私に先生は荷が重すぎます!   作:朱汰清家

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便利屋

「おお! これが――!」

 目の前に置かれたラーメンは一言でいうと山だった。メンマやチャーシュー、卵、海苔といった飾りがこれでもかと並べられていており、その上にネギがまるで雪のように振りかけられている。鼻から脳へと突き抜けるスープ匂いと相まってとても食欲をそそられる。箸で麺をつかみ口元まで近づけると、自然とつばを飲み込んだ。数度息を吹きかけ、すする。

「――おいしい!」

 それ以外の言葉は不要だった。また箸を動かし、麵をすする。食欲が収まることはなく一心不乱に食事を続ける。

「先生もここのラーメンが気に入ったみたいだねぇ」

 口を動かしていて返事を返すことができないから代わりに左手でサムズアップをする。

「そんなにおいしそうに食べられると料理人冥利に尽きるってもんだい」

「あ! 柴大将!」

 声がしたほうを向くとそこには大きな人型の柴犬がいた。生で見るとすごいモフモフでさわりたくなってくるなぁ。

「あんたが噂の先生かい?」

 私はちょうどすすっていた麵を最後に大将に向き直し挨拶をする。

「初めまして。シャーレの先生です」

「へえ、誠実そうな大人じゃないか。アビドスのみんなはそれぞれ癖が強いがいい子だ。みんなのことを頼むぜ先生」

「はい。責任をもってみんなのことを見守っていきます」

 大将は私の言葉にニカッと笑い厨房へ戻っていった。さて、ラーメンを食べ……。

「「「「「…………」」」」」

 なんか見られてる。アビドスのみんなにすっごい見られている!

「えっと……。どうしたのみんな?」

「いや、先生ってちゃんと先生なんだなって……」

「――えっ!? なにどういうこと!? 今まで先生と思われてなかったってこと!?」

「いやー、そういうわけじゃないんだけど。なんていうか、ねえ?」

「柴大将との会話が私たちと会話する時と違っていて」

「ん、大人って感じがした」

「はい☆ 新しい先生の一面が見れてうれしいです!」

「そ、そう? まあ、先生ですからね! 大人として当然ですよ!」

「あっ、いつもの先生に戻った」

「こっちのほうが親しみやすくていいねぇ」

 ……わからないっ! え!? 普通に会話してるだけなんだけど!? 大人とかいつもの感じとか別に使い分けてるつもりとかないんだけど!?

 そうやってみんなとわいわい話しながら食べていると店の入り口から声がかかった。

「あ……あのう……」

 聞き覚えのある声に気になって入り口の方を見てみるとひとりの少女が扉を開け、おどおどとしながら外から中を覗き込んでいた。

「いらっしゃいませー! 何名様ですか?」

「こ、ここで一番安いメニューはおいくら、ですか?」

「一番安いメニュー? それなら580円の紫関ラーメンです!」

「そっ、そうなんですね! ありがとうございます!」

 そういって扉を閉める少女。そして外から聞き覚えのある声が他にも。

 というか彼女たちだよね。そういえばここで初登場だったっけ、なんて思っていたらさっきの少女のほかに3人の少女がお店に入ってきた。

「やぁーと600円以下のお店が見つかったー」

「ふ、ふふふ、何事にも解決策はあるものよ」

「さ、さすがです!」

「……はぁ」

 やっぱり便利屋のみんなだ。そっか、ここまで来たんだ。あんまり実感はなかったけど。

 ……柴関ラーメン爆破はどうしよう。そうならない方向にかじを切ったほうがいいのかな。けどあれだって彼女たちには必要なイベントだと思うし。でもなぁ……。

「お、おいしい! です!」

「へえ、こんな場所にあるのになかなかイケるじゃん」

「でしょう! おいしいですよね!」

 ちょっと考え事をしている間に話が進んじゃっていたみたい。アビドスのみんなと便利屋のみんなが和気あいあいと話してる。

 ……バタフライエフェクトなんて言葉があるけど、とっくに原作とは少し乖離しているんだし、やっちゃってもいいかな。




デカグラマトン編すごかったですね!
毎話ものすごい情報量で読み終わったとき動悸がとまりませんでしたよ。
ネタバレになるから詳しくは書かないけど彼女のお姉ちゃんムーブとか彼女の復活シーンとか彼女のフリーダムな行動とか彼女のアバンギャルドとかやばすぎるシーンが多すぎます!
んで、次の更新はいつなんですか?
楽しみすぎて夜しか眠れません。
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