蒼光の喰種   作:snooze

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2年後――孤独な捕食者として生き延びている陽翔は、自分の行動に嫌悪感を抱きながらも、喰種としての本能に抗えず、人間や喰種を捕食する日々を送っていた。


2年間での成長

東京の廃墟と化した区域。

瓦礫が積み重なり、かつての生活の痕跡が静寂に埋もれている中で、陽翔は廃ビルの屋上からその一帯を見渡していた。

 

「……ここも変わらないな」

 

彼の目に映るのは、瓦礫の下で蠢く影。

喰種同士が狩り合い、わずかな生存のために争う姿だった。

 

陽翔はわずかに目を細めると、そのまま廃ビルを降りて、地上の影へと歩み寄った。

 

瓦礫の中で何かを捕食している喰種を見つけた陽翔は、静かに足を止めた。

その喰種は高身長で筋骨隆々としており、赫眼を輝かせながら、獲物を貪るように食べていた。

 

「……人間か?」

 

陽翔が尋ねると、喰種は血塗れの顔をゆっくりとこちらに向けた。

 

「いや、喰種だ。こいつは弱かったから、喰っただけさ。」

 

その喰種は低い声で答え、陽翔を見定めるように目を細めた。

 

「お前も喰いたいな……お前を食えたなら、しばらく飢えずに済むだろう」

 

その言葉に、陽翔は冷ややかな視線を向けた。

 

「俺を喰うつもりか。やってみろ。」

 

そう言うと、陽翔は背中から赫子を展開する。

 

喰種が笑い声を上げると同時に、背中から巨大な甲赫が展開された。

それは盾のように広がる防御形態と、鋭い刃のように変形する攻撃形態を兼ね備えた特異な赫子だった。

 

「どうだ、いくらお前の赫子だろうと、この硬さには通らない」

 

喰種は不敵な笑みを浮かべながら、赫子を構える。

 

陽翔は冷静にその動きを観察しながら、青白い赫子を輝かせた。

 

「強い防御か。だが、それだけで勝てると思うなよ」

 

陽翔が一気に間合いを詰め、赫子を刃のように振り下ろす。

だが、相手の甲赫がその攻撃を完全に受け止め、火花を散らす。

 

「ほらな、言っただろう?」

 

喰種が陽翔を押し返すように甲赫を振り払うと、その衝撃で陽翔は数メートル後退する。

 

「……硬いな」

 

陽翔は無表情でそう呟き、再び体勢を整えた。

 

相手の喰種は甲赫を鋭い槍状に変形させ、一気に突進してくる。

その動きは大型の体躯に似合わず素早く、陽翔はギリギリでその一撃を避けた。

 

「速い……」

 

陽翔は目を細めながら、さらに相手の動きを見極める。

喰種は甲赫を振り回し、周囲の瓦礫を粉々に砕きながら陽翔を追い詰めていく。

 

「どうした?その綺麗な赫子は見せ物か?」

 

挑発する喰種に対し、陽翔は静かに息を整えた。

 

陽翔は一歩踏み出し、背中から赫子を翼のように広げる。

青白い光が瓦礫に反射し、廃墟全体を照らした。

 

「じゃあ見せてやるよ。俺の赫子がどれだけ“綺麗”か」

 

陽翔は翼の赫子を使い、相手の甲赫の隙間を狙って高速で斬撃を加える。

相手の喰種は甲赫で防御を試みるが、その防御を貫く鋭い一撃が肩口に突き刺さる。

 

「ぐあっ……!」

 

喰種が苦しそうに呻き、後退する。

 

「まだだ!」

 

喰種が再び反撃を試みるが、陽翔はすでに動きを見切っていた。

翼の赫子が空を切り裂き、相手の甲赫を砕きながら胸元を貫いた。

 

喰種は地面に崩れ落ち、息絶えたように動かなくなる。

陽翔はその上に立ち、無感情な表情で赫包を引き抜いた。

 

「……生きるためだ。仕方ないだろう」

 

彼は血塗れの赫包を口に運び、捕食を終えると、静かにその場を立ち去った。

だが、その背中にはどこか重たい罪悪感が滲んでいた。

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