「ホシノちゃん――!」
「うへー、遅くなってごめんねー」
にへらと笑いながら謝罪するホシノだったが銃口はブレることなくヒナを狙っている。
「……小鳥遊、ホシノ?」
「あれ? 私のこと知ってるの?」
「えぇ、情報部にいたとき各校の要注意生徒は調べたから」
「要注意生徒って。おじさんは人畜無害なおとなしい生徒だよー」
「……一年の時とはずいぶんと雰囲気が変わったわね。やっぱりあの事件が原因なのかしら」
「……」
ホシノの表情から笑顔が抜け落ちた。怒ったり、恨んだりといった表情ではなくただまっすぐとヒナを見つめている。まるでこれ以上そのことに触れればすぐにでも戦いを始めるというかのように。
数秒の静寂。ヒナとホシノがじっと見つめ合う。その緊張感に冷汗が流れた。
「それで、どうするの? やる?」
「……いいえ、撤退するわ。さすがに貴女とやり合うわけにはいかないから」
ヒナが撤退を宣言したとき、張り詰めていた緊張感がふっとほどけた。
「い、委員長! 便利屋がまだっ!」
「――イオリ」
「うぅ……」
ギッとヒナににらまれたイオリは一瞬で委縮してしまった。
「撤収するわよ。急ぎなさい」
ヒナの宣言に風紀委員会はいそいそと撤収準備を始める。
「先生、少しいいかしら? 話しておきたいことがあるのだけど」
ヒナが近づき話しかけてくる。
「どうしたの?」
「カイザーコーポレーションのことは知ってる?」
「……知ってるよ」
「……これはまだ万魔殿もティーパーティーも知らない情報なのだけれど」
一呼吸おいてヒナが話し始める。
「アビドスの捨てられた砂漠。……あそこでカイザーコーポレーションが何か企んでいるみたい」
「アビドス砂漠で?」
「えぇ。カイザーPMC、カイザーコーポレーションの系列会社が物資や重機、兵器、様々な物をせわしなく運んでいるのを直接確認してきた」
え? え!? 直接確認してきた!? ホントに!? そんなことしてたの!?
「PMCって軍事会社のことだよね? なんでそんな会社が砂漠に?」
「わからない。けど一つだけ確認できたことがある。昔から噂されているアビドス砂漠にいる超巨大生物」
多分ビナーのことだ。あんまり覚えてはいないけどビナーは存在自体は数十年前から確認されていたはず。
「そんなものがいるなんて思ってもいなかったけれどカイザーとその生物が戦っているところを確認した」
「……ビナーと」
「ビナー?」
あやっば。声に出てた。どうしよ。まあいっか。
「うん。その巨大生物の名前」
「ビナー。……聞いたことがない名前だけれども。先生はいったいどこでその名を?」
さすがにこればっかりは教えられないよね。ゲームで知ってるなんて。
「それは秘密。まあ、私には私なりの情報収集の伝手があるってことで」
「そう。シャーレにはそんなものまであるのね」
うーん、なんか変な方向に勘違いしてない?
「それよりもカイザーのこと教えてくれてありがと!」
「お礼を言われるようなことではないわ。それにシャーレの先生には伝えておいたほうがいいと思っただけだから」
ヒナの雰囲気が和らいだ。これ以上この件について話すことはないのだろう。
「今度謝礼の品をもってシャーレにお邪魔させてもらうわ」
「そんな口実つくらなくてもシャーレはいつでも空いてるよ。まあでも、留守にしているときもあるから来るときに連絡してくれるかな。ヒナちゃんともお話ししたいし」
「――ヒナちゃん!?」
顔を真っ赤にして驚くヒナ。確かに慣れていなさそうな呼ばれ方かも。
「ダメだった? ほかの呼び方のほうがいい?」
「……いいえ。先生になら、べつに」
頬を赤く染めたヒナがちらりと風紀委員会の様子を見る。つられてみればほとんど撤収準備が完了していた。
「それじゃあ先生。また」
「うん。またねヒナちゃん!」
風紀委員のみんなを連れヒナが去っていった。一気に人がいなくなったからか、この場所の閑散とした雰囲気を強く感じる。
「――た、助かったわ!」
「まさか見逃してもらえるなんてねー」
本当によかった。便利屋のみんなが捕まっちゃったらどうしようかと思ったよ。それなりに原作からはなれちゃったけど何とか軌道修正はできたのかな。
「……それで、何があったの? おじさん状況がまだわかってないんだけど」
「えっと、それはね――」
ホシノ、そして途中参戦したアビドスのみんなにも改めて起こったことを一から説明した。話している途中で顔をしかめたり怒りをあらわにしたりしている子もいたが最後まで私の話を聞いてくれた。
「それじゃあやっぱり柴大将のお店が破壊されていたのもあいつらの仕業ってこと!?」
「いや、それは……」
「いいえ、あのお店を爆破したのは私たちよ」
「アルちゃん……!」
場の空気が一気に険悪になる。
「――どういうこと?」
「まってセリカちゃん! アルちゃんは私を助けようとしてっ!」
「だとしても爆破したのは事実よ。そこは変わらないわ」
どうしよう。どうにかして穏便に済ませたいけど下手に介入すると余計にこじれちゃうかもしれない。
「――ごめんなさい」
アルが勢いよく頭を下げる。
「それはアタシたちじゃなくて大将にすべきことじゃない?」
「もちろん大将にも今度、謝罪に伺うわ。でも今はアナタたちに。巻き込んじゃってごめんなさい」
「アルちゃん……」
私はなんて思い違いをしていたんだろう。全部全部、私が何とかしなきゃと考えていた。『先生』の代わりにならなくちゃって思っていた。けどそんなことはなかった。むしろ傲慢だ。生徒たちはみんな、私が思うよりずっと強い。自分たちで考え、自分たちで行動できる。これじゃあ彼女たちの方が私より大人だ。
それに今回の事件は私を狙っての事件だ。巻き込んだというならアルじゃなく私だ。私が皆を巻き込んだんだ。一番最初に謝らないといけないのは私なんだ。
「みんな。ごめんなさい。私がもっとちゃんとしていればそもそもこんなことにはならなかった。アルちゃんたちがお店を爆破することはなかった」
「ちょっと! やめてよ先生! 先生が謝ることじゃないじゃん! もとはといえば風紀委員が先生を狙っていただけで。先生はただの被害者じゃん!」
はたから見れば確かにそうかもしれない。でも、知っていたんだ。アコが私を狙っていたことは。もっとちゃんと考えて動くべきだったんだ。
「わかった! わかったから頭を上げてよ先生! 便利屋も!」
「セリカちゃん」
「アタシも、その、ごめん。頭に血が上っちゃってたっていうか。そうよね、先生を守るために必要なことだったのよね」
顔を上げるとセリカは頬を赤く染め、横を向き、しどろもどろになりながら話していた。
「だからもう、怒ってないっていうか、その……っ。とにかく! そういうことだから!」
「ありがと。セリカちゃん」
よかった。仲直りできて。
「セリカちゃんの怒りもおさまったことだし、これからどうしよっか?」
「とりあえず学校に戻りましょう! 今後の方針についても話し合わないといけませんし」
そういえばそうだっけ。ちょっといろいろあって忘れてた。
「便利屋のみんなはこれからどうするの?」
「一度、事務所に戻るわ。用意しなきゃいけないものもあるしね」
「そっか。それじゃあここでお別れだね」
「えぇ。また会いましょう、先生」
便利屋のみんなも去っていった。残ったのは私とアビドスのみんな。
「それじゃあ学校に戻ろっか」
このままみんなとおしゃべりしながら学校に戻っていった。
あ、まってシロコちゃん。その話はやめて。ホシノちゃんも食らいつかないで。一人だけ仲間外れはかわいそう? 私はかわいそうじゃないの? あ! なんでそんな写真持ってるのアヤネちゃん! ホントに待って!
なんかケセドの大決戦、一日短いみたいですね。
前にもこんなことありましたよね。
その時は確かミレニアムエキスポイベで少しだけイベント期間が長くなったから短くなった感じでしたよね確か。
つまり今回もそういうことなんじゃないですか?
というかそろそろブルアカライブが来てもおかしくないというか来ないとおかしいというか。
つまり何が言いたいかというと。
次のイベント、神イベじゃね?
ついでに多分実装される生徒、限定じゃね?
もしかしてヤバくね?
サオリドレスまわしたから石がないんですけど。
いくら何でも休憩期間が欲しいんですけど。
石を集める時間が欲しいんですけど。
もしかして、ない?
ヤバすぎ。