転生先は貞操観念逆転世界の陵辱系エロゲー世界ってマジですか? 作:葱ラーメン大盛A定食セット(旧竜騎兵)
続きは不定期更新です。
「で、君の報告書は見させてもらったよ、まぁ、なんだ」
「またか?ゴブリンに拉致されて使い物にならなくなった奴はその場で殺処分を推奨してるんだ」
「その理由は君も知ってるはずだろう」
「心が死に、廃人同然となったものを小さな村が養うとなるとかなりの経済的な負担となる」
「どうして生かしておいたんだ?」
提出した報告書を机の上に放り投げながら、ギルドマスターは言いにくそうにしつつ頬を指でかいていた。
いやまぁ言いたいことは分かるんですけどね、ギルマス。
前世は一般的なサラリーマンだった僕にはいくら何でも拉致&強姦のコンボを食らった上に更に薬漬けにされた人を始末するだけの度胸は無かったんすよ……。
魔族がこの世界に侵攻してきて数百年。
その間ずっと戦いを繰り広げている連邦帝国においては廃人となった男性は、経済的な余裕がない村では殺処分の対象となることが多い。
特に、先の魔王軍との戦いの爪跡は各地に残ってる現状ならば、猶更だ。
この世界では悲しいかな、子をなすことが男性において一番大切な役割となっている。
まさしくこの世界に存在する人類存続のための
「いや、まぁ、ほら、その、生殖することは可能でしたので……」
しどろもどろになりながら何とか抗弁しようとする、自分でも分かる。
これはかなり苦しい、劣勢なのは否めない、と!
「薬によって無理やり勃起させてる状態だろう、薬が切れたらどうするんだ?」
「まぁ、良い、次は情に流されずに処分するように」
「……これで今月に入って注意するのは三度目だぞ?」
「君が青竜級だから特に処分は与えないが、青竜級らしいふるまいをしてくれ」
疲れたようにギルドマスターがこめかみを押さえてぐりぐりしている。
ギルマスにはかなり負担をかけてしまっていて申し訳ないとは思います、はい。
でもどうしても、あの悲惨な光景を見てしまうと、その場で処分するのは躊躇しちゃうんですよね……。
……躊躇なく殺せるようになった方がこの世界では生きやすいのかもしれないけど。
「……善処します」
無理やり、言葉を絞り出してゆきながらササっと一礼して退室しようとする。
そんな僕に、ギルドマスターであるサルスーネ緑竜級が鋭い視線を向けてきて。
「ギフテッドでなければ、始末書、あるいは降格であることは忘れるなよ」
「腕も立つし、信用もしているんだ、が」
「余計な情を持ちすぎだ」
こわっ、目力だけで人を殺せる力があるんじゃないのか?
素手で下級魔族を殴り殺したという眉唾な逸話もこの人ならば本気であり得そうな気がするなぁ……。
ちょっと震えた手でドアノブを掴んで、失礼しましたと言って部屋から退出する。
多分、きっとその声は震えていたに違いない、うん。
あの人は、絶対に喧嘩しないようにしよう、命が惜しい。
「はぁ……」
溜息一つ吐きながら、僕はギルド二階の自室へと向かいながら、窓の外をちらりと眺めてみる。
もうすっかり夜だ、ギルド内はランタンの灯りでまだ明るいけど、外はすっかり暗くなっていた。
空に浮かぶ三つ等間隔に並んだ月を見るとこの世界が前世とは違うということを改めて実感する。
前世の家族はどう過ごしてるのか、残してきた仕事は誰がやってくれたのか、そんなことを少し考えてしまう。
センチメンタルに浸っていると、くぅ、と小さくお腹の虫が鳴いてしまった。
この時刻だと、もうすでにギルドのコックさんは帰ってしまっているだろう。
今日の夕食は、保存食であるカッチカッチの乾パンをかじることになりそうだ。
「はぁ…………」
思わずもう一度溜息を一つ。
自室で食べると、汚れちゃうかもしれないので一度食堂に降りる必要があるんだよね。
だったら、どうせならば温かい食事を食べたくなるのが、人情という訳で。
暖かい食事を食べそこなってしまったと考えると、どうしても気持ちが沈んでしまう。
ここのギルドのコックさんの腕がいいだけに、余計に。
気を取り直して、自室の方へと視線を向けてみると扉の前に誰かが立っているのを確認することができた。
薄暗いせいで誰かは分からないため、少し警戒しながら近づいてみると、取り越し苦労であるという事に気が付いた。
「なんだ、レヴィか」
「ん、こんばんは」
そこには、僕の頼りになるパーティーメンバーの一人であるレヴィ・ベルが立っていた。
……なぜか木で編んで作った虫かごと虫取り網を持って。
「もしかしてギルドに戻ってきた後、虫取りに言ってたのに?」
「うん、仕掛けを確認してた」
「狙っていたものを、捕まえてきた、見てみる?」
おもむろに虫かごを開こうとするレヴィを手で制し。
「いや、うん、結構だよ、ここで開けたら虫さんが脱走しちゃうかもしれないし」
「そう……」
いや、なんでそんなに悲しそうな顔するの?
もしかして、猫みたいに捕まえてきたものを自慢したかったの?
もしそうだとするなら僕は獲物を捕まえられないだらしないご主人様なのかな?
このままいけば近いうちに枕元にデカイGがお供えされることになりそうだね。
それにしても……くっ……レヴィの方が僕よりも三十cmは高いだろ、こちらを自然と見下ろす姿勢になりながら潤んだ瞳で見つめてくる。
まるで目の前のチュー〇が取り上げられた猫のようだ。
「……僕の部屋でなら、うん、開いていいよ」
「! ……うん」
ぱぁぁ、と表情をまるで向日葵が咲いたように輝かせてゆき、月明りが彼女の顔を照らしてゆく。
思わず、その姿に僕は見惚れてしまいそうになった。
美形ぞろいのこの世界の女性と言えども、エルフの女性はまるで名のある芸術家が自ら愛を込めて彫刻したかのように美しい。
たじろいでしまいそうになるほどの整った顔はまさにこれの事なのかもしれない。
まぁそんなエルフの女性も、戦場では滅茶苦茶頼もしい戦闘民族なんだけどね。
「はい、ボクのお部屋にようこそ」
「まぁ見るものなんて特にないだろうけどね」
部屋の中にはベッド、机、椅子、窓。
窓辺には観賞植物としておいているサボテンが植えられた陶器鉢。
後は衣装棚と本棚。
本当に個性がない部屋だ。
まぁ荷物が多すぎたらギフテッドの任務で色々な所に行くことになる関係上、引っ越しの時に邪魔になるからこれぐらいでいいんだけどね。
「ううん、私からすれば、ここは天国」
ぽふん、と猫のようにベッドの寝転がりながら、虫かごをそばに置いてこちらを見つめてくる。
こいつ本当に僕の部屋なのに自分の部屋のようにくつろぐな……。
「言い過ぎだよ君、僕なんて戦う事しか能のない独身男性さ」
「言い過ぎ、という訳ではない。 私からすれば、貴方が私の全てだから」
大げさな、と苦笑いしながら僕の部屋なのにベッドが占領されてるせいで、椅子に腰かけることにする。
しかし、彼女の境遇を考えてみたら、今の言葉は本音なのかもしれない。
元は魔族の所有物の戦奴だったのだから、そんな彼女を紆余曲折の末、拾ったのが僕だ。
魔族の手駒として戦闘術を叩き込まれて、それ以外の事を教えられていない彼女からすれば、確かに僕こそが全てなのだろう。
助け出した僕こそが、彼女にとっての新たな主であり、全てなのかもしれない。
「……君は一つ勘違いしているな、僕は君の新たな主となるために拾った訳じゃない」
「世界は広い、色々なことを学んで、自分の人生を取り戻して欲しいんだ」
「冒険者なんて何時死ぬか分からない仕事なんてしてほしくないんだがね、いや、本当に」
彼女は、困ったようにベッドの上で仰向けになり、豊満な乳房をベッドへと押し付けてむにゅん、と歪めてゆきながら、むぅ、と唸る。
それと同時に、ぴこぴこと笹耳が揺れ動く。
考え込んでいる時に、エルフ種族の特徴的な笹耳がぴこぴこ動く、という事に最近気が付いたことだ。
「私が、好きでやってること」
「貴方の傍に居れるだけで、それで十分」
「でも、貴方が私のモノになってくれるなら、二人きりでどこかへと暮らすのも悪くない」
「どう? 二人きりで、遠くへ逃げない? 時々、アークはとても苦しそうな顔している」
これがもし、転生前の魔法使いだったら揺らいでいたかもしれないけど、肉体年齢は兎も角として精神年齢はもう五十台だ。
使命がある、そして、先に死んでいった仲間たちの想いを背負っている。
ここで、楽になるわけにはいかない。
その選択肢を選んでしまったら、先に楽になった人たちに顔向けできない。
「世間知らずの幼児同然の君が、キザなこと言うんじゃないよ」
椅子から立ち上がり、レヴィの頬を突く。
いや柔らかいなこの肌、もち肌すげぇ。
この男性受けする美麗な見た目も、男性の割合が極端に少ないこの世界の女性が子孫を残すために進化した姿なのかもしれない。
そう考えると、どこまでも男性にとっては都合が……。
いや、全然よくないな、魔族に捕獲されたら良くて腰ヘコ猿、悪かったら廃人だし。
「むぅ……」
不服そうにレヴィは頬を膨らませる。
そういうところだぞ。
「まぁ、ほら、君がもうちょっと世界を見て回って」
「生き残って、それでも僕と二人きりで暮らしたいというのならば考えてあげないでもないよ、だから」
こほん、と一つ咳払い。
もしかしたら、彼女にとって呪いになるかもしれないけど、あえてこの言葉を送ろう。
先に楽になった仲間たちから僕も送られたこの言葉を。
「生き残りなよ」
「ん、もちろん生き残る」
「生き残って、アークを私の男にする」
随分と決意の固い幼子なことだ。
と思わず苦笑いしてしまった、いやまぁレヴィの実年齢は五十歳を超えてるらしいけど……。
エルフ種族は見た目年齢が成人してから変わらないからね、でもまぁどんなに美麗でボンキュッボンな素晴らしいプロポーションだとしても。
彼女は幼女だ、主に精神面が。
「ところで、僕に見せたいものって何なのかな?」
あまりにもまっすぐに、僕の事を見つめてくるので、思わず先に目を逸らしてしまって、彼女が持ってきた虫かごの方へと視線を向ける。
「ん、これが、見せたかったもの」
虫かごを開いてゆくと、淡い光を放つ虫が何匹か飛び上がり、月明りだけが光源のこの部屋を彩ってゆく。
確か、あの虫の名前はこの地方に生息してるヨロイホタルだったかな?
その名の通り、外骨格が硬く、ハンマーで殴りつけても傷一つつかないと聞いたことがある。
鉄が普及する前は捕獲したヨロイホタルの外骨格を武器に加工してたって昔の仲間が言っていたような気がするね。
そんなことを考えながら、淡い光を放ちながら宙を飛び回るヨロイホタルの光に、僕の視線は釘付けになってしまった。
何時も見慣れている僕の殺風景な部屋だというのに、ヨロイホタルと月明りによって演出されて……。
「とっても、綺麗」
「見せたかったのは、ん、喜んでもらえた?」
「毎日、仕事で疲れている、貴方を癒したかったの」
「……うん、ありがとう、レヴィ」
「疲れが癒されよ、ふふ♪」
気配りができる、良い子だ。
思わず頭を手で撫でてしまう、元の世界ならばセクハラ案件だけど、男女比が逆転してるこの世界ならば許されるはずだ。
頭を撫でられてゆくとレヴィは、んぅ、と気持ちよさそうな声を漏らしながら、もっともっと、と上目遣いでおねだりしてくる。
甘え上手な子だ。
「あ、でも、ちゃんと虫さんは返してくるんだよ? かわいそうだからね」
「分かった、後で川の近くに返してくる」
と、言いながら、彼女は撫でられつつ、ふむ、と小さく首をかしげて。
「ただ、ちょっと気になったことがある、森が普段よりも殺気立ってた気がする」
いやまぁ、虫を捕獲して捕食するような奴がいたら虫さんたちも殺気立つと思うよ、うん。
それを言葉に出すと彼女の機嫌を損ねてしまいそうなので言葉には出さないけどね。
「……まぁ、気にしなくていいよ。 野生動物でも迷い込んだんじゃないかな?」
「ならいいけど」
そんな会話をしていると、僕のお腹がくぅ、と鳴った。
「ん、お腹空いてる?」
「先に言っとくけど、虫さんは要らないからね?」
「食べられる虫も捕まえてきた」
「返して来なさいっ」
「僕は食堂で乾パン食べてるからね」
不服そうにむぅ、と唸りつつ、うねうねと蠢くなんかでかいミミズみたいなのが入った虫かごを取り出したレヴィはそれをしまってゆく。
聞き分けは良いんだけどねぇ。
「じゃあ、虫さんたちを返した後に、合流する」
「一緒にご飯、食べよ?」
本当に、この子は甘え上手だ、上目遣いでこちらを見上げながらおねだりしてくる彼女の要求を断ることは、僕にはできなかった。
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