地獄を歩んだ。
地獄を歩んだ。
地獄を歩んだ。
数え切れないほどの地獄を歩んだ。
灰燼に帰した建物、死にゆく人々と骸の山。程度はどうであれ私が歩んだ道は全て地獄となった。
私には理想があった。しかし、その理想も打ち砕かれ裏切られた。
いつからだろうか自分のことを否定し始めたのは。
いつしか理想さえ正しいものか分からなくなっていた。
そんなある日だ。彼女と出会ったのは。
彼女との出会い、いや彼女と共に歩んだことで私は変わることが出来たのだろう。
だから私はやっと答えを得ることが出来た。
「答えは得た。魔王の騎士となり、貴方を支え続けよう」
「アーチャーさん」
「……手を………」
「私……を…………!」
「私の手を握って!」
「緊急……」
「……救……」
「……った……!」
「アーチャーさん、アーチャーさん!」
君は一体?
「医療オペレーター、アーチャーさんの容体は?」
「呼吸、血圧共に正常範囲内。身体機能も特に問題はないはずです」
ここは何処だ?取りあえず当たりを見渡すべきか。
ッ!
体全体に鈍い痛みが走る。
どうやらこの体は本調子ではない……いや、待て。受肉しているだと?
何故だ?何もかも分からないことだらけだ。
「あっ!まだ動いちゃ……」
「安静にしていてください。まだ体が完全に安定したわけではありません」
それよりもまずは……。彼女等のことを聞くべきだな。
「君等は……一体何者だ?」
「……私は……。アーミヤと言います。あなたを助けに来ました」
「私を?」
私を助けに来た?状況が飲み込めん。……彼女等とは初対面のはずだ。
おそらくこの世界のにも来たことがない。……違うな、この世界に関する情報が一切としてない。
───つまり私は守護者として来たわけではない。
「……私は……私は何なんだ?」
「あなたは……、私たち
「──アーチャーさん」
「あなたは私にとって大切な仲間なんです。思い……出せませんか?」
「……すまない。君達のことは何一つとして記憶に残っていない」
「……。とにかく、私たちにとってアーチャーさんは大切な人なんです。何があってもそれだけは変わりません」
「すみません。少し時間をください。少しだけでいいですから……」
少し、情報の整理を行おう。
まず私は彼女等にとって大切な存在だった。らしい。
次に、私は記憶喪失に陥っていると見られてる可能性が高い。
最後に、憶測だが私は守護者としてこの世界に飛ばされたわけではないようだ。
やはり気になる点は、彼女との記憶の齟齬だ。
彼女と私は面識がないはずだ。
なのに私は彼女等にとって重要な人物となっている。ここが問題だ。
仮に、私が記憶喪失だったとしよう。それにしても不可解な点が多すぎる。何故聖杯戦争の記憶は残っているのか。そもそも何故受肉しているのか。何故
考えても仕方がないな。取りあえずは彼女たちと協力する他あるまい。
◆
「アーチャーさんも、……その、記憶喪失に?」
「……。大丈夫です。……時間が解決してくれます」
突如として小さな、しかし確かな衝撃が地面から伝わってきた。
「えっ!?何が──」「アーミヤさん、マズイです!この施設内に潜入してきた奴らがいます!」
「しかもあの装備はウルサス兵のものではありません!」
重火器の音が部屋中に響き渡り、ここが戦場となるのも時間の問題だと告げる。
「敵襲です!アーミヤさん、敵は重火器を持っています」
重火器に続いてクロスボウも発射された。
パシュっという刻み良い音と、空を切り裂く矢が目に入る。
「うわわわっ!」
「皆さん、気を付けて!壁の影に隠れてドクターとアーチャーさんを!」
「この装備はまさか……レユニオンムーブメント!?」
重火器の音が再び響き渡る。
「クソッ、こいつらの狙いはあの二人か!」
「いえ……二人の存在は誰も知らないはずです。急ぎケルシー先生に通信を!」
「だめです!通信機が正常に動作しません!」
「どうやらジャミングされているようです。まさか……ウルサス政府が私たちの動きにきづいたんでしょうか?」
「どうしますか?」
「今回の作戦指揮はケルシー先生にお任せしています。でも通信できないとなると……」
「──ドクター。……私たちの指揮をお願いします!」
「そ、そんなの危険すぎます。まだ意識が戻ったばかりなのに……。」
ドクターと呼ばれている男は疑問だった。
何故このような私に指揮を託そうとしているなのか
「……試して……みたいんです」
「確かに記憶は失われています。でもドクターはかつて私たちと……。」
「私たちと一緒に戦った仲間なんてすから!」
その時、ドクターの脳内にとある光景が流れる。
『こんなに沢山のこと、私に教えていただいて、ありがとうございます……』
見覚えなど当然ない光景だ。しかし、何処か懐かしく、彼女に似た誰が立ったていた。
「一緒にたくさん……たくさんのことを経験したんです……。私には分かります……。ドクターならきっと勝利をもたらしてくれると」
『あなたならきっと勝利をもたらしてくれる』
それが何かは分からない。ドクターの記憶かどうかも不確かだ。
「……突然こんなお願いをするのは、私もどうかと思います。でも、でも……お願いします。あなたの力を貸してください」
だが、目の前の彼女がここに居る皆が自分を必要としてくれている。
「私もサポートしますから!」
決心するにはそれだけで十分だった。
"まずはここにいる奴らを片付けよう!"
「はい……私もドクターをまたこんな戦いに巻き込むのは不本意ですが……」
「でも今の私たちには、ドクターの知恵が必要なんてす。戦っていれば、指揮の感覚もきっと取り戻せると思います」
「──ドクター自身もまだ信じれないかもしれませが……」
「私は信じます」
「──きっとできるって私は信じています」
「ロドスの──指揮を!」
どうも~受験を控えてるクセして小説を掛け持ちしてる男でーす。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
受験が終わるまで投稿頻度が死んでいると思いますが許してください。本当に、許して。
次回は初戦闘です!乞うご期待!
ちなみにタイトルは