キヴォトス異世界転移物シリーズドイツ軍編 作:ゲヘナ第1突撃隊
「準備はできたか?」
「もちろん!」
ノエルは何時に無くいい返事をする。
「帰るときになったら連絡を入れる」
「分かりました、お気を付けて!」
私は整備兵にそう伝えると、部隊から借りたキューベルで走り出した。
「ここは左側を走行だから、違和感が…すごい…」
「そうですね…イギリスみたいです」
助手席に座っているノエルが地図を見ながらそう言った。
「ここはどっちだ?」
「そこは、右ですね」
私は、交差点を曲がりながら、ミラーで後ろをチラチラと確認して。
「なぁ?気づいたか、後ろから誰かにつけられてる気がする…」
「もちろん気付いてますよ、確認しづらいのでもっと近づく事ってできない?」
「これ以上は無理だ、相手に気づかれてしまう」
私は少し考えて…
「まくか?」
「いいですよ!」
ノエルがそう言うと、私はアクセルをゆっくりと踏み込んだ。
「次はどこを曲がる?」
「次の次を左です!」
ノエルは揺れる車内で的確な指示を出していた。
「えっ?そこは曲がるところじゃないですよ!!」
「良いんだ俺に任せろ!」
キューベルは、車の間を縫うように通り抜けた。
「どうだ?つけてきた奴は見えるか?」
「大丈夫です、まいたっぽいです」
そう聞くと私達はまた風紀委員会本部に進路をとった。
「追跡がずさんでなかったか?」
「出口で出待ちしてた割には、全然ついてくる気がないと言うか…」
「まあ、追手はまけたので結果オーライでしょ!!」
私は、ノエルにそう言った。
それからも付けられていないか確認しながらゲヘナ中央区に入った。
「ここがゲヘナの中央区域…」
「凄いですね…」
そこは、大きなビルがたくさんあり、ドイツと言うよりアメリカのニューヨークのようであった。その中でもビルの間にそびえ立つ見覚えのある建物が…
「おい!あれって?」
「なんです?」
ノエルが私の言った建物を見る
「あ、あれは帝都にもあった
「でもこう見ると祖国に似ているところがたくさんあるな…」
私はそう言いながら『巡回中』と書いた札の様な物が付いた戦車を横切った。
「あの建物が風紀委員会の本部で合ってるよな」
「はい、地図上ではそうなっていますが」
やはり、話で聞く限りではあったが、治安維持部隊(ゲシュタポ)の様な機関なだけあって建物はでかい。中央区を走って分かったが万魔殿程ではないが戦車や装甲車を持っていた。
「そんなことより治安維持に重戦車が必要になるとか、どれだけ治安が悪いんだ…」
私がそんなことを考えていると風紀が決めた集合点に着いた、そこには『風紀』と書いた腕章をつけた生徒が二人待っていた。
「お待ちしておりました」
そう言うと、風紀の腕章を差し出して付けるように言った。
「この流れもこれで二回目だな」
「そうですね、服装は違いますけど…」
ノエルが腕章をつけ終わると、私達は彼女らに連れられて風紀本部にはいった。
「まだ、委員長はいらっしゃらないのでしばしお待ちください。」
私達を会議室おいて部屋から出て行ったのと入れ替わりで基地であったイオリと青髪の風紀委員が入ってきた。
「久しぶりだな!!」
私は、手を大きく振った
「イオリか久しぶりだな、隣に居るのは誰だ?」
「彼女は、風紀のn」
彼女はイオリに割って入り、
「私の名前は天雨アコ、風紀委員会の行政官よ。
万魔殿がまた何か企んでいないか確認するためにイオリを送ったの」
彼女らは、そういいながら私達の前に座った。
「委員長が呼んだわけではないのか?」
「そういうわけではない、ただ個人的に…」
「個人的に?どういう意味だ?」
そう言うとアコは、書類を私に渡してきた。
「これはなんだ?」
「あなた達の転移に何か関係があるかゲヘナの中心に周辺地域を調査したの」
その調査書にはゲヘナ内で起きた事件がのっていた。
「その調査書に書いてある事件には転移に関係がありそうな物はありませんでした…ゲヘナ内のは…」
「それは…どういう意味だ?」
アコはゲヘナ学園自治区ではない地図を示して「アビドス砂漠」を指さした。
「アビドス砂漠?ここがどうかしたのか?」
「アビドスでゲヘナが使用している通信機の周波数がここ最近何度も観測されたのです。それはあなた達、ドイツ軍のものとも一致するんです。
それに内容も「
私はノエルと顔を見合わせた。
「つまりはそこにはドイツ軍が、いるかもしれないってことか?」
「まだ確定は出来ませんが可能性は高いと思います。
ですがその周辺の地域はアビドス高等学園が統治してい て、それに加えてヘルメット団と言う不良組織がはびこっていて近付くのは困難を極めています。」
「つまり兵力は全然足りないという事か…」
アコは頷きながら
「なので私達の『ゲヘナ周辺地域の制圧』にドイツ軍に協力を求めたく、お越し頂いたのです。」
「そうすればwin:winってことか、
でも…万魔殿が私たちの力を風紀に貸すことを許してくれるか…」
そこでアコは、アビドス周辺の地図やアビドス高等学校の事が書いてある資料を手渡した。
「これがアビドス周辺の地図か…
都市部のほとんどが砂漠に飲み込まれているのか、ティーガーが通れるか心配になる地形だな…」
しばらく部隊派遣について検討していると、風紀委員長が帰ってきたらしいので資料を隠し、部屋に入ってくるのを待った。
「待たせてしまったね…風紀委員長の空崎ヒナよ」
「私が戦闘指揮官のフォルです、よろしくお願いします。」
「まずだけど…マコトが新設した部隊って君達のこと?」
「そうですね、急激の治安悪化で臨時で編制した混合戦車隊ですが…」
ヒナ委員長は少し考えて
「はあ…マコトの事だからまた何か企んでると思ったのだけど…」
『マコトは総統なのに全然信用されてないのか…』と、思いつつ話を続けた…
「わかったわ、そういうことにしておくわ…
でも、信用したわけではないから、アコを監視につけて置くわ…」
「えっ!そんなぁ」
アコが悲しそうな顔をしていたが、ヒナは気にして居ない様子だった
最終的には、万魔殿の私達の基地に、数人の風紀委員を監視役として、常駐させることとなった…。
「では、私達はこれで…」
「ああ、こちらこそ時間をとらせてしまったね…」
私達は、風紀委員に連れられて裏口から集合地点だった場所に向かった。
「アビドス砂漠件については、またドイツ軍基地でお話しましょう」
私は、アコにそう言い残して車を走らせた。
「私達の他にも転移してきたのがいたのか」
「そうですねぇ、彼女らの言うには私たちと一緒の通信機を使っているらしいのでドイツ軍部隊の可能性が高いですね」
「アメリカ軍だとか言っていたのが、気になるけどな……」
そんなことを話しているとドイツ軍分屯地についた
「行くのにかかった時間よりも早く着きましたね」
「追っ手を巻くのに遠回りしましたからね」
私達は、検問を通過して整備場に戻ってきた
「もう帰ってきたのですか?
帰ってくる時連絡するようにって言ったじゃないですか!」
「おっと忘れていた、すまない」
「そんなことよりお客さん来てますよ」
「えっ?」
私は客がいると言われた場所に向かった。
”コンコン”
「入りますよ」
”ガチャ”
そこには今朝私たちとカーチェイスを繰り広げた車両に乗っていた人が…
「今朝はすまなかった」
「朝つけてきて来たのはあんた(風紀)だったのか…」
私は、そんなこと言いながら机に腰かけた。
「君が監視役か?名前は?」
「可愛エルマだよ、エルマって呼んで」
「そうか、エルマか…これからよろしくな」
その後は、どこの部隊に着くか聞いたりして部屋に戻った。
「車長が戻ったぞ」
「ただいまです」
部屋にはハインツが一人、本を読んでいた。
「あっ!お帰りなさいませ、それで風紀委員会はどうだったか?」
私は、風紀からもらった資料を渡しながら
「風紀も万魔殿と変わりなかったが、もっぱらそっちは治安維持が主任務のように感じた。」
「で?これは何なんだ?」
ハインツは資料を読み始めた。
「私達以外にもこっちに来た奴がいるのか?」
「かもしれないってだけだ、まだ分からない」
私は、そういいながらウイスキーボトルをバックから出した。
「ドイツ軍がいるかもしれない場所は、アビドス砂漠と言うらしくて、敵対組織も居るって。」
ノエルが私の代わりに説明してくれた。
「ふ〜ん、砂漠ねぇ…砂漠と言えばロンメル…ロンメルアフリカ軍団じゃないか?」
「ア、アフリカ軍団?」
私とノエルは首をかしげる。
「何だ知らないのか?北アフリカでのスエズ運河を占領する為に編成された独伊連合軍団だよ」
「そんなもんがあったのか…」
私達は、話を戻した。
「で?何でこの話が出てきたんだ?」
「アビドスにいる敵対組織を危険視していて、潰してしまおうという事らしい…」
「その侵攻作戦に万魔殿の戦車隊が欲しいと言う事か…」
「大体そういう事だろ。
じゃあ、私はほかの部隊にも伝えてくる。」
私は、そう言って部屋を出て各部隊を回った。
その後数日は、戦車の塗装を冬季迷彩から砂漠迷彩に改装したり、万魔殿の戦車隊も部隊に編入して計戦車中隊3個分と、ドイツ軍歩兵隊と風紀突撃隊をあわせた2個中隊分、火砲は万魔殿のFlak 41を4問拝借してきた。
マコトには、『キヴォトス征服の足掛かりに…』とかを適当に並べて部隊を拝借した。
部隊の準備が完了したことをアコに伝えると
「すぐそちらに向かう!」と連絡してきたのでエルマと私は、各部隊長を会議室に集合させた。
「アコさん来ました!!」
アコが会議室に入って来る
「気を付け!!ハイル・フューラー」
各隊長はアコに対して敬礼をした。
「みんな集まって居るのね、じゃあ計画を説明するわね。」
アコはアビドス周辺地域の地図を机の上に出してアビドスへの侵入ルートを説明した。
「まず戦車や火砲の運搬には私達の使用してる装甲列車の機関車を使います。
アドビスに着いたら部隊を展開して、風紀突撃隊は注意を引くために装甲車と共に、ヘルメット団の基地を強襲する。その間にドイツ軍部隊は目標地点まで前進して味方部隊を救出。
そしたら後退して私達の部隊と合流しヘルメット団の重要物を爆破次第、撤退を開始撤収する。
質問はありますか?」
ドイツ軍歩兵隊長が質問をした。
「風紀突撃隊の戦闘指揮者は誰ですか」
「風紀は私が後方で、イオリが前線で指揮を取ります。
敵の戦闘能力も判明してるので、滞りなく作戦行動可能かと…
敵規模の資料は後で配布します」
「作戦会議はこれで終わりだな、出発は明日の午前5時にここを出発する。作戦行動開始はその次の日だな
各隊解散!!」
私がそう言うとみな部屋から、ぞろぞろと出ていく。
「皆さん慣れてますね…」
アコが私に話しかけてきた。
「ここにいるのは戦闘のプロフェッショナルだ!、
戦う為に生きてるのと一緒だからな…」
「では、私達も風紀委員会に戻って準備を開始するわ」
そう言うとエルマに挨拶して風紀委員を引き連れて部屋を出ていった。
「じゃあエルマ、私についてきてくれ。君の乗る戦車に案内しよう」
彼女を砂漠用の塗装に替えられたティーガーに連れて行った。
「これがティーガーか…」
「どうだデカいだろう?」
エルマが砲身に手を伸ばす
「これが8.8ミリ砲ですか…」
「ああ、こいつならシャーマン戦車の正面を射程外から吹っ飛ばせる。」
「シャーマンがなんだかわからんがすごいのがわかる」
すると操縦手ようハッチからノエルが出てきて
「エルマさん、こっちです」と、手招きした。
「私は、どこに乗ればいいの?」
「エルマさんは、機銃手席に乗ってください。
前方機銃用の弾は、補給してあるので好きに使ってください」
エルマがMG34をいじりながら
「好きに使うって...敵を撃つ以外の手段ってありますか?」
「それは自分で考えて…」
ノエルがそう呟いて中に戻っていった。
「明日は朝早いからさっさと寝るぞ」
「ノエルさんはいいんですか?」
私は、振り返りながら
「あいつはいつもそうだから気にするなって…」
と言いながらエルマと車庫を出た。
「明日は朝早くの出発だから寝坊するなよ」
「そんなぁ、ガキじゃあるまいし」
そう言って彼女と別れた
その後は
銃声が轟き…起床ラッパが鳴り響く…
「朝ですよ!!さっさと起きて」
「あ、あれ?もうそんな時間?」
外からは、歩兵隊の整列する音が聞こえる。
「すぐに準備しないと」
私は寝ぼけながら、ペペシャを持って車庫に向かった。
「アハトゥンク!!小隊長に注目!!」
外では、兵装の点検着々と進めていて車両隊も綺麗に整列していた。
「もうそんな時間か…」
「砲弾の積み込みもないので、ハイランダーの貨物駅まで急ぎますよ!!」
車庫に行くと、私達以外の戦車が外に出てきていて、ノエル達が私達の[[rb:戦車>ティーガー]]の横で待っていた。
「お~い!遅れてるぞ」
ノエルは私達を見た瞬間ティーガーによじ登り、乗り込んだ。
「ヨーゼフも、もう乗ってるのでさっさとエンジンかけてください!!」
「わかったわかった…ちょっとまってろ」
私とハインツは戦車の後ろに回って、イナーシャ・ハンドルを回した。
「そろそろいいんじゃないか!?クラッチを引け!!」
”バン!ドゥルルル…”
「よし!!かかった!!」
「乗り込んでください!、動きますよ」
私達は戦車によじ登り、砲塔の横に立った。
ティーガーはゆっくりと進み始め、味方の車列の一番後ろに着いた。
「も~一番最後じゃないですかぁ~」
「悪かったってぇ…機嫌を悪くしないでくれ。」
私はそう言ったがノエルは不満だった。
そんなことを言っているとエルマが、
「いつもこんな感じですか?」と聞いてきた。
私は少し考えながら。
「いつもはぁ…もっと……
いやいつもこんな感じだな…」
エルマは『意外』みたいな顔をしていた。
「私…、潜入任務に参加するのがほとんどだったので、こんなに多くの人が参加する作戦が初めてなので、緊張しますね…」
彼女は少し、緊張で震えていた。
「心配するな…こいつの装甲を貫徹するのは、不可能に近い」
「そうなんですか?それは頼もしいですね…」
そんなことを言いながら周りを見渡していた。
そんな中、市街地を走る万魔殿のマークを付けている戦車何十両も連ねて前進している絵面は、銃撃戦が絶えないギヴォトスでも変に見えたのだろう、バスの中からや信号待ちをしている人たちからも視線を感じた。
「やっぱり目立ってるな~」
「流石にここまでの大部隊が運用されるのは少ないですからね…では私は、機銃座に入りますね」
エルマがそういいながら、中に入っていった。
「かなりまいっていたな」
「そうですねぇ、初々しくていいじゃないか」
そんなことをハインツと話していると貨物駅についた。
「もう歩兵隊は乗り込んでるっぽいですね」
「じゃあ、さっさと戦車を貨車にのせるか」
私達は二人、車体から降りて戦車を荷台に載せるのを手伝った。
「もう少し右だ、そのまま…そっちはどうだ?ハインツ?」
「OKです!」
何事もなく、荷台に戦車をのせることができた。
「よし!固定も完了したな」
「さっさと乗らないと置いてかれますよ」
ノエルがハッチから出てそう言った。
戦車が乗り込むと機関車が汽笛を鳴らし、走り出した。
”ガタン ゴトン”
「まさかまた列車に乗ることになるとは思わなかったな」
「まだ二週間くらいしかたっていませんよ」
「まだだって?もうだろ!…」
私は、そういいながらウイスキーを飲んだ…
つづく…