転生先は貞操観念逆転世界の陵辱系エロゲー世界ってマジですか? 作:葱ラーメン大盛A定食セット(旧竜騎兵)
依頼を出してきた村から南東に数千歩ほどの開けた場所に敵の拠点は存在していた。
ある意味予想通りと言うべきだ。
拠点の周囲に展開している討伐対象は、先の大戦からの敗残兵ばかりだった。
しかし、目の前に存在している武装集団にはある特徴がある。
――全員女性たちばかりだったのだ。
いつもの事ながら、前世は一般サラリーマンでしかなかった僕には。
まだ小学生四~五年生ほどの少女が武装し、徒党を組んでいる光景には、正直言って慣れない。
彼女たちはゴブリンと呼ばれるこの世界における人類の敵の一つ。
見目麗しい少女のような姿をしているが知能はあまり高くない。
頭には小さな角が生えていて肌は緑がかっているため識別は容易。
それなりに冒険者として経験を積んできたおかげで見た目で騙されることはない。
が、間違いなく一般市民たちにとっては脅威と呼べる存在だ。
かの種族は単独で繁殖することはできず、他の種族の男性と交配することでしか数を増やすことはできない。
とある研究者の学説によれば、可愛らしい容姿で男性の性的興奮を煽り、行為に及びやすくするためだったかな?
「まったく、悪い冗談みたいな存在だ」
「アークさん? どうしたんですか?」
「ああ、いや、すまない、独り言だ」
「いやはや、年を取ると独り言が増えてしまってかなわんね」
「と言っても君はまだ十八じゃないか」
「若者が年よりくさい事を言うんじゃない!あたしよりも若いだろう?」
思わず独り言を呟いてしまったら、何事かと僕のパーティーの仲間たちがこちらの方へと一人を除いて視線を向けてきた。
とんがり帽子をかぶって杖を持った少女は首を傾げ、ゴブリンたちとそう変わらない背丈の、その体格には見合わないほどの重武装の女性はあきれた様子で苦笑いした。
そうは言うが、僕は前世を含めてもう五十年近くは生きている。
ジジイと言っても差し支えないだろう。
まぁ、こんな事を言っても信じてもらえる訳がないので、黙ってはいるが。
「アーク、ゴブリンだけじゃない」
「オーガもいる。気を付けた方がいい」
「おっと、魔王軍崩れの敗残兵どもでしかないと思っていたけど」
「そうか、オーガもいたのか。聞いていた依頼の内容とは違うね」
木の上に上り、敵情を偵察していた笹耳が特徴的な少女が木の枝から身を乗り出して表情を一切変えずにこちらに
相変わらず凄まじい視力だ、頼もしい限り。
「まぁ、不測の事態に対応してこそ、冒険者だろう」
スカートという覆いによって隠されている、レッグホルスターの中に差し込まれた短銃の感触を軽く触って感触を確かめる。
万が一が起きないことを祈るけど、起きた時の保険だ。
「作戦内容自体はシンプル、敵陣めがけてヒィロが火魔法を放ち、敵陣が混乱したところに僕とメイさんが飛び込んで雑魚を蹴散らす」
「レヴィはいつものように高脅威目標を優先的に潰していってね」
転生先で、殺し合いをすることになるなんて悪い冗談に他ならない。
嫌になるがだからと言って逃げだすわけにはいかない、誰かがやらねばならないことなんだから仕方ない、本当に、仕方ない。
僕の仲間たちは杖や、剣を構えて僕の号令を待つ。
狙撃を担当することになったレヴィの方は再び木の枝に腰掛けかけ、自分の身長ほどはありそうな巨大な銃を構えて敵に狙いを定めてゆく。
皆、戦闘の準備は万端と言った様子だ。
彼女たちの練度が高い証拠だ、まだ若い、あるいは幼い少女たちが戦うというのは、前世の価値観を引きづっている僕からすればやはり、どこか違和感を覚えてしまうのだけど。
「雑魚をある程度減らした後に」
「僕はいつものように敵の指揮官に突っ込んでいって『穿つ』ことにするよ」
レイピアを引き抜き、敵陣へを見据える、今回のターゲットを。
そして、メイさんに目配せ。
それなりに長い付き合いな彼女はこちらの意図を察し僕の後方に控えて僕が先陣を陣形とも言えない陣形を組み立てる。
レイピアのグリップの部分にはめ込まれた
周囲に空気のように存在しているマナを、魔力によって
今ならば瞬発力だけならばダチョウをも超えそうな気がする、さっさと片づけて要救助者も助け出して帰って寝るとしよう。
「じゃ、作戦開始」
「皆、怪我だけはしないようにね」
地面を蹴って、一気に駆けだす。
敵陣まで残り150歩。後方から飛来した火炎弾が敵陣へと突き刺さり、着弾した瞬間に【爆炎榴弾】の名にふさわしいほどに爆炎と爆風を周囲に巻き散らかす。
不幸にも着弾点のところにいたゴブリンを爆発によって即死。
周囲にいたゴブリンたちを薙ぎ払い土埃が舞い、一時的な煙幕となる。
敵陣まで残り70歩、混乱のさなか、一部の勘のいいゴブリンは同族に危機を知らせる。
その声を聞いた型落ちの火縄銃持ちや魔法を使うための
砂塵の煙幕によって視界が塞がれてしまった場所に攻撃を行おうとしているのがベール越しに浮かび上がったシルエットで判断。
しかし、どこからか飛来した弾丸によって混乱から一足早く立ち直り攻撃を仕掛けようとしていたゴブリンたちを射殺してゆく。
やはり、彼女の空気銃の腕は一流だ。
以前殺しあう関係だった頃には全力で回避機動を取っていた僕の肩にも当ててきたし、敵にはもう回したくないものだね。
あ、また一匹倒れた、今日は張り切ってるね。
砂塵を突っ切って木の板を組み合わせて作られただけにすぎない阻塞と浅く掘られた堀ごと飛び越える。
そして、少女にしか見えない彼女たちの真っただ中に飛び込む。
すれ違いざまにまずは一匹、レイピアを首筋に突き立てる。
筋繊維ごと相手の気道を貫き、その感触に思わず僕は顔をしかめながらレイピアを引き抜いてゆく。
すると、血を吹き出しながら緑の肌の少女はその場に崩れ落ちて激痛にのたうちまわってゆき、首からあふれ出た血が地面を濡らしてゆく。
これが善良な少女であれば心を痛める光景だが、相手は人類の敵。
容赦はしない。
「まずは一匹、メイさん、後方は頼んだよ」
後頭部を思いっきり踏み抜きつつ、ぐしゃりと嫌な音が響いたそちらの方へと視線は向けないようにしながら、こちらに突っ込んでくる敵を補足。
ヤケクソ気味に突き出された粗末な木の槍を体をわずかに反らして回避。
更に一歩踏み込んでゴブリンの心臓にレイピアを一突き。
僕の背丈が低いせいで心臓を貫いたゴブリンと目が合う。
その目は死への恐怖によるものか震えていた。
……今日の夢に出てきそうだ、仕事とはいえ、どうしても嫌悪感を拭う事はできない。
僕がまだ人間性を保っているという証拠なのだろうか?
敵陣の奥の方から増援が登場、数は6匹ほどかな?
砂塵の煙幕が晴れつつあり、こちらの数が少ないと判断し、攻勢に出ようとしてい『た』らしい。
後方から飛んできた火の榴弾によって一掃されたせいで過去形になった。
まぁ、この調子でさっさと雑魚を片付けていこう。
「アーク! 敵の指揮官は見つけたか? 潰すのは頼んだぞっ」
雑多な得物を構えながら近づいてきた雑兵たちはメイさんを取り囲んで攻撃を仕掛けている、が。
彼女の装甲を抜くことはできないらしい。
逆に彼女が握りしめているバスタードソードが振るわれてゆくたびに一匹、また一匹と血だまりに崩れ落ちてゆく。
じゃ、僕も仕事をしようか。
「雑魚を引き付けるのは任せたよ」
強化された脚力でゴブリンの背丈よりも高く飛ぶ。
ちょうどよく目の前から迫ってきたゴブリンの頭を踏みつけて足場にしながら、さらに高く前方へと跳躍。
一気に距離を詰める。
敵の指揮官と思われるオーガ……こいつもまた女性。
敵将まで残り十歩。
突っ込んでくる影を確認したかと思うと、こちらの動きに対応するようにハンマーを構えてぶん回し、こちらを迎撃しようとしてくる。
かなり腕が立つ、厄介なことだ。
左手に
そして、一気に『回転』させてハンマーが胸郭を砕く寸前で回避。
今のは危なかった。
「こんな強敵がいるとは、聞いてなかったよ」
「やになるね」
地面を転がり、衝撃を殺しながら立ち上がり臨戦状態となっているオーガへと視線を向ける。
周りには側近と思わしき杖を持ったゴブリンがいたけど、頭を撃ち抜かれて地面へと倒れ伏す。
その結果、自然と彼女との一騎打ちの形となった。
「その力、貴様は【ギフテッド】だな?」
「いかにも、君の方も人の言葉を喋れるという事は魔王軍のそれなりに上の地位に居た子でしょ?
「どうしてこんな場所にいるのかな?」
「略奪と男攫いだが?」
「上からの支給も無くなったからな」
この手の輩が文字通り五万といるのがこの世界の恐ろしい所だ。
もう魔王倒れて二年だぞ。
潔く王が死んだことを認めて自死しろ自死。
「魔王はもういないってのに、ご苦労なことだ」
「平和に山奥で過ごすという事はしないのかい?」
「?我々は強いのだからそんなことはしなくていいだろ?」
今月に入ってこれに類似する台詞聞くの二度目だぞ二度目。
お前らの思考回路はどいつもこいつもこんなのばかりなのか。
「それに、また我々を導いてくれる魔王様はきっと現れる」
「魔王様が現れるまでは今は村を雌伏の時という訳さ」
なんでこう、平和に山奥に引きこもって暮らすという発想が思いつかないのか、これが分からない。
「お前も我々への種馬として確保してやろう」
折角女装してるってのに、鼻が効く奴はこれが厄介だ。
僕の長生きのための戦略をあっさりと見抜いてきやがる。
種馬、童貞のまま死んだ前世の僕が聞いたら少しは興味を示しそうだけど、あんな生活は地獄そのものだ。
まさしく子を孕ませるための資源として死ぬまで使い潰されることになる。
そういう性癖を持つ人にとっては天国のような場所かもしれないけど、そんな趣味はない。
「残念だけど、君たちの種馬になるつもりはないよ?」
「というより君たちの種馬コレクションになった人たちを返してもらうから……ねっ」
強化された脚力で地面を踏み込み、一気に加速。
直線的ではなく、ジグザクに動いて狙いをつけさせないようにしながら、巨体の側面に回り込む。
側面へと回り込んだというのに、僕の身長二個分ぐらいはありそうな巨体をよじり、その動作のままハンマーが横なぎに振るわれて対応しようとしてくる。
厄介だな、普通のオーガならば対応できないはずなんだけどね。
その場でスライディングする形になり、寸前でハンマーを回避。
僕の頭上ギリギリを鉄の塊と言っても良いハンマーが通過し、風を切り裂く嫌な音が響いてゆく。
僕の事を確保すると言った割には殺意のある攻撃を叩き込んでくるあたり、生殖機能さえ生きていたらそれでいいのかな?
やっぱこいつらと仲良くすることはできなさそうだね。
「ちびの癖に早い!」
「あいにく、取り柄が素早いことと、諦めが悪い事ぐらいしかなくてね!」
スライディングしながら相手の股下を通る、通りつつ相手のくるぶしにレイピアを思いっきり突き立ててゆく。
筋肉と骨を砕く音が響く。
その瞬間、彼女の口からはこの世のものとは思えないほどの悲鳴が響いてゆき、その場に膝をついてゆくが、休む暇は与えない。
レイピアのグリップから手を放し、地面を手で叩いて飛び上がり、その手に先端が螺旋状になっている鉄針を握りしめる。
「これでおしまい、だよ」
その鉄針を、ジャンプしたおかげで何とか届くようになった眉間へと突き立ててゆく。
相手の人間よりも強靭な骨によって阻まれたせいで骨に届くことはなく、皮膚にわずかに突き刺さるだけだけ。
でも、それで十分。
集中し、その鉄針を【
骨を穿ちながら回転し、突き進んでゆくソレは相手の脳をぶち抜く。
薄汚れた地面に彼女の脳漿が飛び散って赤黒く染め上げた。
「ああ、言い忘れてた」
「僕の名前はアーク・ベアルン。【螺旋】のギフテッドだよ」
「て、聞いてないか」
地面へと崩れ落ちてゆくオーガを横目に見つつ、彼女のくるぶしに突き刺さっていたレイピアを引き抜く。
そして、心臓のあたりにレイピアを突き立ててゆきながら相手が死んでいるか確認してゆく、死亡確認は大切だね。
うん、死んでいる。よし。
指揮官が倒れたことによって、統制が崩れたゴブリンたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ去ろうとしてゆく。
けども、隊列が崩れて潰走し始めた所を頼りになる狙撃手によって一匹、また一匹と射殺されていく。
開けた場所に陣地を作ったのは、敵部隊を補足しやすくするためだったかもしれないけど。
それが命取りになったね。
残ったゴブリンたちは500歩ほど離れた場所に存在する森へと逃げ去ろうとしてゆく。
まぁあの様子だと一匹も逃げることはできなさそうだね。
ヒィロが放ったのだろう火の弾丸も敵の背中に飛んでいってるし。
「片付いたようだな、アーク!」
「こちらも無傷だ、君も無傷なようでよかった!」
「ああ、メイさん、貴女も無事でしたか、よかった」
「……それじゃあ、無事とは到底思えないだろうけど、要救助者を助けましょうか」
陣の奥に作られた掘っ建て小屋の扉を、罠が無いことを確認した後に開く。
中へと入ってみると思わず鼻を押さえたくなる異臭。
そして淫臭、控えめに言ってこの世の終わりみたいな臭いだ。
小屋の隅には虚ろな目で虚空を見上げている要救助者たち。
体中には傷跡や鞭跡が刻み込まれている。
充満した臭いから彼らに行われた行為がどのようなものだったのか想像するのは容易い。
それでも生殖本能だけは確かなことが確認できるあたり、まぁろくでもないことをされたのは分かるね。
「あー、うむ、アーク」
「正気を保っている要救助者はいないようだな、恐らくはたちの悪い薬でも使われたのだろう」
「……ま、お決まりの展開と言えばそうですね」
「『処理』せずにつれて帰る、なら」
「彼らに服を着せたりするのは、君がやってくれ、女性であるあたしがやるのは少し不味いだろうからな」
その発言を聞いて、改めてこの世界が男女比が1:20の世界であるという事を意識することになった。
昔は今ほどの差ではなかったらしい。
長年の戦争によって男性を狙う魔族たちによって連れ去られて今では1:20という恐ろしいことになってしまったそうだ。
と言っても元々の比率が1:12や1:15だったらしいのでやっぱり男性が少ないのは変わりはないらしいのだけど。
先ほど落としたバックパックの中から、攫われた男性の人数分の衣服とタオルを取り出し、彼らの汚れを綺麗に拭った後に服を着せてゆく。
ここに閉じ込められていた男性の数はおよそ三人。
彼らが帰りを自分たちの帰りを待っている人たちのことを認識するのは少し難しそうだ。
「ありがとうございます……どんな形であれ、愛する夫たちが戻ってきてくれたのは、皆さんのお陰です」
村長さんからお礼の言葉を貰う。 彼女の目じりは、涙が浮かんでいた。
当たり前だ、自分が愛していた人が汚されて、蹂躙されて、そして心が破壊されて戻ってきたのだから。
それでも彼女は気丈に溢れそうになる涙を押さえながら、お礼の言葉を述べていた。
「……お力になれたのならば、何よりです」
「また、魔王軍崩れが現れたら呼んでください」
そう言って、僕たちは村長の家を後にしてゆく。
後ろからは、彼女の慟哭が聞こえたような気がするが、僕は決して後ろを振り返ることはなかった。
この世界では、日常的に起こってることなのだから、一々気にしてられない。
のだけど、どうしても僕は後ろから響いてくる嗚咽の声を聞いてゆくと、胸がズキリと痛んでしまった。
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