聞いた風紀委員会の人もいた。
「あの人たちにバレたらやばいんですよね」
私はこっそりと訪ねる。
「そうですね、見られたら厄介なことになるので…」
どうして厄介な事になるのか気になるが、そんなことを考えていると議長室の様な場所についた。
”コンコンッ”
「お連れしました。」
そう言うと扉が開いて中に招待された。
「キキキッ、待っていたぞ!」
おっとこれは、ナチ党にもいたちょっとめんどくさい人だ!
「どういったご用件でしょうか、閣下?」
私は彼女に問いかけると
「閣下いい響きだ……いやそんなことより君たちはどうしてキヴォトスに来た?」
「「えっそんなこと言われても」」と言いながら隣にいる部隊員などを見回した。
「キキキッ!私は思うのだよ、君たちがキヴォトスにきたのは、我々と共闘しキヴォトスを征服するためだと。
もし君たちが居れば、前に失敗したレッドウィンターの占拠も夢ではない!」そんなことを言ってると、親衛隊員のような人が、耳打ちをする。
「おっと忘れていた、その前に協力関係を築くために我々の戦車基地のそばに新しく操車場を創設することにした。そこは、君たちが好きに使っていいぞ、他には何かあるか?」
「いいえ、何もありません!」そう言うと、また少しキヴォトス征服計画を説明させられた後に解放された。
「なんかどっと疲れたなぁ」
「ほんとですねぇ…」
ノエルが力なくそう言った
「まあ、施設や設備はゲヘナが用意してくれるらしいし、万魔殿に協力するのが筋だよなぁ…」
そんなことを言いながら廊下を歩き出した。
「こんな堂々としてたら風紀にバレてしまいそうだけど」
私はノエルにそんなことを言った
「確かに帰りが怖いです…」
その後は何事もなく裏口にたどり着き、ホルテ乗用車に乗り込んだ。
「帰ったら状況の整理と部隊の編成だな」
私がそんなことを言うと
「このあたりの地域の勢力図が知りたいですね。他の学園もあるらしいですから」
今後の事を考えてると基地に到着した。そうするとノエルが…
「ねぇあれ、入り口にいるのって万魔殿じゃないよね?
その人たちが、うちの部隊の人と口論しているように見えるけど…」
「これはまずい気がするな…行ってくる!」
私は、車を降りてその現場に向かった。
「おい!どうした?」
「あ!小隊長殿」
「何だ!?あいつがここの責任者か?」
万魔殿ではない軍服を着た隊員は、腕に”風紀”と書いてある腕章を付けていた。
「あんた達ホントに万魔殿の部隊か?
制服も少し違うようだが?」
彼女は私に質問攻めをしてくる。
「まあまあ落ち着け
私が質問に答えるから」
風紀委員会の人たちをなだめていると。
「ちょっと道をあけてくれ!
あなたがここの部隊長か?」
風紀委員のあいだをすり抜けて、褐色の肌とエルフの様な耳をした風紀委員が問いかける。
「あんたがこの部隊の隊長か?」
「ああ、そうだ。
ノエルはやくきてくれ!」
私は、慌てながらノエルを呼んだ。
「どうしたんですか?私に何か?」
ノエルがのそのそと歩いてくる
「えっ?エルフ!?!?」
「エルフ?どういう意味だ?」
エルフ耳の風紀委員が困惑していた。
「ああ!そうだ、名乗るのを忘れていた、私の名前はヘルマン・フォルトゥーナ・マリーニだ”フォル”と呼んでくれ」
「ありがとうフォル
私の名前はイオリ、銀鏡イオリだ」
私は、「「「銀鏡」」聞かない名前だな?日本語か?」と、思いながら話を進めた。
「それで、イオリさんはどういう用件で来たんだ?」
「そうだったな、私達はまた万魔殿の活動が活発になったからまたよからぬ事を考えているのでは無いかと、ヒナ委員長に念押しされて来たんだ」
「そうだったのか、私達は最近の混乱に合わせて併設された治安維持部隊みたいなものだ、さっきも悪党どもの戦車を破壊してきたところだ」
イオリは納得できていない感じを醸し出していた
「ん~、そんな回答で納得してもらえるとは思えないのだが」
私は思い付いた!
「仕方ないぃ、そんなに信用できないのであれば、今度私達がそちらの委員長に会いに行こう。
それで勘弁してもらえないだろうか?」
イオリはすこし考えて「分かったそれで、委員長に伝えてみる、予定日時は後でまた伝える」という結論を出した。
その後はイオリたちに野暮な事はするなと念押しされて帰っていった。
「これでやっとひと段落か…
大変な1日だったなあ…」
「でもいいですか?
風紀にかかわるなって念押しされてたのに?」
「あの状況を挽回できる方法がほかにあるか?」
私がノエルにそう言うと彼女はそれ以上何も言わなかったが、「万魔殿に何か言われたりしないですかねぇ?」
「きっとどうにかなるよ」
私がそう言うとノエルは苦い顔をした。
「そう言えばさっき何で彼女に言った”エルフ”ってなんだ?」
そう聞くと「エ…エルフを知らないんですか!?」
ノエルはそう言うが私は首を横に振った。
その後エルフや、それが出て来る小説・童話・神話などをみっちり聞かされながら寝床についた。
その後数日間は何事もなく我々は戦車の整備砲弾の補充を行った。あいにくゲヘナの使用している武器は同じものが使われており、銃砲全ての弾薬の補給をすることが出来た。他にはゲヘナや他の地域で通行できるようにする為にナンバープレートなどが各車に配備された。
「隊長!!風紀委員会から連絡がありました!」
私はノエルを呼んで一緒に聞いた。
「何と言っていたんだ?」
通信兵が内容を読み上げる。「『明日午後1時からなら時間があり、出来るだけ少人数で来るように』だそうです」
「少人数でか…万魔殿に気づかれないためか?」
「たぶんそうだと思われます…”
私は少し考えて「よし分かった、風紀委員会には『二名で、我々の車両で行く』と伝えておいてくれ」
そう言うと、敬礼をして持ち場に戻った。
「明日行くメンバーは俺とお前でいいな?」
もちろんノエルはいやそうな顔をしたが「またあのエルフに会えるかもよ」と、言うと彼女は目を輝かして頷いた。
これまたひと悶着あるとは知らずに…
つづく…