『――なるほど、そんな状況になっているのですね』
ユイに今の現状、そしてこれからカイザーPMCに攻め込むため力を貸してほしいことを伝えた。
『話を聞く限り……私、いらなくないですか?』
「そんなことないと思うけど……」
『いや、トリニティとゲヘナの支援があるんですよね? しかもゲヘナからはあの風紀委員長、空崎ヒナが支援に来るわけですし。というか彼女一人でカイザーPMCを制圧ぐらいできるでしょう』
「そ、そうかもしれないけど……」
実際作中最強格の一人だし、ヒナがいて負けるなんてことはあり得ないだろうけど。
『まぁ、先生からのお願いを断ることはしませんよ。……それにカイザーの中を調べる機会なんてそうそうありませんし』
「? 何か言った?」
『失敬、こちらの話です』
ぼそぼそっと何か聞こえた気がしたんだけど……。
『とはいえ私一人増えたところで焼け石に水ですし、ほかの傭兵仲間たちにも声をかけておきますね。20人ぐらいいればそれなりの戦力にもなるでしょう』
20人……20人!? さすがにそんな人数に払うお金はないんだけど!?
「そ、そんなに呼ばないでもらえるかな。あまりお金に余裕はないから」
『安心してください。お金はいりませんよ』
「え? 本当?」
『はい。私のようにお金だけもらって何もしないわけにはいかないって子たちがいるので』
よかった。さすがにもうお金に余裕はなかったし、これ以上はユウカに怒られる。……いや、もう怒られるのは確定してるけど。
『……あ! もちろん私は別で依頼料をもらいますね』
「あんまり高くないといいんだけど……」
『安心してください。私もべつにお金を要求するわけではないので』
「そうなんだ? それじゃあ何を……?」
『先生にはお願いしたいことがあるのですが……それはまだ先の話ですので貸一つ、ということで』
「そっか、とりあえずは高くつかなくてよかったよ」
『先生は良い顧客になりそうですからね』
「あ! 先生!」
「おかえりなさい!」
対策委員会の教室に入るとみんなが出迎えてくれた。
「ただいまみんな。準備は……できてるみたいだね」
机の上にはそれぞれの銃や弾倉、ドローンなどが準備されていてすぐにでも出られそう。
「はい! 先生の方はどうでしたか?」
「こっちもばっちり協力を取り付けてきたよ」
「本当ですか!?」
「うん。トリニティ、ゲヘナ、傭兵の子たち。便利屋のみんなは会えなかったからわからないけど、メッセージは残してきたよ」
「すごい! それだけの援軍があるならカイザーPMCとも戦えるわ!」
「それじゃあみんな――」
シロコ、ノノミ、アヤネ、セリカ、みんなの顔を順に見渡す。
「ホシノを助けに行こう!」
「……ん。行こう」
「助け出して、ここに連れ戻そう!」
「はい! 対策委員会にはホシノ先輩が必要です!」
「そのあとはみっちりと叱ろう!」
「うんうん! ちゃんとお仕置きしてあげましょう!」
「お帰りって言って、ただいまって言わせよう!」
「うん! ……えっ!? イヤよっ! そんな青春みたいなこと! 恥ずかしい!」
「私はする」
「シロコ先輩!?」
「わ、私もします!」
「アヤネちゃんまで!?」
「セリカちゃんは恥ずかしがり屋ですねー。あっ、もちろん私もします!」
「――っ! 私は絶対にやんないんだから!」
「まったくもう、ツンデレなんだから」
「――ッ! 先生ッ!」
教室にみんなの笑い声が響くけどその笑い声には一人足りない。だから――絶対に取り戻すんだ。
「アビドス対策委員会、いくよ!」
カルバノグまでお預けになるだろうなぁなんて考えてた彼女にまだ活躍の場面があるなんて正直思ってもみなかった。
なんで思い付きで出したあの子がまた出てきてんだよ!
しかもなんか伏線散りばめていきやがったし。
カルバノグについてまだなんも考えてないんだよ!?
そもそもパヴァーヌやエデン条約だってまだ白紙なのに。
それにこの調子だとまた出てきそうな気がするんだけど。
頼むからもう変な事すんな!