私に先生は荷が重すぎます!   作:朱汰清家

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勝利

「――お疲れさまでした、先生」

 声をかけて近づいてきたミネの白衣は破れ、汚れてしまっている。あらわになっている肌には多くの傷跡も残っていた。いや、ミネだけじゃない。エイミもマキもカズサもカリンもセリナもみんなボロボロの姿だ。

 本来、この場にビナーが現れるはずはなかった。カイザー理事を倒して、ホシノを救出する、それで終わりだったはずなんだ。ビナーが現れたことは完全なイレギュラーだった。それを何とかしたんだから十分な戦果だと自分でも思う。……けれど、どうしても考えてしまう。『先生』ならもっとうまくやれたのではないかと。

「ごめんね、私がもっとうまく指揮できていたら……」

 ボロボロになったみんなの姿を見てぽつりと出た言葉。

「そもそも指揮をしたのが私じゃなくて『先生』ならみんなもそんなひどいけがをしなくて済んだかもしれないのに……」

 このキヴォトスに来てから私は失敗ばかりだ。なんとかうまいことストーリーは進んでいるけど、今回のことでストーリーが崩壊してもおかしくはなかった。もし今後、今回みたいにイレギュラーが起こっても解決できる自信はない。

 そんな風にネガティブな思考に飲み込まれて、いつの間にか下を向いていて、ふと気がついた。生徒たちに弱みを見せてしまったという事に。

 私は『先生』みたいに頭もよくないし、性格だって普通だ。私が『先生』に勝るところなんてない。だからせめて生徒たちの前では気丈にふるまおうとしていたのに……。

 こんな情けない姿を見てみんなどんな顔をしているのだろう。失望したり、軽蔑したりしているのだろうか。……見るのが怖い。

「……顔を上げてください、先生」

 ……そんな風に声をかけられたら下を向きっぱなしではいられなかった。意を決して顔を上げる。

 そこにはやれやれといった表情やまた始まったといわんばかりの顔をしているみんなの顔があった。

「先生、貴女はどうしようもない大人でした」

「……へ?」

「仕事をさぼったり、泣き言を言ったり、お酒を飲んで近くにいた生徒全員にセクハラをしたり」

「まって!? 私そんなことしたの!?」

「うん、というかほぼ毎日してたよね」

「毎日!?」

 そもそも私、そんなにお酒好きじゃないんだけど!? なんでそんな酒カスになってるの私!?

「というかセクハラ目当てで先生にお酒を与えていた生徒も何人かいたよね」

「そのせいで急性アルコール中毒になられたときは本当に焦りました。なんとか処置が間に合いましたが」

 ……なんだろう。私って記憶を失う前はそんなひどい人間だったんだろうか? 

「お金遣いも荒くていつもユウカに怒られていたな」

「うん、毎日愚痴を言ってたよ。それもとびっきりのの笑顔で」

 そっちについては心当たりがある。というかシャーレに戻ったらこってり絞られそうだ。

「なんていうか、うん。……本当にダメな先生でごめんなさい」

「はい、本当にダメな先生でした。ですが……」

 ミネは両手で包み込むように私の右手を握った。

「ですが私たちはそんな先生を頼りにしていました。普段はどうしようもない先生でしたが、いざという時は誰よりも頼りになる方でした」

「頼りになるって、そんな、こと……」

「どんな時でも先生は私たちの前に立ち、守ってくださいました。たとえどんなに不安に駆られていたとしても、どれほどの恐怖に体を支配されていたとしても」

 ミネの握る力が強くなっていく。

「そしてどんなに絶望的な状況でも諦めず、活路を開いてきました」

 ミネの思いが、情熱が、体温として伝わってくる。

「そんな先生だからこそ、私たちは先生のことが好きですし、支えたい、力になりたいと思うのです」

 直接的な告白に顔が熱くなる。この告白は私じゃなく彼女たちの先生へだと分かっていても。

 ……羨ましいなぁ。私もこんなに好かれることが出来るのだろうか?

「……どうやら別れの時間が来たようです」

 いつの間にかミネの体が透け始めている。ほかの生徒たちの方に目を向けると同じように体が透け始めていた。

「みんな……」

「また、先生の下で戦うことができて光栄でした」

「相変わらず突拍子もない作戦だったけど……。うん、楽しかったかな」

「そうだね! 特にミネさんがビナーをぶん殴ったときはほんとに驚いたよ!」

「確かに。まさかあんな方法で隙を作るなんて……。まぁ、おかげで狙いやすかったけど」

「『ミネが壊して騎士団が治療する』なんて噂が立つのも納得するわ」

「べ、べつに毎回そんな風にしてるわけじゃないですから! 団長もちゃんとしているときはしてますので!」

 ミネ、エイミ、マキ、カリン、カズサ、セリナ。ストーリー上で関係を持っていなかった生徒たちが仲良く話している姿を見てどこかあたたかな気持ちになる。

「みんな、力を貸してくれてありがとう」

「こちらこそ。私たちを頼ってくださりありがとうございました。……それと」

 ミネは姿勢を正し、私に頭を下げた。

「……どうかこのキヴォトスを……私たち生徒のことをよろしくお願いします」

 そう言い残しみんなは蜃気楼のように消えてしまった。




なんかさ、バトルパス画面で流れてくるニュース面白すぎない?
マジで毎週内容を更新してほしいぐらいには好きなんだけどあれ。
というかオウムに負けるマコト議長はマジで笑った。
なんで負けるんだよ、って思ったけど確か現実で口が悪すぎるオウムが一時期話題になったこと思い出したわ。
つまりさ、簡単な悪口は覚えるわけで。
簡単な悪口にマコト議長は負けたというわけだよね。
もしかしておバカキャラにプラスしてメンタルクソ雑魚という属性も追加さるかもしれないってこと!?
……よく思い返したら普通にイブキに「嫌い」って言われてメチャクチャダメージ受けてたし、もともと持ってた属性か。
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