転生先は貞操観念逆転世界の陵辱系エロゲー世界ってマジですか? 作:葱ラーメン大盛A定食セット(旧竜騎兵)
今日は月明かりが綺麗な日だ。
語彙力が豊かな人だったら、綺麗なこの月明りを何て表現するのかな。
レヴィ・ベルと名付けられた私はぼんやりと川辺に立ちながらヨロイホタルさんを放流しつつ、そんなことを思った。
あまり私は学がある方ではないという自覚はある。
小さい頃から空気魔法銃の扱い方と、人の殺し方しか教えて来られなかった私。
そんな私が月に対しての感想を考えるのは、良い変化なのだと思う。
きっと、この変化はアークに拾われてから起こり始めたこと。
そう考えると、アークの色に私が染められてる気がして、悪い気はしなかった。
海へと流れ落ちいてる川辺を歩きながら、街へと戻る。
この川の名前も彼に教えてもらったものだけど、確かロゼレム川だったかな?
川の名前だけじゃなくて、色々なことを教えてもらった、食器の持ち方に、読み書きも。
読み書きの方は、まだ勉強中だけど。
私が何かを学ぶたびに、同性としか思えない整った顔を綻ばせて褒めてくれる、だから彼のために頑張ろうと思えた。
腰まで伸びている艷やかな黒い髪に、きりっとした印象を受ける目尻が少し吊り上がった目。
目の色はルビーのように赤く輝いていて、いつも彼と目が合うたびに、思わずその目を覗き込んでしまう。
身長は私のほうが高いし、彼はまだ幼い少女ほどの身長しかないけど、私よりもずっと大人びている。
聞いた話によれば、魔族に呪われてしまって幼少期の見た目から変化することがなくなってしまったらしい。
それを悲観することなく、あるいは悲観しているもののこちらに見せることはなく仕事をこなす彼はちょっと尊敬していたりもする。
少しぐらいこちらに弱みを見せてくれてもいいのに、と思ったりもするけどね。
「……うん、次の仕事も頑張って、彼に褒めてもらおう」
むん、っと気合を入れて、私は彼が待つギルドに足を進めることにした。
その足取りは、傍から見たらきっとかなりの早足に見えたかもしれない。
ギルドに戻り、コックさんが帰ったせいか静かになった食堂へと足を踏み入れてみると、アークが誰かに絡まれている。
私はあまり表情の起伏は激しい方ではないけど、少しだけ眉間にシワが寄ってしまっているのに自分でも気が付く。
「なぁ~いいだろ~? お前本当は男なんだってな? 少しぐらいはチ〇〇見せろよ」
「誰から聞いたんだよその噂……。 僕にも恥じらいぐらいあるからそれはちょっと勘弁願いたいんだけどね」
どうやら質の悪い酔っ払い冒険者に絡まれているらしく、体を密着させられながら無茶な要求を聞かされていた。
むぅ、私だってアークの生〇〇ポ見たことないのに、不埒な冒険者め、許せない。
「ん……」
「なんだお前」
すっと、アークと不埒な冒険者の間に入り、睨みつけてゆく。
必要ならば実力行使も辞さない。
「ああ、お前確か、アークのパーティーメンバーの狙撃手だったな」
「そう。アークに変なことするのは、許さない」
「何が許さない、だ。文盲の癖しやがって」
「……実力なら、貴女よりも上」
「ふん、冒険者で上に上がるためにはな、実力もそうだが文字も読めて書ける必要があるんだよ」
「ついでに礼儀作法もしっかりしてないとダメだし試験も合格しないといけない」
「実力はある癖に黄色鷲止まりのお前の言う事なんて聞くつもりはないね」
「ふぅん、なるほど、じゃあ、貴女は銅鷲獅子以上に上がれないね」
「アークの方が貴女よりも位は上、彼への礼儀がなってないもん」
私の発言はどうやら彼女の逆鱗に触れたようで、顔を怒りで真っ赤にさせながら、ブロンドのポニーテールを振りながら腰に差しているサーベルの柄に手をかけてゆく。
そういう所が、上に上がれない要因だと思うけど。
こちらも、近接用の武器であるナイフを構えようとしたところで、アークは両手を上げながら私と相手の間に立った。
「……まぁ、ほら、二人とも落ち着いて、ね?」
「退けよ、アーク……いや、うん、アークさん。これは私とそいつの問題だから」
「売られた喧嘩は買うだけ、わからせてやる」
一触即発の雰囲気。
だというのに、臆さずに彼は後頭部を指でかきながら。
「アルフォンちゃん、君も確かに位が上の人に対して礼儀がなってなかったね、まぁ僕は気にしないし、そちらの事情も察するけどね」
「で、レヴィ、君も目上の人に対する礼儀がなってないよ、もうちょっと言葉を選ぶようにしないとね?」
……アークの指摘に、私は何も言えなくなってしまった、確かに目上の人に対する態度ではなかったのだから。
「それに、だよ、これはお互いに言えることだけど」
「ギルド内での刀傷沙汰はご法度だからね、今回の事は見なかったことにしてあげるけど、受付嬢さんがいる時にやらかしたら」
「降格、最悪は冒険者の位はく奪もあり得るから、気を付けてね?」
その言葉を聞いて、私と、相手はお互いに得物を下ろしてゆく。
冷静に考えてみると、もし、私が問題を起こした場合、責任を追及されるのはアーク。
私の浅はかな行動で、彼に余計な責任を負わせるところだったかもしれない。
そう考えると、申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになった。
「……悪かったな、酒を飲みすぎて悪酔いしちまってたみたいだ、少し、風に当たって酔いを醒ましてくる」
「……こちらこそ申し訳ない」
銅鷲獅子の先輩は、論されて気落ちしてることを隠しもしない様子で肩を落としながら外へと出て行った。
「……まぁ、酒を飲みたくなる気持ちは痛いぐらいわかるよ、彼女のパーティーは4人なんだけど」
私と、アーク、二人きりになったギルドの食堂で、彼は椅子に座りながらカッチカッチのパンを取り出して、私に対面に座るように促す。
促された通り、私は対面の椅子に座りながら、どこか遠い目をしながら、金づち代わりに使われることもあるパンを水が入ったコップに浸して頬張る。
どうやらハズレの硬パンだったらしく、彼はその整った顔をしかめて、咀嚼して飲み込んだ後に。
「今日、帰って来たのは彼女と、弓持ち、そして術師の三人だけ、彼女の幼馴染だった子は帰ってこれなかったんだ」
「だから、今日はギルドに帰ってからずーっとヤケ酒してたみたいだね」
この世界では、本当にありふれている出来事だった。
冒険に出て、運悪く命を落とす人はいくらでもいる。
たまたま、彼女の仲間が、そうだっただけ。
そう、言い切るのは容易だけど、当事者ともなれば、簡単に割り切れるものではないだろう。
「……そう、そんな事情があったんだ」
「そ、だから、まぁ、うん、彼女の態度は決して褒められたものではないけど」
「必要以上に責めるつもりはないかなぁ」
「……アークも、ヤケ酒したことがあるの?」
トンカチパンとも呼ばれることがある保存食を水に付けたまま、私の方を見つめる。
身長にかなり差があるせいで、私の無駄に大きな胸が邪魔して上手く目を合わせることができないのが難点。
こちらもちょっとだけ前かがみになりながら、アークと目線を合わせてゆく。
たぷん、と前かがみになった時に胸が揺れる音が響いたような気がした。
「……何度もしたことがあるよ、酔っぱらって沢山泣いた!」
「気絶するぐらいお酒を飲んで、目が覚めたらゴミ捨て場だったこともあったよ、うん」
想像してみると中々背徳的な光景かもしれない、ごくり。
「でも、〇〇ぽ見せてはやっぱだめな気がする」
「それはそう。でもまぁ、彼女の事だ、上手く切り替えて明日からも仕事をきっちりしてくれるんじゃないかな」
そう言って、水に浸して何とか食べられるようになったトンカチパンを頬張り、また顔をしかめてゆく。
「それにしてもこのパン酷い味だねぇ……」
アークは、酷い味だと言うかもしれない、でも、私はこの、酸味が強くて硬いだけのパンは。
彼と食べていると、とても美味しく感じた。
ふぅ、酔っ払いに絡まれるというちょっとしたアクシデントもあったけど、やっと愛しの我が部屋に戻ってこれたね。
レヴィと、二人で……。
「ん、アーク。文字の書き方を教えて欲しい、バカにされないように頑張りたい」
「いや、頑張るのは良いんだけど、今日は僕疲れてるから早めに休みたいんだけど、というか勝手に部屋に入ってこないで欲しいなっ」
本当に今日は色々あったから寝かせてほしいんだけどね。
ゴブリン退治もして、ゴブリン退治って話だったのにオーガがいて、倒した後も報告書とか作って。
ちなみに文字が書ける子がパーティー内にいない場合は、ギルドの係の人に口頭で起こった事を伝えて、報告書を代わりに作って貰うことができるよ。 お金取られるけど。
「そう……じゃあ、明日の朝早くからだったら、勉強に付き合ってくれる?」
「あー、うん、明日はパーティーの休息日だし、予定はあるにはあるけど昼からだから朝のうちは、構わないよ」
明日の昼はメイさんから演劇鑑賞のお誘いを受けている、ちょくちょくこうやって、僕の事を色々な所に連れて行ってくれるんだよね。
「じゃあ、貴方が安眠できるように、私、頑張る」
ふんす、と気合を入れた様子で、僕の事を抱きしめて。
僕の両頬に柔らかい、まるで現世で食べたマシュマロのような感触がする。
むにゅん、とほどほどの弾力と、柔らかさを両立した極上の乳房によって頬を包み込まれたまま、そのままごろん、と僕を抱きかかえたままレヴィは寝転がり。
「いいこ、いいこ」
頭を優しく撫でてゆく。
……もしかして、疲れた僕を癒すためにお母さんの真似をしてくれてるのかな?
相変わらず、ちょっとどこかずれてる子ではあるけど、彼女の好意はシンプルに嬉しかった。
でも、こうやって抱き着かれながら良い子良い子されるのは大変まずい気がする!
無いようには努力するけど、もし僕の愚息が元気になってしまったら、色々と気まずすぎる……!
「あの……レヴィ?これ、とっても恥ずかしいし、その、色々と、大変、なんだけどっ」
いいこ、いいこ、と言いながら僕の頭を撫でてくる彼女は、僕の発言を聞いて手を止めつつ、こてん、と首を小さくかしげてゆく。
一々動作は可愛いし顔もいいんだけど、離してくれないと、パーティーメンバーに欲情した変態となりかねない、そうなったら明日からどんな顔をして彼女たちと接すればいいんだ。
「……ここだと、私と、アークしかいない。二人きり」
「だから、思う存分甘えていい。私の事、ママと呼んで?」
ママ~。
とでも言うと思ったか、ええい、離せっ。
やばい、力を込めてもビクともしない、そもそもシンプルに体格差があって逃れることができない……!
「僕の方が位は上だよ!?礼儀作法はどうしたのさっ」
「今は完全フリーな時間。ぶれーこー?」
それは下の人が言うんじゃなくて上の人が言うセリフだと思うけどっ。
「……ママって呼んで?」
じたばたともがこうとしている僕を放さないようにぎゅっ、と抱きしめてゆきながら目じりに涙をためてゆきながら、エメラルド色の瞳がこちらを覗き込んでくる。
くっ……そんな風に言われたら、まるで僕が悪いみたいじゃないか……!
「……ま、ママ……?」
「ん……いい子、いい子」
まずい、ママと呼ぶのは間違いだったかもしれない、母性でも刺激されたのかぎゅーっ、と更に強く僕の事を抱きしめてゆきながら柔乳をより強く密着させてくるっ。
柔らかい、いや本当に柔らかい、僕の愚息が暴発するか不安になるぐらい柔らかい。
「……そっ、そろそろ離してほしいんだけどっ……」
「ママの事、嫌いになったの?」
もしかしてこいつ酔っぱらってるのか?いや、素面だ。
素面で完全に、母親になり切ってる!
もしかして僕がママと呼んだことによって変なスイッチでも入ったのかもしれない、これは多分、僕が寝るまで開放してくれないだろう。
悪戦苦闘しつつ、何とか逃れようとするものの逃れないことに気が付いた。……こういう時は素数を数えて落ち着こう。
「……すぅ……すぅ……」
「お前が先に寝るのか……本当に大きな幼女だよ、まったく……」
心の中で無心で素数を数えていると、ママと名乗り僕を抱きしめて寝転がっていたレヴィの方が先に寝息をたてはじめた。
寝ているうちに、何とかママ(自称)から逃れるために体を動かすが、がっちりと僕の事をホールドしてるせいで、逃れることは難しかった。
結局、僕は朝が来るまで、ママ(自称)に抱きしめられてゆきながら、胸の感触を意識しないように頭の中で素数を数え続ける羽目になってしまったのだった。
誤字脱字報告お待ちしおります。
※誤字報告ありがとうございます、修正しました