私に先生は荷が重すぎます!   作:朱汰清家

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最初の試練

『――対象、沈黙を確認。お疲れさまでした、先生』

『ありがとうアロナ。おかげで何とか勝てたよ。さすが超スーパーOSだね』

『そっ、そんなに褒められるようなことっ! ……ありますけどー。えへへー』

 褒められたアロナは目に見えて喜ぶ。ガチャで先生たちのヘイトを一身に受けていたアロナだったけど、実際にストーリー上で優秀な場面は何度か見てきたしすごい子なんだろうなとは思っていた。けれどここまですごいとは思わなかった。何しろ砂埃の中で生徒だけじゃなく相手や大きな障害物まで把握することができたんだから。

「みんな! 大丈夫!?」

 声を上げてアビドスのみんなに呼びかける。頭の中では無事なのは理解しているけど、どうしても直接確認しないと不安がぬぐいきれない。

「平気」

「無事ですよー☆」

「アタシも大丈夫!」

「私も平気です!」

 次々とみんなの返答が聞こえてくる。

 見れば砂埃が晴れる中、こっちに向かって駆け寄ってくるみんなの姿があった。みんな砂で汚れてはいるけど目立ったケガもない。

「よかった、みんな無事で」

「先生のおかげです。まさかあんな砂埃の中で指揮できるなんて」

「味方だけじゃなく敵の場所も正確に把握してた」

「先生はやっぱりすごいですー☆」

「作戦もびしっと決まったし!」

 自分でも本当にうまいことやれたと思う。

 正直、砂埃が舞った影響が戦略地図にあらわれなくてよかった。そうならないこと前提の作戦だったから本当によかった。

「運がよかっただけだよ。それよりも先を急ごう! ホシノちゃんが待ってる!」

「そうですね。行きましょう!」

「……ん?」

 先へと進もうとしたがシロコは動かず、銃を構えた。

「どうしたのシロコちゃん?」

「……ん、まだ終わってないみたい」

 シロコが銃を構えた先、そこは先ほどカイザー理事を生き埋めにした瓦礫の山と化した場所。そこからガラガラと音が鳴っていた。瓦礫の隙間から砂埃も立ち上り、ぴくぴくと鼓動するように瓦礫が動いている。

「――待てェ!!!」

 叫び声とともに瓦礫を吹き飛ばして立ち上がるカイザー理事。彼が乗っているゴリアテからは全身から黒い煙が立ち上り、関節からはギギギと耳障りな音を上げている。

「このまま逃がすと思ったかァ!!」

「まだそんな力が残ってたなんて……!」

 全員が一斉に銃口を向ける。あそこまで傷ついているのならこっちの攻撃も効くだろう。とはいえこっちもそんなに予裕はないし出来るだけ手早く決着をつけたい。

「今度こそ確実に捻り潰して――!」

「どっかーん!!」

 陽気な声とともに私たちの背後からカイザー理事の方向へ飛んでいったカバンが爆発する。

「――まだこんなところにいるなんてね」

 背後から聞こえるのは聞き覚えのある声と四人分の足音。振り返るよりも早く私たちの前に立ちふさがる四人の背中。

「便利屋!?」

「わー! お久しぶりです皆さん☆」

「まさか本当に来てくださるなんて」

「重役出勤」

「あら、登場の仕方としてはこれ以上ないほど完璧なタイミングだったと思うのだけれど」

 振り返りながら答えるアルの顔は余裕たっぷりといったあくどい表情をしていてまさしくアウトローだった。

「き、貴様らァ……!」

「あ、アル様! 相手が立ち上がっています!」

「わかってるわハルカ。準備なさい」

「は、ハイ!」

「……で、どうする社長? 相手は見たこともない兵器に乗ってるし、倒れている兵士たちも次々と立ち上がってきてるけど」

「……そんなの決まってるじゃない?」

 コートをはためかせながらアルは銃口をカイザー理事に向けた。

「――ここは私たちに任せて、先に行きなさい!!!」

「わーお! さっすがアルちゃん、カッコいいー!」

「さ、さすがですアル様! 一生ついていきます!」

「……はぁ。やっぱりこうなった」

 やれやれといった感じでため息をついているが、カヨコの口元は少し笑っていた。カヨコだけじゃなく、ムツキもハルカも同じように笑っている。

「ありがとうアルちゃん!」

「礼なんていらないわ。私たちは依頼をこなすために働いてるだけだもの」

「そっか、それじゃあまたラーメン食べようね! みんなで一緒に!」

「えぇ、楽しみにしているわ」

 この場は便利屋に任せてアビドスのみんなと一緒に先へと進む。これ以上の障害は特にない。ホシノの救出ももう目の前だ。

 

 

 

「便利屋め! 裏切りおって!」

「裏切る? 何か勘違いしてないかしら」

「なに?」

「私たちは別にあなたの仲間になったわけでも部下になったわけでもないわ。受けた依頼は必ず遂行する。それが私たち便利屋68よ」

「アビドスへの襲撃は失敗したくせに……!」

「あっちゃー。これは手痛い反撃だねアルちゃん♪」

「……わ、私たちにだって依頼人を選ぶ権利はあるのよ!」

 

 

 カイザー理事の相手を便利屋に任せてカイザーPMCの基地の中を走る。

「アヤネちゃん! ホシノちゃんの場所まであとどれくらい!?」

「まだ先です!」

 基地内の建物を、車を、障害物を避けホシノのいるところまで一直線に進む。

「ほかの皆さんは大丈夫でしょうか?」

 走っている途中、ノノミがぽつりとつぶやいた。

「大丈夫でしょ、みんな強いし。それにあの風紀委員長もいるんだから」

「すごく強そうだった。戦ってみたい」

「なんでそんなに戦いたがるんですかシロコ先輩」

 そんな風に話をしながら進んでいると、ふと地面が揺れていることに気がついた。

「先生? どうしました?」

「なんだか少し揺れてない?」

「……確かに」

 なんだかわからないけどものすごく嫌な予感がする。身の毛がよだつ、そんな予感。

「地震、にしては長すぎるような……」

「はい。地震というよりはむしろ地響きに近い気が――っ!?」

 突如、地面が大きく揺れる。けれどそれがそんなことになるぐらい衝撃的なものを見た。

 それは地面から空に向けて撫で斬るように走る巨大な閃光。

 地響きのタイミングからしてあの光が元凶なのは間違いがなかった。

「あれ、北のほうですよね?」

「はい、ゲヘナ風紀委員長がカイザーPMCと戦っている方向です」

「……風紀委員長にもなるとビームとか出せるのかな」

「そんなわけないでしょ!」

 あの光に私は心当たりがあった。

「アヤネちゃん、今すぐドローンを飛ばして」

「は、はい!」

 私は自身の予想が外れていることを祈りつつドローンによって映し出される映像を見た。

 上空に飛びあがったドローンはそのまま北方の方角を映す。広大な基地よりもさらに向こう側、そこに映るのは高く舞い上がる砂塵。そしてちょっとした建物ですら小石のように見えてしまうほどの砂塵では隠し切れない巨体の影があった。

 鯨のような大きな顔、蛇のように長い胴体、およそ生物とは思えない機械仕掛けの体。そしてその体は何よりも巨大で強大で規格外で、圧倒的な存在感を放っているそれはゲームで何度も戦ってきたビナーそのものだった。

「……な、なんですか、あれ」

「し、しらないわよ、あんなの」

 アビドスのみんなもドローンによって映し出されたその存在を見て足がすくんでいた。それもそうだろう。これほどの巨体、それにさっきビナーが放った攻撃によってできたであろう焼け焦げた大地は赤く光り、壁や建物は焦げるどころか溶けてしまっている。

「! アヤネ、このあたりを拡大して!」

「シロコ先輩……?」

 シロコが指さした部分を拡大する。

「……これは」

「風紀委員長!?」

 拡大した映像に映っていたのはビナーとカイザーPMC両方を相手にしているヒナの姿。ビナーの攻撃をいなし、兵士の攻撃を避け、イオリとチナツをフォローしながら戦っているその表情には余裕がなく、明らかに苦戦していた。

 本編ではビナーが出てくることなんてなかった。何で出てきたのか、どうしてヒナたちと戦っているのか疑問は尽きないが、一つだけ確信を持って言えることはある。

 それは『先生』が戦わないといけないということ。

「……みんなはホシノちゃんの救出に向かって」

「先生?」

 私は近くにあった車に乗り込む。幸いカギは刺さったままで今すぐにでも動かすことができそうだ。

「どうしたんですか先生!?」

「助けに行くなら私たちも――」

「ダメ」

 みんなの申し出を断る。ビナーとの戦いにみんなを連れて行くわけにはいかない。

「先生の指揮がすごいことはわかっています! だからこそここは私たちみんなで救援に向かったほうが――」

「さっきの攻撃を見たでしょ。もしあれがホシノちゃんのいる場所に向けられてたらどうなるか」

「そ、それは……」

 映像で見た攻撃の跡を思い出したのだろうその顔は真っ青に染まっていく。

「だからみんなは早くホシノちゃんを救出して」

「ですがそれでは先生も危険に――」 

「大丈夫。私にはとっておきの切り札があるから」

 自身の胸ポケットに手を当てる。そこにはキヴォトスにきていつの間にか入っていたものが確かにあった。

 『大人のカード』。それはストーリー上で何度か出てきた『先生』の切り札。

 正直、これがどういったものなのか、どうやって使うのか何一つとしてわからない。これで私がビナーを倒せるなんて全く思えない。

「信じて」

 私自身が信じれていないのにみんなに信じてもらおうなんてお笑い草だ。

 それでも私は『先生』としてやらなくてはならない。

 数条の沈黙の後、最初に口を開いたのはシロコだった。

「ん、わかった」

「ちょっと!? シロコ先輩!?」

「先生が信じてっていた。なら私はそれを信じる」

「ありがと、シロコちゃん」

「正直に言ってすごく不安です。……でも信じます」

「わっ、私も! 先生ならなんとかできるって信じます!」

「ノノミちゃん、アヤネちゃん。ありがとう」

「――っ! もう! 絶対に死なないでよね!」

「ありがとう、セリカちゃん。ホシノちゃんに最初に『お帰り』っていう権利はセリカちゃんにあげるよ」

「ちょっと! 私の時だけふざけないでよ!」

 重苦しい空気が少し軽くなる。

「それじゃあみんな、ホシノちゃんの事頼んだよ」

 そう言い残し車を走らせる。

 最終決戦はすぐそこまで近づいていた。




もうすぐハフバですね。
誰が来るのかな。
やっぱ水着ティーパーティーかな。
水着ティーパーティーだよね!
だってセイアちゃんなんだか意味深なこと言ってたし!
ぜったい来るでしょ!
というか来て!

でもシュポガキもなんだ意味深なこと言ってたんだよね。
もしかしてもしかしなくともそういう事……?
水着ティーパーティーと水着シュポガキが実装されるのか!?
まって!
石が足りない!
お金も足りない!
ヤダヤダ!!
みんな欲しいのぉおおお!!!!
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