「周囲に異変はあるか?」
カイザーPMCの司令室にカイザー理事の声が響く。
「いえ、今のところは」
ドローンによってモニターに映し出される映像には変化はなく、基地を警護している兵士たちと変わり映えしない風景しか映っていない。
「そのまま警戒を続けろ。奴らは必ず来る」
指示に従い部下たちは各々担当方面の索敵を続ける。砂漠ということもあり砂嵐で映像が乱れることもあるが、どんな小さな変化も見逃さないよう目を光らせていた。
どれほどかの時間がたった時、ある部下が人影に気付いた。その人影はカイザーPMCの兵士のものではなく、目を凝らしてみてみればそれはアビドスの生徒たちだった。
「理事! アビドスが現れました!」
「場所はどこだ!?」
「西方です!」
「よし! 今すぐ全戦力を西門に集中させろ!」
部下たちはカイザー理事の指示を全部隊に伝えようとするが、突如別の部下が声を上げる。
「たっ! 大変です! 北方にわずかながら兵力を確認した模様!」
北方の管理を任されていた彼は現場にいる兵士たちの報告を聞き、ドローンを動かし索敵した。
「チィッ! こんな時に誰だ!」
「こ、これは……」
彼の前に設置されているモニターには三人の影が映っていた。砂埃ではっきりとは見えなかったが、先頭に立っているその影が誰のものなのかはすぐに分かった。何しろこのキヴォトスで生きるならだれもが一度は噂を聞くような存在だったからだ。
「ゲッ、ゲヘナ風紀委員長の空崎ヒナです! おそらく他二人も風紀委員と思われます!」
「ハァア!? なぜ奴らがここで出てくる!」
突然のゲヘナ風紀委員長の登場にカイザー理事も目を丸くする。それもそのはず。アビドスと風紀委員会の間にあるつながりなんて衝突しかけたことだけ。それに将来性のない学校をゲヘナ風紀委員長が助ける理由などカイザー理事には思いつかない。
なぜだと考えていると今度は別の部下が慌てた様子で報告を始めた。
「りっ、理事! 南方でも兵力を確認!」
「今度はどこのどいつだ!?」
「トリニティ総合学園です! 兵力からしておそらくティーパーティーがかかわっているかと!」
「ティーパーティーだと!?」
「東方でも兵力を確認! おそらくブラックマーケットの傭兵です! 数は20人ほど!」
「えぇい! 次から次へと……! いったいどうなっているのだ!?」
予想外の戦力の登場にカイザー理事は頭を悩ませる。なぜこうもアビドスに手を貸すものが次々へとあらわれるのか。傭兵はまだいい。アビドスに雇われたのだと結論づけることができる。だがゲヘナとトリニティ、このキヴォトスで三大校と呼ばれるうちの二つがなぜ廃校目前の学校を助けようとするのか。
(……いや、そんなこと今はどうでもいい。悩んだところでどうにかなるわけではない。それよりもこの危機をどう乗り越えるかを考えなければ……っ)
必死に頭を悩ませるカイザー理事だったが単純に戦力が足らない。そもそも全戦力を投じてあの空崎ヒナに勝てるかどうかわからないのだ。そのうえアビドス、トリニティ、傭兵部隊も対処しなければならない。……不可能だ。いくら戦力をかき集めても空崎ヒナがいるかぎり勝ちの目は見えてこない。
そもそもなぜあんな化け物を相手にしなければいけないんだと考えていた時、ふとカイザー理事はある言葉を思い出した。『目には目を、歯には歯を』。ならば化け物には化け物を。
「……対デカグラマトン部隊を呼び戻せ! 今すぐにだ!」
「で、ですが今あの部隊は交戦中のはずですが……」
「だからこそだ! 奴をゲヘナ風紀委員長にぶつけろ! 対デカグラマトン部隊が戻ってくるまでは大隊で時間を稼げ! 東方には小隊、いや中隊を向かわせろ! 残った戦力の3分の2はトリニティに当て、残りでアビドスを叩く! おい! アレはもう完成しているな!?」
「アレ……? あ! はい! いつでも出せます!」
「よし! 私が乗って直接叩き潰してやる!」
そう言い残しカイザー理事は司令室を出た。
「順調順調! このままホシノ先輩のとこまで一直線よ!」
「セリカ、あまり油断しないほうがいい」
「そうです! 隙を見せたらまたさらわれちゃいますよ!」
「ちょっとノノミ先輩! その話蒸し返さないでくれる!?」
「あはは。……ですが今回の場合はセリカちゃんじゃなくて先生の方が攫われちゃいそうですけど……」
「はぁっ、はぁっ……。ちょっと、まって……」
カイザーPMCの基地に向かう道中で警備中の兵士と遭遇し、倒して進んできた。若いからなのかキヴォトス人だからなのかはわからないけど、戦いながらでもどんどん先に進むみんなに対して私は追いかけるので精いっぱいだ。
「先生、あともう少しですから頑張ってください!」
「はぁっ、はあっ……。こん、じょぉおお!!!」
「ん、さすが先生」
「無理なら無理って言ってよ!?」
「こんな、ところで……、あしを、止めてる場合じゃ、ないでしょ……っ!」
無理やりにでも足を動かす。私の体力不足なんて理由でホシノの救出を遅らせるわけにはいかない!
「見えてきました!」
アヤネの声に前を見てみると、カイザーPMCの基地を囲う壁と門が見えた。
「やっぱり門はしまってる。なら……持ってきた爆弾の出番」
「門に風穴開けて突入です♪」
「一気に突入するわよ! アヤネちゃん、中の様子はどう!?」
「少し待ってください。……あれは! 門の向こう側に敵勢力確認!」
「上等じゃない! 門と一緒にぶっ飛ばしてあげるわ!」
門まであと十数メートルまで近づいたとき、ギギギィと大きな音が響き始める。
「セリカちゃん待ってください! 門が勝手に開いてます!」
ノノミの言う通り門が少しずつ開かれていき、あたりに砂埃がまき散る。
門が完全に開き切ると、大勢の足音とそれを踏み潰すかのような重厚な音があたりを揺らす。
やがて重厚な音の正体が砂埃の中から姿を現した。
10メートルは優に超えそうな黒く光る人型の巨体は重厚な装甲を持ち、普通の小銃では傷つけることは出来ないだろう。そして両手には三つの砲門を携えた大きなガトリング砲を持ち、それから発射された銃弾に当たればキヴォトス人でもただでは済まなそうだが、それ以上に危険なのは頭部に装備された巨大な砲門。長く、太く、大きな砲門から放たれる攻撃は最悪ヘイローすらも壊してしまいそうな威圧感を放っている。
そんな強力な兵装の真ん中にはもう嫌になるほど見飽きた人物が乗り込んでいた。
「よく来たなアビドス対策委員会」
「カイザー理事!」
圧倒的な存在感を放つカイザー理事とその周りに立つ武装した数多くの兵士たちの存在が、ここがアビドスとカイザーPMCとの決戦の地だと物語っている。
シロコが、ノノミが、セリカが、アヤネが、そしてカイザーPMCの兵士たちが、カイザー理事が互いに銃口を向け、まさしく一触即発の雰囲気だ。
数秒お互いににらみ合い――
「決着をつけようではないか」
――カイザー理事の声によって戦いの火蓋が切られた。
はぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!
なんですかあの水着は!!!!????
叡智ィ!!!
叡智が過ぎます!!!!!!
んもぉぉぉあんな水着を見せられたら引くしかないじゃん!!!!!!
いや百花繚乱の水着だったらどんな格好でも引いてたけどさ!!
でもあれはダメでしょ!!!!
エリートな水着を着るユカリ!!
青春を感じる水着を着るレンゲ!!
肌が白いせいで水着の存在感が薄くて一瞬その、そういう風にしか見えなかったナグサ!!
そしてどこで売ってるのかすらわからないほどの水着を使って自分の体であやとりをするキキョウ!!
はぁぁぁぁあああああああ!!!!!
好き
大好き
愛してる百花繚乱紛争調停委員会