アビドスのみんなと合流した後、特に何の問題も起きることなく原作通りに物語が進んだ。ヒフミと出会って、銀行強盗をして、集金記録の書類をゲットし、ついでにゲットした現金を便利屋に残し、お金がどんな動きをしているのかを把握した。そしてカイザーコーポレーションが後ろでかかわっていることまでは推測出来た。けれど、そこからどう調べていけばいいのか、また新たな問題に直面してしまい身動きが取れない状態になってしまう。そして各々解散し後日話し合うこととなった。
そしてその翌日、私はとあることのために柴関ラーメンに向かっていた。
「できれば止められたらいいんだけど。いるかどうかすらわからないんだよね」
すっかりなじみとなった柴関ラーメンのにおいが漂ってくる。目的地はもう目の前だ。耳を澄ますとアルの大声が聞こえた。……もしかしなくてもヤバいかもしれない! はやくいかないと!
「私の目指したハードボイルドにこの店はいらないわ!」
「いやー、極端すぎない?」
「こんなぬるま湯につかっていたら冷酷で非道な悪党になれないもの!」
「……」
「――ハルカ?」
「つまりこんなお店吹っ飛ばしちゃおうってことですね」
「――え?」
「やっと……。やっと、アル様のお役に立てそうです」
「あれ? それって起爆スイッチだよね?」
「――ちょっとハルカ、なにして!?」
にっこりと笑い、今にもスイッチが押されそうな瞬間。
「――――ちょぉっとまったぁぁぁぁああああ!!!!」
間一髪でハルカの起爆スイッチを取り上げることができた!
「せ!? 先生!?」
「どうしてここに……?」
「いやー、ラーメンを食べようと来たんだけど、中から物騒な会話が聞こえたからさ」
「か、返してください! それがないとアル様のお役に立てないんです!」
「て、言われても返すわけにはいかないよ。私も爆発に巻き込まれちゃうもん」
すっごい形相で睨んできてる! えっ? 死ぬ? ハルカに殺されて死ぬのか私? というか痛い! すっごい痛い! すごい力で私の腕をつかんでる!
「ちょっ! みんなハルカちゃん止めてくれない!? 折れちゃう! 私の腕が折れちゃうから!」
「――! ハルカ! 落ち着いて! それ以上はほんとにダメだって!」
「そーそー! いったん離れよ! ね!」
カヨコとムツキの二人掛でも止まらないってどれだけ力が強いの!? でもそのくらいじゃないとタンクなんて務まらないいイテテテッ!!!
「アルちゃんも何か言って!」
「――わ、私!?」
「アルちゃんの言葉だったらハルカちゃんも言うこと聞くでしょ!」
私の言葉にハッとしたアル。これで止まってくれればいいんだけど。
「そ、そうね。――オホンッ。やめなさいハルカ!」
「あ、アル様……?」
よし! 力が弱まった!
「いったいいつ、私がこの店を爆破しなさいと指示したかしら?」
「――わ、私っ。またアル様のご迷惑をっ! し、死んで詫びます!!」
「ちょっと! そこまでしなくていいから!」
「で、ですが……」
「たとえやり方が間違っていたとしても私のために行動してくれたのはうれしかったわ」
「あ、アル様……!」
一件落着、かな。よかった。これで柴関ラーメンは爆破されないし、アルも変に思い悩むことはなくなった。うん。とりあえずお腹も減ってるしラーメンでも食べよう。
「大将ー。私にもラーメン一杯!」
「あいよー!」
「ねー先生。先生はどっちに座るのー?」
「? どっちって?」
「私の隣かー、カヨコちゃんの隣かってこと」
こっ、これは! ノノミかシロコのどっちに座るイベントが発生しなかったかわりのイベントだっていうのか!? ムツキか、それともカヨコか。なんて悩ましい選択イベントなんだ!
「はぁ。ムツキ、あまり先生を困らせないの。それに先生も私たちと一緒に食べたいなんて――」
「それじゃあカヨコちゃんの隣に座るね!」
「――え!?」
そんなかわいいこといわれたらもう選択の余地ないよね!
「それじゃあとなり失礼するね!」
「……まぁ、いいけど」
「すごいね先生。カヨコちゃん顔が怖いってよく周りにさけられてるのに」
「そう? 私はカヨコちゃんの顔、とってもかわいいと思うよ」
「――かわっ!」
「うわーお。本当にすごいね先生。初対面でカヨコちゃんにそんなこと言えるなんて。……あ、初対面ではないか」
めっちゃ顔赤くなってる! 超かわいい! なにこの子!? かわいいの権化!?
――ふぅ、危ない。危うく取り乱しそうになった。大丈夫、私は今宇宙一落ち着いた。
「それにしてもみんなはここによく来るの?」
「うん! 安いし美味しいし量もいっぱいあるし。金欠の私たちにはすごくありがたいんだよねー。まあ、アルちゃん的にはあまり良くないみたいだけど」
「そうなの……?」
「……えっ、えぇ! 私は本物のアウトローになるの! なのにこの店は暖かくて親切にしてくれて和気あいあいとしてて! いつの間にかみんなが仲良くなっていって! これじゃあ一人前のアウトローになれないわ!」
「……アルちゃん。アルちゃんのいうアウトローってどんなものなの?」
「――へ?」
「ただ悪いことをすること? 人に迷惑をかけること? 平和を乱すこと?」
「それは違うわ――!」
「じゃあ、アルちゃんのアウトローって?」
「私の目指すアウトローは誰にも縛られず、自分の信念を貫いて生きることよ! たとえどんな状況であろうとも自分の心に嘘はつかず、己の道をまっすぐ歩く! それが私の目指すアウトローよ!」
「そっか。それがアルちゃんが成りたいアウトローの姿なんだね」
「えぇ! 誰が何と言おうと私は自分を曲げるつもりはないわ!」
「なら、この店に来ても何の問題もないよね」
「へ……?」
「優しくされたらアウトローになるのをやめるの? みんなと仲良くなったらアウトローにはなれないの? 違うでしょ。さっきアルちゃんが自分で言った通り誰が何と言おうとアウトローになるって気持ちがあるなら何も問題ないでしょう?」
「……そうね、確かに先生の言う通りだわ」
よかった。私に生徒の人生相談の相手なんて務まるのか不安だったけど、どうにかなったみたい。
「それにさ、普段は平和な日常の中にいる人たちが実はものすごいアウトローってメチャクチャカッコいいでしょ」
「――た、確かに!」
「その平和な日常にこれほどぴったりなお店はないでしょ!」
「そうね! これからも立派なアウトローになるためにこのお店に通い続けましょう!」
そうしてアルと談笑した。だから――
「……」
「……へぇ」
――二人の訝しむ目線に気がつかなかった。
「ヘイお待ち!」
「ありがとうございます! 大将!」
どうやら便利屋のみんなと話しているうちにそれなりの時間がたっていたみたい。目の前に置かれたラーメンが私の食欲をわきたててくる。
「それじゃあみんな、いただこうか!」
「ええ!」
みんなで手を合わせる。
「「「「「いただきま――」」」」」
言い終わる寸前で何かが窓を突き破って投げ込まれた。
「! 閃光弾っ!?」
何の反応もできずにそれは炸裂した。
今回もとても良いイベストでしたね!
読んでいてかなり楽しい話でした!
なによりもセナがメチャクチャはっちゃけていたのが印象的でした。
セナの新しい一面が見れてとても満足です!
それにジュリも成長していて感慨深くなってしまいました。
ただ不満もあるんですよね。
なんでイオリの粘液まみれの姿とアコの触手にもてあそばれている姿のスチルがないんですか?
それがあったら100点満点中100億万点だったのに!
まあでも面白かったのでオールオッケーです。
それにしても最近のイベストってキャラというよりも学園に焦点を当てている気がするんですが私の気のせいですかね?