私に先生は荷が重すぎます!   作:朱汰清家

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VSビナー

「参ります!」

 最初に飛び出したのはミネだった。それに続くようにエイミ、カズサ、マキも続く。カリンは逆に距離を取り、セリナは――。

「先生、失礼します!」

「え? うわっ!」

 私をお姫様抱っこしビナー、そしてみんなから付かず離れずの距離を保ちながら戦場を駆け始めた。 

 セリナを除いたみんながビナーに攻撃を仕掛ける。けれどそれらは甲高い音を立てながらビナーの体にはじかれる。

「まったく効いている感じがしないんですけど!?」

「怯まないでください! このまま攻撃を――ッ!?」

 ビナーの体からいくつものミサイルが発射される。天高く飛んだそれは空中で方向転換し、それぞれの生徒へと向かっていく。

「エイミちゃん! カリンちゃんを援護して!」

「! 了解!」

「カリンちゃん!」

「任せてくれ先生!」

 その言葉とともに発射された弾丸は先頭のミサイルを打ち抜く。打ち抜かれたミサイルは爆発し後続のミサイルもその爆発に巻き込まれ誘爆する。けれど、すべてのミサイルが爆発したわけではなく数発のミサイルが残っていた。

「ちぃっ――!」

 もう一発カリンが弾丸を放つ。それによってほとんどのミサイルは空中で爆発したが後二発残っている。一発はカリンの方へ、もう一発はマキの方へ飛んでいく。

「大丈夫、任せて!」

「させません!」

 二つの声が戦場に響く。カリンの近くまで来ていたエイミはショットガンでミサイルを打ち落とし、爆発に巻き込まれる。一方マキの方に飛んできていたミサイルはミネが盾でガードし、やっぱりこっちも爆発に巻き込まれてしまう。

「二人とも平気!?」

 二人がいたそれぞれの場所は爆発によって砂塵が巻き起こされて二人の姿を隠してしまう。心配して叫ぶと二人の声が砂塵の中から聞こえた。

「あー、あっつい。熱いことを除けば平気だよ先生」

「えぇ、私も問題ありません」

 砂塵の中から現れた二人の姿は大したけがもなくその両足でしっかり立っていて、その光景に驚いたのかビナーは動きを止めた。

「よそ見厳禁だよ!」

 その隙をついてカズサがマシンガンを連射する。その攻撃の大半はビナーの顔に命中し、ビナーは煩わしそうに弾丸から逃げるように顔をそらす。

「! 効いている? このまま攻撃を!」

 ミネが駆けだし、ビナーの正面に回り込み近づく。そのまま攻撃を仕掛け、ビナーの顔面に叩き込む。至近距離から受けた攻撃に明らかにビナーは反応をする。

「やはり! 顔を集中的に攻撃してください!」

「おっけー!」

 カズサは弾丸をリロードし、また攻撃を再開する。

「私だって――!」

 マキもまたカズサに続くように攻撃を始めた。二人の攻撃にビナーは反応し、身じろぎを起こす。さっきまでとは違い明らかな手ごたえを感じた。

「グギャオォォォォオオオオオ!!!!!!!」

 突然ビナーが雄たけびを上げ周囲の空気を震わせる。その威力に全員の攻撃がとまった。その隙をついてビナーは地面へもぐる。

「全員、下からの攻撃に備えて――!」

 地面が振動しているのがセリナの体をつたってわかる。その振動はとても大きく、どこから現れるのか予測ができない。ほかのみんなも振動の影響で動くことができずに地面に手をついている。

「このままじゃまずいよ!」

 マキの言う通り、このままだと一人は地面を食い破るように下から現れるビナーの攻撃を喰らってしまう。その予測は当たりミネが空中へ吹き飛ばされる。

「! 団長ッ!」

 悲痛に満ちたセリナの叫び声。ほかの面々も心配そうにミネを見つめた。

 上へと吹き飛ばされたミネは空中で一度停止し、下へと落ちてくる。このままだと地面に激突してしまうと思ったが、ミネは体を翻し、盾を構え、羽を使って方向を調整し、ビナーへ向かって下降しはじめた。その様相にビナーはぎょっとしてもう一度地面へもぐろうとする。

「そうはさせないよ!」

 けれど、いつの間にかビナーの近くまで駆け寄っていたエイミが怒涛の攻撃を仕掛ける。その攻撃にビナーは怯み、次の瞬間ミネの盾が「ガァンッ!!」と大きな音を立ててビナーの顔に衝突する。その衝撃にさすがのビナーもよろめいた。ミネはビナーにぶつかった衝撃で後ろに飛び、着地する。

「みんな! 今だよ!」

 私が声をかけると同時に全員がビナーに向けて攻撃を始める。カズサのマシンガンが。マキのマシンガンが。カリンのスナイパーライフルが。エイミのショットガンが。ミネのショットガンが。それぞれの銃弾がビナーの顔に叩き込まれる。ビナーは苦しそうに雄たけびを上げるが先ほどのような力強さはなく、それはむしろ悲鳴のように聞こえた。

 攻撃を続けているとついにビナーの顔にひびが入る。

「ひびが――! 皆さん攻撃をあそこに集中してくださいっ!」

 全員の攻撃がひびに集中する。ひびは攻撃を受けるたび明らかに大きくなっていく。このままの勢いで――! と全員が油断していた。

 ビナーが突然その場でとぐろを巻くように回り始め、周囲に衝撃をあたえ砂の津波を引き起こす。唐突の出来事に全員が反応できずに飲み込まれ、その隙を逃さずビナーは地面へと潜った。

「しまった! 全員警戒を――!」

 地面が大きく揺れ動く。大きな地響きは次第に小さくなっていった。

「……? 撤退した?」

 いや、そんなはずはない。この体はまだ警鐘を鳴らしている。きっとビナーは何かをしてくるはずだ。

 全員が武器を構えながら警戒する。十数秒たったころ、ビナーは私たちのいるところから遠く離れたところに姿を現した。

「あんなに遠くに。いったい何を……まさか!?」

 ミネが何かに気づいたようで全員に向かって呼びかける。

「皆さん! 私の後ろに! 早く!!」

 ミネの叫びに感化され全員ミネの背後に移動する。移動中、なぜミネがあんなことを言ったのかビナーを見て理解した。ビナーの口には先ほどのように光が集まり始めていた。

「さっきの攻撃をまた――!」

 全員がミネの背後に到着し、ミネは盾を構える。ビナーが光を放つ瞬間、ミサイルが発射されるのが見えた。

「まずい――!」

 しかし光はすでに放たれ、ミネの盾へと衝突する。その衝撃に全員が動くことができず、飛んできているミサイルに対処ができない。そしてミサイルは私たちの側面へと回り込むように飛んできて爆発し、全員巻き込まれてしまう。

「「「「きゃぁああーーーーっ!!」」」」

 みんなの叫び声があたりに響き、全員がそれぞれ違う方向に吹っ飛ぶ。

 幸い私はセリナが守ってくれたみたいでそこまで深刻な怪我は負っていないが、セリナはそれなりのダメージを負ってしまっていた。

「セリナちゃん! 大丈夫!?」

「う、うぅ。……だいじょうぶ、です」

 よろめきながらもセリナは立ち上がった。

「先生こそ、おけがは……」

「大丈夫。セリナちゃんが守ってくれたから」

「それなら、よかったです」

 心配させないようにか、にっこりと微笑むセリナ。その姿を見て自分の無力さに情けなくなってきたが、そんなことを思っている場合ではないと思い直し、全員の安否を確認する。

「みんな! 大丈夫!?」

「……あー。すっごい痛ったい。けど、大丈夫」

 カズサの声が聞こえた。それに続くように残りのメンバーも自身の無事をつたえるように声を上げた。

 全員の安否を確認し、これからどうするか悩む。幸い周辺は砂塵に包まれているため少しの間は考える時間がある。このまま長期的に戦闘を続けるのは危なすぎる。かといって短期決戦といくには決め手が欠ける。

 どうしたものかと悩んでいるとカリンが声をかけてきた。

「先生、私に任せてくれ」

「カリンちゃん……?」

「ビナーのひびの中心。そこに一発ぶち込めば仕留められる」

「! 本当ですか?」

「あぁ。けど、そのためには隙が必要だ。おそらくビナーは傷をかばうように行動するだろう。そうすると正確に狙うことができない。だから――」

「私たちがビナーの動きを止め、隙を作る必要がある、と」

「その認識で違いない。どうだろうか。先生?」

 確かに、それなら何とかなりそうだ。けれど、どうやって隙を作ればいい? ただ攻撃をするだけじゃだめだ。明確な作戦が必要だ。隙を作るための作戦が。

 どうする? どうすればいい? ミネ。エイミ。カズサ。マキ。セリナ。みんなをどう動かせば隙を作れる?

 ……………。

 ……いけるかも、しれない。けど、これは……。

「先生。何か思いついたのですね」

「うん。これならビナーの隙を作れるかもしれない。けれど……みんなの負担が」

「やりましょう」

「ミネちゃん?」

「大丈夫です。先生の立てた作戦ならどんなに厳しいものでも遂行して見せます」

 ミネが自身の胸に手を当て、忠義を誓う騎士のように傅く。

「そーそー。むしろ勝ち筋があるならそれに賭けるしかないっしょ」

 マキが日常を過ごしているときのように笑う。

「それに私たちは先生の土壇場の作戦にいつも助けられてきた」

 カリンが過去を思い返すように目を伏せる。

「うん、私たちの先生はいつもどうしようもない状況をひっくり返してくれる」

 エイミは武器を構え、すぐにでも動けるように体勢を整える。

「だから、先生の言うことなら信じられるの」

 カズサがまっすぐと私の目を見つめてくる。

「教えてください、先生。先生の立てた作戦を」

 セリナが両手で包むように私の手を取る。

「……みんな」

「信じてください、先生。私たちのことを。救護騎士団団長として――。いえ、先生の生徒として必ず成し遂げます」

 

 

 

「いっくよー!」

 エイミ、マキ、カズサが砂埃の中から飛び出し、ビナーに向かって突撃する。ビナーは三人の存在に気付き、残りのメンバーを探そうと首を動かす。

「どこむいてんの、よっ!」

 カズサの放った弾丸はビナーにあたり、注意を引くことに成功する。

「うわっ! こっち向いた!」

「向けさせたのよ!」

 姿の見えない三人よりも目の前の三人を優先するように決めたようだ。ビナーは向かってくる三人に向けてミサイルを放つ。

「来たよみんな! 怯まないで!」

「わかってるけど! さすがに怖いって!」

「つべこべ言わずに突っ込む!」

 エイミ、マキ、カズサは走る速度を落とすことなくミサイルに応戦しながら突っ込んでいく。ミサイルは空中で撃ち落とされ爆発するが、その爆発に三人とも巻き込まれてしまう。

 その様子を見てビナーは次の目標を探す動きをとるが――。

「――だから、こっち向けってのっ!」

 爆煙の中から弾丸が、そして三人が飛び出してくる。服はところどころ焼け破け、肌にはいくつもの傷口ができ血が流れ出している。けれど三人はそんなことお構いなしといった感じで走り、その目はビナーを捉え続けていた。

「そんなんじゃ私たちは止まらないよ!」

 自身の負傷すら気にせず向かってくる三人にビナーは恐れおののく。そしてすぐに攻撃を再開した。油断することなく、確実に仕留めるために。

 新たにビナーからミサイルが発射される。絶え間なく、次が発射されたらまた次へ。すべてのミサイルはそのまま三人に向かっていく。三人も応戦するがすべてを打ち落とすことはできずに直撃する。それを見てもビナーはミサイルを止めない。次に、次に、と発射していく。三人がいた場所には収まることがなく爆発が続く。

 とうとう打ち尽くしたのかミサイルがとまり、その場は静寂に飲み込まれた。爆煙がはれるまでビナーは気を許すことなくその場を見つめる。

「――ッ!?」

 爆煙の中から小さい何かが飛んできた。ビナーからしたらあまりにも小さすぎてすぐにそれが手りゅう弾だとは気づかなかった。

 手りゅう弾はビナーの顔に吸い込まれるように飛んでいき、爆発する。

「お返しだよ!」

 爆風の中からエイミが飛び出してきた。その体にはさっきまではなかった包帯がいたるところに巻かれ、ガーゼが張り付けられていた。走る姿もさっきまでとは違い力強さがなく、見るからに満身創痍といった様相だ。けれど、その眼だけは先ほどまでとは変わらずビナーを鋭く捉えて続けている。

 そして、エイミに続くようにカズサが、そしてマキがそれぞれ遅れて飛び出してきた。その姿はエイミと同様に応急処置を済ませたかのように治療されていた。

 ビナーのなぜ、という疑問はすぐに解消された。爆煙はすでに晴れており、さっきまで爆煙に包まれていた場所にはセリナが救急箱を携えて立っていた。爆煙が晴れるまでのわずかな時間でセリナは三人の処置を済ませたのだ。その事実にビナーは驚くがそんなことにかまけている暇はなかった。飛び出してきた三人はすでにすぐそばまで来ていた。

 三人がばらけ、ビナーは三方向から攻撃を受ける。三人の銃撃は確実に顔面のひびを狙っており、無視できるものではない。

 ビナーは体を動かし砂の津波を再び起こす。エイミはそれから逃れることができたが二人は飲み込まれ後方へ吹き飛ばされてしまう。

 一人残されたエイミは吹き飛ばされた二人に目をくれることもなくビナーに向かって突撃する。ビナーは体を動かすことで砂を飛ばし、尻尾を振り、噛みつこうとし、攻撃を仕掛けてくる。けれどエイミは攻撃をかわしビナーの懐へと潜っていく。

 射程距離まで入り込んだエイミは足を止めることはなく、走り続けながら攻撃を始める。ビナーのひびを狙った銃弾はビナーの体に阻まれ、ダメージを与えることはなかった。けれど、エイミは攻撃を止めることなく撃ち続け、ビナーも負けじと攻撃を繰り出す。エイミに向けられ振り下ろされる尻尾。まともに喰らえば致命傷では済まないそれをエイミは何度も避け続ける。しかしそれもいつまでも続くわけではなかった。振り下ろされた尻尾をよけ、着地し、次の攻撃に備えて走り出そうとするエイミの足が砂にとられる。その隙を逃さず尻尾を横に振ることでエイミは直撃を喰らってしまう。何度かバウンドしながら吹き飛ばされ、かつてここにあったビルの残骸に激突しそのまま砂の上に倒れ伏す。

 エイミは立ち上がろうとするが腕に力が入らず、その場から動くことができない。その様子を見てビナーはとどめをさすべくエイミのそばまで近づき、尻尾を高く振り上げた。そしてそのまま尻尾を振り下ろそうとするが横やりが入り攻撃は中断させられた。後方から雨のごとく撃ちつけられる弾丸。それはカズサとマキが放ったものであり、ビナーの気を引くには十分の攻撃だった。

「――今!!」

 ビナーを見上げるように叫んだカズサ。けれどその眼はビナーを見ておらずもっと先、エイミが打ちつけられたビルの屋上を見ていた。それに反応しビナーは振り返り見上げる。

 そこには逆光にさらされ翼を大きく開いたミネがたっていた。ミネは屋上から飛び上がり、ビナーに向かって落ちていく。その両手には何も持っておらず、けれどこぶしには覚悟が握りしめられていた。そして体重を、重力を、思いを、ありとあらゆる力をこぶしに乗せ――ぶん殴った。

 ガァァンッッッッ!!!!! という鋭く重い衝撃音とともに地に打ち付けられたビナー。あたりには衝撃音とともに砂塵が舞い散り、ビナーの姿を隠してしまうほど。

 けれど、彼女にはそんなことは関係なかった。

「――捉えた」

 声とともに一発の銃弾が放たれる。その銃弾は確実に、正確に、精密に、ひびの中心へと飛んでいく。大気を裂き、音を置き去りにし、一直線に飛んでいく。そして――命中する。

「―――――ッッ!!!!????」

 ビナーが悲鳴を上げ、暴れる。痛みにもがき苦しむように。

 ひびは顔全体に大きく広がり、中心からは液体が流れ落ちる。おそらく人間でいうところの血の役割を果たしているものだろう。このまま息絶えるかと思われたがビナーは地中へもぐっていった。地面が大きく揺れ、次第に小さくなっていく。

 地響きは完全に収まり、さっきまで感じていた圧もなくなったことでビナーが完全に撤退したのだと全員が理解した。




最高のブルアカライブでしたね!!!!
水着イチカに水着ハスミ、そして水着ティーパーティー!!!!!
予想はしてたけど実際に来るとなんだか感慨深いものがありますね!
というかセイアのおもしれ―女化が止まることを知らなすぎる。
なんで車運転してんだよ!
なんでそんなサングラスかけてんだよ!
なんでストライカーなんだよ!
なんでほんとにセクシーセイアで済まないをやってんだよ!!
ハァ――――!!!
ほんとにもうさぁ……。


大好き。
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