今日はとりあえずセリカと仲良くなることを目標にしようかな。
昨日はあれから話せなかったけど一日たてば落ち着いて話もできるでしょ。
「クックックッ。はじめまして先生。まずはこの様な初対面になってしまった事をお詫びします」
え?
……え!? なんで!? ちょっとまって!? 早すぎない!? まだ銀行すら襲ってないんだけど!? なんでこんな早くに黒服と対面することになってるの!?
学校に向かっていたら出会うとか転校生の定番初対面イベントじゃん!?
崩壊した! 原作崩壊した!
どうしようっ、どうすればいいの? 何を話せばいいの?
そもそも私に黒服の相手とかムリ! 絶対ムリ! いい様に手のひらで踊らされるに決まってる! だって私駆け引きとかやったことないもん!
……おちつけー。おちつけー。とりあえずは話をしなくちゃ。じゃないと何も始まらない。そもそもまだホシノはアビドスのみんなといる。大丈夫、別に追い詰められたわけじゃない。落ち着こう。
ふぅー。よし、落ち着いた。
「はじめまして。とりあえず、名前を聞いてもいいかな」
「おっと、まだ名乗っていませんでしたね。黒服、と呼んでください」
「そう。それで黒服さん、私にいったいなんの様ですか?」
「そう警戒しないでください。私はただ貴女と話がしたいだけなのです」
「いきなりあらわれて警戒しない方が不自然でしょ」
「それもそうですね。ですが本当に私は貴女と話がしたいのです」
「……なんで私と?」
「興味があるから、ですね。我々とは違うキヴォトスの外からやってきた先生。我々の理解を超える存在である貴女はとても興味深い」
「……我々?」
「ええ。私の他に3人いまして。計4人でゲマトリアと名乗りこのキヴォトスを探求しているのです」
「そのゲマトリアさんが私に興味がある、と」
「その通りです」
「それで、貴方は何を聞きたいの?」
「なぜ、サンクトゥムタワーの制御権を手放したのですか?」
「それを知りたいの?」
「はい。貴女はあの時、このキヴォトスの全てを手に入れていた。このキヴォトスを自由にできた。まさしく神の様に。なぜ? なぜ放棄したのですか?」
「一言で言えば興味がないから」
「なるほど。単純、ですがこれ以上ない理由ですね」
「納得した? それじゃあ私は用事があるからこれで」
「いえ、最後に一つだけ」
「……なに」
「仲間になりませんか? 我々は貴女と敵対しようとは考えておりません。むしろ好ましく思っているのです」
「断る」
「そうですか。……残念です」
黒服の横を通り過ぎようと歩き出す。一歩、一歩がとても重く感じる。黒服は何をするわけでもなくただ立っているだけ。けれど、妙な圧迫感が黒服の周りで渦巻いている。
すれ違い、そのまま通り過ぎる。
……しばらく歩いて、ふと立ち止まる。振り返ってももう黒服の姿はない。
息をつき、その場にしゃがみ込む。
「――こ、怖かったぁぁぁーーーー!!!」
なにあれ何あれナニあれ!!??
緊張感半端なかったんですけど!? 一挙手一投足を見られるのってあんな感じなんだ! やばいヤバイ! 私これからあれと話をしないとなの!
私が知っている限りアビドス編でしか出てきてなかったけど、それ以降で出てきてもおかしくないよね!? というか絶対出てくるよね!? あんなのと敵対なんてしたくないんですけど!?
というかわかってるだけでもあと一回は会うことになるんだよね。ホシノをめぐっての大人のバトル、見本があるとはいえ私にあれを相手にできるの? そもそも初対面はそこでしょ。え? どうなるの? ふつうにゲーム通りで何とかなるの?
うわー。どうしよう。それまでに大人の話し合いができるようにならなくちゃいけないのかな。いや、もう原作ぶっ壊してホシノがアビドスを抜けないようにしたほうがいいかもしれない。
……とりあえず、学校に行こう。今日の目的はセリカと仲良くなることなんだから。
「大変です! セリカちゃんの行方が分かりません!」
はやくなーい? 柴関イベントは?
「……不審者が現れて驚いた、ではありませんね。むしろ――」
「貴女が何を知っているのか、俄然興味が出てきました。クックックッ」
なんで?
なんで黒服出したん?
何を思って出したん?
しかも変にロックオンされちゃっているし。
何も考えずに風呂敷広げんなって!
それで苦労するの自分自身だぞ!
だって、だって……。
このままだとメインストーリーをなぞるだけになりそうだったんだもん。
そんなん二次創作でも何でもないよ!
んで、この後の展開は考えているのか?
黒服のこれからの行動決まってるのか?
…………。
ほら見たことか!
こういったことを積み重ねると失踪のもとになるんだよ!
今後は考えて書きな!