私に先生は荷が重すぎます!   作:朱汰清家

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顔合わせ

「ん、ついた」

「ありがとう、シロコちゃん」

 シロコにおぶられてようやく到着したアビドス高等学校。ここにくるまでに相当時間がかかり、アビドスがどれだけ大きな学校だったのかが伺えた。

 けれど同時に、今のアビドスがどう言った状況かも少し理解できた。まだ栄えているところもあるが本当にごく一部。大半は人の気配がなく、まるでゴーストタウンの様になっていた。

 目の前に広がる学校も掃除はしてあるのだろうが、そのせいで手が届いてない場所の劣悪さが目立っている。

「……? 降りないの?」

「もうちょっとシロコちゃんを堪能したくて」

 改めてシロコの匂いを嗅ぐが本当にいい匂いがした。なんていうんだろう。爽やかで、スッキリしていて、それでいて体の中に取り込むと柔らかく暖かな感覚が全身に広がっていく様な。とても良い匂いだ。

 そういえば、いい匂いがする相手とは遺伝子レベルで相性がいいと聞いた事がある。つまりシロコは私にとって最高の相手なのでは?

「みんなも待ってるし、そろそろ行こう」

「そうだね、他の子たちにも会いたいし」

 

 

 

「おはよう、みんな」

「あっ! おはよう、シロコ先輩!」

「おはようございます、シロコ先輩」

「2人ともおはよー」

「おはよ――誰よ! アンタ!」

 おー。さすがセリカ。いいツッコミ具合。

「シ、シロコ先輩。こちらの方は?」

「シャーレの先生。さっきそこで拾った」

「はじめまして。そこで拾われた先生でーす」

 両手を顔の横に持っていきフリフリと手を振る。……だれも振り返してくれなかった。ちょっと悲しい。

「え! シャーレの!?」

「うん。手紙ちゃんと届いたよー。アヤネちゃんは……こっちかな」

 私が両人差し指で指さすとアヤネは姿勢を正し自己紹介をしてくれた。

「はっ、はい。私が奥空アヤネです。それでこっちが――」

「黒見セリカよ。アンタが先生? なんだか頼りなさそうね」

 んー。ことばきつーい。まさしく正統派ツンデレの初対面って感じ。

「ちょっ! セリカちゃん!」

「いやだって、こんなボロボロの状態で頼もしいなんて思えないって」

 まさに正論。今の私の恰好的にどっかの浮浪者と間違えられても仕方がないからね。

「あははー。まあセリカちゃんの言うとおりだね」

「先生まで!?」

「それで? ほかに生徒はいないの?」

 話題を変える。あと二人の生徒が見当たらないからそれとなく聞いてみる。

「えっと、あと二人先輩がいます」

「片方の先輩が居眠り常習犯なんだけど……。もう一人の先輩がさっき呼びに行ったからもうすぐ来ると思うわよ」

「そうなんだ。会うのが楽しみだなー。ちなみに名前はなんて言うの?」

「居眠りしているのが小鳥遊ホシノ先輩で」

「呼びに行ったのが十六夜ノノミ先輩です」

「ちなみにノノミは私と同じ2年生、ホシノ先輩は3年生」

「へぇー。どんな子たちなんだろう。会うのが楽しみだなー」

「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん☆ 十六夜ノノミでーっす!」

 背後から唐突に聞こえた声とともに背中に衝撃が訪れた。どうやら抱き着かれているみたいだった。背中に女の子特有の柔らかさといい匂いを感じる。

「うわぁっ!? びっくりした!?」

 後ろを見るとノノミが、さらにその後ろからゆったりと教室に入ってくるホシノの姿があった。

「ドッキリ大成功です☆」

「うへー、ノノミちゃんは元気だねー」

「先輩たち、やっと来た!」

「おはよー、みんなー」

「おはようございます、ホシノ先輩」

「ホシノ先輩、おはよう」

「おはよう、じゃないわよ! まったく、いっつも寝てるんだから」

「うへー、ごめんねセリカちゃん」

「まったく、明日はちゃんと起きてよね」

 挨拶が終わったところでノノミが私の方を見て不思議そうな顔をする。

「ところでこちらの方は?」

「え!? 知らないで抱き着いたの!?」

 ノノミと向き合い、自己紹介を始める。親しみやすいように、物腰やわらかに。

「初めまして。シャーレの先生です」

「あなたが! ということは支援要請が受理されたんですね!」

 ノノミが嬉しそうに手をたたく。ホシノも眠たげな眼を開いて嬉しそうにこちらを見つめてくる。

「これでようやく、弾薬とかの援助が受けられるわけだ」

「数日後にはいくつかの物資が届くように手配してるからね」

「ありがとうございます! 先生!」

「それでみんなに聞きたいんだけど――」

 突如銃弾の音が教室を襲ってきた。

「――襲撃ッ!?」

「確認しました! カタカタヘルメット団のようです!」

「また懲りずにやってきたのね! 今度こそコテンパンに追い返してやるんだから!」

「支援が受けれることが確定したんだし。みんなー、出し惜しみせずにぶっぱなしちゃおー」

「はい! 私たちの真の強さを教えて差し上げましょう!」

「いつも通り私がオペレーターを担当します。先生は指揮をお願いします」

 ……えっ!? なんで!? 

「それでは皆さん。出動です!」

 まって! まだ私心の準備ができてないんですけど!




逃げちゃだめだ。
逃げちゃだめだ。
PCに向き合わなくちゃ。
少しづつでもプロットを作って書き進めなくちゃ。

いやさあ、私も仕事中どういった話にしようかって考えているんですけど。
思い浮かぶのは最終編後のストーリなんですよね。
違うんですよ。
今は最終編前の物語を作らなきゃいけないんですよ!
そっちは後で全然いいんですよ!
まあ、モチベーションにはつながりますよ。
こんな物語を書きたいからそこまで頑張って書こうって。
でも、遠いんですよ。
遠すぎるんですよ!
これじゃあ先に私が折れちゃいますよ。
もつかなぁ、私。
逃げちゃいそう。



逃げんな書け
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